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クライシスマネジメントとは? 企業の危機管理について解説

公開日:2021/05/28
更新日:2021/08/30
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クライシスマネジメントとは? 企業の危機管理について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

クライシスマネジメントという言葉は、「アメリカ同時多発テロ」や「東日本大震災」を機によく聞かれるようになりました。当記事ではクライシスマネジメントに焦点を当て企業の危機管理について解説していきます。

 

企業の危機管理とは

地震や火山の噴火などの大規模な自然災害、あるいはテロや戦争などの武力行使といった重大な危機は、いつ起こるとも限りません。また自然災害や戦争だけでなく不祥事によるネットでの炎上など、事業活動を脅かす危機はいたるところに存在します。そうした危機が発生すると、企業活動は停止され最悪の場合、事業が継続できない状況に陥るかもしれません。予期せぬ事態が起きたとき、速やかに企業活動を復旧させ通常営業に戻すためには、危機管理の概念をもとに対策を練っておく必要があります。平常時から起こりうるリスクを想定、分析し対策を練る。そして有事の際にどのように行動するのかを決めておく。これが企業の危機管理といえます。

 

リスクマネジメントとクライシスマネジメントとの違い

クライシスマネジメントとよく混同される言葉に、リスクマネジメントがあります。危機管理という言葉において同義に捉えられがちですが、両者には明確な違いがあります。平常時に機能するのがリスクマネジメントであり、実際に危機が発生した場合に機能するのがクライシスマネジメントです。両者は「予防」と「対処」の関係といえます。

リスクマネジメントとは

リスクマネジメントとは、平常時に危機が発生しないように管理していくことをいいます。まず起こりうるリスクを洗い出します。そしてそのリスクをどのようにしたら最小化できるか考え、対策を練ることがリスクマネジメントです。

クライシスマネジメントとは

クライシスマネジメントとは、事業の継続を脅かすような事態が発生したときに、もたらされる影響を最小限に食い止め、危機的な状況から正常な状態に早く復旧するための管理活動といえます。有事の際に取るべき対策や人員体制をあらかじめ決めておき、混乱を防ぎ冷静に対処することを目的としています。

 

クライシスマネジメントが注目されるようになった背景

クライシスマネジメントが注目されるようになったきっかけは、アメリカで起きた同時多発テロです。想定できない危機が思わぬ形で顕在化した衝撃的な事件でした。日本においては東日本大震災を機に注目されるようになりました。未曾有の大災害と同時に原発事故も合わせて発生するという、重大な危機でした。このようなことから防止策を講じるだけでなく実際に最悪の事態が起こってしまったとき、組織としてどう対応するかという点に注目が集まるようになりました。

クライシスは多岐にわたる

企業活動の継続を不可能にするようなクライシス(危機)は多岐に渡ります。地震などの自然災害を始めテロや戦争もいつ発生するか分かりません。あるいは世界的な金融危機もそうです。異物混入事故や個人情報の漏えいなど企業側の不手際が原因となる危機もあります。そうしたことがネットにおける炎上を招き企業活動を脅かします。また疫病も重大な危機です。現在の、新型コロナウイルスが感染拡大している状況は企業にとって、クライシスの真っ只中であるといえます。

 

クライシスマネジメントの目的

次に、クライシスマネジメントの目的について見ていきます。不測の事態が発生したときに事業活動をいかに止めないか、被害を最小限に食い止め、いち早く通常営業を復旧させるかが、クライシスマネジメントの目的です。以下の3点について具体的に解説していきます。

人命・安全の確保

大規模な自然災害が発生すると、社員は混乱し企業としての統制がとれなくなります。従業員の生命や安全が脅かされたときを想定し、生命と安全を確保するための対策を決めておく必要があります。やるべきことは安否確認をはじめ水や食料、ライフラインの確保など多岐にわたります。また事業を再開する際、社屋が被害を受け従業員の安全が確保できない事態も想定されます。そうした場合に代替となる場所の確保など、どういった対応をするのかあらかじめ、決めておけば速やかに事業を復旧できます。

早期回復を図る

クライシスマネジメントは危機が発生した際に事業活動を止めないこと、万が一止まったとしても早期に回復させることが最大の目的です。迅速かつ的確な初期対応で被害の拡散を最小限に抑えることができます。そのためにはさまざまな危機を想定し、それぞれどのように対処するのか明確にしておく必要があります。

二次災害の防止

二次災害を防止することも重要な目的のひとつです。例えば、個人情報の流出など企業側の過失が原因でイメージダウンにつながる事態が発生したとします。消費者へ向け、速やかに情報を開示し、謝罪と説明といった初期対応を行うことで被害を最小限に食い止められます。しかし初期対応を誤り、隠蔽などを行うとさらなるイメージダウンにつながる二次災害へと発展します。初期対応を適切に行い、二次災害を発生させたり災害拡大に発展させたりしないこともクライシスマネジメントの大きな目的であるといえます。

 

クライシスマネジメントの手法

次にクライシスマネジメントの手法について見ていきます。CMP「クライシスマネジメントプラン」とBCP「事業継続計画」の2種類が知られています。それぞれ違いを解説していきます。

CMP「クライシスマネジメントプラン」

CMPとは実際に危機が発生した際に、被害を最小限に抑えるために事態の発生直後から混乱収束までの比較的長い時間軸で考える行動計画のことを指します。対策本部の設置から本部長の選任あるいは代行順位の決定、情報収集の担当者の人選など大まかにシンプルな大方針だけを決めておくといったものです。特定の事象だけでなくあらゆる危機に対応すべく大まかな対応を計画しておくことをいいます。

BCP「事業継続計画」

BCPとは、特定の事象を想定し目標時間内に事業を復旧させる行動計画のことを指す被災シナリオといえます。例えば地震で本社社屋が使用不可になった場合、人員をどこに移動させ業務を再開させるかといった、比較的狭い範囲での計画のことです。BCPとCMPは事態が発生した際の対応策という点では同じですがカバーする範囲がCMPのほうがより広範囲にわたります。

 

クライシスマネジメントでは体制づくりが重要

企業にとってのクライシスに対応するには、役割分担を明確にした体制づくりが重要となります。混乱を最小限にし、速やかに事態を収拾するには盤石の体制で臨む必要があります。

対策本部を組織化する

事前に危機管理委員会を組織するなど、有事の際の対策本部を組織化しておくことが重要です。対策本部長の人選から代行者の選任、あるいは安否確認等、情報収集担当者をあらかじめ決めておくなどで初期対応がスムーズに進みます。また対策の優先順位を規程に定めておくといったことも必要になります。

専任の担当者を決めておく

発生するクライシスに応じ専任の担当者を決めておくことも有効な手段となります。例えばネットでの炎上などの場合、事態が発生してから初期対応が早ければ早いほど受けるダメージも最小限に抑えられます。そのためには担当者を明確にしておくことが有効です。菓子メーカーにおいて異物混入事故が発生しTwitterで炎上したが、その3時間後、専門家の意見をふまえた公式の見解を発表し事態を収束に導いた事例もあります。

 

危機管理教育とは

企業における危機管理教育は、リスクマネジメント、クライシスマネジメント両方の側面を包括して実施する必要があります。危機を想定し最小限に食い止める方法を練ることに加え、実際に起こるであろう危機への対応まで教育しなくてはなりません。そして危機管理教育は、対象者に応じさまざまなカリキュラムを設定するのが望ましいといえます。

管理職へ向けた教育

危機管理教育はそれぞれの立場に応じたカリキュラムで実施する必要があります。管理職に対してはBCPやCMP策定から、実行を想定したケーススタディの実施が効果的です。不測の事態が発生した際に慌てずに済むような、シミュレーション的な内容が良いでしょう。

一般社員へ向けた教育

一般社員向けた教育は、危機を発生させないことに主眼を置いてカリキュラムを作成すると良いでしょう。個人情報の取り扱いや製造業における異物混入の防止対策などが挙げられます。自分の不手際が不祥事の原因になることを十分に認識させ、決められたルールや手順を守ることを徹底させます。

危機管理担当者の育成

危機管理担当者を選任しておくことも重要です。自然災害から不祥事まであらゆる事態を想定し、日常から訓練することで有事の際の初期対応をスムーズに行えます。中小企業においては担当者を選任するに至っていない場合も多いため、危機管理担当者の育成はそういった企業にとっての今後の重要課題でもあります。

SNSに対する危機管理教育

小売や飲食といったサービス業においてSNSに対する危機管理教育は、昨今重要性を増しています。店舗で使用する食材や設備を使った悪ふざけの写真をSNSにアップし、企業イメージを損ねる事例が多発しているため、社員だけではなく店舗におけるアルバイトまで含めた教育をする必要があります。ネットにアップロードされると永久に拡散し続けることを認識させましょう。また、こうした事例を発生させた場合はアルバイト本人にも責任が及ぶことを十分に教育する必要があります。

 

まとめ

変化が激しく不安定な現代ビジネスにおいて、危機管理はもっとも重要な経営課題といえます。予防としてのリスクマネジメントから有事の際のクライシスマネジメントまで一貫した管理の必要があります。従業員がそれぞれの立場で意識を高め、一丸となって取り組むことが望ましいといえます。意識を高めるための教育や研修を検討してみてはいかがでしょうか。

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