公開日:2022/01/18
更新日:2024/06/26

会計研修とは?研修の主な内容や手順から実施のメリットについて解説

会計研修とは?研修の主な内容や手順から実施のメリットについて解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

会計研修とは、企業会計に関する知識を身に付けるための教育プログラムです。本記事では、会計研修を実施するメリットや身に付く内容を解説します。会計研修を実施するまでの具体的なステップも紹介しているため、人事担当の方はぜひ参考にしてください。

 

01会計研修とは

会計研修は、財務三表や収益構造といった企業会計の基礎知識を学ぶ研修です。会計研修について詳しく解説する前に、まずはここで企業会計の一般的な業務内容を確認しておきましょう。また、会計業務と混同されやすい「経理」「財務」との違いもみていきます。

会計の業務内容

企業の活動においては、利益や経費、売上や給与など、さまざまなお金の収支が発生します。こういったお金の収支を帳簿に記録することが、会計の主な業務内容です。 企業会計には、「管理会計」「財務会計」の2種類があります。管理会計は利益や売上などを社内で管理する会計業務です。反対に財務会計とは、決算などを社外に公表するための会計業務を言います。

経理・財務との違い

会計と似た業務に、経理と財務があります。経理は伝票の起票や入出金の管理、請求書の作成など、会計業務の一部に該当する業務を行います。財務の主な仕事は、経理や会計がまとめたデータを基に資金を調達することです。 これら3つの業務は、ひとつの部門が担当する企業が多く混同されやすいですが、業務内容はこのように異なります。

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【関連記事】財務研修とは?経理・会計研修との違いや実施方法を徹底解説

 

02会計研修の対象となる従業員

会計研修で学ぶ企業会計の知識は、会計業務だけではなく営業やマネジメント業務でも活用できるものです。そのため会計研修の対象は会計担当だけでなく、新入社員や営業部門、管理職など幅広い従業員が想定されます。ここでは会計研修の対象となる従業員の例についてみていきます。

新入社員

大学で経営や会計を学んできた人を除いて、多くの新入社員は企業会計の知識がゼロに近いものです。新入社員が今後企業の利益向上に貢献するためには、早い段階からコストや収益に関する知識を身に付ける必要があります。会計研修では、財務諸表の読み方や各項目の意味を学ぶことで、自社の財務状況や収益構造を理解するスキルを育成します。

会計担当

日々の業務で会計を担当する従業員が、会計研修の対象になることは言うまでもありません。会計担当は企業会計の基礎的知識を習得済みというケースがほとんどであるため、研修ではより実践的な内容を扱います。 例えば、業務のなかで不足していると感じるスキルを補う研修や、ケーススタディを用いた演習を行うと効果的です。

営業部門

営業部門が企業会計の知識を習得することで、取引先企業や競合他社の財務状況を把握できるようになります。その結果、相手のニーズに寄り添った提案や、ライバル企業の一歩上を行く提案が可能になるはずです。また、経営視点での営業活動ができるようになると、社内での評判が上がって昇進・昇格につながりえます。

管理職

管理職は経営トップが策定した経営目標の達成に向けて、具体的な戦略を練る必要があります。会計研修を通して財務分析のスキルを体得できれば、自社の強みや弱み、競合他社の特徴を把握しやすくなります。その結果、数字を基にした経営マネジメントが実現する可能性があるのです。

 

03会計研修の実施メリット

会計研修の実施によって、企業会計の知識が身に付くだけではなく、論理的な説明や経営者視点での思考が育まれます。会計研修の実施で、具体的にもたらされるメリットは次が挙げられます。

  • ・経営者視点での思考や行動が実現する
  • ・数字に基づいた論理的な説明ができるようになる
  • ・自社の決算公告への関心が高まる

ここでは上記の研修実施のメリットについて、具体的に解説していくので詳しくみていきましょう。

経営者視点での思考や行動が実現する

企業活動の最終的な目標は、経営目標を達成して利益を向上する点にあります。そのため、従業員一人ひとりが経営目標をよく理解したうえで、それに寄り添った行動を取ることが大切です。 会計研修では経営者の立場での問題解決を考える演習が多く、経営者視点に立った思考や行動が実現すると期待できます。

数字に基づいた論理的な説明ができるようになる

取引先との商談や社内会議においては、説得力のあるプレゼンが功を奏します。そのためには、財務状況や収益構造など数字に基づいた論理的な説明が重要です。会計研修で財務三表や財務分析の知識を体得すれば、日々の業務において数字を意識した論理的な説明ができるようになるはずです。

自社の決算公告への関心が高まる

企業会計の知識が身に付くと、自社が公表する決算や財務諸表の内容を理解できるようになります。その結果、自社の決算広告に対して従業員の関心が高まることを期待できます。また、決算公告を理解できれば、自社の財務状況を考慮した行動が取れるようになるはずです。

 

04会計研修で身に付く内容

会計研修では、一般的に財務諸表や収益構造についての基礎知識を学びます。また、ケーススタディを通して財務分析の手法や経営マネジメント法の習得も目指すことができます。ここでは、会見研修で身に付く内容を4点紹介します。

財務三表に関する知識

財務三表とは、作成が義務付けられている決算書のなかでも特に重要な、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」を3つの書類のことです。財務三表は、従業員や株主といった利害関係者に対して、自社の財務状況を公表するための書類といえます。 研修では財務三表の各項目や読み方を勉強して、自社の財務状況を正しく把握できるスキルを育成します。

<財務三表の知識についてSchooのおすすめ授業>

「ヒト・モノ・カネ」と言われるようにビジネスを行っていく上で「お金」は大事なリソースになります。

また、ビジネスにおけるお金の動きとしては、仕入れ代、販売利益、人件費、融資などさまざまな項目があるかと思います。そして、それらの会計を踏まえ、企業としての財務状況を示しているのが決算書です。

一方で、ビジネスパーソンとしては、会計・財務の数字を理解することで、自社の課題点や自らの業務の役割を意識し取り組むなど、仕事に対する視野が広がったりもします。

そこで、決算書をある程度、読み解ける知識を身につけるために、会計・財務の基本を公認会計士である宮澤佑輔先生から教えてもらいます。

「押さえておきたい会計・財務の基礎知識」

押さえておきたい会計・財務の基礎知識

  • 株式会社ペイミー CFO | 公認会計士

    大手監査法人、KPMG FAS(M&A・財務アドバイザリー会社)、事業会社(IPOプロジェクト、組織開発)に勤務し、現職。 note(@ymiyazawa)やtwitter(@shapescpa)にて会計財務や人・組織について発信している。

収益構造についての理解

収益構造は、事業における投資や収入の仕組みのことで、ビジネスの基本的な枠組みです。研修では財務諸表を基に収益構造の把握を行うグループワークを行います。研修後は自社の収益構造についての理解が深まって、収益アップに必要な行動を自ずと取れるようになります。

<収益構造についてのSchooおすすめ授業>

皆さんは、決算書から何が紐解けると思いますか。決算書と聞くと会計の知識や経営学など難しい印象をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、決算書は株式投資に活用できるだけではありません。その企業のビジネスモデルや投資事業など事業活動を知ることができます。多くの企業の動向を知ることでビジネストレンドを捉えることにつながります。

先生方と楽しくビジネスの動向を捉えるようになりましょう。

「ビジネストレンドがわかる決算書超解説」

ビジネストレンドがわかる決算書超解説

  • 公認会計士

    関西学院大学商学部を卒業後、大手監査法人にて会計監査業務に従事した後、大手アドバイザリーファームにて国内外の幅広いM&A案件における財務デュー・ディリジェンスをはじめとしたアドバイザリー業務に従事。 現在は、日本と東南アジアを拠点に活動する投資会社にて、ストラクチャリングや投資価値評価、投資先のハンズオン支援等を行なっている。 個人としても、YouTubeやnote、Twitterを通じて、決算書の読み方や上場企業の財務分析等に関する様々な情報発信を行っている。

財務分析の手法

より実践的なスキルの体得を目指して、研修ではケーススタディを用いた財務分析手法の学習を行う場合があります。決算書などのデータを分解して再構築し、経営上の強みや弱みを把握する財務分析を実践します。研修で培った財務分析の手法は、自社の財務状況を分析して適切な行動を取るのに役立つはずです。

<財務分析手法についてのSchooおすすめ授業>

本授業では ”会計” というレンズを通して、企業の価値や社会の動向といったマクロな視点を俯瞰するために必要な用語と考え方を学ぶ財務会計の中級者向け授業です。

なかなか聞きなれない会計用語や、会計的な思考法を学ぶだけではなく、自身が所属している企業の価値や、日本や世界の社会的な動きについて考えるきっかけにしていただけると幸いです。

「会計を通してみる企業価値と社会の動向」

会計を通してみる企業価値と社会の動向

  • 株式会社そろそろ代表取締役/一般社団法人図解総研代表理事

    1987年東京生まれ。株式会社そろそろ代表取締役社長。ビジュアルシンクタンク「図解総研」代表理事。 東京理科大学工学部建築学科卒。千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻修士課程修了。面白法人カヤックでディレクターを務め、Webサービスやアプリ開発の設計・構築に携わる。2014年、株式会社そろそろ創業。社会の課題をクリエイティブで解決するべくNPOやソーシャルビジネスの支援を行う中で、「どれだけ社会にいいことでも経済合理性がなければ活動が継続しづらいもどかしさ」を痛感し、グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻(MBA)に2年通学。ビジネスの構造のおもしろさに気づき、ビジネスモデルや会計の仕組みを図解し始める。 2018年、海外のスタートアップから大企業までのビジネスモデルを図解した『ビジネスモデル2.0図鑑』(KADOKAWA)が9万部のベストセラーとなり、「ビジネスモデル図解」で2019年度GOOD DESIGN AWARD受賞。2020年、「共通言語の発明」をコンセプトに「図解総研」を設立。大手企業・研究機関・行政との共同研究を通して、環境問題や政策、共創の図解に取り組む。共著に『ビジネスの仕組みがわかる 図解のつくりかた』(スマート新書)がある。

数字を基にした経営マネジメント方法

管理職向けの研修では、財務分析で得たデータと経営目標との連動について学びます。日々の経営活動における行動指針の策定方法や、行動評価のノウハウを理解し、実際の企業経営に役立てる狙いです。事例を用意して演習を行うことで、実践的なスキルの体得を目指します。

 

05会計研修実施の5ステップ

ここまでは会計研修のメリットや身に付く内容を紹介してきましたが、ここからは実際に研修を実施するまでの具体的なステップを解説します。会計研修は大きく5つのステップに分かれます。

  • 1.現時点での課題を洗い出す
  • 2.会計研修の目的を設定する
  • 3.研修対象となる従業員を決める
  • 4.研修方法など実施計画を策定する
  • 5.研修実施後は定期的に振り返りを行う

ここでは上記のステップにおいて気を付けるべき点をそれぞれ紹介しますので、研修計画の策定時に役立ててください。

1.現時点での課題を洗い出す

まずは、現時点での課題を洗い出すところからスタートです。人事担当だけではなく、経営層や営業部門、経理部門など幅広い立場の従業員が一堂に会して、意見を出し合う点がポイントです。 特に会計研修の対象となる従業員は多岐にわたるため、できるだけ多くの人で課題の洗い出しを行います。

2.会計研修の目的を設定する

研修は実施自体に目的があるのではなく、研修を通して何らかの目標を達成することが本質です。研修を通して、従業員のどのようなスキルを育成するのか、業務においてどのように活用するのかなど具体的なビジョンを設定してください。研修の目的が明らかになると、参加する従業員のモチベーションも高まります。

3.研修対象となる従業員を決める

研修の目的が明確になると、研修対象の従業員が自ずと見えてきます。部門や業務経験の年数など、なるべく詳しく条件を設定して、研修対象を明らかにしてください。 ここで注意が必要なのが、従業員のスキルを把握しておくことです。従業員の現在のスキルと乖離した研修では、既に習得している知識のおさらいに留まったり、逆に全く理解できなかったりして、効果を十分に得られなくなります。

4.研修方法など実施計画を策定する

研修の目的や対象が決まったら、研修方法など具体的な実施計画を策定してください。研修の日数や形式、研修会場や講師といった項目が関係してきます。特に研修の形式については、参加する従業員の業務状況を考慮する必要があります。 経理や営業担当、管理職などは日常業務を抱えながら研修に参加するため、なるべく負担がかからないオンライン研修がおすすめです。オンライン研修であれば、企業会計を熟知した専門の講師による質の高い授業を受けられるうえに、自分の好きなタイミングと場所で受講できます。

5.研修実施後は定期的に振り返りを行う

研修を無事終えた後は、スキルの定着率向上のため、定期的に振り返りを行ってください。 研修内容に関する知識を問うテストを行うと、忘れてしまった部分を復習するきっかけが生まれます。 また、定期面談では研修で学んだ知識が業務で活用できているかを確認して、次の研修計画の策定時に役立てるのが効果的です。


 

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Schoo for Businessでは8,500本以上の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。


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受講形式 オンライン
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契約形態 年間契約のみ
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Schooの会計研修パッケージを詳しく紹介

研修時間目安:5時間(15分×1コマ,25分×2コマ,20分×2コマ,40分×4コマ,35分×1コマ)

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授業名 マネージャーがおさえておきたい会計用語
時間 1時間(15分×2コマ,20分×1コマ,25分×1コマ)
学べること ・全ビジネスパーソン必見の会計用語を知る
・意味を適切に理解しきれていない会計用語を解説
・マネージャーが会計において1歩リードできる会計用語の解説
授業名 管理会計入門
時間 2時間15分(40分×4コマ,20分×1コマ,25分×1コマ,35分×1コマ)
学べること ・損益分岐点
・限界利益
・収益改善
・ABC会計
・DCF
・BSC
・予算管理
 

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07まとめ

スキルアップのためには自己分析が欠かせないように、企業の利益向上には財務状況を記録し分析する企業会計が欠かせません。また、企業会計の知識や財務分析のスキルは、会計業務に従事する従業員だけではなく、すべての従業員に求められるものです。 会計研修を通して、財務諸表の基礎知識に加えて経営者視点での思考や行動が身に付きます。企業の経営目標達成に向けて、全社的に効果的な取り組みを行うために、会計研修を実施してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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