公開日:2022/03/11
更新日:2022/09/02

経営人材とは?スキルを身に着けるための育成・研修方法を解説

経営人材とは?スキルを身に着けるための育成・研修方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

自社の発展のため、経営人材の育成を課題に挙げている企業は多いのではないでしょうか。 本記事では経営人材の定義から育成方法まで解説します。

 

01経営人材とは

「経営人材」とは、その名のとおり「会社を経営していく人材」のことです。経営を行なっていく上で目的・目標を設定し、実行に移すための決定権のある人材を指します。 多くの場合、企業のトップである社長や専務、常務などのいわゆる経営陣も経営人材です。 また、「経営人材」と良く一緒に使われる言葉に「幹部人材」があります。 「幹部人材」は経営人材が決定した目標・行動指針に応える立場で、経営陣と一般社員の中間に位置し、実働部隊のリーダーとして働きます。 それぞれの定義をしっかりと押さえておきましょう。

 

02経営人材育成の重要性と必要な理由

経営人材は利益を求める企業に必要不可欠な存在であり、経営人材の成長が企業の成長に直結するといっても過言ではありません。企業は受け身にならず、主体的に優秀な人材の教育に取り組む必要があります。その理由を具体的に解説します。

企業の慢性的な人手不足

内閣府の資料によると、日本の総人口は2020年の1億2,806万人以降毎年減少しており、30年後の2050年に1億192万人、2055年にはとうとう1億人を割り9,744万人まで人口が減ると予測されています。一方で、総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は急増。 このような顕著な人口減少と高齢化は、企業の慢性的な人材不足を招きます。力のある優秀な人材の大手企業への流出傾向が強まると予測されています。

引用:「内閣府、高齢化の状況」

優秀な人材の流出

人口減少・高齢化だけが優秀な人材の流出要因ではありません。 一昔前までは新卒で入社した企業に定年まで勤める終身雇用が一般的でしたが、昨今は転職も珍しくありません。就活をする求職者が有利な売り手市場が続いているため、一度入社した会社でも「給料が少ない」、「人間関係で不満がある」などの理由でより条件の良い企業に転職を試みる人が増えています。 なかには長い時間をかけて教育した次世代を担って欲しい人材がライバルの同業他社に転職してしまうなんてことも。人事担当者としては悔やんでも悔やみきれないでしょう。 経営人材の育成にはキャリアデザインの創造も含まれます。企業と社員が一緒になって業務に対する姿勢を早い段階で確立させることが、将来の経営人材の育成と優秀な人材の流出防止に繋がります。

企業を取り巻く環境の急速な変化

少子高齢化や優秀な人材の流出など、企業を取り巻く環境は時代の流れと共に急速に変化しています。グローバル化、IT化もその一つです。より早く、確実に環境に順応できるか否かが企業の生き残りを左右します。特にグローバル人材の需要は高まっており、世界経済を牽引している海外向けの事業展開を検討している企業が増えています。 とはいえ、グローバル人材の採用はハードルが高いと感じている人事担当者は多いはず。だからこそ、社内での長期的な人材教育が必要と言えるでしょう。

 

03経営人材に求められる5つのスキル

経営人材を育成・採用するにあたり、求められるスキルを把握しておくことが肝要です。 把握することでミスのない本当の意味での「企業のための育成・採用」が可能となります。 一つずつ解説していきます。

創造力

企業の利益を生み出すに「創造力」は欠かせません。 創造力が欠落しているといつまでの既存の事業・考え方に囚われ、刻一刻と変化する世の中の情勢や従業員の価値観に取り残されてしまいます。 「常にアップデートを図れるか否か」が国内外の企業との競争に勝ち抜くためのポイントです。自社で新たに取り組めることはないか考えすぐに実行に移せるように、同業以外の世界の最先端を行く企業を参考にしてみるのも創造力を高めるための方法の一つです。

判断力

30年前まで世界を牽引していた日系企業はその影を潜め、今となってはGAFAをはじめとしたアメリカ、中国の企業が時価総額ランキングで上位を独占しています。 グローバル化・IT化が世界的に顕著に広まっている昨今において、日本の企業は既存の昔から引き継がれたビジョンを一貫してきました。日本の企業は海外の企業と比べて意思決定が遅いと言われており、「判断力」の差がそのまま海外の企業との差に繋がっています。

参照:「平成最後の時価総額ランキング。日本と世界その差を生んだ30年とは?」

「今の事業は将来性がなく、世界的に遅れているのではないか」と気づき、すぐに舵を切れる判断力が経営人材に求められています。企業の足を引っ張っている赤字部門の撤退を判断しなければならないこともあるでしょう。 周りの企業から遅れをとることなく、今の雇用を守るためにも「判断力」は必須のスキルです。

修正能力

特に複数の部門を持っている大手企業で散見されるのは「赤字部門の放置」です。 利益を生み出す主力部門にばかり意識が行き、負債をかかえている部門が野放しになって手がつけられていないケースが見受けられます。赤字部門の放置は企業にとってマイナスでしかありません。利益を生み出さないことはもちろん、該当部門の社員のモチベーションが上がらず、主力部門の社員への僻みから社員間トラブルが発生することも考えられます。 どのような企業にも存在する伸び悩んでいる部門を立て直すことも、経営人材の仕事です。 そのためには「修正能力」が欠かせません。人材の再配置や進め方・方針の見直しなど、どこに問題がありどうすれば改善できるのか考え実行することが「修正能力」です。 「創造力」と合わせて身につけておくことで、企業全体の発展に繋がります。

コミュニケーション能力

どれだけ「創造力」を活かして画期的なアイデアが生まれても「コミュニケーション能力」が不足していては、反って逆効果になりかねません。 自身の考えを相手を尊重しながら分かりやすく噛み砕いて相手に「届ける」こともコミュニケーションです。社員をやる気にさせるための言葉力・気遣いを意識しましょう。言葉やその一瞬の対応で、仕事の成果は格段に向上します。「コミュニケーション能力」は社員に方向を示す経営人材に必要なスキルと言えるでしょう。

英語力・グローバル能力

前述したとおり、グローバル化が国内外で顕著に進んでいます。 世界のトップを走るGAFAなどのIT企業は、当たり前のように海外への事業展開を行なっています。海外市場に自社を発展させるための土壌があると確信しているからです。そのための人材採用・社内研修にも力を入れています。 しかし、日本の企業のほとんどは国内市場にしか目を向けられていません。裏を返せば、いち早くグローバル化に注力することで周りの企業と差をつけられるということです。 「英語力・グローバル力」は、特にこれから海外進出を検討している企業の経営人材に是非とも身につけていただきたいスキルです。

 

04経営人材を育成するために企業が行うべき前準備

経営人材の育成が必要な理由と身につけておきたいスキルを解説してきましたが、ここからは具体的な手順をご紹介します。

自社に必要な経営人材の明確化

まずは自社に必要な経営人材の人物像を明確化しましょう。 闇雲に経営人材を育成すれば良いというものではありません。時間をかけて事業面・人材面の自社の強みと弱みを洗い出し、経営戦略を基に求める経営人材を明確化しましょう。 自社の内部環境分析、外部環境分析にはSWOT分析がおすすめです。 Strength(強み)、Weakness (弱み)、 Opportunity (機会)、Threat(脅威)の4つの面で分析が可能なので参考にしてみてください。

候補者を選定

経営人材が明確化できたら次は人選です。 適切な候補者が選定されないと本末転倒です。明確化した経営人材の人物像に合った人選を行いましょう。 選定の方法はさまざまですが、例えば各部門の上司・部門長から推薦を募ったり、過去の人事評価の優秀者リストから経営陣が人選するなどが効果的です。まずはどの選定方法であれば適正な人選ができるか検討するところから始めていきましょう。

育成計画・方法の検討

人選が完了したらいよいよ育成計画に取り掛かりましょう。選定した候補者をどのような方法で育成していくかの検討を行います。 社内で実施できる育成方法には下記が挙げられます。

  • ・OJT
  • ・階層別研修
  • ・内部・外部講師の研修会

「OJT」とは「On-the-Job Training」の略で、職場での実践を通じて業務知識を身につける育成手法です。主に新入社員向けに行われる育成手法ですが、会社全体の業務の把握が必要な経営人材には不可欠です。 「階層別研修」は、新卒社員・中堅社員・管理職などの階層別に研修を設けて実施する育成手法です。企業が社員に求める能力を適切なタイミングで身につけさせられるため非常に有効です。段階を踏んで確実な成長を狙えるため、未来の経営人材育成のために最適です。 「内部講師の研修会」は、社内で成果を上げているその道のプロから知識やメソッドを吸収できるため、自社のためのスキルを身につけられます。新入社員だけでなく、伸び悩んでいる中堅社員向けにおすすめです。 「外部講師の研修会」は、自社になかった新しい考えの発見が期待できます。視野を広げられるため、既存の概念に囚われがちな経営陣の受講をおすすめします。

 

05経営人材の育成事例

最後に、経営人材の育成を成功させた実際の事例をご紹介します。 自社に取り入れられる部分はないか参考にしてみてください。

三菱商事

三菱商事は「人材は最大の資産であり、競争力の源泉」と捉えており、4つの重点方針の実行により、経営力の高い人材を継続的に輩出してきました。 4つの重点方針は下記のとおりです。

  • ①社員の自律的成長と会社による成長支援
  • ②多様な経験を通じた人材の早期育成
  • ③実力主義・適材適所の徹底
  • ④経営人材の全社的活用・ふさわしい処遇の実現

これらの重点方針を基に、階層別の人材育成プログラムを確立し、社内教育を行なっています。グローバル社会に順応できる社員を育成することを目的とした「グローバル研修生制度」やDXの加速に向けた「デジタル人材育成」など、幅広い育成プログラムを実施しています。

引用:「三菱商事ホームページ、人材育成・活躍促進」

KDDI

KDDIはグローバル人材の育成に力を入れています。 語学学校への通学支援やTOEIC受験料補助といった「語学学習支援」をはじめ、1年をかけて専門領域の研究や人脈形成のために渡航する「専門留学」や海外拠点での営業活動、営業・技術支援などの実務経験を行う「海外トレーニー制度」を設けています。 さらに、複数の専門分野を経験できる「ジョブローテーション制度」やグループ会社の業務に関われる「副業制度」など、視野を広げるための制度も完備。 経営人材の育成に繋がる多種多様な制度を揃えています。

引用:「KDDIホームページ、人材育成・開発」


 

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06まとめ

経営人材の必要性とスキル取得のための方法について解説してきました。 急速に変化する現代社会において経営人材の育成は企業の発展に不可欠です。 本記事が自社の発展に頭を悩ませている企業担当者様の参考になれば幸いです。

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