公開日:2022/09/15
更新日:2022/11/10

ビジネスではなぜ雑談力が重要なのか?雑談力のメリットや高めるためのコツを解説

ビジネスではなぜ雑談力が重要なのか?雑談力のメリットや高めるためのコツを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

雑談力とは、言葉のとおり「雑談する能力」を意味します。本記事では、雑談力の定義や、ビジネスにおける雑談力の重要性について解説しています。また、雑談力を高めるための具体的なポイントについても紹介していますので、人材育成担当者はぜひ参考にしてください。

 

01雑談力とは?

雑談力とは、親しい親しくないに関わらず、会話するときに間を持たずに雑談ができる能力のことをいいます。雑談力を磨くことができれば、様々な人から好かれて、信頼されやすくなります。そのため、現代ではすべてのビジネスパーソンに欠かせないスキルの1つとして考えられているのです。

対話力との違い

「対話力」とは、会話を通じて合意を形成する能力です。対話の主な目的は、異なる立場や価値観を持つ他者と、互いに理解を深め合うことにあります。それに対し、雑談は相互理解を目的としないため、基本的には浅く広い話し方になります。他者と会話を通じて交流を深めるという点では同じですが、明確なゴールがあるかないかという点が雑談と対話で異なります。

コミュニケーション能力との違い

コミュニケーションとは、対人間での情報共有や意思の疎通のことであり、その手段は必ずしも会話に限定されません。また、コミュニケーション能力は、それらをスムーズに行えるスキルを意味します。一方雑談力は、あくまで雑談に絞った力のことなので、コミュニケーション力と比べるとより狭義であると言えます。

 

02雑談力を身に付けるメリットとは?

ここまで、雑談力の意味や対話力・コミュニケーション能力との違いについて見てきました。では、雑談力を身に付けることで、企業は具体的にどのような恩恵を受けられるのでしょうか。以下では、雑談力を身に付けるメリットについて紹介します。

  • 1.場を和ませて商談を有利にする
  • 2.職場の心理的安全性を高めることができる
  • 3.会議でより多くの意見が出るようになる

1.場を和ませて商談を有利にする

雑談は、取引先や顧客との信頼関係を築く際に効果的です。適切な雑談は、適度な距離感で相手との関係性を構築できるため、お互いの理解が深まり信頼度が上がります。実際に、優秀なビジネスパーソンの多くは商談の場において、雑談を駆使して相手の懐に入り込みつつ、上手に情報収集をし、商談を有利に進めています。

2.職場の心理的安全性を高めることができる

雑談は、社員の心理的安全性にも大きく影響します。例えば、雑談をすることで、周りの人と仕事以外のつながりができるため、話しやすい環境をつくることができます。そのような環境をつくることは、社員のモチベーションアップに大きく寄与し、会議での発言が出やすくなったり、結論に納得しやすくなる効果が出たりします。 加えて、社員総会や社内イベントなどを通じて、周知していた企業のビジョン浸透も、雑談を通じて社内に浸透していきやすくなります。結果としてエンゲージメントの高い働き方が実現するのです。

3.会議でより多くの意見が出るようになる

決まったメンバーのみが発信しがちな定例会議などの場においても、雑談を交えて進行することで、これまで以上に意見が出やすくなり、自然な形で本音の話がしやすくなります。特に、会議冒頭でアイスブレイクを行うことで、参加者が積極的に発言しやすくなります。また、雑談を行うことでお互いを知ったり、相手への関心を示したりできるため、風通しのよい職場にしていくことにつながります。

 

03雑談力を高めるためのポイントとは?

雑談力を強化するためには、「会話の結論を求めすぎないようにする」「雑談の相手に共感を示すようにする」「相手が興味を持ちそうな話題を用意しておく」などの工夫が欠かせません。以下では、雑談力を高めるためのポイントについて紹介します。

  • 1.会話の結論を求めすぎないようにする
  • 2.雑談の相手に共感を示すようにする
  • 3.相手が興味を持ちそうな話題を用意しておく
  • 4.初対面の相手にはクローズドクエスチョンを行う
  • 5.話が弾んできたらオープンクエスチョンを行う

1.会話の結論を求めすぎないようにする

とりとめのない会話である雑談には、明確な結論は必要ありません。反対に、結論づけをしようとする行為は、リラックスした雰囲気を壊してしまったり、相手が気軽に胸のうちを話しにくくさせてしまったりします。また、結論づけることは相手をジャッジすることにつながり、上から目線だという印象を与えるおそれもあります。話しにくい相手だと思われるだけでなく、雑談が続かない原因にもなってしまうのです。 雑談で求められているのは、結論を導き出す力よりも、肩の力を抜いて他愛のない会話をする心地のよさです。結論を急かさず、相手を不快な気持ちにさせないよう気をつけながら、雑談をすると良いでしょう。

2.雑談の相手に共感を示すようにする

雑談力を向上させるためには、相手の喜怒哀楽の感情に寄り添った話や、共感の得られる話を心掛けることも重要です。そのためには、普段から人の心情の変化やリアクションをよく観察し、共感や感情は大きめに表現するようにすることがおすすめです。 人は、自分に共感を示してくれる相手には、ついつい話が膨らみ、いろいろなことを話したくなるものです。相手に対する共感を上手く示せれば、相手の方から自然に発言が多くなり、会話の幅が広がるはずです。 また、自分の感情を大切にすることで、自身の経験が記憶にとどまり、会話の引き出しとして増やすことが可能になります。特に、雑談の中で使いやすい「嬉しかったこと」や「困った経験」などはしっかりと心に留めておくと良いといえます。

3.相手が興味を持ちそうな話題を用意しておく

雑談する相手の情報や話題の時事ネタ、ニュースなどの情報を収集することで、雑談の幅を広げられます。例えば、距離を縮めたい相手の趣味が判明したら、その趣味に対する最新の情報を収集するだけで、雑談の引き出しが一気に増えます。 また、相手の話題を自然に広げるためには、会話に登場した1つのキーワードから、連想ゲームのような形で話を広げていくのもおすすめです。最近では、SNSをしている人も増えているため、商談であれば事前に相手のSNSを調べて目を通すことも有益です。

4.初対面の相手にはクローズドクエスチョンを行う

クローズドクエスチョンとは、「Yes/No」という限定した形での回答を求める質問方法です。例えば、「昼食はもう食べましたか?」といったものです。初対面に近く、信頼関係が構築できていない相手とは、相手が答えやすいであろうクローズド・クエスチョンを設定するのがおすすめです。こうした質問を投げかけることで、会話の口火を切ることができます。

5.話が弾んできたらオープンクエスチョンを行う

オープン・クエスチョンとは、相手に自由に回答してもらう質問テクニックのことです。「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「どうして」「どうやって」といった切り口で質問することで、相手が自然に話せるよう誘導でき、会話の幅が広がりやすい点が特長です。 相手と気心の知れた関係を築けている場合は、抽象的なオープンクエスチョンから始めることで、会話を効率的に発展させられます。

 

04テレワークで雑談の場を設ける施策例

雑談は企業の生産性を上げる要因の1つです。そのため、企業はテレワーク中であっても社員が自由に雑談できる場を設け、仕事の相談がしやすい人間関係を構築する機会を与える必要があります。以下では、テレワークで雑談の場を設ける具体的な施策例を4つ紹介します。

  • 1.バーチャルオフィスツールを導入する
  • 2.雑談を自由にできるチャットルームを設ける
  • 3.業務中は音声をつなぎっぱなしにする
  • 4.ランダムで選ばれたメンバーで雑談を行う

1.バーチャルオフィスツールを導入する

Web上に仮想のオフィスを設けるバーチャルオフィスツールを導入すれば、音声通話やビデオ通話を、タイミングを気にすることなく自由に開始できます。バーチャルオフィスでは、業務時間内は常時接続をした状態になるため、必要なときにオフィスにいるような感覚で他のメンバーに声が掛けられます。

2.雑談を自由にできるチャットルームを設ける

普段使用しているチャットツールの中に、雑談を自由にできるチャットルームを設ける方法もあります。「好きな野球チームの話をするスレッド」や、「従業員のお誕生日会に関するスレッド」など雑談専用のルームをいくつか用意することで、業務外の連絡がしやすくなります。

3.業務中は音声をつなぎっぱなしにする

最近では、業務中は音声をつなぎっぱなしにする企業も増えています。音声のつなげっぱなしは、はじめの内は抵抗があるかもしれませんが、慣れてくれば、お互いが同じオフィスにいるような感覚で自然に話しかけることができる点が魅力です。ただし、作業音や生活音が気になってしまうという人も少なくないため、つなぎっぱなしにしたい人同士で実施することをおすすめします。

4.ランダムで選ばれたメンバーで雑談を行う

ランダムで選ばれたメンバーで雑談を実施する方法も有効な手法の1つです。部署や役職に関係なくランダムにメンバーを抽出することで、担当業務や立場を超えた縦・横・斜めのコミュニケーションを実現できます。 また、あえて普段の業務で関わることのない人同士で雑談を行うことで、日常生活の悩みや趣味の話など、プライベートな話題を話しやすくなるため、メンバー同士の距離が縮まります。コミュニケーションの活性化を図るうえで、まずは小さく始めたいという企業にぴったりな施策といえるでしょう。

 

05雑談力を向上させるSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級7,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級7,000本以上の講座数
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雑談力に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、雑談力に関する授業を紹介いたします。

「真・コミュニケーション能力」の教科書 -雑談力編-

「真・コミュニケーション能力の教科書」と題した連載授業では、これまでコミュニケーション能力と曖昧に表現されてきたスキルを細分化し、一つずつ学んでいきます。

 
  • 有限会社N&Sラーニング 代表取締役

    企業・官庁・自治体の社員、職員を対象としてディベート、プレゼンテーション、傾聴技法、メンタルタフネスなどのコミュニケーションスキルやメンタルヘルス各種研修講師を務めている。全国教室ディベート連盟。理事産業カウンセラー・論理療法士。 主な著書として『実践ディベート研修』(生産性出版)、『はじめてのディベート』(あさ出版)、『『議論力」が身につく技術』(あさ出版)などがある。

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『ストレス0の雑談』著者:井上智介さん

この本では、みなさんの「雑談が苦手」という悩みを解消するために、・そもそも雑談が苦手な人ってどんな人?・なんで心理的な壁を感じるの?・話題が出てこないときの対処法は?など、具体的な解決策をご紹介します!

 
  • メンタル産業医

    島根大学医学部を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急科・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び、 2 年間の臨床研修を修了。その後は、産業医・精神科医・健診医の3 つの役割を中心に活動している。 産業医として毎月約30 社を訪問。精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。 また、精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務。うつ病、発達障害などを中心に、精神科疾患全般に対応。 今後、予防医療がさらに発展する時代へとシフトすることを想定し、健診医として重大疾患の予防にも取り組む。 全ての人に「大ざっぱ(rough)」に、「笑って(laugh)」人生を楽しんでもらいたいという思いから「ラフドクター」と名乗り SNSや講演会などで、心をラクにするコツや働く人へのメッセージを積極的に発信中。 著書には『職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』・『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)がある。

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06まとめ

今回は、雑談力のメリットや雑談力を高めるためのコツについて解説しました。雑談を通して業務の改善案や、新たなアイデアが生まれることは少なくありません。実際に、仕事のできるビジネスパーソンは雑談を巧みに操って顧客との関係性を強固なものにしています。ぜひ、本記事を参考に雑談専用チャットルームの作成や、バーチャルオフィスの導入などを実施して、社内のカジュアルコミュニケーションを絶やさないよう心掛けてみてください。

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