1on1研修とは?目的・メリット・成功のポイントを人事向けに解説

- 01.1on1研修とは?なぜ、いま導入が進んでいる?
- 02.1on1研修を実施する目的
- 03.1on1研修の実施方法と選び方
- 04.1on1研修の内容例
- 05.1on1研修ならSchoo for Business
- 06.まとめ
011on1研修とは?なぜ、いま導入が進んでいる?
1on1研修とは、上司と部下の定期的な1on1ミーティングの効果を高めることを目的にした研修のことを指します。具体的には、1on1の意義と必要性、効果的な実施方法などを学びます。 また、1on1に関連する傾聴力やコーチングスキルなどのスキルも研修内容に含まれます。
そもそも1on1ミーティングとは?

1on1ミーティングとは、人材育成を目的として上司・部下の「1対1」で行われるミーティングのことです。 もともとGoogleやマイクロソフトといった米国のIT企業等で活用されており、日本においてもYahooが人材育成の手法として取り入れるなどをきっかけに活用が広がってきた経緯があります。
1on1ミーティングのポイントは、部下が主体であることです。例えば、Schoo授業『「1on1」に不可欠な心理的安全性と心理的柔軟性』に登壇する、プロラグビーコーチで人材育成プロデューサーの二ノ丸氏は「さまざまな表現がある」と前置きしたうえで、1on1ミーティングを 「個の力を引き出し、成長をサポートする場」と定義しています。
旧来の「面談」では部下が上司に報告する、上司が部下に何かを伝達するなど一方向のコミュニケーションが多かったのに対して、1on1は「部下の成長をサポートする」ことを軸に双方向かつ内容の自由度が高いのが特徴です。
▶︎参考リンク:1on1とは?問題点や効果的に実施するための7つのコツを紹介
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プロラグビーコーチ/人材育成プロデューサー
名門・啓光学園中学・高校、同志社大学でラグビーを経験。ニュージーランド留学を経て、トップリーガーとしてクボタスピアーズで活躍。2006年に現役引退後、株式会社クボタで法務部や広告宣伝部に従事。2012年に日本ラグビーフットボール協会リソースコーチとなり、U17/U18日本代表コーチを歴任。
2016年に「Work Life Brand」を設立し、人材育成・スポーツコーチング事業を展開。御所実業高校ラグビー部やカーリング、サッカーなど幅広い競技のチームをサポート。国内外で200回を超えるオンライン講義や、階層別研修・講演も実施。スポーツとビジネスの両分野で活動し、「自考動型人材」の育成を提唱している。
1on1研修の導入が進んでいる背景
1on1ミーティングは、部下の自律的な成長やエンゲージメント向上に有効な手段として、多くの企業で用いられるようになりました。 しかしその一方で、施策として実施することは決まったものの「何を話せば良いか分からない」「時間を取られるばかりで効果が感じられない」などの課題を感じる人も増えました。
これらの課題は、上司の対話スキル不足や、1on1の進行ノウハウ不足によって起きることがほとんどです。そのため1on1ミーティングの基本を理解し、傾聴力やコーチングスキルを習得し、質の高い1on1施策を実施する目的で、1on1研修の導入が加速しています。
021on1研修を実施する目的
1on1研修は、1on1に必要なスキルの獲得、ひいては組織力向上を目的に実施されます。 この章では、1on1研修を実施する目的について詳しく紹介します。
1on1に必要なスキルの獲得

Schoo授業『相手に寄り添った「1on1」をデザインするには』によると、1on1を意味のあるものにするためには、上司は場の心理的安全性を生み出し、かつ心理的な柔軟性を備える必要があります。 そして、その実現に不可欠なのが、ティーチングとコーチングのスキルです。
1on1は、部下の個の力を引き出して、成長をサポートする場です。その際に、「教える」に重きをおいたティーチングと、「引き出す」に重きをおいたコーチングをうまく使い分けていく必要があります。 ティーチングとコーチングの違いを理解し、状況に応じて臨機応変に使い分けることができなければ、1on1の効果を最大限発揮することは困難です。
また登壇講師の二ノ丸氏は、1on1は上司と部下の言葉のやりとりで成り立つため、質問力・傾聴力などのコミュニケーションスキルも欠かせないと指摘します。これらのスキルを駆使することで、心理的安全性が確保された質の高い対話を行うことができるようになります。
上司・部下間の信頼関係構築
1on1研修の目的には、上司と部下の信頼関係を構築することも挙げられます。研修を通じて、上司は傾聴力などのコミュニケーションスキルやコーチングスキルを習得します。 それらのスキルを用いて1on1を行うことで、部下は本音を話しやすくなり、職場の信頼関係が徐々に築かれていくのです。
上司と部下の信頼関係の構築は、マネジメントの基盤になります。つまり、1on1研修は効果的なマネジメントを行うための土台づくりにも寄与すると言えるのです。
早期離職防止・エンゲージメント向上
1on1研修の直接的な効果は「1on1実施スキルの向上」ですが、最終的にこれはエンゲージメント向上や早期離職防止にも寄与します。 従業員のエンゲージメント低下や早期離職の多くは、部下が抱える職場への不満や不安を上司が把握できないことや、そこに対するアプローチ不足、内容の食い違いによって発生します。
一方、1on1研修を通じて上司のコミュニケーションスキルが向上し、心理的安全性の高い環境でフラットに会話ができるようになると、部下はそれら不満・不安を溜め込むことなく、早いタイミングで相談が可能になるのです。 また、質の高い1on1は部下の成長支援にもつながります。成長実感はエンゲージメント向上につながり、その結果として離職率の低下に繋がります。
031on1研修の実施方法と選び方
主な1on1研修の実施方法として、社内講師による研修・外部講師による研修・1on1定着支援等の専門サービス利用、があります。 この章では、それぞれ方法に対して、メリット・注意点、どのような企業におすすめかを紹介します。
自社で実施する(社内研修)
1on1研修を自社で実施する最大のメリットは、コストを抑えられることです。研修にかかる費用は、人件費程度で済みます。 一方社内で1on1研修の講師を探す場合、単に「マネジメント経験がある人」に任せるのでは不十分な点に注意が必要です。
1on1の経験と実績があるか、研修講師として高いフィードバックスキルを保有しているか、ファシリテーションや研修設計の経験はあるか、人材育成に対する意欲はあるか、研修の準備や実施にかける工数があるのか、などが講師を見定める基準になります。 これらを考慮した上で適任の人材がいれば、自社で研修を実施すべきと言えるでしょう。
この方法がおすすめの企業
自社に1on1スキルが高い管理職・経営層がいる場合、1on1研修を自社で内製することを検討してみても良いでしょう。 社内の誰しもが「あの人はマネジメント能力が高い」と納得する人であれば、講師としての説得力も高くなります。
また、社内の人材であれば、自社の課題にも精通しています。そのため、研修内容を自社に最適な内容にすることができるという利点もあるでしょう。
外部研修・セミナーを利用する
1on1研修で外部研修・セミナーを利用するメリットは、経験豊富な講師による専門的な指導を受けられることです。 また、研修のプロが組んだカリキュラムを受講できるので、深い理解を得られ、実践的な内容になる可能性が高いです。
ただし、社内研修と比較すると費用が高くなりやすい点には留意しなければなりません。 また、セミナー会場などへの移動にかかる工数も注意すべきです。特に1on1研修を受講することになる管理職は多忙であることが多く、研修にかかる時間によっては組織の生産性を下げることにもつながりかねません。
この方法がおすすめの企業
まず研修にかけられる予算が潤沢にある場合は、外部研修を利用することを検討すべきでしょう。プロの講師は教え方もうまく、研修効果を格段に高めることができます。
また、1on1を組織開発・キャリア開発・人財開発に活用したいという企業も、1on1研修を外部に委託して、本格的なスキル習得を促すべきです。 管理職の時間を確保しにくいという場合は、eラーニングを代表とするオンライン研修の活用も検討しましょう。
1on1導入・定着支援サービスを利用する
1on1導入・定着支援サービスを利用するメリットは、専門家によって自社に合う1on1設計から、上司の対話スキル向上、定着まで総合的な支援を受けられる点です。 専門サービスとして目標やKPIを明確にし、1on1の効果測定まで見てもらえるため、成果を可視化しやすいことは大きな利点と言えるでしょう。
一方で、費用が通常の研修サービスよりも高額になることや、導入までに時間や工数がかかる場合がある点が注意点です。
この方法がおすすめの企業
1on1導入・定着支援サービスは、離職率高止まりや社員成長に課題を持つ企業、社内リソース不足で高度かつ専門的なサポートを求める場合に有効です。 コンサルティング会社選びでは、実績と専門性(プロコーチの有無、業界特化)、自社に合わせたオーダーメイド対応、導入から効果測定までトータルで支援してくれるか、実践的な研修内容(ロールプレイング等)かを重視し、費用・期間も考慮しましょう。
041on1研修の内容例
オンライン研修サービスのSchooでは、1on1研修に関するコンテンツも揃っています。 ここでは、Schooのコンテンツを用いた1on1研修の内容例をご紹介します。
第1回 | もっと心を開いてほしいときの 1on1相談室 |
時間 | 60分×1コマ |
研修内容 |
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第2回 | 「1on1」に不可欠な心理的安全性と心理的柔軟性 |
時間 | 60分×1コマ |
研修内容 |
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第3回 | パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」 |
時間 | 60分×2コマ |
研修内容 |
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051on1研修ならSchoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、様々な種類の研修に対応しています。 階層別研修からDX研修、部署別の研修まで幅広いコンテンツで全てを支援できるのが強みです。
1on1研修に必要な講座はもちろんのこと、マネジメント研修、フィードバックやティーチングなどのスキルも学ぶことができます。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 9,000本 ※2023年5月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
カリキュラム例
第1回 | もっと心を開いてほしいときの 1on1相談室 |
時間 | 60分×1コマ |
学べること |
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第2回 | パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」 |
時間 | 60分×2コマ |
学べること |
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Schooの導入企業事例

Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで幅広く導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、クリティカルシンキング研修や階層別研修としての活用もあれば、自律学習として活用いただくことも多いです。
導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。
06まとめ
1on1研修は、上司の対話スキル向上と信頼関係構築を促します。これにより部下の成長、エンゲージメント向上、そして離職防止に貢献し、組織力強化に繋がります。 研修成功の鍵は、座学だけでなく実践的演習を取り入れ、自社課題に合わせた内容にすること、そして継続的なフォローアップを欠かさないことです。