公開日:2022/09/16
更新日:2022/11/17

セカンドハラスメントとは?原因と対策を解説

セカンドハラスメントとは?原因と対策を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

セカンドハラスメントとは、ハラスメントの被害を受けた後、周囲の上司や同僚から二次被害的に損害を受けることです。本記事では、セカンドハラスメントを理解した人材になるために必要とされる考え方とその育成方法について解説します。

 

01セカンドハラスメントとは?

ハラスメントとは人を困らせることや嫌がらせのことを意味しますが、セカンドハラスメントは直接的な嫌がらせではなく、ハラスメントの被害者が周囲の上司や同僚から二次的に被害を受けることを意味します。 ハラスメントにもさまざまな種類がありますが、特にセクハラによってセカンドハラスメントは起きやすいです。後段で詳しく説明しますが、具体的には以下のような種類があります。

  • ・ハラスメントが起きた責任は被害者にあるとされる
  • ・ハラスメントの被害者がペナルティを受ける
  • ・ハラスメントの事実が軽視される、信じてもらえない
  • ・相談内容が加害者に伝わってしまう
  • ・被害者が社内に居づらい雰囲気や状況となる

2020年6月より労働施行推進法が改正され、パワハラを防止する措置が事業主の義務となります。 事業主の方はハラスメントについて知識がなく、防ぐ事ができなかったという言い訳は通用しなくなっているのです。この記事を通してよりハラスメントについて理解を深めてもらえらたらと思います。

▶︎参考:厚生労働省より発表されている労働施行推進法の資料

 

02セカンドハラスメントの事例

代表的なセカンドハラスメントの事例を紹介します。社内でセカンドハラスメントが起きていないか、セカンドハラスメントを防止することはできないか参考にしてみてください。

ハラスメントの被害者側が責められた

会社にセクハラの相談をした時に、以下の事例が起きる場合があります。

  • ・〇〇さんがセクハラされたのは露出度が高い服を着ているからだ
  • ・〇〇さんが男性を誘うような態度をとっていたのではないか
  • ・〇〇さんが安易に食事の誘いについていくのが悪い

など、被害者である〇〇さんが人事や上司など会社側から責められるという事態です。 被害者であるにもかかわらず、会社から責められる状況では被害者は泣き寝入りした方がましだと考える可能性があります。「私がセクハラを我慢すれば事態は円満に収まり、会社にいづらくなることもない」と考えてしまう人を減らすためにも不当なセカンドハラスメントをなくす努力をするべきでしょう。

被害者なのにペナルティーを受ける

ハラスメントの被害者が会社からペナルティーを受けるケースです。 ハラスメント被害が発生した場合、加害者と被害者の接触は断たなければなりません。本来であればハラスメントの加害者が異動したり、転職したりして被害者から離れるべきです。 しかし、ハラスメントの加害者に異動、転職を促すことが困難な場合は、被害者が、異動などのペナルティーを受けることがあります。このようなケースもハラスメントの二次被害と言われるべきケースであり、このような事態は避けなければなりません。会社内部の信頼を失いますし、外部からの信頼も失いかねないでしょう。

ハラスメントを信じてもらえない

ハラスメントが実際に起きたのに、周囲に信じてもらえないケースです。 例えば、セクハラについては人目につかないところで行われていることがほとんどであるため、目撃者がいないケースがあります。加害者の会社の評判が良い場合など、周りはセクハラの事実を信じられない可能性があります。 証拠が残るハラスメントばかりではありません。被害者本人の証言が具体的で本当にハラスメントの被害がある可能性がある場合、会社側は調査する必要があるでしょう。ハラスメント被害を信じてもらえず、事実を否定されるのはセカンドハラスメントと言えるでしょう。

ハラスメントを相談したことが本人に伝わった

ハラスメント被害者は精神的にダメージを受けており、十分な配慮が必要です。たとえ加害者側に100%非がある場合でも円満に解決して、これまで通りに働きたいというのが本音である場合がほとんどでしょう。 セカンドハラスメントで深刻なケースに「だれがハラスメント被害を相談したか」加害者に漏れるケースです。これは会社側の配慮不足と言えるでしょう。加害者が懲戒免職となる場合でも詳細は本人に伝えない方がよいケースがほとんどです。

ハラスメントを告発したことで社内に居づらくなった

ハラスメントの被害を会社に告発したことで社内に居づらくなるケースです。

  • ・〇〇さんは些細なことも告発するから気を遣う
  • ・〇〇さんの上司は飛ばされたらしい。気をつけよう

など、ハラスメント被害を訴えたことで周りが警戒することにより、会社に居づらくなります。こちらもセカンドハラスメントのケースに該当します。会社側はハラスメントを受けた被害者が今後も働きやすくなるように十分な配慮を行う必要があるでしょう。

 

03セカンドハラスメントの原因

セカンドハラスメントは何が原因で起こってしまうのでしょうか。原因を知ることで、セカンドハラスメントが起きることを未然に防ぎましょう。また、実際に起きてしまった場合は、再発防止のために原因をあらかじめ知っておくことも重要です。

被害者の心情・状況に対する理解不足

セカンドハラスメントは当人に悪気がない場合がほとんどです。 例えば、ハラスメントの被害を受けた人に「気にすることはない」「大した問題はない」と親切心から声をかけているつもりでも、本人にとっては却って精神的ダメージを受けてしまう可能性があります。 そのような言動から傷つき、周囲から孤立してしまう要因となるのです。ハラスメントの被害にあった人に声をかける時は、本人がどう受け取るのかを考え、慎重に言葉を選んで発言しましょう。また、被害者を見つけたら本人に寄り添うように声をかけるなど対策が必要です。

セカンドハラスメントについての理解不足

そもそもどのような時にハラスメントになってしまうのかを知らないと、加害者側にハラスメントの意識がなくとも発生してしまう場合があります。セクハラやパワハラという言葉や内容は広く知られていますが、セカンドハラスメントについてはまだそこまで知られているとは言えず、より発生しやすくなっていると言えます。 セカンドハラスメントが発生するシーンや内容をよく理解することで、加害者になり得る状況になった際、より慎重に行動できるようになります。

社内ルールが整備されていない

多くの場合、組織には業務を円滑に進めるためのルールが存在しています。社内ルールに従えばハラスメント被害をなくすことができるはずですが、以下のようにルールが整備されていない場合や運用に問題がある場合は、見直しが必要です。

  • ・相談窓口が機能していない
  • ・指導とハラスメントの線引きが曖昧な組織文化
  • ・企業側の社員教育不足

社内ルールは存在し守られているが、ハラスメントが発生したという場合、ルール自体の確認を行ってください。

 

04セカンドハラスメントが発生した場合の対処や予防策

実際に、セカンドハラスメントが発生した場合の対策はどのように行なっていけばいいのでしょうか。 セカンドハラスメントの被害者は周りに理解者がいないと思って、苦しんでしまうケースがほとんどです。被害者が安心して仕事ができるようにハラスメントを受けた場合の対処方法を知っておきましょう。 事前に対処方法を知っておくことで実際に被害にあったり、部下や同僚が被害にあった場合もスムーズに対応することができます。

事実関係の聴取を行う

ハラスメントが起きた場合、事実関係の聴取を行う必要があります。被害者側、加害者側、周りで一緒に働いている社員に対して聴取を行い、事実関係を整理するのです。 被害者側、加害者側のどちらかの聴取だけを行うと事実と食い違いが起きる可能性があります。必ずチーム全体に確認をするように注意してください。

会社の相談窓口を開設する

ハラスメントを相談する際に、チーム内や直属の上司などに相談すると、内容が加害者本人に伝わって働きにくくなるケースがあります。 内部で相談することができないため1人で問題を抱えてしまうと、かえって問題が大きくなるでしょう。そのような事態を防ぐために、社内に相談窓口を設置するという対策方法があります。もちろん相談した内容は極秘事項にし、周りに情報が漏れないように配慮する必要があります。相談窓口があるという事実だけでもハラスメントの被害の抑止力になるでしょう。

弁護士に相談する

ハラスメントの二次被害が生じるのは会社側の対処に不備があるためです。しかし、法律の専門家でもない限り、会社だけでハラスメントの二次被害を防ぐことは困難です。事態を収めることが難しい場合は社外に問題解決を求める方が得策でしょう。具体的にはハラスメント被害相談に実績のある弁護士を探し相談するという方法がおすすめです。

はっきりとNOと言える環境や雰囲気をつくる

気弱だったり、自己主張を行わない人がハラスメントの被害者に比較的なりやすいです。 会社全体、もしくは事業部やチームで誰もがNOとはっきりと言える環境を構築することも予防策になります。社員がNOと発言するには、経営者やマネージャーとの信頼関係があってこそ。日頃のコミュニケーションの中で、信頼されるような経営者やマネージャーの育成が必要です。

会社全体がハラスメントの研修やセミナーを受ける

セカンドハラスメントの理解や対策を促したとしても、従来どおりの風習が根付いている企業ではセカンドハラスメントについてなかなか理解できないでしょう。その結果新たなハラスメント、セカンドハラスメントが起きてしまうかもしれません。 そのような場合に備えてセカンドハラスメントの定義やセカンドハラスメントを防ぐ模範行動などが分かるような研修を実施しましょう。その結果、自分の目指すべきチームの形がわかるようになり、セカンドハラスメントに対する理解が深まるでしょう。

 

05セカンドハラスメントを防止するSchooのオンライン研修

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セカンドハラスメントに関するSchooの講座を紹介

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コーチングスキル - ハラスメント対応・壁打ち

このコースでは適切な「相談役」としての対応をコーチングスキルという観点を通して学んでいきます。 1、2コマ目ではハラスメントの相談窓口担当者として対ハラスメント被害者/行為者それぞれに対して「事実を適切に把握するため」「意識、行動変容を促すため」に有効なコーチングのマインドとスキルを学びます。 またコーチングはハラスメント相談のシーンに限らず、部下や同僚との相談や壁打ちの際にも活用できるスキルです。3コマ目ではこのような場面での「バックトラッキング」や「Iメッセージ」といったコーチング基本スキルの活用方法についてケーススタディを通して学びます。 コーチングを学び、活用することで頼られるチームや組織の「頼られる相談役」を目指しましょう。

 
  • ㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO

    秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。

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ハラスメントの対処法 - 管理職向け

このコースでは、組織、チームの管理職やリーダーとして知っておくべき、ハラスメントが発生した際のメンバーへの対処方法とその防止策について解説します。

 
  • 株式会社Niesul(ニースル)代表取締役/社会保険労務士

    大学卒業後、機械メーカー、コンサルティング会社を経て2010年にニースル社労士事務所を立ち上げ。以来、200社を超える社内制度づくり・働き方改善に関わる。 本音を言える場づくりを大切に、経営者・社員と「ともに」社内制度を作る参加型プロジェクト「みんなでつくる就業規則づくり」、ハラスメント防止のための研修など多数実施。 著書に『「社会人になるのが怖い」と思ったら読む 会社の超基本』がある。YOUTUBE「世界一わかりやすい就業規則」チャンネルを発信中。

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06まとめ

セカンドハラスメントの事例、対策について解説しました。 セカンドハラスメントの理解があり、対策をおこなっている企業は内部と外部問わず評価が高いでしょう。しかし、セカンドハラスメントの対策をおろそかにしてしまうと状況が悪化してしまう可能性もあります。 セカンドハラスメントを理解する人材を育成することにはさまざまなメリットがあることを理解していただけたのではないでしょうか。効果的にセカンドハラスメントを理解している人材を育成して企業の価値向上と社員の成長につなげていきましょう。

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