更新日:2026/01/30

働かないおじさんとは?特徴と原因、組織がとるべき対策を解説

働かないおじさんとは?特徴と原因、組織がとるべき対策を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

「働かないおじさん」とは、期待役割に対して行動や成果が伴わない中高年層の社員を指す俗語です。この言葉が生まれた背景には、年功序列型の賃金体系や環境変化に対するスキルの不一致など、複合的な要因があり得ます。本記事ではこの言葉を、個人を揶揄する意図ではなく、役割設計・評価・育成・配置のミスマッチとして捉え直します。また、この事象を防ぐために組織が取り組むべき、多角的な施策を解説します。

 

01働かないおじさんとは?

「働かないおじさん」とは、一般的に「その役職や役割に対して、行動や成果が伴っていない中高年層の社員」を指す俗称として使われる言葉です。働きに見合わない報酬を受け取っている、といった批判や問題提起の文脈で語られることもあります。よく用いられる例としては、休憩や雑談など業務以外の行動が目立つことや、変化への抵抗などが挙げられます。

働かないおじさんに見られる特徴

この事象は、期待される役割に対して行動や成果が十分に見えにくいという「ギャップ」に集約されます。現場で観察されやすい傾向としては、例えば次のようなものがあります。

  • 受け身な仕事ぶりで、仕事への意欲が不足しているように見える
  • 新しいやり方・ツールの導入に慎重で、学習や試行の頻度が上がりにくい
  • 過去の成功パターンを踏襲しがちで、現状の課題に合ったやり方へ更新されない
  • 細部の確認に時間を要し、優先順位づけや意思決定が遅れることがある
  • 役割分担が曖昧な場面で、率先して動かず対応が後回しになることがある
 

02なぜ「働かないおじさん」になる?その原因

働かないおじさんになる原因には、「キャリアの頭打ち」や「環境変化とスキルの不一致」などが挙げられます。また、年功序列による賃金体系も労働意欲を大きく下げる原因となっていることがあります。

キャリアの頭打ちとモチベーションの低下

いわゆる「働かないおじさん」と呼ばれる状態が生じる背景の一つとして、キャリアの見通しに伴う昇進意欲の低下や、役職退任後のモチベーション変化が関連している可能性があります。パーソル総合研究所と法政大学大学院の石山恒貴教授が実施した、ミドル・シニア層(ミドル:40〜54歳/シニア:55〜69歳)2,300名に対するアンケート調査によると、42.5歳で「出世したいと思わない」人が「出世したい」人を上回り、昇進意欲が低下する傾向が見られます。また、役職退任後の変化として、37.7%の人が「仕事に対するやる気・モチベーションの低下」を挙げています。ここから、組織における出世の頭打ちや、役職を降りたあとのやりがいの確保が難しいことが、「働かないおじさん」の受動的な業務態度に影響していることが示唆されます。

▶︎参考:パーソル総合研究所|日本で働くミドル・シニアを科学する

環境変化とスキルの不一致

環境変化とスキルの不一致も、「働かないおじさん」が生まれる要因の1つになり得ます。企業におけるIT化やDX化、また近年では生成AIの急速な普及により、ビジネスパーソンが求められるスキルは絶えず変化しています。

一方で厚生労働省の「令和6年度 能力開発基本調査」によると、年齢階層別の自己啓発実施率は30〜39歳をピークに、その後低下しています。また、会社におけるOFF-JTを受講した人の割合も、20~29歳が最大となり、年齢が高くなるほど受講率が低下しています。これはただ「年齢が上がるほど学んでいない」ということではなく、企業における人材育成投資が若年層を中心に行われていることが背景にある可能性があります。実際に、パーソル総合研究所の調査(2020)では、人材開発予算の50%以上が新規入社者向け(新卒+中途)のものであることが示されています。

こうした状況が重なると、学習やスキル更新の機会が得られにくいまま業務環境だけが変化し、スキルの陳腐化が進む可能性があります。その結果、組織の期待と現実のギャップが広がり、成果が伴わないと見なされる要因になり得ます。

参考:厚生労働省|令和6年度 能力開発基本調査
パーソル総合研究所|企業のシニア人材マネジメントに関する実態調査(2020)

年功序列型の賃金体系

厚生労働省の「令和6年 賃金構造基本統計調査」で示される「性・年齢階級別賃金」によると、男性は年齢階級が上がるにつれて賃金も高くなり、55~59歳でピークを迎えた後、60~64歳で低下しています。近年は新卒入社者の処遇改善や年齢によらない登用も進みつつありますが、この賃金カーブからは、年齢と賃金水準が連動する構造がなお残っている可能性が示唆されます。

年功序列型の賃金体系においては、勤続年数や年齢に応じて給与が上がるため、年長者が報酬に見合った成果を出していないと見なされた場合、組織内での不公平感や不満が溜まりやすくなります。その結果、周囲が期待する役割と実際のパフォーマンスとのギャップが生じ、「働かないおじさん」と見なされることがあります。

▶︎参考:厚生労働省|賃金構造基本統計調査(2025)


 

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03働かないおじさんを生み出さないためにできること

ここまで見てきたように、「働かないおじさん」の問題はただ個人に起因するのでなく、環境や組織構造が生み出してしまっている側面もあります。これに対して組織としてできることは、主に以下の5つが挙げられます。

  • ・キャリア自律を支援する
  • ・組織としての方針を明確にする
  • ・「変革予備軍」へアプローチする
  • ・学びやリスキリングの機会を提供する
  • ・柔軟性のある勤務制度を導入する

ここからは、それぞれの施策について詳しく紹介します。

キャリア自律を支援する

上で「働かないおじさん」の問題は、組織におけるキャリアアップの頭打ちやそれに伴う停滞感と関連があることを紹介しました。その観点からできる対策が、組織としてキャリア自律の支援を充実させることです。組織における課長や部長といったポジションは物理的に限りがあるため、役職上の昇進を遂げることだけに意義を見出すのは、構造上限界を迎えやすいと言えるでしょう。

ミドルシニア躍進のための組織づくり

Schoo授業『ミドルシニア躍進のための組織づくり』では、講師の木下紫乃先生が、組織の変化と「自分のために」キャリアを考える必要性を社員に伝え、その機会を提供することの重要性を解説しています。 具体的には、キャリアカウンセリングの機会を提供することや、ジョブ・クラフティングに関する研修を実施することなどが考えられます。また、自身の価値観に沿ったキャリア形成とスキルアップを支援するために、副業やプロボノといった社外活動を支援する制度を作ることも役立つでしょう。

またキャリア自律支援は、社員個人の意欲向上だけでなく、企業全体のエンゲージメントを高める効果も期待できます。社員が「自分のキャリアを支援してくれる会社だ」と感じることで、組織への愛着や貢献意欲が増すのです。若手社員を含む全員の士気が向上し、結果として全体の生産性向上にも繋がります。その結果、「働かないおじさん」のままでいることが、居心地の悪い状況を作ることにもつながります。

組織としての方針を明確にする

ミドルシニア躍進のための組織づくり

「働かないおじさん」の現象は、組織にとって生産性が低下する要因になるだけでなく、本人も仕事を通じたやりがいが感じられず、双方にデメリットがあるLose-Loseの状態とも言えます。そこでまず重要なのが、組織としてミドル・シニア層の社員にどうなってほしいと考えるのかを明確にすることです。

授業で木下先生は、自身が経営する会社におけるミドルシニアのキャリア支援経験を踏まえ、「会社が自分たちをどうしたいのか良くわからない」と感じる相談者が多いことを紹介しています。会社の方針が曖昧なままだと、社員は戸惑います。自分の居場所や貢献の仕方が分からず、結果としてモチベーションの低下や受け身な仕事ぶりにつながり得るのです。

方針とは、必ずしも「全員活躍」とはならないかもしれません。しかし人員構成の見直しを含め、どの方向性を取るにせよ、方針を明らかにしてはじめて施策の優先度や投資判断が可能になります。加えて社員も会社の考え方を正しく理解することが、キャリア自律の意識を高め、主体的に行動するきっかけになり得ます。

「変革予備軍」へアプローチする

一口に「期待と成果が一致しない」と言っても、その背景にはさまざまな要因があります。そのため、その状況の人を一括りにするのは適切ではありません。授業において木下先生は、ミドルシニアの活躍を推進する観点でもっとも優先度高くアプローチするべきは「変革予備軍」だと言っています。

変革予備軍とは、キャリアの頭打ちや環境変化への戸惑いを感じつつも、学び直しや新たな挑戦への意欲を内に秘めている層です。近年は平均寿命の伸びによって「人生100年時代」だと言われています。そこから充実感をもって長い人生を全うするため、生活やキャリアを総合的に捉え直そうという議論も広がっています。このような背景から変化の必要性を感じているものの、「具体的な動き方が分からない」と感じているのが、変革予備軍の人々です。

変革予備軍には、すでに変化に対する意欲があるため、きっかけを提供することで新しい観点やスキルの獲得がスムーズに進む可能性があります。この層が自分らしいキャリアを再定義して、再びイキイキと働くことができれば、後進に対するロールモデルの提示としての意義も大きいでしょう。

学びやリスキリングの機会を提供する

組織が学びやリスキリングの機会を提供することは、キャリアの頭打ちや環境変化への適応不足による「働かないおじさん」問題の解決に不可欠です。リスキリングの機会を提供することで、陳腐化したスキルの更新を促し、社員が新たに活躍の場を得ることにつながります。またこれを実現するには、あらかじめ定めた企業方針に沿った人材育成投資が必要となるでしょう。

また学びやリスキリングの機会提供は、単に社員を会社に留めるためだけでなく、「外で食べていける力をつける」といった卒業支援の観点を含めることも可能です。たとえば、副業やボランティア、起業のための情報提供などを行うことで、将来への不安を軽減し、自律的なキャリア形成への意欲を引き出せます。社外に目を向けた「越境」的活動は、スキルやマインドの向上にも役立つので、会社内での業務に活かせる場面も大いにあるでしょう。

柔軟性のある勤務制度を導入する

中高年層の社員には、介護などの個人的な事情により労働時間を確保しにくく、それが業務に対する意欲の低下につながっているケースもあります。そのため、従業員が意欲をもって働き続けられる環境をつくるためには、柔軟性のある勤務制度の導入がとても大切です。

具体的には、フレックスタイムやリモートワーク制度の導入といった、働く時間や場所への制約を軽減する施策などが考えられます。合わせて重要なのが、これら制度の利用者を「事情がある人」として特別視せず、成果に応じて公正に評価する制度設計・運用をすることです。

疾病やプライベートの変化によって労働環境が制約を受けることは、誰にでも起こり得ることです。そうした偶発的な事象に左右されずに働ける環境は、社員にとっての安心と会社への信頼につながります。


 

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    株式会社シニアジョブ広報部部長。ライター、マーケターなどを経て広報に転身。その後、一部上場企業の広報などを経て現職。シニアジョブでは提携など社外交渉も担当し、シニアが活躍できる未来の実現を目指す。社外でもライターとして活動しており、社内外を問わず労働市場、労働政策等の情報収集・発信を精力的に行う。

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  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。

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05まとめ

「働かないおじさん」とは、企業が求める役割に成果が伴わない中高年層の社員を指し、その原因はキャリアの頭打ち、環境変化とスキルの不一致、年功序列型の賃金体系など複合的です。この問題を防ぐには、組織は社員のキャリア自律を支援し、組織としての方針を明確に伝え、変わりたいと考える「変革予備軍」へアプローチするのが有効です。また、学びやリスキリングの機会を提供し、柔軟な勤務制度を導入することで、社員の意欲向上と組織全体の活性化を図ることが期待されます。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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