部下による「下からの突き上げ」はなぜ起こる?背景と対処法を紹介

「下からの突き上げ」とは一般的に、組織階層において下位の者が上位の者に対して、意見や要求を強く主張したり、反発したりする行為を指します。近年は360度評価(多面評価)やエンゲージメントサーベイの導入などにより、管理職が部下からのフィードバックにさらされる機会は増加傾向にあります。この記事では、下からの突き上げが起こる背景や、起こった際の対処方法について紹介します。
- 01.下からの突き上げとは?戸惑う理由
- 02.部下からの突き上げをされやすい上司の特徴
- 03.部下からの突き上げへの対処法
- 04.具体的な施策例
- 05.Schooで学ぶ、部下との信頼関係の築き方
- 06.まとめ
01下からの突き上げとは?戸惑う理由
「下からの突き上げ」は、立場が下の者が上位者に対して強く詰め寄る行為全般を指します。具体的には、部下が業務の進め方に異議を唱える、上司の判断や責任を追及する、集団で改善要求を突きつけるといった場面が該当します。
管理職がこうした突き上げに戸惑いやすい背景には、世代間のマネジメント経験のギャップがあります。現在の管理職には、若手時代を年功序列や終身雇用を前提とした企業文化のもとで過ごした層も多く上司の指示に従うことが暗黙の前提だった環境で過ごしてきたため、部下から率直に異論を突きつけられる状況そのものに、心理的な準備ができていないケースが少なくありません。
一方で、近年の職場環境は成果主義やジョブ型雇用への移行をする企業も増え、役割の明確化によって部下が率直な意見を述べること自体が奨励される方向にあります。加えて、心理的安全性への関心の高まりやハラスメント防止の要請を背景に、意見を言いやすい職場づくりに取り組む企業が増えています。このような変化は、360度評価(多面評価)やエンゲージメントサーベイといった「部下の声を可視化する仕組み」の整備にもつながり、管理職は上からの期待と下からの要求の両方に応える必要に迫られるようになりました。
こうした構造の変化に対して、多くの管理職は「自分が受けてきたマネジメント」をそのまま適用しにくくなっています。パーソル総合研究所が行った『中間管理職の就業負担に関する定量調査(2019)』では、管理職が「部下マネジメント関連の業務」の負担を相対的に高く感じていることが示されており、部下との関係構築は管理職の主要な課題であることが読み取れます。
02部下からの突き上げをされやすい上司の特徴
突き上げは、部下側のコミュニケーション特性だけではなく、上司側の行動パターンが引き金になることも考えられます。「自分は普通にやっているつもりなのに、なぜ部下が反発するのか」と感じている場合、以下の3つの特徴に心当たりがないか振り返ってみる価値があります。
- ・部下から嫌われることを恐れている
- ・変化を嫌い、現状維持を好む
- ・部下とのコミュニケーションが少ない
ここでは、それぞれの特徴がなぜ突き上げにつながりやすいのか、その構造を掘り下げます。
部下から嫌われることを恐れている
上司が部下から嫌われることを過度に恐れると、本来するべき指示やフィードバックが不足してしまい、結果として部下からの不満の表出につながることがあります。
この傾向の背景には、法令によるパワーハラスメント防止措置の義務化や、上司の言動が即座に評価・共有される環境の変化があります。「厳しく言えばパワハラと受け取られるかもしれない」という不安が、指導への躊躇を生みやすくなっているのです。
こうした躊躇が続くと、業務上の判断基準が曖昧になりがちです。本来であれば指摘すべきミスを見過ごしたり、部下がこなせない業務を上司自身が引き受けてしまったりする場面が増えていきます。部下の側からすると、「何が期待されているのかわからない」「上司は自分に関心がないのではないか」という混乱や不信が蓄積されます。このような不満が上司への苦言として表出することが、「突き上げ」発生のパターンの一つです。
▶︎参考:職場におけるハラスメント対策パンフレット|公正動労章
変化を嫌い、現状維持を好む
上司が新しいやり方や提案に対して消極的であることも、部下の不満の蓄積につながり得ます。人間には、慣れ親しんだ方法や状態を維持しようとする心理的傾向(行動経済学では「現状維持バイアス」と呼ばれます)があり、管理職も例外ではありません。
問題は、この傾向が強い上司のもとでは、部下の提案や改善要望が繰り返し退けられる状況が生まれやすいことです。「前例がない」「リスクがある」という理由で新しい試みが封じられ続けると、部下は「何を言っても無駄だ」という無力感を抱きやすくなります。
この無力感がある一定のラインを超えると、個別の不満が集団的な反発に転じるケースがあります。特に、競合他社や他部署が変化を進めている様子が見えている場合、現状維持への固執は部下にとって「自分たちのキャリアや成果が損なわれている」という危機感に直結し得ます。
部下とのコミュニケーションが少ない
部下との関係構築をするうえで、日々の継続的なコミュニケーションはとても重要な要素です。一方、龍谷大学が上司・部下1,000人(上司500人/部下500人)に実施した「世代間ギャップ調査」では、職場の上司・部下に「ギャップを感じている」と回答した上司は44.8%でした。さらに「上司・部下が考えていることが分からない」という項目でも、上司の45.2%が「とても/やや感じている」と回答しています。このように、部下との価値観等の相違を自覚し、考えていることが分からないと感じる状況の場合、意識的に接点をつくらなければ、上司と部下のコミュニケーション量は以前よりも減少する可能性があります。
対話が不足すると、上司が業務方針を変更した理由や判断の背景が部下に伝わりにくくなります。情報が共有されないままでは部下は意図を推測するしかなく、「なぜそう決めたのか」が見えない状態が続いて不信感が蓄積します。こうしたすれ違いが、部下同士の不満共有を通じて増幅され、集団的な突き上げに発展するリスクを高めます。
▶︎参考:龍谷大学『新年度スタート!全国の上司・部下 1,000人に聞く 「世代間ギャップ」 調査』
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・研修への活用方法
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03部下からの突き上げへの対処法
突き上げへの対処を考えるうえで、まず押さえておきたいのは、部下が意見を述べること自体は組織にとって貴重なシグナルだという点です。問題は、その意見が建設的な提言として上がってくるか、感情的な反発として噴出するかの違いにあります。
建設的な提言は、課題の早期発見やイノベーションの種になり得ます。一方、感情的な反発は、信頼関係の欠如や対話不足のサインであることが多く、放置すればチーム全体の士気低下につながりかねません。以下では、突き上げを「組織を良くする力」に転換するための3つの対処法を紹介します。
行動基準の明確化
Schoo for Businessの授業『OJTにおける指導の方法/教え方』に登壇する井上洋市朗先生(株式会社カイラボ 代表取締役)は、部下指導にあたってあらかじめ行動基準を明確に示すことの重要性を解説しています。
例えば上の画像は、井上先生が経営するカイラボ社において、学生インターン向けに作成されている行動基準の例です。ここでは、「無断欠勤」「発言しない」「報連相の不足」といった避けるべき行動がレベル別で明示されている他、「行動しながら考える」などの望ましい行動も合わせて表記されています。
このような基準が無い場合、上司は都度、指摘の背景を説明する必要が生じます。あらかじめ判断基準と優先順位を明確にすることで、上司と部下の間で「あるべき」行動の目線が揃い、フィードバックに対しても受け入れやすくなるのです。
対話の機会を増やし信頼関係を築く
部下が「感情的な反発」ではなく、「建設的な意見」を発信するようになるには、部下自身に組織を良くしようと考える改善意欲があるかどうかが重要です。そしてこのような意欲の支えとなるのが、上司との信頼関係です。
Schoo for Businessの授業『信頼関係構築の方法』(登壇講師:井上洋市朗 先生)では、上司と部下間の信頼関係を築くためのコミュニケーションの基本として「傾聴と共感」の姿勢が紹介されています。
上司は部下の視点に立ち、同じ感情を共有しつつ、意見を受け止めます。ただしこれは迎合ではなく、上司自身の心と発言は一致させる必要があります。部下の意見と異なる見解があるのであれば、「その点について、まだ理解できないからもう一度聞いてもいいかな」といった形で、誠実かつ丁寧にコミュニケーションを重ねることが、信頼関係の構築につながります。
フィードバックのスキルを高める
部下との関係性が悪化することを気にしていては、必要なフィードバックをすることは困難です。また反対に、部下を萎縮させるような指導も、意見を抑え込み不満の蓄積につながります。
一方、Schoo for Businessの授業『部下の成長につなげるネガティブフィードバック』に登壇する戸田久実先生(アドット・コミュニケーション株式会社 代表取締役)は、フィードバックは相手の「問題の解決や成長促進」を目的とした、「相手へのギフト」であると解説しています。適切なフィードバックをもとに行動が変われば、受け手にとってもメリットがあるため、上司・部下間の信頼関係の強化にもつながり得るのです。
そのため上司が部下との関係を強固にするには、フィードバックスキルを高めることが欠かせません。授業では、建設的なフィードバックをするために必要な心構えとして、次の5点が紹介されています。
- ・主役は相手である(相手の成長につなげることを意識する)
- ・相手と対等に向き合う
- ・素直に率直に伝える(事実を元に単刀直入に伝える)
- ・俯瞰できる(思い込みや偏見で判断していないか自己点検する)
- ・自らもフィードバックのよき受け手となる(手本を見せる)
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・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

04具体的な施策例
ここまで紹介した対処法は「方針」としての位置づけです。この章では、その方針を現場で実装するための具体的なアクションを3つ取り上げます。いずれも大規模な制度改革を必要とせず、チーム単位・個人単位で着手できるものを中心に選んでいます。
- ・指針の実践と指針に沿ったフィードバック
- ・1on1の活用
- ・リーダーシップ研修の実施
指針の実践や指針に沿ったフィードバック
行動指針を定めたとしても、上司自身がそれを実践していなければ説得力は生まれません。まず取り組むべきは、上司が指針に沿った行動を日常の中で率先して見せることです。たとえば、指針に「挑戦を奨励する」とあるならば、上司自身が新しい取り組みに対してオープンな姿勢を示すことが、部下にとっての最も明快なメッセージになります。
また、フィードバックの際に行動指針を判断基準として伝えることで、指導内容に一貫性が生まれます。ただし、指針を「正解」として一方的に押しつけるのではなく、解釈について対話する姿勢を持つことが大切です。「あなたはこの指針をどう捉えていますか」と問いかけることで、指針が共有された言語として機能しやすくなります。
1on1の活用
1on1ミーティングは、対話による信頼構築を制度として習慣化できる有効な施策です。ただし、効果を発揮するには「ただ定期的に時間を設ける」だけでは不十分で、いくつかの設計上のポイントがあります。
まずは、頻度と長さの設計です。パーソル総合研究所の『部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査』によると、「月2~3回以上という高頻度かつ1回あたりの時間が30分以上1時間未満の1on1」の効果が相対的に高いことが示されています。頻度が少なすぎる、高頻度だが一回あたりが長過ぎる1on1は逆効果になりやすく、注意が必要です。次に、アジェンダの設計です。上司が聞きたいことだけでなく、部下が話したいテーマを事前に共有してもらう仕組みにすると、対話の主体が部下に移り、本音が引き出されやすくなります。
よくある失敗パターンとしては、上司が進捗確認の場として1on1を使ってしまうケースがあります。これでは通常の業務報告と変わらず、部下が「また報告か」と感じて本音を出さなくなるリスクがあります。1on1は「部下のための時間」であるという前提を、上司が意識的に守ることが重要です。また、1on1の前提として、部下への関心が不可欠です。テクニックだけを磨いても、相手に興味がなければ対話は表面的なものにとどまるでしょう。
▶︎参考:パーソル総合研究所「部下の成長支援を目的とした1on1ミーティングに関する定量調査」(2024)
リーダーシップ研修の実施
メンバーとの関係構築やチームビルディングなど、チームを率いるために必要なスキルを体系的に身につけるには、リーダーシップ研修の活用も一つの手段です。
研修を選定する際は、「知識のインプット」だけでなく「実践のアウトプット」が組み込まれているかを確認する価値があります。座学で学んだフレームワークを、ロールプレイやケーススタディで試す機会があると、現場への転用がスムーズになりやすいためです。
研修後に特に重要なのは、学んだことを実務で試し、その結果を振り返るサイクルを回すことです。「研修を受けて終わり」にしないために、研修後できるだけ早い段階で1on1や受講者同士の振り返りの場を設けるといった工夫が効果的です。研修内容が日常業務に定着するまでには一定の時間がかかるため、焦らず段階的に取り組む姿勢が求められます。
05Schooで学ぶ、部下との信頼関係の築き方
オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。
| 受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
| アーカイブ本数 | 9,000本 (新規講座も随時公開中) |
| 研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
| 費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
| 契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
部下との関係性を築くためにおすすめの講座
この章では、オンライン研修サービスSchooの講座から、部下との関係性を築くスキルを学べる講座を紹介します。
チームワークの教科書【2023年版】
チームワークの向上を図るさまざまなアプローチ方法について、オムニバス形式で学べる授業です。行動指針を軸にした心理的安全性の高いチームづくりに関心がある方に適しています。
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Unipos株式会社 代表取締役社長CEO
1999年にソフトバンク株式会社のインターネット部門採用第一期生としてインターネット産業に関わる。ブロードキャスト・コム(現 Yahoo!動画)の立ち上げに参加。その後ネットイヤーグループ創業に参画。 2001年経営コンサルティング会社コーポレイトディレクションに入社。 2005年ネットエイジグループ(現UNITED)執行役員。モバイル広告代理店事業の立ち上げにかかわる。2005年Fringe81株式会社を創業、代表取締役に就任。2013年3月マネジメントバイアウトにより独立。2017年8月に東証マザーズへ上場。2017年に発⾒⼤賞という社内⼈事制度から着想を得たUniposのサービスを開始。2021年10月に社名変更をし、Unipos株式会社 代表取締役社長として感情報酬の社会実装に取り組む。2022年10月に著書「心理的安全性を高めるリーダーの声かけベスト100(ダイヤモンド社刊)」を刊行。
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新入社員の「自発性」を育むOJTの方法
若手世代が持つ仕事への向き合い方を理解し、今の社会に求められるOJTの設計と指導方法、信頼関係の作り方を学べる授業です。対話を通じた若手との関係構築に課題を感じている方に向いています。講師は、多くの企業で若手社員の定着率向上支援に携わってきた井上洋市朗氏です。
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株式会社カイラボ 代表取締役
大学卒業後、(株)日本能率協会コンサルティングにて企業の業務効率化などに従事。ストレスが原因で入社2年で退職。 2011年に社会人教育のベンチャー企業でマネージャーを務める。 2012年株式会社カイラボを設立。新卒入社後3年以内で辞めた若者100人インタビューをおこない、その内容をまとめた「早期離職白書」を発行。 現在は多くの企業の若手社員定着率向上支援を行うほか、 講演、管理職・OJT担当者向け研修、採用コンサルティングなどを行っている。
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いまさら聞けない 心理的安全性のつくりかた
この授業は、組織やチームのコミュニケーションにおいて注目されている「心理的安全性」について学ぶことができます。心理的安全性は誰がどうやって作ればいいのか、また心理的安全性があることでどんなメリットがあるのかなど、本授業で基礎から解説しています。
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株式会社ガイアックス 管理本部長
山口県出身。立教大学経営学部2017年卒業。株式会社ガイアックス新卒入社後、同社で採用担当から危機管理、セキュリティ、労務等、投資先対応など徐々に管掌範囲を広げ、2021年に人事総務部長に、2023年に管理本部長に就任。社外活動では、新卒1〜3年目の頃はいくつかの社外コミュニティの運営に注力し、現在はスタートアップ企業やNPOなど複数社で、アドバイザーや監査役等を務める。
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チームと共に成長するリーダーの コーチング実践法
この授業では、「リーダーがコーチングを学ぶ意義」「職場で実践できること」を学ぶことができます。フィードバックスキルの向上やメンバーとの関わり方を改善したい方におすすめです。
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㈱LEBEN CAREER CEO
秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。
チームと共に成長するリーダーの コーチング実践法を詳しく見る
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メンバーと心がつながる上司力
世代間ギャップを強く感じる理由と、そのギャップを縮めるための「あり方」を学べる授業です。異なる世代の部下との対話に悩む管理職の方に、関係構築のヒントとなる視点を解説します。講師は、著書『Z世代・さとり世代の上司になったら読む本 引っ張ってもついてこない時代の「個性」に寄り添うマネジメント』で知られる竹内義晴氏です。
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特定非営利活動法人しごとのみらい 理事長
特定非営利活動法人しごとのみらい理事長の竹内義晴です。「楽しくはたらく人・チームを増やす」をテーマにコミュニケーションや組織づくりに関わる企業研修や講義に従事しています。また2017年よりサイボウズ株式会社で複業を開始。複業や2拠点ワーク、テレワークなど今後の仕事の在り方を自ら実践し、地域を跨いだ活動経験からワーケーションや地域活性化のための事業開発にも関わっています。新潟県在住。 著書『Z世代・さとり世代の上司になったら読む本 引っ張ってもついてこない時代の「個性」に寄り添うマネジメント』(翔泳社)
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06まとめ
「下からの突き上げ」は、管理職にとって対応が難しい課題ですが、その背景には、世代間のマネジメント経験のギャップや、コミュニケーション不足、行動基準の未共有といった構造的な要因があります。突き上げそのものを排除するのではなく、部下の声が建設的な提言として上がってくる仕組みをつくることが、管理職に求められる対応といえるでしょう。
具体的には、行動指針の策定と日常的な運用、1on1を中心とした対話の習慣化、SBI法やコーチングを活用したフィードバックスキルの向上が有効な施策です。いずれも大規模な制度改革を待つ必要はなく、「まず自分の伝え方を点検する」「次の1on1で部下にアジェンダを任せてみる」といった小さな一歩から始められます。
ただし、これらの施策にも万能な効果があるわけではなく、組織の状況やチームの成熟度によって適切なアプローチは異なります。自チームの現状を観察しながら、段階的に取り組んでいくことが、持続的な改善への道筋となるでしょう。