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環境型セクハラとは?具体例や企業ができる対策を解説

公開日:2021/05/28
更新日:2021/05/31
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環境型セクハラとは?具体例や企業ができる対策を解説 | オンライン社員研修・eラーニング研修 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

職場におけるセクハラは、根強い社会問題として残っています。今回は、2種類のセクハラのうち、環境型セクハラについて考えます。まず定義や具体例を紹介し、企業ができる対策について解説します。根本的な解決は正しい理解に基づいた対策が必要です。

 

環境型セクハラとは

厚生労働省の公式サイトでは、職場におけるセクシャルハラスメントについて説明されています。それをもとに、環境型セクハラの定義や判断基準、対価型セクハラとの違いについて解説します。
参考:職場におけるセクシュアルハラスメント

環境型セクハラの定義

環境型セクハラとは「労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること」です。 性的関係の要求がなくても、性的な言動により被害者が不快感を抱いたり、職場環境が悪化したりする場合は、環境型セクハラに該当します。

環境型セクハラの判断基準は?

労働者の感じ方は一人ひとり異なるため、環境型セクハラの判断基準には一定の客観性が求められます。例えば、意に反する1度の身体的接触でも、精神的に大きなダメージを与えるなら、就業環境が不快なものとなります。また、繰り返し抗議をしても改善されない場合も、就業環境に影響を及ぼします。 加えて、男女の違いによって感じ方が異なる場合があるため、厚生労働省は「平均的な男性労働者の感じ方」と「平均的な女性労働者の感じ方」を基準として判断することを記載しています。

対価型セクハラとの違いは?

対価型セクハラの定義は、「労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給、労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換などの不利益を受けること」とされています。 セクハラ行為に抵抗したために、不利益を受けたり、不利益を与えると脅される場合は、対価型セクハラに該当します。

 

環境型セクハラの具体例

環境型セクハラは、被害者がどう受け取るかにも大きく関係しています。コミュニケーションの一環のつもりが、意図せずに環境型セクハラに該当する可能性もあります。ここでは、環境型セクハラの具体例を挙げて、さらに理解を深めていきましょう

視覚的に不快感を与えること

周囲の従業員に、視覚的に不快感を与えることも、環境型セクハラに該当します。例えば、職場に露出度の高いポスターを張ったり、パソコンのスクリーンセーバーに卑猥な画像を設定したりすることで、一部の従業員が不快な思いをしているかもしれません。 また、会社のパソコンでアダルトサイトを開いたり、休憩室にアダルト関連の雑誌や写真集を見えるように置いたりすることで、不快感を抱く従業員もいます。意識的にほかの従業員に見せることはもちろんですが、そのつもりがなくてもほかの従業員が目にする場所で行われていれば、環境型セクハラになります。

意に反する身体的接触

上司が仕事の頑張りをねぎらうために、そっと肩を叩いたりなでたりする行為も、環境型セクハラに該当する場合があります。褒められたことを喜んで、仕事にさらに励むならいいのですが、不快な気分になりその後の仕事に集中できなくなれば、セクハラになります。 ほかにも、ハグをする、頭をポンポンと叩く、握手をするなどの身体的接触を嫌がる従業員がいるかもしれません。本人が不快に思うことを強要するなら、意に反する身体的接触になるので、環境型セクハラに該当します。「スキンシップも大切だ」と考えるかもしれませんが、相手の受け取り方をしっかりと確認しなければなりません。

意に反する性的な内容の発言

性的な内容の発言にも気を付ける必要があります。例えば、男性従業員が女性従業員に「スタイルがいい」「綺麗だ」などと発言するケースです。褒めているつもりでも、相手が不快に感じる場合はセクハラになります。「結婚はいつするのか」「彼氏・彼女はいるのか」などの話題を、嫌がっているにもかかわらず執拗に行うことも同様です。 同僚との他愛のないお喋りとして、性的な内容の会話をするケースもあります。当事者同士は面白おかしく話しているかもしれませんが、周囲の従業員が不快に思っているなら、環境型セクハラに発展します。 また、取引先に特定の従業員の性的な内容の噂話を広めたり、私生活に関する秘密を話したりしたため、取引先への訪問が苦痛になるような場合も、環境型セクハラに該当します。

環境型セクハラの対象になり得るその他の言動

「男だから」「女だから」のような発言にも気を付けなければなりません。「お茶くみは女の仕事だ」「男のくせに子どもを保育園に迎えに行くのか」などの発言も、セクハラの背景となり、執拗に繰り返すことで環境型セクハラに発展しかねません。飲み会の席であれば、「無礼講」でセクハラにはならない、と感じる人もいるようです。しかし、女性従業員を上司の隣に座らせお酌を強要すること、場を盛り上げるために男性従業員に裸踊りをさせることなども、従業員が不快感を抱いてその後の業務に支障が出るようなら、環境型セクハラとして捉えることができます。

 

環境型セクハラが職場に与える影響

環境型セクハラを放置することで、職場にさまざまな影響を与えることになります。それぞれの影響について解説します。

職場環境悪化により生産性が低下する

環境型セクハラは、職場環境を悪化させ、生産性の低下につながります。被害者が受ける影響には、信頼関係の崩壊、対人への恐怖心、精神疾患なども挙げることができます。業務への集中力が低下したり、従業員が休職したりすることにもなり得ます。 これらが業務に影響を与え、個々のパフォーマンスの低下、そしてチーム全体のパフォーマンス低下へとつながるのです。

行政指導を受ける場合がある

ハラスメント防止措置が義務付けられているため、環境型セクハラを放置すると、国から行政指導を受ける場合があります。男女雇用機会均等法違反が確認された場合は、是正指導が実施されていますが、厚生労働省が公表している是正指導件数の推移によると、平成29年から令和元年までの3年間の是正指導件数は以下の通りです。

 

第11条関係(セクシャルハラスメント)

  • ・平成29年 4,458件
  • ・平成30年 4,953件
  • ・令和元年 4,671件

是正指導件数の推移

行政からの指導を受けないためにも、環境型セクハラが発生した場合は、迅速に対応する必要があります。

訴訟問題に発展する場合がある

環境型セクハラが、訴訟問題に発展する場合もあります。この場合、セクハラの加害者だけでなく、企業側も損害賠償責任が発生します。 例えば、職場にヌードポスターを張ったり、男性社員に裸芸をさせたりする場合、「公然わいせつ罪」に問われる可能性があります。性的な内容の噂話を流したり、差別的な言動で不快な思いをさせたりする場合は、「名誉棄損罪」「侮辱罪」に問われる場合もあります。 また、身体的接触がエスカレートして、「強制わいせつ罪」にまで発展することもあります。特に、飲み会の2次会、3次会後など、企業の目が届かないところでセクハラが行われることがあるため、注意する必要があります。

企業イメージの悪化

環境型セクハラにより、行政指導を受けたり訴訟問題に発展したりする場合、企業名が世間に明らかになってしまいます。一度悪化した企業イメージを立て直すことは簡単ではありません。 ブラック企業として認識されることもあり、従業員の退職などによる人材流出が生じ、採用活動も難しくなるでしょう。特に人手不足が問題となっている昨今、企業イメージを守ることは非常に大切な課題のひとつです。

 

環境型セクハラ対策としてできること

最後に、環境型セクハラの対策として企業ができることを3つ紹介します。

ハラスメント研修による従業員の意識改革

環境型セクハラ問題の解決が難しい理由に、コミュニケーションの一部だと思って気付いていない人が多いことが挙げられます。人権教育啓発推進センターが作成したセクシャルハラスメントのチェックリストには以下の項目があります。  ・職場でも性的な話題も時には必要だと思う  ・性的な冗談は女性も喜んでいると思う  ・女性の肩に手を触れるのはスキンシップである これらをセクハラだと捉えていない人が多くいるため、個々の認識の違いが環境型セクハラを放置させてしまうのです。そこで、ハラスメント研修を実施するなど、従業員の意識改革に着手する必要があります。
参考:セクシャルハラスメントのチェックリスト

就業規則の整備と全従業員への周知

これは、ハラスメント防止措置義務化により、すべての企業が行わなければならないことでもありますが、就業規則を整備して、全従業員に周知する必要があります。セクハラに対する罰則を明記することで、企業としてのセクハラ問題への方針を明確化するのです。 社内ホームページや回覧板などにより、全社員が理解できるようにすることも大切です。具体例を記載した情報や、セクハラにあった場合の対処法についても、全社員に伝えるようにしましょう。

相談窓口の設置やアンケート調査の実施

環境型セクハラの被害者は、セクハラ行為を受けた場合に、我慢してします傾向にあります。そこで、相談窓口の設置をすることで、被害者の逃げ道を作る必要があります。この場合、守秘義務などを含めてきちんと教育を受けた担当者の選任が重要です。 また、匿名のアンケート調査を実施して、企業内で環境型セクハラが発生していないか、従業員の意識調査なども含めて確認することができるでしょう。

 

まとめ

環境型セクハラの問題解決には、企業だけでなく全従業員の正しい理解が必要です。判断基準がはっきりしていないため、対策と講じるのが難しい問題でもあります。従業員一人ひとりの意識改革を含め、粘り強く取り組むことで、職場環境の改善に努めていきましょう。

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