公開日:2021/05/28
更新日:2024/02/07

アセスメント研修の効果とは?実施方法とポイントを紹介

アセスメント研修の効果とは?実施方法とポイントを紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

アセスメントの意味や種類、人材アセスメントを導入するメリットについて、本記事では紹介しています。また、人材アセスメント研修や導入時のポイントも紹介しておりますので、人事担当の方はぜひ本記事をお役立てください。

 

01アセスメント研修とは

アセスメント研修とは、参加者の能力やスキルを客観的に評価し、フィードバックを提供するための研修プログラムのことです。アセスメント研修では、参加者が特定の課題やシナリオに取り組み、その実施過程や結果を評価します。一般的に、グループディスカッション、ロールプレイ、ケーススタディなどの形式が使用され、参加者は自己評価や他者からのフィードバックを通じて、自身の強みや改善すべき点を明確にします。アセスメント研修は、参加者の成長や能力向上を促進し、個々の学習ニーズに合わせたカスタマイズされた指導やサポートを提供します。また、組織や企業にとっては、人材の評価や適材適所の配置、キャリア開発の戦略的な計画を立案するための重要な手段となります。結果として、アセスメント研修は参加者と組織の双方にとって有益な成果をもたらすことが期待されます。

アセスメントとは

アセスメントは、「評価する」「査定する」などの意味で使われている言葉です。アセスメントは何かの対象物を客観的に評価する言葉であるため、対象物と組み合わせて「 〇〇アセスメント」と表現されることが多いとされています。

ビジネスシーンで特に重要な以下の3つのアセスメントについてご紹介します。

  • 1:人材アセスメント
  • 2:環境アセスメント
  • 3:リスクアセスメント

1.人材アセスメント

企業の生産性を向上させるためには、人材の特性や能力を把握したうえで、適所に配置する「適材適所」が重要です。人材アセスメントは、言動や行動などの客観的な判断基準を基に、人材の適性を見極めることを指します。 人材アセスメントは元々、第二次世界大戦前後のドイツやアメリカで、スパイや軍隊の人材選抜を行う際に使用されていた仕組みです。かつてのように階級や素質で人材を評価するのではなく、個人の能力や適性を客観的に評価できることが注目を集め、アメリカの産業界で主流となりました。その後、バブル崩壊後の日本に流入し、導入が急速に拡大した過去があります。 従来、日本の人事考課においては、直属の上司や上層部が人材の能力や仕事の成果を評価していましたが、最近はこの流れが見直され、主観的な評価に加えて第三者の客観的な評価を用いる人材アセスメントが主流となっているのです。人材アセスメントでは、外部の専門機関の適性検査やシミュレーションを通して、自分や周囲の人間では気づかなかったような潜在的な能力や適性を測定します。

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2.環境アセスメント

企業による事業が周囲の環境に悪影響を及ぼすおそれは、事前に検討しておくことが大切です。環境アセスメントは、事業が環境に及ぼすと想定される影響をあらかじめ想定し、対策を考えておくことを指します。 新たにスキー場やゴルフ場など自然の中に施設を建設することや、工場の稼働によって、周囲の環境に多大な悪影響をおよぼすことが想定されます。具体的には、森林伐採による自然バランスの崩壊や、周辺住人への騒音などの影響です。上記のような影響を事前にシミュレーションし、想定を行うことで、行うべき対策や課題を見つけられます。

3.リスクアセスメント

事業を行う際、事故や災害のリスクはついて回るものです。リスクアセスメントでは、事業を行うことによってもたらされる、労働災害や事故をあらかじめ予測し、低減策や防止措置を講じることを指します。 たとえば、建設現場においては落下物による事故や従業員の労働災害、崩落事故が想定されます。これらの事故に対して、あらかじめ対策を打ち出しておくことがリスクアセスメントです。

 

02人材アセスメントが企業に求められる背景

なぜ人材アセスメントが注目されているのでしょうか。ここでは、主な背景を3つ解説します。

年功序列制が崩壊している

現代までの日本は年功序列と終身雇用が前提とされ、従業員全員が同じような職務をローテーションしながら同様に成長していくことがほとんどでした。しかし、昨今はこのような流れは薄れていて、従業員の個性を重視し、仕事に活かしていく流れが主流です。それにともなって、主観的な判断だけではなく、客観的な評価を交えた人材アセスメントによって、従業員の適性を最大限活用することが重視されているのです。

人材不足

現代では労働力不足の影響で優秀な人材の確保が困難となり、マネジメントを行う人材も不足しているといわれています。したがって、人材配置やリーダー選抜の場面では、従来以上に効率性と迅速さが求められているのです。このことから、明確な判断基準を基に客観的に評価を行うという人材アセスメントの特長が注目を集め、多くの企業で採用されています。

働き方の変化

人材不足により、自らも業務をこなしながらマネジメントを行うマネージャーが増えているため、深く部下を観察し、客観的に評価することが難しくなっています。テレワークの普及によって、個人の働き方や成長度合いの観察が困難を極めていることも背景のひとつです。従来の評価方法はもはや、通用しなくなっているのです。上記のような背景があり、従来のように人材を一様に評価する方法ではなく、一人ひとりの個性やスキル、適性を客観的に把握していく人材アセスメントが重要視されているのです。

 

03アセスメントの代表的な手法

アセスメントを実践する手法にはいくつかの種類がありますが、ここでは代表的な三つの手法を紹介します。特におすすめであるアセスメント研修については、最後に紹介していますので、ぜひ実施を検討してみてください。

アセスメントの代表的な手法は以下の3つです。

  • 1:適性検査
  • 2:360度評価
  • 3:アセスメント研修

1.適性検査

テスト形式で行い、対象者の能力や特性を把握するために行われる検査です。個人の能力や性格を定量化するため、適性を客観的に評価することを期待できます。人材配置や昇進昇格など、多くの場面で用いられています。

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2.360度評価

360度評価とは、対象者の上司や部下、同僚や取引先など、関わりのある多くの人物によって、能力や人物像を評価するものです。多くの立場の人間が評価を行うことで、多角的で客観性の高い結果が得られると期待できます。

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3.アセスメント研修

実際の業務状況と類似した状況を作り出し、対象者が取る行動を評価します。アセスメント研修では、特別な訓練を受けた専門家が対象者を評価するため、アセスメントの効果が最も高いと期待できます。あらかじめ、企業が人材アセスメント研修の目的や求める人材を専門家に提示し、専門家が適切な評価項目を用意するため、確実に効果を得たいと考えている場合には、アセスメント研修が最もおすすめです。

 

04アセスメント研修を実施するメリット

人材アセスメントが重要視されている背景を確認したところで、次にアセスメントを研修を行うメリットについて企業と従業員、それぞれにとってのメリットを分けて見ていきましょう。

企業にとってのメリット

企業にとってのメリットは、アセスメント研修を通して、人材を適材適所に配置できることです。主観的な評価や判断で人材の配置を行うと、人材の潜在的な能力や適性が十分に活かされないおそれがあります。アセスメント研修では、客観的な評価基準を基に評価を行うための知識やノウハウを身に着けられるので、人材の本来のスキルや適性を把握することが可能になり、適切な場所に配置できると考えられます。アセスメント研修を行うことで、従業員の潜在的な能力や適性が見つかり、本当に個性を発揮できる部署に配置転換するきっかけとなることを期待できるのです。

従業員にとってのメリット

従業員にとってのメリットは、アセスメント研修を通して、モチベーションの向上や新たな自己の気づきにつながることです。アセスメント研修を行い結果を従業員にフィードバックできるようになることで、自分の強みや弱みを把握でき、目標に向けてどのような努力をすべきかに気づくきっかけとなります。

 

05アセスメントを実施するときのポイント

ここまで紹介してきたようなアセスメント研修の効果を最大限にするためには、実施時に気をつけるべきポイントを把握することが必要です。ここでは、アセスメント研修実施時の留意点を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

人材アセスメントを導入するときのポイントは以下の3つです。

  • 1:目標を明確化する
  • 2:評価項目を設定する
  • 3:学習効果を測定する

1.目標を明確化する

アセスメント研修の最初に、参加者や学習者にとっての目標を明確に定義することが重要です。また、評価基準も明確に設定しましょう。受講者がどのようなスキルや知識を身につけるべきか、何を達成すべきかを明示し、その評価方法を共有します。

2.評価項目を設定する

アセスメント研修の目標を明確したところで、その目標を達成するためにインプットすべき評価方法の設定が重要です。テストやクイズ、グループディスカッション、プレゼンテーション、実地演習、ケーススタディ、ポートフォリオなど、異なる評価手法を組み合わせて、参加者の理解度やスキルの習得度を総合的に評価できるような方法を検討することが重要です。

3.学習効果を測定する

アセスメント研修の目的が、従業員の能力開発や人材育成である場合には、アセスメントの結果を従業員にきちんとフィードバックすることが大切です。改善点や成長の機会を示します。さらに、フィードバックを受けて参加者が自己評価や振り返りを行い、次の段階での成長につなげるためのプロセスを組み込むことが大切です。


 

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アセスメント研修に活用されている授業

Schoo for Businessでは、実際に多くの授業がアセスメント研修に活用されています。ここでは、その中でもおすすめの授業をいくつか紹介するため、ぜひ参考にしてください。

人事評価 部下の評価を正しく行うポイント

人事評価 部下の評価を正しく行うポイント
 

評価の目的や制度の適切な理解から、適切な評価を行うための目標設定のポイント、評価時エラーの留意点について学びます。

  • コンサルタントマネージャー

    株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパン コンサルタントマネージャー <経歴>小売業 統轄エリアマネージャー(22店舗担当)人事部部長、不動産業 人事課課長、大手販社 人材開発部マネージャー<得意分野>新入社員の接客・接遇・ビジネスマナーから上層階層のマネジメントスキルまで幅広く対応。

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パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」

パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」
 

国際エグゼクティブコーチのヴィランティ牧野祝子さんを講師にお迎えし、部下の能力を引き出し、組織全体のパフォーマンスをアップさせる、効果的なポジティブフィードバックについて学ぶ授業です。

  • 国際エグゼクティブコーチ

    株式会社グローバル・キャリアデザイン 代表取締役。 東京生まれ。ミラノ在住。コロンビア大学、INSEAD(インシアード・欧州経営大学院)MBA卒業後、国内外10カ国で、外資系の戦略コンサルタント、多国籍企業のマーケティング、新規事業の立ち上げ等、様々なキャリアを積む。

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リモート時代のマネジメントと信頼構築

リモート時代のマネジメントと信頼構築
 

今回の授業は、株式会社キャスター取締役COOの石倉秀明さんをお迎えして、リモートワークのマネジメントとについて考えていきます。

  • 株式会社キャスター取締役CRO

    株式会社キャスター取締役CRO。(株)リクルートHRマーケティング入社。09年6月に当時5名の(株)リブセンスに転職し、ジョブセンスの事業責任者として入社から2年半で東証マザーズへ史上最年少社長の上場に貢献。その後、DeNAのEC事業本部で営業責任者ののち、新規事業、採用責任者を歴任し、2016年より現職。2019年7月より「bosyu」の新規事業責任者も兼任。

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07まとめ

労働力不足の今、適材適所で従業員の能力を最大限活用することが急務となっています。人材アセスメントを通して、従業員の適性を客観的に評価することで、適材適所を実現できるのです。また、従業員のモチベーション向上や能力開発のためにも、人材アセスメントは有効です。特に、人材アセスメントに精通した人材アセスメント研修は確実に効果を得られるため、人材アセスメントを検討している方はぜひご検討ください。

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組織マネジメントや目標設計、人事評価についてのウェビナーアーカイブです。20年以上、人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、書籍、人事塾などによって、企業の人事を支援している、株式会社壺中天の代表である坪谷氏をお招きし、働きがいと成果を同時に実現する人材マネジメントについてお話しを伺います。

  • 登壇者:坪谷 邦生 様
    株式会社壺中天 代表取締役

    立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。その後、リクルートマネジメントソリューションズ社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、人材マネジメントの領域に「夜明け」をもたらすために、アカツキ社の「成長とつながり」を担う人事企画室を立ち上げ、2020年「人事の意志をカタチにする」ことを目的として壺中天を設立し代表と塾長を務める。

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この記事を書いた人
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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