レジリエンスとは?高める方法や類義語との違いを解説

変化の激しい環境やストレスに直面する現代の職場では、困難からしなやかに立ち直る力である「レジリエンス」が注目されています。本記事では、レジリエンスの基礎知識や高める方法、社内研修に活用できるカリキュラム例を紹介します。
- 01.レジリエンスとは
- 02. レジリエンスの3因子(精神的回復力尺度より)
- 03.レジリエンスが注目される背景
- 04.レジリエンスの誤解と真実
- 05.レジリエンスを高めるメリット
- 06.レジリエンスを育む6つのコア・コンピテンシー
- 07.レジリエンスを高める方法
- 08.レジリエンス研修|Schoo for Business
- 09.まとめ
01レジリエンスとは
レジリエンス(resilience)とは、困難やストレス、逆境に直面したときに、状況に応じてしなやかに適応し、心身の状態や行動を立て直していく力やプロセスを指します。
もともとは、物体が外から力を受けた後に元の形状へ戻ろうとする性質を表す言葉として用いられていました。握っても元の形に戻るテニスボールをイメージすると、理解しやすいでしょう。ただし、人を対象としたレジリエンスにおいては、単に元の状態に戻ることだけを意味するものではありません。困難な状況の影響を受けながらも、状況に合わせて考え方や行動を調整し、適応していくことも含まれます。
Schoo for Businessの授業『「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方 -しなやかマインドセットを身につける-』に登壇する菅原聖也先生は、レジリエンスが高い人とは「ストレスや逆境に遭遇しても意欲や充実感が落ちない人」ではないと説明しています。大きな失敗をすれば、誰でも意欲が低下したり落ち込んだりすることがあります。それでも、必要以上に落ち込み続けるのではなく、心の状態を立て直し、失敗を取り返そうとしたり、次の対策を考えたりできることが、レジリエンスの高さとして示されています。
ストレス耐性との違い
アメリカ心理学会の心理学辞典によれば、ストレス耐性(stress tolerance)とはプレッシャーや負荷に耐え、ストレスのかかる状況下でも効果的に機能を維持できる能力を指します。言い換えれば、負担が大きい状況でも過度に不安に飲み込まれず、パフォーマンスを保てる力といえます。
一方、レジリエンスは、ストレスや逆境の影響を受けながらも、状況に応じて適応し、心身の状態や行動を立て直していく力やプロセスに焦点を当てています。ストレス耐性が「負荷に耐えて機能を保つ力(=折れにくさ)」だとすれば、レジリエンスは「影響を受けても、そこからしなやかに立て直す力」といえます。
ストレス耐性は重要ですが、耐えることだけを重視すると、負荷の原因を見直したり、周囲に支援を求めたりする視点が弱くなる場合があります。レジリエンスは、落ち込むこと自体を否定せず、そこからの適応や回復のプロセスを重視する点に特徴があるのです。
▼参考:stress tolerance|APA Dictionary of Psychology
メンタルヘルスとの違い
メンタルヘルスは、心の健康状態そのものを指す言葉であり、良好な状態から不調の状態までを含む幅広い概念です。企業におけるメンタルヘルスケアは、不調の予防や早期発見、不調者への対応など、心の健康状態を維持・回復するための取り組みを含みます。
これに対してレジリエンスは、困難やストレスに直面したときに、本人の考え方や行動、周囲からの支援などを通じて適応し、心身の状態を立て直していく力やプロセスです。つまり、メンタルヘルスが心の健康状態を表す概念であるのに対し、レジリエンスはその状態の維持・回復を支える要因の一つと位置づけられます。
ストレスコーピングとの違い
ストレスコーピングとは、ストレスの原因となる出来事や、それによって生じる感情に対して行う、認知的・行動的な対処のプロセスを指します。問題そのものの解決を図る「問題焦点型」や、感情の整理を図る「情動焦点型」などの方法があります。
一方、レジリエンスは、個別の対処行動そのものというより、逆境やストレスのある状況に適応し、心身の状態や行動を立て直していく、より包括的な力やプロセスを指します。ストレスコーピングが、個別のストレス状況に対する具体的な対処の仕方に焦点を当てるのに対し、レジリエンスは、適切なコーピングや周囲からの支援を活用しながら適応・回復していく過程全体に関わる概念といえます。
ハーディネスとの違い
ハーディネスとは、ストレスの多い状況でも健康を損ないにくい人が持つ心理的特性を説明する概念です。「コミットメント(物事への積極的な関与)」「コントロール(自分で状況に影響を与えられるという感覚)」「チャレンジ(変化を脅威だけでなく成長の機会として捉える姿勢)」の3要素から構成されます。
ハーディネスが、ストレス状況をどのように受け止め、関わり続けるかという比較的安定した態度や性格特性に注目する概念であるのに対し、レジリエンスは、困難に直面した際の適応や回復のプロセスにも焦点を当てる点が主な違いです。
02 レジリエンスの3因子(精神的回復力尺度より)
レジリエンスはここまで見てきた通り、逆境に対してしなやかに適応し、自身の状態を立て直す力です。では、人それぞれのレジリエンスに関わる傾向を測定することはできるのでしょうか。ここで参考になるのが、心理学者の小塩真司氏らが開発した「精神的回復力尺度」です。小塩氏らは、精神的な落ち込みからの回復を促す心理的特性として、「新奇性追求」「感情調整」「肯定的な未来志向」の3つを示しています。尺度として整理されているため、個人の状態を理解したり、振り返ったりする際の観点として活用しやすいのが特徴です。
▼参考:精神的回復力尺度(Adolescent Resilience Scale; ARS)|Personality Psychology Lab
1.新奇性追求
新奇性追求とは、新しいことや珍しいことに興味・関心を持ち、挑戦しようとする特性です。未知の物事を「怖いもの」だけでなく「面白そうなもの」として捉えられる人は、環境の変化や想定外の出来事に直面した際にも、それを新たな経験や学びの機会として受け止めやすいと考えられます。
困難な状況でも視野を広く保ち、新たな解決策を探ろうとする姿勢は、立ち直りを支える要素の一つになります。
2.感情調整
感情調整とは、不安や怒り、落ち込みといった感情に気づき、それに過度に振り回されずに、心の状態を整えようとする特性です。
強いストレスを受けたときに感情に飲み込まれてしまうと、冷静な判断や行動が難しくなることがあります。自分の感情の動きに気づき、気持ちを落ち着かせたり切り替えたりできる人は、動揺から回復し、目の前の課題に建設的に向き合いやすくなります。
3.肯定的な未来志向
肯定的な未来志向とは、自分の将来に対して明るい見通しや希望を持ち、将来の目標に向かって進もうとする特性です。
「これから良くなっていく」「努力すれば道は開ける」という未来への期待を持てる人は、目の前の困難を一時的なものとして捉え、失敗しても次の目標に向かって歩みを進めやすくなります。将来への希望や目標は、逆境から立ち直ろうとする姿勢を支える要素になります。
03レジリエンスが注目される背景
レジリエンスが注目される背景には、現代のビジネス環境における不確実性の高まりと、働く人のメンタルヘルスへの対応が社会的に重視されるようになっている点があります。
なかでも働く人のメンタルヘルスへの関心を高める一因となったのが、 新型コロナウイルス感染症のパンデミックです。WHO(世界保健機関)が2022年3月2日に公表した「Mental Health and COVID-19: Early evidence of the pandemic’s impact」によると、パンデミック最初の1年間で、世界における不安症とうつ病の有病率は25%増加したと報告されています。
感染への不安や孤立、生活・働き方の急激な変化など、パンデミックに伴うさまざまな要因が、人々の心の健康に大きな影響を与えたことがうかがえます。
こうした経験を通じて、予測不能な危機に直面した際にも心身の状態を立て直し、しなやかに適応・回復していく力であるレジリエンスへの関心が高まりました。
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04レジリエンスの誤解と真実
レジリエンスは、「ネガティブな感情を持たないこと」や「決して弱音を見せないこと」と誤解される場合があります。しかし、レジリエンスは感情をなくすことではありません。ネガティブな感情にも意味や役割があることを理解し、それを適切に扱いながら、困難な状況から回復していく力です。
Schoo for Businessの授業「折れない心を育てるレジリエンスの高め方」では、日本ポジティブ心理学協会認定レジリエンス・トレーナーの菅原聖也先生が、レジリエンスに関する誤解と真実を以下のように整理しています。
| レジリエンスの誤解 | レジリエンスの真実 |
| 決して感情を見せない | 感情を適度にコントロールする |
| ネガティブな感情を持たない | ネガティブ感情の意味や役割を知っている |
| 個人の力 | 個人並びに関係性の力 |
| 超人的な特徴を備える | 回復・再起力に富む |
| レジリエンスがあるかないか | 誰でもレジリエンスは養うことができる |
注意したいのは、レジリエンスを「ある/ない」の二択で捉えないことです。レジリエンスは、生まれ持った資質だけで決まるものではなく、考え方や行動の習慣、周囲との関係性によって育んでいくことができます。
そのため、「自分には才能がない」と諦めるのではなく、日々の経験を振り返りながら、時間をかけて育てていく力として捉えることが大切です。また、レジリエンスは個人だけで高めるものではありません。職場においては、相談しやすい関係性や周囲からの支援も、困難からの回復を支える重要な要素になります。
05レジリエンスを高めるメリット
従業員のレジリエンスは、産業・組織心理学などの分野において研究されています。そこでは例えば、レジリエンスが個人の心理的ウェルビーイングや仕事への態度、職務パフォーマンスなどと関連することが報告されており、従業員の状態や仕事への向かい方に影響する一つの要素として注目されています。
ただし、レジリエンスを高めれば、すべての従業員や組織に同じ変化が生じるわけではありません。業務量や人員配置、上司・同僚からの支援、職場環境なども、従業員の状態や組織成果に影響します。ここでは、レジリエンスを育むことで職場に期待される変化を5つ紹介します。
仕事への意欲を維持・回復しやすくなる
レジリエンスの高い従業員は、失敗や困難に直面して一時的に落ち込んでも、状況を整理し、次の行動を考えやすい傾向があります。「次はどうすればよいか」と考え直すことは、仕事への意欲を維持・回復する助けになります。また、こうした姿勢は、仕事を前向きに捉え、積極的に行動する原動力にもなり得ます。
パフォーマンスの維持・回復を支える
プレッシャーのかかる場面や逆境においても、レジリエンスの高い従業員は、感情に過度に振り回されず、状況を整理して行動しやすい傾向があります。
トラブルや失敗が起きた際にも、落ち込んだ状態を必要以上に引きずらずに立て直すことは、パフォーマンスの維持・回復につながります。個人のパフォーマンスの維持・回復は、チームや組織全体の成果を支える要素の一つになるでしょう。
ストレスへの対処を支える
前述のとおり、レジリエンスはストレス耐性そのものではありませんが、状況に応じて適切な対処を選び、回復につなげていく力は、ストレスとうまく付き合うために欠かせない要素です。この力が高い従業員は、ストレスを感じた際に自分の状態を客観的に把握し、場面に合った対処を選びやすくなります。
原因を分析して解決を図る、あるいは気持ちを切り替えてリフレッシュするなど、状況に応じた柔軟な対応が可能になるため、ストレスをため込んで心身の不調に至るリスクを低減できます。
環境の変化に適応しやすくなる
組織再編や業務プロセスの変更、新しいテクノロジーの導入など、変化の激しい現代のビジネス環境では、変化への適応力が個人にも組織にも求められます。
レジリエンスの高い従業員は、変化に不安を感じた場合でも、状況を整理し、新しい環境や役割に適応するための行動を取りやすいと考えられます。こうした姿勢は、組織が変化に対応するうえでの土台の一つになります。
チームの相互支援を促す
社会心理学などの分野では、人の感情はポジティブなものも、ネガティブなものも伝染すると考えられています。実際に、身近な誰かが落ち込んでいて心配したり、イライラした人の近くにいて不快な気分になったりした経験がある人も少なくないでしょう。
レジリエンスが高い傾向にある人は、不測の事態やトラブルに見舞われても、自ら気持ちを立て直し、落ち着いて次の行動を取りやすい傾向にあります。こうした姿勢は、周囲の不安を過度に広げにくくし、チームが冷静に状況へ向き合う一助になります。 また、困難な状況で必要に応じて助けを求めたり、周囲のメンバーを支援したりする姿勢は、チーム内の相互支援を促す要素になるでしょう。
06レジリエンスを育む6つのコア・コンピテンシー
同じ事象を経験しても、それを前向きに捉える人、後ろ向きに捉える人がそれぞれいるように、レジリエンスは個人の物の見方や感じ方とも深く関係する概念です。一方研究では、こうした物事の捉え方や認知のパターンはトレーニングによって変化し得るという観点も示されています。
ここでは、レジリエンスを育むために参考になるフレームとして、米陸軍のレジリエンス訓練プログラム「マスター・レジリエンス・トレーニング(MRT)」で整理されている6つのコア・コンピテンシー(※中核的な能力)について紹介します。
- 1.自己認識
- 2.自己調整
- 3.楽観性
- 4.精神的敏捷性
- 5.性格的強み
- 6.つながり
1.自己認識
自己認識とは、自分の思考・感情・行動のパターンに気づく力です。ストレスを感じたときに自分の内面で何が起きているのかを観察できると、非生産的な思考の癖や感情的な反応に気づきやすくなります。
自己認識は、自分の反応を理解し、より適切な対処を選ぶための出発点として重要です。
2.自己調整
自己調整とは、目標達成のために、自分の衝動や感情、思考、行動を状況に応じて調整する力です。困難な状況で湧き上がる不安や怒りをそのまま行動に移すのではなく、いったん受け止めたうえで対応を選ぶことで、冷静な判断や一貫した行動につながりやすくなります。
感情を抑え込むのではなく、適切に表現・活用することも重要です。
3.楽観性
楽観性とは、物事の良い面に目を向け、自分でコントロールできる部分を見極めながら、現実に即した希望を持つ力です。
困難な状況でも、「自分に変えられる部分は何か」と考えられると、問題解決に向けた行動を検討しやすくなります。根拠のない楽天主義ではなく、現実を直視したうえで打開の可能性を見出す姿勢が重要です。
4.精神的敏捷性
精神的敏捷性とは、物事を多角的・柔軟に捉え、状況に応じて考え方を切り替える力です。一つの見方に固執せず、他者の視点に立ったり、別の解釈の可能性を探ったりすることで、問題をより正確に捉え、状況に合った解決策を検討しやすくなります。
思い込みや決めつけから距離を置き、柔軟に考えることが、困難な状況への適応を支えます。
5.性格的強み
性格的強みとは、自分や他者の強みを理解し、課題の克服や目標の達成に生かす力です。自分の強みを自覚して発揮することは、困難に向き合う際の自信や行動の支えになります。
また、自分一人で対応しようとするのではなく、チームメンバーの強みにも目を向けることで、業務上の問題や困難な状況に、より柔軟に対応しやすくなります。弱みの矯正だけでなく、強みの発揮に焦点を当てることは、持続的な成長や回復を支える要素になります。
6.つながり
つながりとは、周囲の人と信頼関係を築き、支え合える関係性を持つ力です。困ったときに相談できる相手や、自分を理解してくれる仲間の存在は、逆境から立ち直るうえで重要な心の支えとなります。
効果的なコミュニケーションや共感を通じて信頼関係を築き、必要なときに助けを求めたり、周囲を支援したりできることが、困難への適応や回復を支えます。
07レジリエンスを高める方法
ここからは、上でご紹介した6つのコア・コンピテンシーを踏まえ、より具体的なレジリエンスのトレーニング方法についてご紹介します。
| 育てる力(コア・コンピテンシー) | 育てる方法 |
| 自己認識 | ネガティブな思考癖を見直す/ありのままの自分を受け入れる |
| 自己調整 | 自分にできることへ目を向け、行動を選ぶ |
| 楽観性 | 現実的な楽観性を育む |
| 精神的敏捷性 | 周囲の意見を上手に活用する |
| 性格的強み | 自他の強みに目を向ける |
| つながり | 良好な信頼関係を築く |
なお、以下で紹介するのは、主に従業員個人が実践する取り組みです。人事・管理職の立場では、これらを個人任せにするのではなく、組織としてどう後押しするかという視点で読むと、施策に落とし込みやすくなります。
例えば、思考癖の見直しや自己受容、楽観性を育むワークを研修やセルフチェックとして提供することが考えられます。また、フィードバックや信頼関係づくりが成り立つよう、1on1やチーム内で安心して意見を言える対話の場を用意することも重要です。さらに、一度きりで終わらせず、学びを振り返る機会や、上司・同僚が支援し合える環境を仕組みとして整えることも求められます。
個人の努力を支える「土壌づくり」は、人事・管理職に期待される重要な役割です。
ネガティブな思考癖を見直す
レジリエンスを高める第一歩は、自分のネガティブな思考の癖に気づき、見直すことです。人は無意識のうちに「どうせ失敗する」「自分には向いていない」といった悲観的な解釈をしてしまうことがあります。そうした思い込みが行動を制限し、結果的に思い込みに近い状況を生み出してしまうことがあります。
Schoo for Businessの授業『「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方 -しなやかマインドセットを身につける-』では、この現象が「負の自己達成予言」として解説されています。講師である菅原先生自身の例として、「話すのが苦手」と思い込んでいると人前で話す場面を避けるようになり、周囲も「あの人は話すのが好きではないのだろう」と話しかけなくなる。その結果、話す機会がさらに減り、苦手意識がいっそう強化される。というネガティブなスパイラルが紹介されています。
授業では、能力は努力次第で伸ばせると考える「しなやかマインドセット」を持つことで、苦手だと思っていることにも挑戦し続けやすくなり、このような負のループから抜け出すきっかけになると解説されています。
周囲の意見を上手に活用する
自分一人の視点だけで物事を捉えていると、思考が偏り、行き詰まったときに抜け出しにくくなることがあります。信頼できる上司や同僚、友人などからのフィードバックやアドバイスを取り入れることで、自分では気づけなかった選択肢や物事の別の側面が見えてきます。
多様な視点を自分の判断材料として活用する姿勢を持つことが、思考の柔軟性を高め、困難な状況からの回復や適応を支えることにつながります。
ありのままの自分を受け入れる
レジリエンスの土台となるのが、自己受容、すなわち長所も短所も含めたありのままの自分を認めることです。失敗したときに「自分はだめな人間だ」と過度に自己否定してしまうと、立ち直りに時間がかかり、新たな挑戦への意欲も失われやすくなります。
「失敗はしたが、それも成長の過程だ」と自分を受け止められる人は、必要以上に落ち込み続けず、失敗から学びを得て前へ進みやすくなります。完璧な自分を目指すのではなく、不完全さも含めて自分を肯定することが、心のしなやかさを育む助けになるのです。
良好な信頼関係を築く
逆境に直面したとき、家族や友人、同僚といった周囲との良好な関係が心の支えになることは少なくありません。困ったときに支えてくれる人、悩みを打ち明けられる人の存在は、ストレスの影響を和らげ、立ち直りを支える要素になります。日頃から感謝を伝え合い、互いを尊重するコミュニケーションを積み重ねることが大切です。
Schoo for Businessの授業『「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方 -自分の「強み」を知って積極的に活かす-』では、信頼関係を築くための実践として「人の強みを認め伝える」というエクササイズが紹介されています。大切な人を思い浮かべてその人の強みを考え、その強みによって自分が受けた恩恵に対して感謝の言葉を贈るというワークです。
講師の菅原先生は、相手の強みや良いところに目を向けることはその人自身を尊重することにつながること、そして心の中で認めているだけでは相手に伝わらないため、感謝を言葉にして伝えることがお互いの関係性の向上につながることを解説しています。
自分にできることへ目を向ける
困難な状況に直面したときは、「この状況を良くするために自分にできることは何か」と、自分の行動に目を向けることが大切です。
うまくいかない原因を環境や他人のせいだけにしてしまうと、状況を変える主体性が失われ、無力感につながる場合があります。一方で、「自分の工夫や行動次第で変えられる部分もある」と捉えられる人は、困難な状況でも打開策を探し続けやすくなります。コントロールできない要因とできる要因を切り分け、後者に意識を向けることがポイントです。
現実的な楽観性を育む
楽観性は、レジリエンスを支える重要な要素の一つです。ここでいう楽観性とは、根拠なく「なんとかなる」と考えることではなく、現実を見つめたうえで、未来に向けた可能性や自分にできる行動を見出す姿勢を指します。こうした楽観性は、意識的なトレーニングによって育むことができるとされています。
Schoo for Businessの授業『「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方 -しなやかマインドセットを身につける-』では、楽観性を高めるワークとして「最高の自分像を描く」エクササイズが紹介されています。「3年後、何もかも望みどおりになった将来の自分」を思い描き、ベストを尽くして目標をすべて達成した自分の姿を具体的に書き出すというものです。
同授業では、日本人は最高の自分を描くことに苦手意識を持ちやすいという観点にも触れながら、「努力すれば大きく伸びる」というしなやかマインドセットを持って具体的にイメージすることで、前向きな未来像を描きやすくなると解説されています。
レジリエンス研修を実施する
従業員のレジリエンス向上を支援したい場合、外部講師によるレジリエンス研修を実施することも有効な選択肢の一つです。レジリエンスの基本概念や思考の整理方法、ストレスへの対処法などを体系的に学ぶことで、従業員が自分の状態に気づき、困難な状況への向き合い方を見直すきっかけになります。
また、研修内で実践的なエクササイズを行うことで、知識として理解するだけでなく、日常業務で活用するイメージを持ちやすくなります。ただし、研修を実施するだけで終わらせず、学んだ内容を職場で振り返る機会や、上司・同僚が支援し合える環境を整えることも重要です。
08レジリエンス研修|Schoo for Business
Schoo for Businessでは、約9,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。レジリエンス研修はもちろんのこと、階層別研修からテーマ別研修まで幅広い研修を定額制で実施できることが特長です。
| 受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
| アーカイブ本数 | 9,000本 (新規講座も随時公開中) |
| 研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
| 費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
| 契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
Schoo for Businessの資料をダウンロードする
レジリエンスに関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、9,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、レジリエンスに関する授業を紹介いたします。
自分でできる認知行動療法~レジリエンス力を高める
この授業では、レジリエンス向上のため、自身でできる認知行動療法を学んでいきます。認知行動療法は、「現実の受け取り方」や「ものの見方」といった認知に働きかけて、心のストレスを軽くしていく治療法です。自身でできる手法を学んでおくことで、大きなストレスに直面した際に、セルフマネジメントできるようにしていきます。
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マイコーピング株式会社 代表取締役社長
コニカミノルタにて新規事業の海外営業・マーケティング。IBMビジネスコンサルティングサービスでのCRMコンサルタントを経て、日本IBMにてグローバル・ビジネス・サービス(GBS)事業のリソース管理部長として、事業変革を支える経営管理モデルの構築をリード。上海のオフショア拠点での駐在も経験。アドビにてエクスペリエンス・クラウド事業の経営企画本部長として、コンサルティングなどサービス部門の成長を牽引。2020年マイコーピング株式会社を創業し、「働く人」の心の問題を予防的に解決するサービスを提供。
自分でできる認知行動療法~レジリエンス力を高めるを無料視聴する
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方
本授業では、失敗や困難からすぐ立ち直り、成功や成長へと導く"折れない心(=レジリエンス)"を育てる方法を学びます。さらに、実践的なエクササイズを通して「なりたい自分」になるためのセルフマネジメントの手法も併せて学びます。
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一般社団法人 日本ポジティブ心理学協会 認定レジリエンス・トレーナー
社員育成の経験、夢の実現を目指した経験から「充実した人生を創りたい人をサポートしたい」という想いを強く抱き、コーチング、ポジティブ心理学、そしてレジリエンスを学ぶ。現在はIT業界での仕事を続けながら、レジリエンス・トレーナー、ビジネスコーチとして活動。レジリエンスを高めることが折れない心を作ること、さらには夢や目標を達成するためにも大きな効果があると実感し、特にレジリエンス講座の開催に力を入れている。
「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方を無料視聴する
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
ストレスの正体 不調のサイン
産業医・精神科医の堤多可弘先生が、ストレスに強い人と弱い人の違いや、ストレスの正体を解説します。心理的ストレスの根底にある物事のとらえ方や人間関係に着目し、ストレスとの向き合い方、メンタルヘルスを保つための習慣や考え方を学べる授業です。メンタル不調のサインを早期に察知し、ストレスに負けずパフォーマンスを発揮できる従業員を育てたい企業の研修におすすめです。
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株式会社堤産業医オフィス代表/ 産業医・精神科医
大学病院精神科で助教・非常勤講師、メンタルクリニックの副院長を歴任したのち、現在は約20か所の企業・行政機関の産業医を務めている。また、株式会社ウェルプラなどヘルスケア企業やHR領域事業のメディカルディレクターを務めつつ、メディアや書籍などで幅広くビジネスパーソンのメンタルヘルスの情報発信をしている。「健康問題を経営問題にしない」をミッションとし企業・ビジネスパーソン双方のサポートを専門としている。 ■会社HP:https://www.t-sangyoui.com/ ■書籍:企業はメンタルヘルスとどう向き合うか 経営戦略としての産業医 (祥伝社新書) ■YouTube:https://www.youtube.com/@thuthumi_mentalhealth
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
09まとめ
レジリエンスとは、困難やストレスに直面したときに、状況に応じてしなやかに適応し、心身の状態や行動を立て直していく力やプロセスです。先の読みにくい変化が続く現代において、従業員のレジリエンスを育むことは、メンタルヘルス不調の予防や、仕事への意欲・パフォーマンスの維持を支える要素の一つになります。
ただし、レジリエンスは従業員個人の力だけで高めるものではありません。思考の癖の見直しや自己受容、信頼関係の構築、現実的な楽観性を育むトレーニングに加え、相談しやすい関係性や職場環境の整備も重要です。