ビジネスで求められる柔軟性とは?企業成長に欠かせない要素について解説

環境変化のスピードが早く、多様性が尊重される現代のビジネス環境では、従来の考えや行動が通用しないこともあります。こうした局面で武器となるのが「柔軟性」です。組織や個人の柔軟性を高めることは企業力の強化につながります。この記事では、ビジネスシーンで求められる柔軟性を解説します。
- 01.柔軟性とは
- 02.ビジネスで柔軟性が必要な理由
- 03.柔軟性がある人材の特徴
- 04.人材の柔軟性を高めるための方法
- 05.柔軟性を向上させるSchooのオンライン研修
- 06.まとめ
01柔軟性とは
ビジネスにおける「柔軟性」とは、固定観念にとらわれず、その場・その時に応じた最適解を導き出す性質と定義できます。多様化が進み、変化が激しいビジネス環境においては、従来の仕事の進め方が通用しなくなることも多いでしょう。例えば、環境変化により、既存の事業が淘汰されれば、新規事業を立ち上げ軌道に乗せることが必要になります。また、法改正により今まで通用していたルールが、通用しなくなることも起こりえます。このような変化に対応するためには、柔軟性のある思考を持った人材が欠かせません。
ビジネスシーンにおいて柔軟性は重宝される
ビジネス上のコミュニケーションにおいても、柔軟性は武器となります。テレワークに代表されるように、ビジネスをとりまく環境は大きく変化しています。働き方の多様化により、これまでとは違う層の人材と、ビジネスを進めていくことも考えられるでしょう。 こうした変化において、柔軟性のある人材は、相手や局面に応じた最適なコミュニケーションを駆使し、仕事をスムーズに進めていけるのです。
02ビジネスで柔軟性が必要な理由
柔軟性が求められるのは、人材に対してだけではありません。変化の激しい時代には、組織や職場環境、働き方にも柔軟性を持たせることが企業力の向上に欠かせません。 ビジネスにおいて柔軟性が必要な理由は、以下の3つが挙げられます。
- ・1.生産性を向上させるため
- ・2.多様性が重要視されるため
- ・3.VUCAの時代であるため
それぞれ、詳しく解説します。
1.生産性を向上させるため
少子高齢化による労働人口の減少により、多くの企業は人材の確保が難しくなっています。こうした環境下で事業を維持していくには、既存従業員の生産性を高めることが欠かせません。近年の例では、テレワークに柔軟に対応した企業が、通勤時間やオフィス賃料の削減により、個人と組織の両面から生産性を向上させたことが挙げられます。 こうした取り組みは、従来の職場環境や働き方に固執していると、上手く進めることはできません。企業が生産性を向上させるには、多様な働き方を望む従業員の要望に柔軟性を持って対応することが不可欠です。
2.多様性が重要視されるため
ビジネスシーンにおいての多様性は、人材と働き方の両面で考える必要があります。ダイバーシティに代表される人材に対する考え方は、様々な属性を持つ人材の活用を求めるものです。 また、価値観やライフスタイルの多様化により、個人の仕事観や市場のニーズも多様化しています。こうしたなか、企業がマンパワーを確保し競争力を高めるには、人材と働き方に対する考えに、柔軟性を持たせることが必要となるでしょう。
3.VUCAの時代であるため
VUCA(ブーカ)とは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をとった造語です。不確実性が高く、先を見通すことが難しいビジネス環境を表す言葉として使われます。 こうした不確実な時代背景において、企業や個人に求められるのは、環境変化に速やかに順応する能力を持つことです。VUCAの時代に生き残るには、変化に強い柔軟性を持った人材と組織が求められるのです。
03柔軟性がある人材の特徴
ここまで、人材と組織の両面から柔軟性が必要な理由を見てきました。組織の柔軟性は、属する人材の柔軟性により形成されるといっても良いでしょう。柔軟性がある人材の持つ特徴は、以下の5つが挙げられます。
- ・1.状況に合わせて臨機応変に対応する
- ・2.多角的な視点を持っている
- ・3.変化を受け入れる耐性が高い
- ・4.前向きな思考で臨むことができる
- ・5.コミュニケーション能力が高い
それぞれ、詳しく解説します。
1.状況に合わせて臨機応変に対応する
柔軟性がある人は、状況変化に応じて臨機応変に対応できる強みを持っています。自分の考えを持ちながらも、その考えに固執することなく、多くの選択肢から状況に適した行動を選択します。 柔軟性のある人材は、能動的な行動力を持つタイプが多いようです。変化に対してのアクションを立ち止まって考えるのではなく、行動しながら最善の方法を見極めていきます。視野が広く冷静に物事を見る目を持っているため、こうした臨機応変な対応ができるようになるのでしょう。
2.多角的な視点を持っている
柔軟性の高い人材は、一つの考えに固執することがないため、物事を多角的な視点で捉えます。そのため、周囲の意見を取り入れることに抵抗がありません。 この性質は、トラブルや困難に遭遇したときに大きな力となります。問題に対し、周囲の意見やアドバイスを取り入れながら、多方面から解決策を模索できるのです。柔軟性は問題解決能力に直結する資質といえるでしょう。
3.変化を受け入れる耐性が高い
柔軟性のある人材は、変化への耐性が高いことも強みの一つです。そのため、人事異動で勤務する部署や仕事内容が大きく変化しても、パフォーマンスを落とすことがありません。 むしろ、様々な業務を経験することで幅広いスキルを身につけ、視野をさらに広げていけます。こうした人材は、企業が新規分野に参入する際にも十分な活躍が見込まれるでしょう。 柔軟性のある人材は、高い成長力を持つ貴重な存在といえます。
4.前向きな思考で臨むことができる
柔軟性がある人材は、何事にもポジティブな思考で臨みます。不本意な環境変化も、落ち込むことなく前向きに捉え、成果につなげます。トラブルに際しても、思考を停止することなく周囲の意見をアドバイスと捉え、困難な状況を切り抜けるでしょう。 柔軟性のある人は、一見してネガティブな状況に置かれたとしても、その状況を成長の糧にするしなやかさを持っているのです。
5.コミュニケーション能力が高い
柔軟性の高い人材は、視野を広く持つことの大切さを理解しているため、周囲とのコミュニケーションを大切にします。そのため、社内外の交流においても相手を尊重した態度で臨むため、広い人脈を形成できるでしょう。 傾聴力をはじめとした高いコミュニケーション能力により、自身と異なる考えや意見を持つ相手とも良好な関係を築きます。仕事を円滑に進めるための重要な資質です。
04人材の柔軟性を高めるための方法
人材の柔軟性を高めるには、会社が研修や自己啓発の機会を提供することが効果的です。そして、こうした取り組みを生かすには、柔軟性の高い人材が活躍できる組織風土を醸成することも欠かせません。人材の柔軟性を高める企業の取り組みには、以下の4つが挙げられます。
- ・1.自己学習を促進する制度を設ける
- ・2.チャレンジが称賛される文化を醸成する
- ・3.アイデアが尊重される風土を整備する
- ・4.社内勉強会や研修を実施する
上述した4つの方法について、詳しく解説します。
1.自己学習を促進する制度を設ける
自己学習を促進する制度を設け、人材の視野を広げるためのインプットを支援することが効果的です。社外セミナーへの参加や、オンライン学習の受講を会社として推奨することが具体的な取り組みとして考えられます。 ただし、自己学習は、個人の取り組み度合いに差が出てしまうことが難点です。とくに個人が費用を負担することがネックとなりがちです。会社として自己学習を促す制度を作る場合は、全社的な人材育成の取り組みとして、費用面の補助などを検討する必要があるでしょう。
2.チャレンジが称賛される文化を醸成する
柔軟性がある人材が育つためには、新しい仕事の進め方や、これまでにない取り組みが歓迎される企業文化が必要です。 そのためには、経営層をはじめとした管理者にも柔軟性が求められます。前例主義は企業成長を妨げるものと捉え、チャレンジする人材が評価される仕組みを構築すると良いでしょう。 たとえ失敗し成果が出なかったとしても、チャレンジした姿勢が称賛される文化を醸成することで、柔軟性のある人材と組織が育っていきます。
3.アイデアが尊重される風土を整備する
柔軟な発想によるアイデアは、新商品や新規事業の発端となるもので、企業成長には欠かせない要素です。どのような突飛なアイデアでも尊重され、面白がる風土があることは大きな強みとなります。 こうしたアイデアが活発に出る企業には、組織の心理的安全性が高いといった共通する特徴があるようです。アイデアや意見が批判されることなく、尊重される風土が整備されることで、人材の柔軟性が高まり、画期的なアイデアが生まれるのです。
4.社内勉強会や研修を実施する
アイデアの発想力や、思考の柔軟性を高める研修を実施することも効果的です。問題解決のフレームワークやアイデアの発想法を知識としてインプットできます。 また、社内勉強会や研修を実施することで、普段の業務では接点がない人材とのコミュニケーション機会が生まれます。他部署の仕事内容を知り、自身の業務との関連性を理解することで、仕事に対する視野が広がるかもしれません。オンラインによる研修であれば、高い頻度で開催できるため、より高い効果が期待できるでしょう。
05柔軟性を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級7,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級7,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
柔軟性に関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、柔軟性に関する授業を紹介いたします。
新しい時代に適応するためのセルフマネジメント
本コースは、リモートワークなど働く環境が大きく変化しているこの時期にこそ知っておきたい、セルフマネジメントについて学ぶ授業です。
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目標実現の専門家 メンタルコーチ
株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。メンタルコーチ。目標実現の専門家。中央大学卒業。長野県出身。 脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。その卓越したアプローチによって、これまで1万5000人以上の課題を解決してきた他、オリンピック出場選手、トップモデル、ベストセラー作家、経営者など各界で活躍する人々の目標実現・行動革新サポートを実施。その功績が話題となり、各種メディアからの依頼が続出。現在は法人向けにチームマネジメント・セルフマネジメントに関する研修、講演、エグゼクティブコーチングを提供。これまでサポートしてきた企業は、IT、通信教育、商社、医療、美容、小売りなど40以上の業種にわたる。 また、個人向けに「行動イノベーション年間プログラム」とオンラインサロンを主宰。「2030年までに次世代リーダーをサポートするプロコーチを1000人輩出し、日本を元気に! 」を目標に掲げ、プロコーチ養成スクール「NEXT」を開講。10冊の著作の累計発行部数は25万部を超え、中国、台湾、韓国など海外でも広く翻訳されている。おもな著書に、「本気で変わりたい人の行動イノベーション」(秀和システム・だいわ文庫)『指示待ち部下が自ら考え動き出す! 』(かんき出版)、『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大和書房)などがある。 公式メルマガ「行動イノベーション365・ネクストステージを目指す! 行動のヒント」を配信中!
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メンタルが強い人になる -ストレスに負けない心の作り方-
さまざまな感情にアプローチし、ストレスやプレッシャーがあっても柔軟に対応し、適切に行動を取れるようになることを目指します。 ストレス社会で自分を守り、成功していくために必要不可欠なスキルを身に着けていきましょう。
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有限会社N&Sラーニング 代表取締役
企業・官庁・自治体の社員、職員を対象としてディベート、プレゼンテーション、傾聴技法、メンタルタフネスなどのコミュニケーションスキルやメンタルヘルス各種研修講師を務めている。全国教室ディベート連盟。理事産業カウンセラー・論理療法士。 主な著書として『実践ディベート研修』(生産性出版)、『はじめてのディベート』(あさ出版)、『『議論力」が身につく技術』(あさ出版)などがある。
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06まとめ
企業力を高めていくためには、環境変化や多様化に対応する組織の柔軟性が必要です。組織の柔軟性を高める要素は、構成する人材の柔軟な発想にあるといっても過言ではありません。アイデアやチャレンジが称賛される環境で活躍することで、人材は柔軟性を高めていきます。 企業としての取り組みを検討する必要がありそうです。