ディープラーニング(深層学習)とは|特徴・実用例・機械学習との違いなどを紹介

デイ―プラーニングは様々な場面で活用されている機械学習のひとつです。現在、様々な場面で活用が進んでいます。ディープラーニングは主に6つの種類に分類され、活用する上での課題もあります。
- 01.ディープラーニング(深層学習)とは
- 02.ディープラーニングの仕組み
- 03.ディープラーニングと混同される用語との違い
- 04.ディープラーニングの実用例とは
- 05.ディープラーニングの種類とは
- 06.ディープラーニングの課題とは
- 07.Schoo for BusinessのDX研修
- 08.まとめ
01ディープラーニング(深層学習)とは
ディープラーニング(Deep Learning)とは、自動化された仕組みで集めたビックデータをもとに自動で学習する技術を指します。ディープラーニングは、「深層学習」とも呼ばれています。機械学習の一つで精度の高い結果を導き出すには、必要な情報を数多く集める必要があります。インターネットが普及することで、学習に必要なビックデータが集まりやすくなり、コンピューターの処理性能向上により短期間で処理を行えるようになり実用化が促進される環境が整いました。
ディープラーニングが注目されている背景
ディープラーニングに注目が集まるきっかけとなったのは、2012年9月に行われた画像認識の世界大会「ImageNet(イメージネット)」チャレンジと言われています。膨大な画像データから、写った対象物を認識するコンテストで、トロント大学のヒントン教授が率いる研究チームが、ディープラーニングの技術を用いて2位以下に圧倒的な差をつけて優勝しました。
その後、ヒントン教授と一緒に旋風を巻き起こしたイリヤ・サツキーバー氏は、人工知能の囲碁プログラムを作成し、韓国のプロ棋士に勝利し、イーロン・マスクらと共にOpenAIを創業しています。
機械学習に関するSchooの授業を紹介
02ディープラーニングの仕組み
ディープラーニングは「ニューラルネットワーク」というアルゴリズムを利用している概念です。ニューラルネットワークの中でも「ディープニューラルネットワーク」が多く使用されていることが特長の1つです。
ディープラーニングの仕組みは、人の神経構造を模した形のネットワーク構造をしています。構成は「入力層」「隠れ層」「出力層」の3つの層で成り立っており、入力層は外部からのデータを受け取り出力層は「結果・結論」を出力する層となります。「隠れ層」は、いくつもの経路でつながれており大量データを多数のパターンで組み合わせることを通して学習を進め、適切な結果や結論を導きます。
03ディープラーニングと混同される用語との違い
次に、ディープラーニングと混同されやすい用語と違いについてご紹介していきます。類似用語との違いを確認することは、ディープラーニングを理解するためにも重要です。用語の理解を深めていきましょう。
人工知能(AI)とは
人工知能(AI…Artificial Intelligence)は、「人間の知能のもつ学習・推論といった機能を備えたコンピューターシステム」を指します。しかし、明確な用語の定義はなく人により解釈はさまざまです。現在では多くの人工知能が私たちの生活の利便性を高め、身近な場面で多用されています。
機械学習とは
機械学習は、コンピューターが大量のデータを自ら学習しデータの分類や予測などを自動するアルゴリズムやモデルを構築する技術を指します。機械学習を活用することで、大量のデータを扱う以外にも活用されており、より活用範囲は広がっています。例えば、スマートフォンで用いられている顔認証なども機械学習の代表的な事例です。
機械学習に関するSchooの授業を紹介

この授業は、機械学習について学ぶ最初の1歩を踏み出していただくために、機械学習のエッセンスをまとめた入門授業です。
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福井大学教授
1990年に早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程修了、工学博士。1990年に九州大学医学部附属病院 助手を経て、1993年福井大学工学部情報工学科 助教授に就任。2004年に福井大学大学院工学研究科教授になり、現在に至る。
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ニューラルネットワークとは
ニューラルネットワークとは、機械学習を機能させるための手法の一つです。 ニューラルネットワークは、入力層と出力層に分かれています。その仕組みは、入力層にデータを入力し、そのデータを認識をするための指標である特徴量 を入力することで結果を出力層に出力します。入力から出力までの一連の流れは「パーセプトロン」と呼ばれニューラルネットワークは、このパーセプトロンを複数組み合わせることにより構成されています。
04ディープラーニングの実用例とは
ディープラーニングが得意としている分野において、どのような実用例があるのでしょうか。次にディープラーニングの実用例についてご紹介します。様々な得意分野にある中で代表的な事例を参考により身近に感じていきましょう。
自動運転
自動車運転技術は、日々、進歩しています。現在、最も期待される技術のひとつが自動運転です。道路標識や信号などに設置され、歩行者などを感知することで自己の減少や渋滞の緩和につながる研究が進んでいます。道路上にあるものを認識することで信号を変えるなどの自動運転は現在も既に活用されている技術です。
医療画像
医療現場でもディープラーニングは活用されています。特に癌細胞の検出など高精度な顕微鏡との組み合わせにより、従来では見つけにくかった微細な兆候などを検出することができます。医療画像については、癌細胞以外にも活用される場面は多く病気の早期発見に大きく貢献している技術です。今後の精度向上にもより期待できる活用事例になります。
自然言語処理
自然言語処理とは人間の言葉を機械で処理することで内容を抽出することを示しています。具体的には、キーボードで入力した「かな文字」を「漢字混じり文字」に変換する際に自然自動処理が活用されます。その他にも音声翻訳アプリなども自然言語処理の代表的な実用例となります。
システムの最適化
人では処理できない膨大なデータ(ビックデータ)と計算技術を組み合わせて、生産、物流、災害対策の最適化を実現します。「スマートシティ構想」でも重要視され一人一人の生活スタイルにそった都市づくりを実現しています。膨大なデータを扱うには、処理の確実性や効率化を実現する方法が必要です。こうした処理にはディープラーニングの概念は、大いに役立ちます。
05ディープラーニングの種類とは
ディープラーニングの種類は、6つに分類されます。ディープラーニングに、どのような種類があるかを理解することで、さらにディープラーニングについての理解を深めていくことができます。
畳み込みニューラルネットワーク
畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network 略してCNN)は、主に画像認証で活用されています。畳み込みニューラルネットワークとは、人間の視覚と同じような役割を持つものです。AIが画像分析を行うための学習手法の1つであり、一部の画像が見えにくい場合にも解析できる特長を持っています。畳み込みニューラルネットワークの仕組みは、畳み込み層とプーリング層という2つの層を含む構造の順伝播型のネットワークです。それぞれの層の間に、「局所受容野」「重み共有」という結合をもっています。
スタックトオートエンコーダ
事前学習ともいわれるスタックとオートエンコーダは、ニューラルネットワークを用いて学習する次元圧縮アルゴリズムのことで、学習を繰り返してデータを蓄積していきます。3層ニューラルネットにおいて、入力層と出力層に同じデータを用いて教師なし学習させていきます。
Residual network
Residual networkとは入力データを元に誤差を学習するアルゴリズムです。学習したデータを膨大なデータとして蓄積することが可能ですが、一度入力したデータを置き換えることが困難なデメリットがあります。ネットワークの階層を深くすることで、精度が低くなるデメリットがあります。デメリットを解決するため、ネットワークを残差関数を学習するよう再構成します。
敵対的生成ネットワーク
2つのニューラルネットワークを互いに競わせて学習を深めていく特長から敵対的生成ネットワークと呼ばれています。2014年に、イアン・グッドフェローによって発表された教師なし学習で使用される人工知能 アルゴリズム の一種です。実際には、ゼロサムゲームフレームワークで互いに競合する2つの ニューラルネットワーク のシステムによって実装されます。
ボルツマンマシン
ボルツマンマシンは、ニューラルネットワークの一種類の概念です。ボルツマンマシンは不規則過程で平衡統計を算出し、そこで発信される分布を理論的にモデル化します。モデル化を使って全体像の一部分を完成させることが可能です。しかし、ボルツマンマシンの実用化においては、マシンの規模がある程度まで拡大されると学習が正確に行えなくなるというデメリットがあります。
回帰型ニューラルネットワーク
回帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neutral Network 略はRNN)は、再帰型ニューラルネットワークと呼ばれることもあり、2つは同じ能力のことです。回帰型ニューラルネットワークは、言語処理や動画認識といった動きの可変長データを学習して蓄積するアルゴリズムで、ポケトークやGoogle Translateなどに使われている技術です。
06ディープラーニングの課題とは
様々な活用が促進されているディープラーニングにも課題が存在します。次にディープラーニングが抱える課題を紹介していきます。課題を整理することで、よりディープラーニングの活用方法が具体的にイメージできるようになります。
データが揃っていることが前提となる
ディープラーニングは、ビックデータを扱うことが得意です。その反面、データが揃っていない場合には、問題解決力が低下し時間を要する場合や不確かな結果を導くことがあります。これは、比較するデータ量が少ないためにおきる減少です。こうした場合を避けるためには、処理するデータを用意し適切なデータ処理を行う方法を取ります。ディープラーニングを活用しても異なる結果を導くことになれば意味はありません。結果を正しく導くために適切な処理が実施できる環境を準備しておきましょう。
ディープラーニングと他技術の融合を検討する必要がある
ディープラーニングは単独で利用するよりも他技術との連動、融合が必要です。この融合がなければ、ディープラーニングを単体で利用することは難しいためデメリットとなります。ディープラーニングには、高い処理能力があります。しかし、単体で発揮できない効果を出すためには他技術との融合を検討しましょう。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

07Schoo for BusinessのDX研修
Schoo for Businessでは約8,000本を超える数の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。
1.研修と自律学習推進を両方行うことができる
Schoo for Businessは社員研修にも自律型学習にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自律型学習には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約7000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自律型学習の双方の効果を得ることができるのです。
SchooのDX研修カリキュラム
Schooの数多くの授業の中にはDXが学べる授業も多くあります。ここでは、SchooのDX研修カリキュラムを紹介します。
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DXを推進する上で、ベースとなるビジネススキルの習得を目的とした研修パッケージです。
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DX人材となるために必要な基礎的なスキルや知識を学ぶことができる研修パッケージです。
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インターネットの仕組みから、情報セキュリティに関する知識を習得することを目的としたパッケージです。
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ただ数値を見てボトルネックを発見するのではなく、課題の本質を見抜くという点に焦点を当てた研修パッケージです。
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与えられた課題に対してそのまま実行に移すのではなく、一歩引いた状態で“与えられた課題の目的・背景”=Whyを考えられる能力を養うことを目的としたパッケージです。
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問題解決を目的としたデータ分析の方法や批判的思考法を学び、デジタル技術を組み合わせながら課題解決をどのように実施していくかを導き出す能力を養うことができます。
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DXを推進する上でのデジタル技術の基礎を学ぶことができます。IoT導入の担当者やDX推進プロジェクト担当者におすすめの授業です。
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DXを進める上で欠かすことのできない顧客理解・インサイトの見つけ方を習得することを目的としています。
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DXのプロジェクトを実際に推進していく人におすすめの研修パッケージとなっています。
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DXは1人では実現できず、チームとして着実に前に進めていく必要があります。この研修パッケージでは、チームとして生産性高く、イノベーションを起こしていく方法を学ぶことができます。
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デジタライゼーションに留まらず、本質的なDXを推進したいという方におすすめの研修パッケージです。
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プロジェクトマネジメントに必要なスキル・知識を体系的に学べる授業をまとめました。PMだけでなくチーム全員で研修を受けておくと、それぞれの視座も上がり、さらにコミュニケーションが円滑になるかもしれません。
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「じゃらん」や「ホットペッパー」などの事例を用いて、CRMの基礎からデータ分析の方法まで学ぶことができる研修パッケージです。
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DXを用いた新事業創造や、事業戦略の立案についてを学ぶことができるパッケージ
3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。
まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。
この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
08まとめ
本記事は、ディープラーニングをテーマにその仕組みなどについて解説しています。機械学習に関わる知識は、様々な分野で応用がきく内容です。今後も活用事例が広がるディープラーニングについての理解を深めてビジネスシーンで活用していきましょう。