スクラムマスター研修とは?スクラムマスターが求められるスキルや研修の流れをご紹介
複雑化する社会情勢の中で、企業は多くの課題に直面しその課題の解決には、高度なスキルを持った人材が求められています。 そのような中で、スクラムマスター研修の重要度が高まっています。どういった研修なのか、求められるスキルや研修の流れをご紹介します。
01スクラムマスターとは
スクラムマスターとは、スクラム開発のためのチームリーダーであり、開発メンバーのサポートをしつつ、一方では外部の関係者を相手にして、スクラム開発の価値を理解してもらうために説明する立場の人を指します。 スクラムマスターがチーム全体の調整を上手に図り、問題点を解決できればプロジェクトは円滑に進んでいきます。一方で、スクラムマスターがチーム全体をうまくまとめられないと、プロジェクトの進行が遅れてしまい、失敗に繋がってしまいます。 そのため、スクラムマスターは研修を通してスクラム運営に必要な様々なスキルを身につけることが重要なのです。
スクラム開発とは
スクラム開発とは、アジャイル開発という短いスパンで開発を繰り返していく開発手法の一つであり、スクラムと呼ばれるチームを組み、プロダクトオーナーとスクラムマスターがそれぞれの役割を担いながら、開発を進めていく開発手法です。 スクラム開発においては、開発チーム間のコミュニケーションを重視するという特徴があり、コミュニケーションが円滑にいくよう調整することがスクラムマスターの役割の一つです。 短いスパンで開発を区切り、優先度の高い機能から開発を進めていくため、短期間で成果を上げられるメリットがあります。 一方で、全ての開発が完了する予定日を立てることが難しく、全体的なスケジュール感を把握することが難しいというデメリットもあります。
スクラムマスターの仕事上の役割
スクラムマスターの主な役割は、スクラムのリーダー的存在として計画を円滑に進めるために責任を持つことが求められます。 そのために、チームのメンバーが各々のタスクを効率よくこなせるための環境を整え、適宜進捗をチェックし、期限内にメンバーのタスクが全て終わるように管理する必要があります。 具体的な仕事内容としては、開発メンバのサポートに始まり、スクラム開発の価値をプロジェクトの関係者に伝えたり、プロダクトオーナーのサポートをするといった内容です。 それぞれ詳細に解説します。
開発メンバーのサポート
スクラムマスターは、スクラム開発の一連の流れである、「計画、開発、テスト、改善」というプロセスが円滑に進むようにメンバーに対して取り組み方のアドバイスを行ったり、タスクを調整しながらチーム全体をサポートする必要があります。 一連のプロセスの中で問題が発生した場合は、いち早く原因を突き止め改善を行っていくことが求められます。 メンバーが滞りなく開発を進めていくために、チーム間のコミュニケーションの促進を図り、チームを活性化していくことも重要です。
スクラム開発の価値をプロジェクト関係者に伝える
スクラム開発の価値やメリットを顧客などの外部のプロジェクト関係者にしっかりと伝えることも役割の一つです。 各関係者とコミュニケーションを密に取りながら、計画を成功に導くために行動する必要があります。
プロダクトオーナーのサポートをする
スクラムマスターは、スクラム内の開発における責任者であるプロダクトオーナーのサポートをすることも大切な役割です。 プロダクトの進捗スケジュールの作成や、タスクやスケジュールを管理することで、滞りなく開発が進むよう、プロダクトオーナーのサポートをしなくてはいけません。
02スクラムマスターに求められるスキル
スクラムマスターには、遂行しなくてはいけない役割が多いため、求められるスキルも多岐にわたります。具体的にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。3つのスキルをそれぞれ解説します。
チームメンバーへのサポート力
スクラムマスターは、その役割の大半がチームメンバーへのサポートであるため、高いサポート力が求められます。 スクラムメンバーが問題や課題を抱えていないかを常にチェックし、何か発見した場合は即座に対応し、問題の解決に導く必要があります。 スクラムマスターのサポート次第で、スクラム開発の進捗に影響が出てくるため、常にメンバーファーストで行動するようにしていきましょう。
問題解決能力
スクラム開発においては、小さな問題が後々大きな影響を及ぼすといったことも少なくありません。そのような中でスクラムマスターにはいち早く問題を発見し解決するためのスキルが求められます。 何が原因でどういった問題が発生し、影響範囲がどれぐらいであるかなどを即座に導き出し、適切な対応を行う必要があります。
優先順位を見分ける能力
スクラム開発においては、作業工程が細かく分割され、短期間で実装とテストを繰り返す必要があるため、開発に着手する優先順位が非常に大切です。 スクラムマスターが優先順位を正確に判断し、最適な順序で開発に取り組んでいくことで、スクラム開発の開発スピードが早くなっていきます。 優先順位を誤ってしまうと、スケジュールに遅れが生じプロジェクトの関係者に迷惑をかけることになるため、適切な判断基準を持って優先順位を判断する力が求められます。
03スクラムマスター認定資格とは
スクラムマスターには、認定資格というものが存在しており、研修を受け試験に合格することでスクラムマスターとして認定されることになります。 認定資格を持ったスクラムマスターは、高いスキルを有していると判断されるため、スクラム開発においてスクラムマスターに認定されやすくなります。 研修を通して実践的な課題解決に取り組むことができたり、リーダーシップやスクラム開発に求められる様々なスキルを身につけることができます。
スクラムマスター研修に必要な費用
スクラムマスターの認定資格を得るために必要な研修は、有償で行われることが一般的です。 認定資格はいくつか種類があるのですが、研修に必要な費用の相場はおよそ2万円〜30万円と幅広くなっています。 研修によっては、ビジネス研修の中で比較的高価な部類であるため、企業にとってその研修が本当に必要かどうかを判断した上で、従業員に受講させる必要があります。
04スクラムマスターの資格を取得できる3つの研修
スクラムマスターの認定資格が取得できる研修は、以下の3つの研修が有名です。それぞれ、主催が異なり研修の内容や費用も異なります。研修に参加する目的に応じて、以下の研修から適切な研修を選びましょう。
Scrum Alliance®主催の研修
Scrum Allianceが主催している研修では、認定スクラムマスターによる実践的な演習やシミュレーションなどを受けることができます。 研修を通して、スクラムマスターとして必要なスクラムの基本的な概念から、実用的なアプリケーション開発の実装までを幅広く理解することができ、スクラムチームを効果的に運営する方法を学べます。 費用は税込で22万円と、他の研修と比較すると高い研修といえます。
Scrum Org.主催の研修
Scrum Org.が主催する研修の特徴は、他の研修と比較して圧倒的な低コストで受講ができるという点です。約2万円弱から参加することができ、他の研修の10分の1ほどの費用で研修を受けることができます。 費用が安い一方で、スクラムマスターの認定資格を受けるための研修の中では、初心者向けの研修であり、実務の上でスクラムの経験がなくても参加ができます。
Scrum Inc主催の研修
Scrum Inc.認定資格スクラムマスター研修は、スクラムという概念の考案者であるJeff Sutherland博士によって作られた研修です。 この研修に参加することで、何十年に渡りビジネスの現場でハイパフォーマンスなスクラムを立ち上げてきた、博士の深い洞察やノウハウを身につけることができます。 研修は2日間のコースから成っており、体験型のワークショップが中心に行われます。 コースが終わる頃には、スクラムの重要性が理解でき、いかなるプロジェクトでも生産性を上げることができると分かるようになります。 費用は税込で22万円と、他の研修と比較すると高い研修といえます。
05スクラムマスター研修の流れ
スクラムマスター研修は、以下の3つの流れに沿って進んでいきます。実際に研修に参加する場合は、それぞれどのような内容なのかを事前に把握し、注意点や抑えるべき点を踏まえた上で研修に参加しましょう。
アジャイル開発やスクラムに関する基礎知識を学ぶ
研修は複数日程に渡って開催されることが多く、前半日程では、座学形式でアジャイル開発やスクラムの基礎知識を学びます。 他の開発手法と比較した上での、アジャイル開発の特徴を学ぶことができるため、自分が今まで携わってきた他の開発手法との差も理解できるでしょう。
チームを組んでワークショップに取り組む
後半の日程では、前半で学んだ内容を元に実践的なワークショップに取り組んでいきます。 実際にチームを組み、ケーススタディに沿ってシミュレーションを行っていくため、スクラム運営に役立つスキルが体感的に身につけることができます。
認定試験を受験する
研修を終えた後に認定試験を受講し、合格しなくては認定スクラムマスターになることはできません。 研修は帰宅後、オンラインで受講が可能な場合が多いため、受講の前に研修の内容をしっかりと復習し受講に挑むようにしましょう。 試験の合格率はおよそ7割〜8割程度であると言われているため、難易度はそれほど高くないことが推測できます。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など
06スクラムマスターの育成ならSchooビジネスプランがおすすめ
Schooビジネスプランでは約8,500本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,500本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
2.自発的に学ぶ人材を育成できるSchooの講座
上記でも説明したように、Schooでは約8,500本もの動画を用意している上に、毎日新しいトピックに関する動画が配信されるため、研修に加えて自ら学び、成長する人材の育成が可能です。近年の社会のグローバル化やテクノロジーの進化などにより、企業を取り巻く環境が刻々と変化しています。それに伴い、社員の業務内容や求められるスキルも早いスパンで変化しています。このような予測のつかない時代の中で会社の競争力を維持するためには、社員一人一人が自発的に学び、成長させ続けることができる環境、いわば「学び続ける組織」になることが必要です。
Schooビジネスプランの講座では、体系的な社員研修だけでなく、自己啓発を通じて自発的に学び、成長できる人材を育成することが可能です。この記事でも解説したスクラムマスターに必要なスキルを養える研修もご用意しています。
ここでは、人材育成におすすめのSchooビジネスプランの講座をご紹介します。
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エバンジェリスト/企業アドバイザー
ソフトウェア開発のライフサイクル全般を経験したのち、Rational Software, IBM, Borland にて開発プロセス改善のコンサルティングに従事。2007年より Microsoft でテクニカル エバンジェリストとしてアジャイルや DevOps を中心としたエバンジェリズム活動を実施。2014年より、エバンジェリストとして日本法人の事業立ち上げを牽引したのち独立。現在は、個人事業「エバンジェリズム研究所」としての企業や個人への支援を実施しつつ、ウフル、Nota Inc.、カウンティアなどでの職務にも就く。趣味は、映画鑑賞、ペット飼育など。
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株式会社レッドジャーニー代表/政府CIO補佐官
DevLOVE ファウンダー サービスや事業についてのアイデア段階の構想から、コンセプトを練り上げていく仮説検証とアジャイル開発の運営について経験が厚い。プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経て、自らの会社を立ち上げる。それぞれの局面から得られた実践知で、ソフトウェアの共創に辿り着くべく越境し続けている。
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株式会社Schoo VPoE, 開発部門責任者
2000年にSIerに新卒入社。様々な案件に従事した後に三井物産のECサービス子会社のスタートアップを経験。サイバーエージェントグループでの開発部長やVPoE経験など10年間以上マネジメントに従事した後、2021年5月よりSchooに入社。
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3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる
Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。
管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。
さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。
さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。
07まとめ
スクラムマスターは、スクラムを組んでプロジェクト全体の信仰を管理する必要があるため、様々なスキルが求められます。 それらの多くは独学で身につけることが難しいため、スクラムマスター研修に参加し、ワークショップやシミュレーションを通して、実践に即したスキルを身につけていきましょう。