マネジメント能力が高い人材を企業が必要とする理由と注意点を解説する

どの企業においても、マネジメント能力が高い人材の価値は高いだけでなく、人材育成・開発の中でも最もニーズが高いスキルであるといえます。本記事では、マネジメント能力が高い人材を必要とする理由や、その能力を高める方法について解説します。
- 01.マネジメント能力の定義
- 02.マネジメント能力に必要な4つのスキル
- 03.マネジメント能力が低い人の特徴
- 04.マネジメント能力を高めるために役立つ資格
- 05.マネジメント能力を高める人材育成方法
- 06.まとめ
01マネジメント能力の定義
マネジメント能力とは、「管理能力」と言い換えることができます。英語の”management”は「管理」という意味を持ち、資源やリソースを活用し目標遂行、目標達成を行う能力のことです。部門におけるマネジメントを例に挙げると、リソースである部門メンバーの力を借りて売上目標を達成するなどの場合に利用されます。部門メンバーの力量を適切に把握し、その能力やパフォーマンスを発揮させること。資源を最適に利用することなどを総合的に指し、資源、リソース、情報を適切に管理、判断、活用することを意味して利用されることがほとんどです。
類似用語との違い|リーダーシップ
類似用語であるリーダーシップとは、「人」にフォーカスしチームや組織を率いることを意味します。リーダーシップが人を軸としていることに対して、マネジメント力とは、人だけではなく資源や情報の経営資源全体を管理する能力となる点に違いがあります。マネジメント力は、リーダーシップよりも広義の管理能力を指し、総合的な対応力を求める用語です。
02マネジメント能力に必要な4つのスキル
次に、マネジメント能力に必要な4つのスキルについて解説していきます。マネジメント能力を発揮するには、どのようなスキルを保有する必要があるのか、現在保有しているスキルと比較して確認をしていきましょう。
社内調整を円滑にできる能力
社内の調整能力はマネジメント能力の代表的な能力といえます。関連部署との良好な関係作りを行っていくこと、その上で、調整を行うことはコミュニケーション能力とともに必要な能力です。調整力とは、人や物事の間に入って意見や主張、そして、進捗などの事柄の整理やバランスを取り、すり合わせなどを行いまとめる力を指します。このすり合わせの能力を使い社内を調整することで、社内や業務を円滑に動かしていくことができます。
目標達成に向けた目標設定能力と進捗管理能力
マネジメントとは、部署やプロジェクトの目標達成における指導やイニシアティブを保有することです。そのため、適切な目標を設定する能力と、その目標に向って進んでいる状況を把握する進捗管理能力が必要です。適切な目標を立てないと、未達成のにしかならない場合や容易にクリアし過ぎてしまうことがあります。その進捗管理を行っていないと、到達するはずの目標をクリアできなかったり、軌道修正をするタイミングを逃してしまったりする可能性があります。こうした事態を起こさないためには、適切な目標設定と進捗管理を行う能力が必要になります。
適切な人材育成スキル
経営資源の中でも最も重要な要素が人材です。この人材を目標達成するため、各個々人の成長のために適切な人材育成スキルもマネジメント能力の中で必要になります。人材は、ほっておいても勝手に成長する訳ではありません。中には自己啓発力が高く自らスキルアップを行う人材も居ますが、その成長に必要な環境を与えることが必要です。それだけではなく、人材育成そのものの方向性を提示し、支援を行うことが必要な人材もいます。人材が成長すると、企業内の業務効率化が促進され、企業の成長に寄与することが期待できます。
トラブル発生時の問題解決力
日々の業務では突発的に発生したトラブルに対処しなければいけないシーンがあるでしょう。その時に必要となるのが、マネジメント力の中においても重要な位置づけとなる「問題解決力」です。問題解決能力には、問題の本質を理解する課題解決力、課題分析力も必要となります。問題解決には、その原因を明確にする必要があり、その原因に適切に対応すること、それらを迅速に対応しなければいけません。マネジメント能力には、こうしたトラブル発生時の問題解決力も必要だと理解しておきましょう。
03マネジメント能力が低い人の特徴
次に、マネジメント能力が低い人の特徴を4つご紹介します。1つでも当てはまれば、マネジメントが出来ないということではなく、低い人の特徴、傾向には、こうした内容が当てはまると理解し、該当する場合には、その改善に向けた計画と実施を行いマネジメント力強化を図っていきましょう。
タスク管理が苦手
マネジメントをする上では、いくつものタスクを同時に走らせている場合が多々あります。これに対して、タスク管理が苦手、マルチタスクでの業務が苦手な人には、マネジメント力が低い傾向があります。タスク管理については、自分だけではなくメンバーのタスク管理もマネジメント上では必要です。一般的に管理職の場合は、シングルタスクのみで仕事をするということは少なく、タスク管理が苦手であれば業務運営に支障をきたす可能性が高くなることが想定されます。このように、マネジメントにおいてはマルチタスクが必須となるため、シングルタスクでの管理のみでは、人材のスキル・要件として不足しているといえます。
洞察力が低く判断基準が曖昧
マネジメントを行う上では、さまざまな判断をすることが日常となります。そのため、問題提起、判断などにおいて洞察力が低いと誤った判断をしてしまう可能性が高くなってしまうでしょう。同時に、判断基準が曖昧であれば、判断した結果のブレを起こすだけではなく、周囲からの理解も得られない可能性が高くなります。このように、洞察力が低いと判断を誤るリスクを侵し、判断基準が曖昧だと理解を得られず結果的にトラブルを起こす可能性を秘めています。
リーダーシップが発揮できない
周囲への気を使いすぎたり、イニシアティブが取れないと、人を率いるためのリーダーシップを発揮できないケースがあります。こうした判断がおきると、一丸となって目標達成を行うムードが作られず、結果として目標未達成の結果に陥る可能性が高くなります。リーダーシップとは、決して強引な行為ではありません。メンバーの理解を促し、共通した目標を達成するために行動できる組織体制を整えることが重要となります。
指示や指導に一貫性がない
日常において、業務の指示を出すこと、指導することはマネジメント職の業務として当たり前となります。そのため、指示や指導に一貫性がない場合には、何を行うべきか判断できず迷ってしまったり、指示に背く人材を放出してしまう可能性を秘めています。こうした事態を防ぐためには、指示や指導に対しての明確な基準を作り、一貫性をもった行動や発言に留意する必要があります。
04マネジメント能力を高めるために役立つ資格
次に、マネジメント能力を高めるために役立つ資格をご紹介していきます。単純に、マネジメント能力を高めるといっても簡単にその効果を測定できません。そこで、資格取得を通してマネジメント能力の向上が行えているかのバロメーターにしていきましょう。
ビジネスマネジャー検定
ビジネスマネージャー検定とは、会社の管理職として働く上での能力を保有しているかを測る認定資格です。「マネジャーの役割と心構え」「人と組織のマネジメント」「業務のマネジメント」「リスクのマネジメント」についての4つのテーマについての知識を測定していくことで、スキルを保有しているのか、理解しているかを判断することができます。
メンタルヘルスマネジメント検定
職場におけるストレスの状態、その改善に向けたスキルを保有しているかを測定する資格です。職場には、大なり小なりのストレスが存在します。そのストレスに対して、適切な対応や早期発見ができることが企業では重要なトピックとして求められています。メンバーの心身の状態に気を配り早期発見をすることで、長期的な療養や早期退職を未然に防ぐことができるでしょう。
ロジカルシンキングマスター
ロジカルシンキングマスターは、論理的思考を構築するうえでの知識や活用の仕方を問う検定です。筋道を立てて物事を整理、解説する論理的思考に活用できるフレームワークの知識や使い分けについて問われます。ロジカルシンキングを身に付けることは、問題の本質を導き出す際に有効で、多角的な考え方により有用な問題解決の方法を導き出すことができます。
05マネジメント能力を高める人材育成方法
最後に、マネジメント能力を高める人材育成方法にはどのような方法があるかを解説します。マネジメント能力は、決して先天性のものだけではなく、努力することで得られるスキルでもあります。ここでご紹介する内容について、保有しているスキルと比較し不足している、弱いスキルについて重点的な強化を図っていきましょう。
プロジェクトマネジメント力の向上
プロジェクトのマネジメントには、タスク管理、スケジュール、予算管理、人材育成など様々な管理項目を保有する必要があります。現在の保有スキルを棚卸し、自己分析を行うことで、不足している、得意ではない管理能力についての強化おこないします。管理能力については、一度に全てを強化するということではなく、計画的に成功体験を積み、自分の方法や不得意な点を理解させることが必要です。同時に、自社内において管理方法のチェックポイントなどをマニュアル化し、標準化することも有効な施策になります。
意思決定プロセスの定義とスキルの向上
意思決定については、曖昧な判断、都度の判断を行うことは企業としてのリスクを生じさせる危険な行為です。こうしたリスクを生じさせないためには、企業において意思決定プロセスの定義をマニュアル化し、整備することが有効です。同時に、マネジメントを行うスキルの一貫として、判断すべき項目や判断基準の理解がマネジメント力の強化に有効だといえるでしょう。
コミュニケーション能力の向上
コミュニケーション能力は、マネジメントをする上で最も重要なスキルの1つだということができます。部下やメンバー、経営層や他部門だけではなく取引先との関係性構築は、業務を円滑に行う上で必須のスキルです。そのため、コミュニケーション能力の向上による人間関係の構築のスキルは必須の向上項目となります。
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06まとめ
本記事では、マネジメント能力をテーマに用語の定義や類似用語との違い、スキル向上に関する解説を行っています。マネジメント能力が高いことは、企業の成長に必要不可欠な人材として活躍することができ、業務や目標達成を行う上でも有効な能力です。マネジメント能力は、スキルアップできる能力です。今以上の能力アップをはかるためには、計画的なスキルアップを行いマネジメント能力の向上を図っていきましょう。