公開日:2022/01/18
更新日:2023/02/18

ストレスマネジメント研修とは?実施するメリットや身に付く内容を解説

ストレスマネジメント研修とは?実施するメリットや身に付く内容を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ストレスマネジメント研修は、ストレスへの効果的な対応力を身に付けるための教育プログラムです。本記事では、ストレスマネジメントの必要性や代表的な手法、研修で身に付く内容を解説します。また、研修実施時のポイントも紹介しているため、人事担当の方はぜひ参考にしてください。

 

01ストレスマネジメント研修とは?

ストレスマネジメント研修の目的は、ストレスマネジメントの考え方や実践方法を学ぶことにあります。昨今のビジネスシーンで関心が高まるストレスマネジメントですが、ここではその定義や注目される背景をみていきます。

ストレスマネジメントの定義

ストレスはさまざまな要因によって引き起こされ、過度に溜まると日常生活や仕事に悪影響を与えるものです。こうしたストレスへ効果的な対処法を施し、適度にコントロールする取り組みをストレスマネジメントと言います。 ストレスマネジメント研修は、自分に合ったストレス対処法を理解して、ストレスマネジメントのノウハウを身に付ける教育プログラムです。

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ストレスマネジメントが注目される背景

ストレスマネジメントが昨今注目される背景には、ストレスによって引き起こされる従業員の精神疾患を防止する狙いがあります。 メンタルの不調に陥った従業員は、精神疾患を治すために休職や離職をする可能性が高いです。その結果、企業は貴重な戦力を失うという大きな痛手を負います。 また、効果的なストレスマネジメントが生産性向上につながるという期待も、ストレスマネジメントが注目される理由のひとつです。

改正労働安全衛生法との関連性

平成27年に改正された労働安全衛生法では、メンタルヘルスの不調を防止する目的で「ストレスチェック制度」が義務化されました。この制度では、50人以上を雇用するすべての事業者に対し、年に1回従業員のストレス状態を把握する義務が課せられます。 このように、昨今において政府はストレスマネジメントを重視していて、それに追随する形で取り組む企業が増えています。

<ストレスマネジメントについてのSchooおすすめ授業>

現代はストレス社会と言われます。

現在産業医で様々な会社と関わる中で、職場のストレスがメンタルヘルスに与える影響が大きい事を日々実感いたします。またストレス対処法の第一歩は「自分のストレスを知ること」です。そこでこの授業では、「職場ストレス」とのつきあい方の基本と応用をお話しできればと思います。1限目は基本編。「ストレスとストレス反応」「ストレスが自律神経に与える影響」「ストレスの種類、外部要因、内部要因」について学んでいきます。

私は大学教授などのいわゆる「教員」ではなく「実務家」ですので、この授業ではあまり体系的ということにはこだわらず、ビジネスパーソンとして「知っておくとよいこと」、「職場で起きそうなこと」を中心に進めていきたいと思います。

「産業医が教える、社会人のための職場ストレスとのつきあい方」

産業医が教える、社会人のための職場ストレスとのつきあい方

  • 産業医

    医療法人社団同友会 産業保健部門 産業医。産業医科大学医学部医学科卒業。産業医実務研修センター、ジョンソン・エンド・ジョンソン統括産業医を経て現職。専門は産業医学実務。現在日系大手企業、外資系企業、ベンチャー企業、独立行政法人など約30社の産業医業務に従事。
 

02ストレスマネジメントの手法とは

ここでは、ストレスマネジメント研修について解説する前提として、代表的なストレスマネジメントの手法をみていきます。ストレス要因やその人の個性・性格に応じて、最適なストレスマネジメントを実施していくのがおすすめです。

セルフモニタリング

セルフモニタリングとは、自身の気持ちや体調の変化を継続的に記録していく手法を言います。セルフモニタリングのメリットは、自分のストレス要因や反応を分析できる点です。 また、自らのストレスや心身の不調を客観的に見直せるため、気持ちが楽になると期待できます。

問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングは、現在抱えている問題に立ち向かって、直接的な解決方法を考える手法です。この手法が効果的な場面には、一人に対しての仕事量が多すぎるケースや職場の人間関係が上手くいかないケースが挙げられます。 前者の場合には他の人にも仕事を分担してもらう、後者の場合には接し方を工夫してみるといった行動が、問題焦点型コーピングに該当します。

情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピングでは、問題そのものの解決ではなく、自らの気持ちや思考をコントロールします。 例えば、同じ物事でもプラスの面に注目してポジティブシンキングを行う取り組みがあります。また、ストレスが溜まったときに、書き出したり他人に話したりして感情を吐き出すことも情動焦点型コーピングのひとつです。

ストレス解消型コーピング

ストレス解消型コーピングとは、ストレス反応そのものに着目し、何らかのアプローチで心身の疲れを取る手法です。具体的には、マッサージや運動、ストレッチや睡眠が挙げられます。ストレス解消型コーピングは人によって内容は違えど、多くの人が日々のなかで実践しているはずです。

 

03ストレスマネジメント研修のメリット

ストレスマネジメント研修は従業員だけではなく、企業にとっても多くのメリットをもたらすものです。それでは、ストレスマネジメント研修の実施によって、具体的にどのようなメリットを期待できるのでしょうか。ここではメリットを3点紹介します。

従業員のメンタル不調を予防する

ストレスマネジメント研修を通して、参加者は自分に適したストレス対処法やポジティブシンキングを学びます。その結果、従業員は業務上のストレスに対して上手に対応できるようになり、メンタル不調に陥ることも減るはずです。 心身が健康な従業員は、精神疾患によって休職や離職をせず、企業も戦力を失わずに済みます。

職場環境が良好になる

ストレスを多く抱えている人は、周囲の人間に対してきつく当たってしまうこともあります。ストレスマネジメント研修によって、ストレスをコントロールできる人が増えれば、職場の雰囲気はより明るくなると期待できます。一人ひとりの心身を健康に保てば、職場全体の生産性や環境の改善につながるはずです。

仕事へのモチベーションが向上する

ストレスマネジメント研修では、ポジティブシンキングも重要な学習内容のひとつです。ポジティブシンキングを体得した従業員は、失敗しても前向きに捉えられるため、仕事に果敢に挑戦していくようになり得ます。 仕事へのモチベーションが向上すれば、従業員本人の成果が挙がるだけでなく、企業にとっても生産性向上といったうれしい効果があります。


 

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04ストレスマネジメント研修で身に付く内容

ストレスマネジメント研修の学習内容は、ストレス対処法やポジティブシンキング、コミュニケーションスキルなど多岐にわたります。また、自分の思考の癖やストレス要因を分析すれば、より自分に合ったストレス対処法を発見できます。ここでは、ストレスマネジメント研修を通して身に付く内容を紹介します。

思考の癖やストレス要因の把握

同じ物事でも、どのように感じ考えるか、ストレスになるかならないかは人それぞれです。 例えば、仕事で失敗したときに「だから自分はダメなんだ」と考える人がいれば、「大した事ない。次がんばろう」と前向きに捉える人もいます。このような思考の傾向は、自分ひとりでは気付きを得られにくいものです。 そのため、ストレスマネジメント研修では、日ごろの自分を振り返り、思考の癖やストレスとなり得る要因を把握します。

自分に合ったストレス対処法の習得

思考の癖やストレス要因が把握できれば、それに適したストレス対処法も見えてきます。自己分析結果を基に、講師がストレス対処法のアドバイスを一人ひとりに送ったり、グループ内で意見交換したりします。 その結果、自分に合ったストレス対処法を習得でき、日常業務でストレスマネジメントを実践可能となるのです。

ポジティブシンキングへの理解

ストレスマネジメント研修では、物事のプラスの面を見つめて前向きに考えるためのノウハウやコツを学びます。ポジティブシンキングが身に付けば、職場で周囲の人に良い影響を与えるうえに、自分の業務生産性も向上するはずです。

コミュニケーションスキルの向上

業務上のストレスは、自分ひとりで対処するのが難しいケースもあります。そのような場合には、周囲の人に協力を得たり相談をしたりして、ストレスに上手く対処していくことが望ましいです。 ストレスマネジメント研修では、相談を持ちかけるタイミングや話し方を学び、壁にぶつかったときに周囲に助けを求められるコミュニケーションスキルを身に付けます。

 

05ストレスマネジメント研修の実施ポイント

ストレスマネジメント研修を成功させるためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。研修のプログラム内容や研修後のフォロー、実施形態などには注意点が存在しますので、ポイントを押さえておきましょう。

新入社員対象の研修では自己分析を徹底する

ストレスマネジメント研修では、ストレス要因や思考の癖を分析する場が設けられるものですが、新入社員対象の場合には自己分析を徹底するのがおすすめです。 新入社員は社会人として本格的に働いた経験に乏しく、日々の業務で知らず知らずに多くのストレスを抱えていることがあります。 早期離職を防止するためにも、新入社員は一度自分の内面をしっかり見つめ直して、適切なストレス対処法を習得できるようにしてください。

管理職対象の研修にはラインケアを取り入れる

ラインケアは、職場のライン上にいる管理職が、部下のメンタル不調に迅速に気付いてケアをする取り組みです。自分では気付きにくい心身の不調に、客観的に部下の様子を見ている管理職が気付くことで、まだ症状が軽微なうちに改善できるとされています。そのため、管理職対象の研修ではラインケアの重要性や実践方法も扱うのがおすすめです。

研修後は定期的な面談で振り返りを行う

ストレスマネジメント研修を一度受けただけでは、日常業務においてストレスマネジメントを実践するのは難しいものです。そのため研修後は定期的に面談を行い、研修での成果を業務で活かせているか、困ったことはないかなどを確認してください。

外部の専門家を招いて研修を行う

ストレスマネジメントや自己分析の手法は専門的なスキルを要するため、研修実施時には外部の専門機関の講師を招くのがおすすめです。特に研修会社の講師はストレスマネジメントのノウハウを熟知していて、より効果的な研修を受けられます。


 

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◆おすすめの授業:不安とストレスに悩まない7つの習慣

私たちは普段から「ストレス」という言葉を良く使います。

しかし、「このストレスとは一体何なのか?」をあまり深く考えることは少ないのではないでしょうか?

今回のテーマは、私たちの生活の質にも大きく関わる「ストレス」。

「ストレスをなくすことは可能なのか?」
「ストレスに強い人と弱い人の差は何なのか?」
「ストレスによって引き起こされる症状のうち、注意すべきものは何か?」
など、生活を送る中で出て来るさまざまな疑問を解消し、ストレスとの向き合い方を学んでいきましょう。

 
  • 医師、医学博士、日本医師会認定産業医

    産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。20以上のグローバル企業等で年間1000件、通算1万件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を行い、働く人のココロとカラダの健康管理をサポートしている。著書に『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書―上司のための「みる・きく・はなす」技術 』(きずな出版)、『不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣 』(産学社)、共著に『産業医・労働安全衛生担当者のためのストレスチェック制度対策まるわかり』(中外医学社)などがある。

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06まとめ

従業員のメンタルを健康に保ちつつ生産性を向上するために、ストレスマネジメントは現在注目が集まっている取り組みです。 ストレスマネジメント研修では、ストレスマネジメント手法を学ぶだけではなく、自己分析を通して実践的なストレスマネジメントを体得できます。組織全体の生産性を向上させるためにも、ストレスマネジメント研修の実施を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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