マインドフルネス研修の効果とは?実施方法とポイントを紹介

本記事では、マインドフルネスの基本概念から、その効果や導入のメリット、マインドフルネス研修を受ける際の注意点について紹介します。これから、マインドフルネス研修を導入しようと考えている企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
- 01.マインドフルネスとは
- 02.一般的なマインドフルネスの方法
- 03.マインドフルネス研修を実施するメリット
- 04.マインドフルネスを導入している企業の事例
- 05.マインドフルネス研修を導入するときの注意点
- 06.Schooのマインドフルネス研修
- 07.まとめ
01マインドフルネスとは
「マインドフルネス(mindfulness)」とは、現在の自分の心や体、その瞬間の自分の経験に集中して意識を向ける状態や過程を指します。 もともと仏教の教えに由来した思想ですが、近代になって宗教色が排除され、ビジネススキルや自己啓発スキルとして広まりました。
マインドフルネスが注目されはじめた背景には、GoogleやAppleといった大手企業が取り入れ、効果的であるという認識が広まったことがあげられます。 社員の心の状態を整えることによって、社員の幸福度が高まり、会社全体として生産性が上がるなど、多方面でメリットがある手法といえます。一見すると瞑想に似ていることから、マインドフルネスといえば瞑想や呼吸をイメージする人が少なくありません。瞑想や呼吸はマインドフルな状態にするための手段に過ぎず、過去の経験や先入観といった雑念にとらわれず、身体の五感に意識を向けます。 「今、この瞬間の気持ち」「今ある身体状況」といったあるがままの現実を知覚し、受け入れる心を育むことに重きを置いています。
02一般的なマインドフルネスの方法
マインドフルネスは、以下のシンプルな3ステップで実施できます。一見簡単なように思えますが、ひとつひとつのステップを集中して行わなければ、効果を期待できません。最初はゆっくりで構いませんので、ひとつひとつの動作を丁寧に行う姿勢が求められます。
1.良い姿勢で坐る
床に座布団や坐布を置き、その上にあぐらをかいて腰掛け、背筋をまっすぐ伸ばした状態で座ります。椅子や正座でも問題ありません。手のひらは下にむけ、膝や太ももの上に置きます。目は優しく開けたまま伏し目がちにして、視線を1.5mから2m程度はなれた先の床を眺めます。
2.呼吸を正しく整える
複式呼吸で息をしながら、身体の隅々にまで息を巡らせるイメージを持ちます。ゆっくりと息を吸いながらお腹を膨らませ、その後ゆっくりと息を吐きながら徐々にお腹をへこませていきます。
3.心を整える
呼吸のリズムに合わせて数を数え、吸う、吐くに集中します。頭で何か考えていることに気づいても、それを追いかけず意識を呼吸に戻します。今、自分が何を考え、なぜこのように思ったのか、ありのままの状態を受け入れ、心を整えます。
03マインドフルネス研修を実施するメリット
マインドフルネスを導入することで、企業としてはどのような効果が得られるのでしょうか。ここからは、マインドフルネス研修を実施するメリットを解説します。
モチベーションアップ
マインドフルネスにより、思考をせずに脳を休ませ、何も考えない時間をもつと、リラクゼーション効果のある副交感神経が優位に働き、自律神経の働きが整う効果があります。1日1回継続的にマインドフルネスを行うと、仕事の効率も高まり、モチベーションアップにつながります。
仕事のパフォーマンスの向上
マインドフルネスを企業で導入する一番大きなメリットは、社員1人ひとりのパフォーマンスの向上が見込めることです。マインドフルネスを通じて心の中を整理し、ニュートラルな状態で仕事に望むことで、目の前の仕事に100%集中した状態で取り掛かることができます。これにより、ビジネスパフォーマンスが向上し、業務の生産性を最大限高めることができるのです。
情緒の安定と集中力アップ
マインドフルネスには、ストレス軽減や集中力アップといった効果もあります。瞑想によって、自分の中のネガティブな感情に目を向け、それを知覚することで心を平静に保つことができます。やるべきことを整理できれば、不安な気持ちや、慌てたり焦ったりすることもなく、気持ちが安定し、常に集中した状態で仕事に臨むことができます。
創造力が高まる
マインドフルネスによって思考がクリアになり、余計な不安や考え事に悩まされることがなくなると、目の前の問題にフラットな視点で向き合えるようになります。 そうすることで、従来はさまざまな考えに邪魔されて出てこなかったような、新たな発見や発想が生まれやすくなるというメリットが期待できます。さらに、物事をありのまま受け入れることで、洞察力や直感力が高まり、それらすべての要素が影響して創造力の向上にもつながります。
ストレスの軽減
ハーバード大学のサラ・ラザール准教授が2010年に実施した研究で、1日30分程度のマインドフルネス瞑想を8週間行うことにより、「海馬」の灰白質の神経密度が高まっていることが判明したそうです。海馬は慢性的なストレスによって萎縮しますが、マインドフルネスによって、海馬の厚みが増したのです。つまり、マインドフルネスによって、ストレス耐性が上がったということが立証されたのです。
【参考】東洋経済オンライン:仕事がつらい人が「今この瞬間」に集中すべき訳|マインドフルネスの「科学的」な根拠
従業員満足度(ES)の向上
マインドフルネスによって、ストレス軽減や集中力の向上、モチベーションの向上など、様々な効果が期待できます。これらの効果によって、従業員満足度も上がるでしょう。あくまでもマインドフルネスと直接的な因果関係があることは立証されていませんが、複合的な要因によって、この効果が期待できるはずです。
04マインドフルネスを導入している企業の事例
マインドフルネスは現在、多くの企業で導入しています。特に、GoogleやAppleなど、外資系企業の導入が目立つ印象です。ここからは、マインドフルネスを導入した企業の成功事例を紹介します。自社に最適な方法を模索してください。
マインドフルネスはGoogleが取り入れたことで注目を浴びはじめたといわれています。社内エンジニアのチャディー・メン・タン氏が社員のストレス低減、集中力の向上、創造性向上などを目的として自主プログラムを作成しました。そのプログラムを実施するため、オフィス内に瞑想ルームを作り、一日に数分の瞑想を実践するよう推奨したのです。
参照元:SIY/Seach Inside Yourself/Google
Apple
Appleでは、社内に瞑想ルームを設置し、業務時間内のおよそ30分をマインドフルネスにあてるなど、積極的に取り組んでいます。 Apple創立者であるスティーブ・ジョブズも、重要なイベントの前にはマインドフルネス瞑想を行っていました。画期的な商品を世に送り出すため、創造性を豊かにしようと、積極的にマインドフルネスを取り入れています。
参照元:グーグル、アップルも注目した「マインドフルネス」とは|PHPオンライン衆知
Yahoo!
マインドフルネスを活用しているのは海外企業だけではありません。Yahoo!では、マインドフルネスを人材育成の手段として積極的に取り入れ、希望者には週1回のプログラムを実施するなどの取り組みを行っています。
参照元:ヤフーが取り組むマインドフルネス研修とは|Beyond Health
メルカリ
日本で数少ないユニコーン企業のメルカリでも仕事の効率向上を目的として、マインドフルネスが取り入れられています。社員にマインドフルネスを定着させるべく、プロのコーチを招いた本格的なワークショップなどを行っています。参加した社員からは、マインドフルネスを取り入れると、集中力を取り戻すことができるという声が上がっています。
05マインドフルネス研修を導入するときの注意点
マインドフルネスを自身で習慣化することは簡単ではありません。そのため、企業側が研修を導入することで、マインドフルネスの習慣が定着します。ここからは、研修を行うにあたっての注意点を解説します。
マインドフルネスの意義を受講者に説明する
まず、マインドフルネスの意義を参加者に説明します。実際に参加する社員自身が研修の意味を理解し、主体的に取り組んでくれるよう、マインドフルネスを実施するメリットや効果について周知します。
セルフコントロールの時間で目標を自覚させる
セルフコントロールの時間を設け、自分の中のさまざまな感情や奥底にある価値観を整理してもらいます。いま抱えている悩みや思いについて、なぜそのように思うのか、その奥底にある自分の価値観とは何か、といった点を各人で探ります。そして、今後自分はどのようになっていきたいのかという目標を見つめ直してもらいます。
ネガティブな思考に陥らないようにフォローする
マインドフルネスは、自分の心の中の感情に着目することになるため、自分自身のネガティブな感情にも向き合う必要があります。そのため、ネガティブな感情との向き合い方を知らない人にとっては、悪い感情に支配されて悪影響を及ぼす可能性が高まります。 研修を通じて、マインドフルネスの本来の目的や、ネガティブな感情への対処法を伝えていくことが非常に重要になります。
終了後にはフィードバックを行う
研修終了後には、社員1人ひとりと向き合い、その価値観が自社でどのように活かせるかについて最大限フォローしていく必要があります。また、実施後どのような効果を得られたか、フィードバックしてください。フィードバックを行うことで、実施したことへの意欲を高め、継続してマインドフルネスを行うことにつながります。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

06Schooのマインドフルネス研修
Schoo for Businessは、国内最大級7,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級7,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
マインドフルネスに関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、マインドフルネスに関する授業を紹介いたします。
1日10秒マインドフルネス

この授業では、物事に集中して心を込めて行うことを軸に、日常の様々な場面で実践できる1日10秒の「ながらマインドフルネス」を瞑想歴40年、精神科医の藤井英雄先生に教えていただきます。前半では10秒マインドフルネスの概要と効果について、後半では実際のエクササイズについて紹介しています。
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精神科医・作家
1957年、神戸生まれ。1982年、鹿児島大学医学部卒業。 2011年、心のトリセツ研究所を設立。日本キネシオロジー学院 顧問。メールマガジン「3分で読める幸せになるコツ・365日のレッスン」を通じて、心理学・東洋医学・氣の知識や情報をわかりやすく発信している。40年の瞑想歴、25年以上のマインドフルネス瞑想の実践から、日常生活のなかで手軽にマインドフルネスを習得できる方法を提案。著書には『マインドフルネスの教科書』『マインドフルネス 「人間関係」の教科書』(ともにクローバー出版)『ビジネスマンのための「平常心」と「不動心」の鍛え方』(同文館出版)などがある。
自己肯定感を高める技術 -1日1行マインドフルネス日記-

この授業では、「マインドフルネスの継続による自己肯定感の強化」をテーマに誰でも日常的に取り入れやすく、1行の日記にすることで継続しやすいマインドフルネスを学びます。そもそもマインドフルネスがよくわからないという方も、授業内に出てくる「3秒ルール」のエクササイズを実践することで理解できます。
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精神科医・作家
1957年、神戸生まれ。1982年、鹿児島大学医学部卒業。 2011年、心のトリセツ研究所を設立。日本キネシオロジー学院 顧問。メールマガジン「3分で読める幸せになるコツ・365日のレッスン」を通じて、心理学・東洋医学・氣の知識や情報をわかりやすく発信している。40年の瞑想歴、25年以上のマインドフルネス瞑想の実践から、日常生活のなかで手軽にマインドフルネスを習得できる方法を提案。著書には『マインドフルネスの教科書』『マインドフルネス 「人間関係」の教科書』(ともにクローバー出版)『ビジネスマンのための「平常心」と「不動心」の鍛え方』(同文館出版)などがある。
自己肯定感を高める技術 -1日1行マインドフルネス日記-を無料視聴する
危機を乗り越えるマインドフルネス

この授業では、コロナの時代を共に生き抜くためのメンタルのつくり方をマインドフルネスによって磨いていきます。どのようにしたら、感情に振舞わされることなく、健全に生きていけるのか。マインドフルネスの実践のパートもありますので、より具体的にメンタルの鍛え方を体感していただける授業です。
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精神科医・作家
1957年、神戸生まれ。1982年、鹿児島大学医学部卒業。 2011年、心のトリセツ研究所を設立。日本キネシオロジー学院 顧問。メールマガジン「3分で読める幸せになるコツ・365日のレッスン」を通じて、心理学・東洋医学・氣の知識や情報をわかりやすく発信している。40年の瞑想歴、25年以上のマインドフルネス瞑想の実践から、日常生活のなかで手軽にマインドフルネスを習得できる方法を提案。著書には『マインドフルネスの教科書』『マインドフルネス 「人間関係」の教科書』(ともにクローバー出版)『ビジネスマンのための「平常心」と「不動心」の鍛え方』(同文館出版)などがある。
07まとめ
最近話題のマインドフルネスについて、企業の導入事例を踏まえながら解説しました。 マインドフルネスを継続すると、心身の健康や集中力、創造性、自己認識力の向上などに効果があると考えられます。 企業にとっては、従業員の仕事に対するモチベーションアップやパフォーマンス向上が期待できます。また、ストレスの軽減や内発的動機付けとしての効果などさまざまなメリットが見込まれます。 本記事の内容を参考に、マインドフルネス研修を自社に取り入れることを検討してください。