公開日:2022/01/24
更新日:2024/03/18

能力評価とは?人事評価で行うメリットや実施方法について解説する

能力評価とは?人事評価で行うメリットや実施方法について解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

能力評価とは、業務をする能力をベースとして人事評価を行うことを指します。近年、人事評価の査定項目に能力評価を積極的に用いている企業も少なくありません。では、この能力評価とは何を意味しているのでしょうか。本記事では、能力評価の定義や基礎項目、そして能力評価を用いるメリットについて解説しています。

 

01能力評価とは

能力評価とは、従業員の仕事上の能力やスキル、業績を客観的に人事評価をすることを指します。能力評価は、従業員の業務遂行能力を明確に把握し、適切なフィードバックやキャリア開発のための情報を提供することを目的としています。人事評価を行うには複数の項目があります。一般的には、各評価項目を能力評価と業績評価に大きく分類して評価し、その総合判断が人事評価結果になります。能力評価とは、長期的な社員の育成や意識向上を目的として行われる場合が大きく、未来への投資とも言われています。しかし、現在では、業績重視の評価を実施していく傾向が強いため、能力評価についても潜在的な能力よりも、一定期間に渡る行動を重視する傾向が強くなっています。

業績評価との違い

業績評価とは、能力ではなく結果を重視した評価になります。業績評価とは、査定期間中に出した結果を重要視した評価となるため、結果が出ていない場合には低い評価になるデメリットがあります。しかし、現在では、結果が出るまでに時間が掛かる業務を行っている人材の評価を意識しており、そのプロセスについても業績評価としている企業も増えています。このように業績評価は、能力ではなく結果や実績をもとに評価をする点が能力評価とは異なります。

 

02能力評価の基本項目

次に一般的に行われる能力評価の項目について解説します。ここでご紹介している項目の全てが、自社における能力評価の項目になっていない場合もあります。あくまで一般的な能力評価の項目であると理解し、自社の評価項目と比較しえみましょう。観点が不足している場合には、評価項目として追加した方がいいかの判断を行い評価軸の見直しを行っていく参考にしてください。

企画力

企画力とは、問題を解決するための段取りを組み立てる力のことです。一般的な、企画を立案する能力とも含み、発生している問題や課題、時には新たなサービスを創出するなどのテーマに対して計画を立案することを意味しています。この能力を保有していることは、新たなサービスの創出だけではなく、発生している問題の解決や再発防止の立案などにも役立つ力です。企業において、さまざまなシーンで計画を立案する企画力を必要とします。この能力は、能力評価の代表的な項目とされています。

実行力

プロジェクトを実践に遂行していく能力を実行力と呼びます。この実行力は、事業の展開に欠かせない能力です。どのような計画が立案されても、実行する力、最後までやりぬく力がなければプロジェクトや計画は成功しません。こうした実行力の有無は、事業を動かす上で欠かせない能力です。この能力を高めることができれば、事業の推進力が高まり企業におけるサービス力、サービス開発力が格段に上がることが予測されます。

改善力

問題点を発見し、改善していく能力が改善力です。この改善力が高いと、課題が発生した場合に早期に解決したり、問題になる前の課題を未然に防ぐことも可能になります。特に、顧客からのクレームなどに早期に対応できる力は、顧客サービス力の向上に大きく影響していきます。改善力は、問題点に対してだけではなく、業務の効率化などについても有効な能力となり、業務の精度を向上させる能力と理解しておきましょう。

指導力

組織のメンバーに対して個々の能力や特性を活かした指導をしていく能力が、指導力です。指導力が高いメンバーがいることは、組織のまとまりを向上させ組織が一丸となり目標を達成する団結力を発揮することにつながります。特に、個々人の特性を活かすことができれば組織力は格段にあがることになり、業務の遂行力が格段に向上するメリットを生んでいきます。また、業務の遂行力だけではなく生産性の向上、精度の向上などの相乗効果といったメリットも期待できるでしょう。

知識力

担当業務の知識だけではなく、目的の理解力、業務指示の本質を理解できる力が知識力と定義づけられます。知識力が高いことは、業務遂行の能力を格段にあげる要素にもなります。また、業務独自の知識に精通していることで、メンバーへの適切な指示を行うことも可能です。知識力が高まることで、業務の精度や達成度合いを向上させるなどの相乗効果を期待できるでしょう。

 

03能力評価を行うメリットとは

次に、能力評価を行うことで企業が得られるメリットについて解説していきます。能力開発を行うことで企業に得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでご紹介する内容をもとに、自社にはどのようなメリットが最も期待できるかについて確認をしていきましょう。

適応性のある評価に役立つ

能力評価を取り入れると、従来の人事評価に新しい評価軸を取り入れることができます。この新しい評価軸が加わることで、より個々人の評価を詳細に、そしてより実態にあった評価を行うことが可能です。こうした人事評価制度の精度向上は、従業員の満足度にもつながるメリットがあります。こうした精度の向上は個人の努力や実績を十分に反映できることから、個人のモチベーションや満足度にもつながるため、適切な評価ができる環境を構築していくことが重要となるでしょう。

人材育成を促進する

業務の内容に準じた人事評価を実施することができれば、人材育成の側面にも多くのメリットがあります。人は、評価されることが分かれば、モチベーションも向上し内面的な満足度の向上につながります。こうした満足度の向上や、より一層業務を頑張りたいと思う意識へつながり、組織の活性化にも貢献していく要素となります。組織力の活性化が進むことによて、企業成長の元となる業務の効率化や精度の向上につながっていきます。

納得度が高まることでのモチベーションの向上を促進

能力評価が加わることで、評価の納得度も向上します。評価に納得することができれば、次に業務にどう貢献するかなどについて積極的に考えることにもなり、モチベーションの向上に寄与します。モチベーションの向上が促進されると、業務への取組み姿勢にも変化が出ていきます。こうした変化は、周囲にも良い影響を与え、職場全体のモチベーション向上にも期待できるでしょう。

 

04能力評価を実施するうえでの注意点

次に、能力評価を行う際に注意しておくべき事項について解説していきます。能力評価を行う際には、どのような点に注意して実施していくと、効果的な評価につながるのでしょうか。ここでご紹介している内容については、あらかじめ注意事項として対策を講じるようにし有効な評価ができる準備を行っておきましょう。

年功序列による評価をしないようにする

能力評価については、年功序列に左右されないように注意する必要があります。年功序列とは、年齢や社歴の年数が高ければ高いほど、評価を高くすることです。あくまで発揮された能力により評価を公平に行うことで、社歴などに関係なく公平な評価を行うことを意識しておく必要があります。評価については、その後のモチベーションにも大きな影響を与えることにつながります。こうした評価後のことも考慮した制度や方法をを実施しなければいけません。

評価エラーが起きないように防止策を決めておく

評価エラーとは、評価者によって評価に差が出てしまうことです。評価者のイメージなどにより評価の軸がブレてしまうことは、公平な評価にはならず満足度が低い結果を生んでしまいます。こうならないためには、評価における基準や評価項目をあらかじめ整理しておくことが必要です。その他にも、評価者の育成研修などを通して評価する際に着目すべき項目や、評価における注意事項を理解するように促すことが必要です。

行動事実に基づいた根拠のあるフィードバックを行う

評価のフィードバックを行う際には、納得性の高い説明を行うことも必要です。そのためには、こうであろうという推測ではなく、こうであったという事実をもとに評価していることを伝える必要があります。行動の事実をもとに評価のフィードバックを行うことで、より相手に理解を促すことができます。

 

05能力評価実施の方法

次に、能力評価を実施する方法について解説します。能力評価をどういったプロセスで実施することが最適であるかを理解することで、自社に能力評価を取り入れるかのイメージを掴んでいきましょう。実際に能力評価を実施する際には、きちんと計画を立てて実施する必要がありますので、その計画立案の参考にしてください。

能力評価の基準を策定する

まず行うべきなのが、能力評価の基準を策定することです。この能力評価の基準は、1つの事柄に捕らわれず多角的な視点で項目の洗い出しや整理を行う必要があります。1つの事柄に囚われてしまうと、評価軸に偏りが生じてしまい正しい評価にはつながりません。そうならないためには、評価項目の観点を全て洗い出し、必要な項目に精査をする方法を取ることが最適です。

社員への周知と理解を促す

能力評価を取り入れることは、社員への周知を行い理解を促す必要があります。社員への理解を得られない評価は、納得性の低い結果を生んでしまう可能性を秘めています。こうならないためには、能力評価を取り入れる目的や、その評価軸(評価項目)について、社員へ周知し自分達が評価される項目が何であるかを理解してもらう必要があります。

評価者への育成研修を行う

次に、評価者の育成を行います。評価の観点、注意点などについて育成研修の場を通じて理解を促します。同時に、事例を交えて評価の練習を行うなど、実践で役立つ内容にしておくことが必要です。評価者の育成を行い公平な評価ができる環境は、その後の評価結果の納得性にもつながる要素である点も意識した育成を行っていきましょう。

就業規則などの社則を整備する

評価軸の変更は、就業規則などの社則に反映を行う必要があります。また、評価に関するマニュアルなども整備し、評価を適切に行える方法を準備しておきましょう。また、何を基準に評価されるかなどについては、社員にも説明を行いより納得性の高い評価になる工夫を行う必要があります。こうした準備を行うことで、評価の透明性なども確立していくことが可能になります。


 

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06まとめ

本記事は、能力評価をテーマに制度の導入メリットや導入に関する注意点について解説しています。能力評価は、従業員の日々の業務や能力を適切に評価する仕組みです。こうした評価方法を問い入れることで、より納得性の高い評価を実現していきましょう。納得性の高い評価は、従業員のモチベーションをアップし企業成長にもつながります。能力評価を活用し企業成長や従業員の成長に役立ててください。

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    株式会社壺中天 代表取締役

    立命館大学理工学部を卒業後、エンジニアとしてIT企業(SIer)に就職。疲弊した現場をどうにかするため人事部門へ異動、人事担当者、人事マネジャーを経験する。その後、リクルートマネジメントソリューションズ社で人事コンサルタントとなり50社以上の人事制度を構築、組織開発を支援する。2016年、人材マネジメントの領域に「夜明け」をもたらすために、アカツキ社の「成長とつながり」を担う人事企画室を立ち上げ、2020年「人事の意志をカタチにする」ことを目的として壺中天を設立し代表と塾長を務める。

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