更新日:2025/12/23

やり抜く力(GRIT)とは?高めるメリットと具体的方法について

やり抜く力(GRIT)とは?高めるメリットと具体的方法について | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

社員のやり抜く力を高めることによって、1つの物事に対して粘り強く取り組めるようになり、企業全体の生産性アップにも繋がる可能性があります。やり抜く力は単にメンタルを鍛えるのではなく、さまざまな工夫によって身につけるものです。本記事ではやり抜く力(GRIT)とは、やり抜く力を高めるメリット、やり抜く力を高めるための具体的方法について解説していきます。

 

01やり抜く力(GRIT)とは?

やり抜く力

GRIT(やり抜く力)とは、長期的な目標を断固として追求する姿勢を指します。心理学者のアンジェラ・ダックワース教授は、人生の成功を決めるのは才能ではなく、「情熱」と「粘り強さ」の組み合わせであると定義しました。

ここでの「情熱」とは、最重要の目標に対して興味を持ち続け、ひたむきに取り組むことです。一方「粘り強さ」は、困難や挫折を味わっても諦めずに努力を続ける力を指します。

GRITは、習熟の過程で効率が落ちる「コスパの谷」を乗り越えるために不可欠であり、最上位の目標を維持しながら手段を柔軟に変えていく「健全な執着心」を伴うのが特徴です。この力は「成長思考」を持つことで後天的に伸ばすことが可能です。

▶︎参考:やり抜く力 | 書籍 | ダイヤモンド社

1.Guts(ガッツ)

Guts(ガッツ)とは文字通り困難に立ち向かう力のことです。仕事を最後までやり抜くには、まずは強いメンタルが必要になります。ガッツのある社員はたとえ困難な仕事であっても、積極的に引き受ける傾向があります。メンタル面は生まれ持った才能と思われがちですが、トレーニングによってある程度は鍛えることが可能です。メンタルを鍛える方法の1つにマインドフルネス瞑想があります。マインドフルネス瞑想を行い、仕事に対する不安や迷いを軽減させることでポジティブな気持ちになり、積極的に仕事に挑めるようになります。

2.Resilience(立ち直る力)

Resilience(立ち直る力)はやり抜く力の4つの要素の中でも根幹をなすものと言えるでしょう。Resilienceは直訳すると「回復力」や「立ち直る力」を意味し、ビジネスシーンにおいてはストレスや困難に直面してもそれに押し潰されず、しなやかに適応していく力を指します。特に新入社員の頃は仕事で失敗をすることが多いです。失敗しても諦めず何度も挑戦できるだけの粘り強さが仕事では必要になります。例えば、顧客に商品をセールスした際に否定された場合も、諦めずに別の切り口から商品を宣伝する、などの対応が重要です。立ち直る力を身につけるには、過度に結果にこだわりすぎないというのも重要になります。結果を出すことも重要だが、結果を出すために創意工夫した過程も重要であると認識すると、すぐに結果が出なくても自分を認められるようになり、途中で折れなくなります。

3.Initiative(自発性)

Initiative(自発性)は自ら目標を見つけて取り組む力のことです。目標は上司などから与えられるのではなく、自分で自発的に見つけた方が、責任感を持ってその目標を達成しようと思えることができます。どんなにメンタルが強い社員であっても、目標がなくてはやり遂げることは難しいでしょう。自分で目標を見つけるには、業務に対する問題意識を持たないといけません。今の業務をもっと効率的に行ったり、ユーザー満足度を向上させたりするにはどうすべきか考えるには、業務に対する強い関心が必要ですし、物事を主体的に考える癖がついている必要があるでしょう。

4.Tenacity(粘り強さ)

Tenacity(粘り強さ)は難しいことをやり抜くために必要な力のことです。企業に勤めていれば自分の能力よりも難しい仕事が回ってくることは多くあります。ハードルの高い業務でも周囲の人に上手く相談したり試行錯誤を繰り返し自分なりのやり方を思案したり、粘り強く取り組むことが重要になります。難しい業務を避けてしまったり、失敗したらすぐ諦めてしまったりする人もいますが、それではやり抜く力が身につきませんし、スキルアップもできなくなります。困難にぶつかっても粘り強くチャレンジし続けることが重要です。

 

02やり抜く力(GRIT)の科学的根拠

アンジェラ・ダックワース氏は、まず英単語のスペルの正確性を競う競技を調査しました。その結果、知能指数(IQ)よりもグリット・スコアが高い生徒ほど、人より多くの練習を積み、勝ち進むことが示されました。なお、IQとやり抜く力に相関関係は見られなかったそうです。

また、スタンフォード大学の心理学者キャサリン・コックス氏は、歴史上の偉人301名を対象とした調査しました。この調査でも、功績の大小と知能指数の間に差はほとんどありませんでした。偉大な功績を収めた人物に共通していたのは、「長期的な目標の追求」・「一度決めたことを守り抜く意志」・「障害にぶつかっても諦めない粘り強さ」などの要素でした。

このことから『やり抜く力 GRIT』の著者であるアンジェラ・ダックワース氏は、「知能レベルが最高でなくとも最大限の粘り強さを持ち努力する人は、知能が高くても努力しない人を遥かに凌ぐ功績を収める」と結論付けています。才能は自分では制御できませんが、努力の継続は自分次第であり、やり抜く力こそが成功を掴むための鍵となるのです。

 

03やり抜く力(GRIT)を高めるメリット

やり抜く力(GRIT)を高めるメリットは、主に以下の3つがあります。

  • ・成功体験の資産化
  • ・精神面での安定
  • ・市場価値の向上

この章では、これらのやり抜く力(GRIT)を高めるメリットについて詳しく紹介します。

成功体験の資産化

長期的な目標を粘り強く達成した経験は、個人の揺るぎない資産となります。この資産が「困難な状況でも自分なら成功に導けるはずだ」という強い自信を育むのです。習熟の過程で一時的に効率が落ちる「コスパの谷」を乗り越える原動力となります。この好循環に乗ることで、やり抜く力がさらなる成功を呼び、能力が自然と強化され続けます。逆に、途中で諦めることは未来への「負債」となるため、一度やり遂げる経験を持つことが、個人や組織の成長において極めて重要と言えます。

精神面での安定

やり抜く力(GRIT)を高めることは、精神的な安定や心の回復力を保つ上で大きなメリットがあります。GRITが高い人は、仕事へのエンゲージメントが向上し、燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥りにくいことが研究で示されています。これは、離職率の低下にもつながる重要な特性です。また、長期的な目標に対して努力を肯定的に捉える姿勢こそが、心の安定を支える基盤となります。

市場価値の向上

生成AIの普及により、汎用的なビジネススキルだけでなく専門スキルまでAIが代替しつつあります。そのため、これからはAIで出すことのできない強みを持っているかどうかが市場価値に大きな影響を与えるのです。その意味において、やり抜く力(GRIT)を持つ人は「何としてでも成し遂げる」という他者にはないマインドセットを持っています。目的を断固として追求し、泥臭くやり抜く力を持つ人の価値は、生成AI時代において相対的に高まっているのです。

 

04やり抜く力(GRIT)の測定方法

やり抜く力は「グリッド・スケール」を使って測定することが可能です。グリット・スケールはGRIT提唱者が研究用に考えた診断テストのようなものです。以下の質問に対して、「まったく当てはまらない」「あまり当てはまらない」「ある程度当てはまる」「ほとんど当てはまる」「まったく当てはまる」の5項目で自分が該当するものを選択することで、やり抜く力を測定することができます。

  全く当てはまらない あまり当てはまらない ある程度当てはまる ほとんど当てはまる 非常に当てはまる
新しいアイディアやプロジェクトに
つい気を取られてしまう
5 4 3 2 1
私は挫折してもめげない。
簡単に諦めない
1 2 3 4 5
目標を設定しても
すぐ別の目標に乗り換える
5 4 3 2 1
私は努力家だ 1 2 3 4 5
達成まで何ヶ月もかかる作業に
ずっと集中して取り組むことができない
5 4 3 2 1
一度始めたことは必ずやり遂げる 1 2 3 4 5
興味の対象が毎年のように変わる 5 4 3 2 1
私は勤勉だ。絶対に諦めない 1 2 3 4 5
アイデアやプロジェクトに夢中でも
すぐ興味を失ってしまったことがある
5 4 3 2 1
重要な課題を克服するために
挫折を乗り越えた経験がある
1 2 3 4 5

全体の数値を足して、10で割った数値がグリット・スコアです。スコアが高ければ高いほど「やり抜く力が高い」ということになります。

▶︎参考やり抜く力 | 書籍 | ダイヤモンド社

 

05やり抜く力(GRIT)を高める方法

やり抜く力を高めることの大切さについて解説してきました。やり抜く力を高めるには、単に根性を身につけるだけでは足りません。しっかりとした準備を行ったうえで目の前の仕事に取り組むことが大切です。やり抜く力を高めるためにも、次の4つを行うことをおすすめします。

  • 1.目標はできるだけ細分化する
  • 2.興味があることを追求してみる
  • 3.新しい仕事にも積極的に取り組む
  • 4.やり抜く力が高い人と一緒に過ごす

この章では、これらのやり抜く力を高める方法について詳しく紹介します。

1.目標はできるだけ細分化する

やり抜く力を高めるためにも、目標はできるだけ細分化した方が良いです。大きな目標よりも身近な目標を多く立てた方が、最初の一歩を踏み出しやすくなります。また、達成感を細かく味わうことができ、大きな目標もやがて達成できるようになるでしょう。目標を細分化すると管理が難しくなるため、目標管理ツールなどを上手く活用すると良いです。

2.興味があることを追求してみる

仕事でも趣味でも興味があることを追求してみることで、やり抜く力を身につけることができます。興味があることや好きなことなら、誰しも長続きしやすいものです。いきなり嫌なことを続けようと思っても難しく途中で挫折してしまいます。やり抜く力を高めたい方は、まずは好きなことを徹底して続けてみることを意識しましょう。

3.新しい仕事にも積極的に取り組む

やり抜く力を高めるためにも、新しい仕事に積極的に挑むことをおすすめします。社内で新規プロジェクトなどが立ち上がった場合、率先してメンバーに立候補する姿勢が大切です。新しい仕事をこなす場合、分からない箇所を調べながら粘り強く取り組まなくてはいけないため、やり抜く力を身につけることができます。

4.やり抜く力が高い人と一緒に過ごす

やり抜く力を高める即効性の高い方法として、やり抜く力が強い人と一緒に過ごすというものがあります。やり抜く力が強い人の日頃の習慣やマインドを真似ることができますし、一緒にいることで刺激を受けられるためです。

 

06やり抜く力(GRIT)を高める|Schoo

Schoo for Businessは、国内最大級9,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は4,000社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

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【1】国内最大級9,000本以上の講座数
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やり抜く力に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、9,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、やり抜く力に関する授業を紹介いたします。

覚悟を持てる「個人理念」の作り方

この授業では、ブレない自分になるために必要な個人理念とは何か・個人の理念はどのように考えて作るのか、ということについて学ぶことができます。

 
  • 株式会社サインコサイン代表取締役CEO/CO-CREATOR

    福岡県出身・九州大学芸術工学部卒業。2006年に株式会社セプテーニへ新卒入社し、クリエイティブディレクターとして活躍した後、2018年4月に株式会社サインコサインを設立し、代表を務める。「自分の言葉で語るとき、人はいい声で話す」 を信念に掲げ、会社の枠を超えた多種多様なコミュニティメンバーと共に、ネーミング、ステートメントやロゴデザインなどの共創と浸透を通じて、ブランドや個人の覚悟をデザインしている。

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「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方 -チャレンジできる人になる-

本授業では、失敗や困難からすぐ立ち直り、成功や成長へと導く"折れない心(=レジリエンス)"を育てる方法を学びます。さらに、実践的なエクササイズを通して「なりたい自分」になるためのセルフマネジメントの手法も併せて学びます。

 
  • (一社)日本ポジティブ心理学協会認定レジリエンス・トレーナー

    外資系IT企業、ITベンチャーの創業メンバーとして、システムエンジニア、プロジェクトリーダ/マネージャ、社員育成の企画/運用などに従事。IT業界で10年間働いた後、無農薬・無化学肥料で作る野菜農家になる夢を実現させるため、山梨県へ移住して1年間農家修行を行う。しかし、家庭の事情により農家になる夢を断念しIT業界へ戻る。 社員育成の経験、夢の実現を目指した経験から「充実した人生を創りたい人をサポートしたい」という想いを強く抱き、コーチング、ポジティブ心理学、そしてレジリエンスを学ぶ。現在はIT業界での仕事を続けながら、レジリエンス・トレーナー、ビジネスコーチとして活動。レジリエンスを高めることが折れない心を作ること、さらには夢や目標を達成するためにも大きな効果があると実感し、特にレジリエンス講座の開催に力を入れている。

「自分」を生きる心を育てるレジリエンスの高め方 -チャレンジできる人になる-を無料視聴する

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07まとめ

社員のやり抜く力を強化することは、企業全体の生産性を向上させるために重要であると言えるでしょう。やり抜く力を高めるには単にメンタルを強くするだけでなく、KPIを明確にして目標を詳しく設定したり、ジョブローテーションによって本当にやりたい業務を明らかにしたりすることが大切になります。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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