公開日:2022/11/18
更新日:2023/01/27

リーダーシップ開発とは?その手法から今求められるZ世代以降のリーダーシップについても解説

リーダーシップ開発とは?その手法から今求められるZ世代以降のリーダーシップについても解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

リーダーシップ開発は、会社の次世代を担うメンバーだけでなく、あらゆる世代やメンバーに必要となります。この記事ではリーダーシップ開発の手法や、Z世代以降の若い世代への対応をどうすべきかについて解説していきます。

 

01リーダーシップ開発とは

リーダーシップ開発とは、従業員一人ひとりがもつ自主性や自律性、業務上の責任感、事業を自分事として捉えてオーナーシップをもって業務を進められるといった、いわゆる一般的にイメージされる「リーダーシップ」のスキルを向上させることを指します。この記事では、そんなリーダーシップ開発について、最近注目されている背景や具体的に開発する方法、そしてこれからの社会で必要とされる若い世代への開発の際に気をつけるべきポイントを解説していきます。

マネジメントスキル開発との違い

リーダーシップと似た概念に、マネジメントスキルがあります。そのためか、リーダーシップ開発をマネジメントスキル開発と混同してしまうようなこともあるのではないでしょうか。しかしリーダーシップは、言い換えると「統率力」とも表現され、一つの目標に向かって周囲を牽引する力を指します。それを発揮するのがチームリーダーなどの役割を担うメンバーであれば重宝しますが、たとえ役職を持たない一般メンバーでも備えていれば役立つものです。

一方でマネジメントスキルは「管理能力」であり、人や物事・組織を管理するときに必要となる能力です。そのため対象を管理する役割を持つ人に求められるスキルだと言え、企業で言えば部下を持つ管理職以上に発揮が求められることが多くなります。マネジメントを行うためにリーダーシップの要素も必要になることが多いため両者は混同しやすいですが、リーダーシップは「目標に向かって集団を率いる」こと、マネジメントは「目標達成に向けた管理」に重点を置いた概念であると考えるとよいでしょう。

 

02リーダーシップ開発が注目されている背景

なぜ今、リーダーシップ開発が注目されているのでしょうか。その背景には、VUCAと呼ばれる先が読めない激しい時代の変化と、Z世代以降の若い世代の仕事観や人生観の変化が挙げられます。その具体的な理由について確認していきましょう。

  • 1.個人にもリーダーシップの素養が求められるようになった
  • 2.次世代リーダー育成の期間が短くなっている
  • 3.主体的に動く自律人材の需要が増した
  • 4.Z世代以降の意識変化に対応するため

1.個人にもリーダーシップの素養が求められるようになった

これまでは、リーダーシップも前述したマネジメントスキルと同様、チームリーダーなどの特定の役職者のみが発揮するという考え方がありました。しかし近年では、業務への責任感や自主性、自らが主体的に思考して積極的に行動するといった思考力や行動力といったリーダーシップの要素は、一介のメンバーであっても発揮できると捉えられるようになっています。従業員一人ひとりがリーダーシップをもつことは、チームでの業務をよりスムーズにし、成果を上げるものである、と考えられるようになったのです。

2.次世代リーダー育成の期間が短くなっている

リーダーシップは個々人がもっていても有用な能力であるとはいえ、やはりマネジメントスキルと同様に組織を率いるポジションの人がもっているべき能力であることに変わりはありません。そしてリーダーシップがもっとも活きるのも、やはり組織を率いたときでしょう。 そして、ほかの管理職やリーダー系のスキルも同様ですが、特定の役職に就いてからその役職で必要となる能力を磨くのではなく、ある役職にふさわしい能力が備わっているのでその役職に任命する、という形での任命や昇進の方式がとられる場合もあります。そのため次世代のリーダーや将来の役職者候補である若手のホープに対して、実際にリーダーに任命してからリーダーシップ開発を行うのではなく、一般メンバーである時期から行っておく、という考え方にシフトしつつあるのです。

3.主体的に動く自律人材の需要が増した

現代は、先行きが見えず未来がまったく予測できないVUCA時代であるとも呼ばれています。近年だけに注目しても、IT技術の加速度的な発展や新技術の開発と浸透、感染症による社会構造の変化、世界情勢の大きな混乱など、変化が激しくかつその激変も非常に素早く起こっていることが理解できるはずです。過去に行われてきたような上意下達の指揮系統では対応できないほどの変化が、今後も起こってくるでしょう。指示を待つのではなく、自分から思考して自律的かつ積極的に行動ができるようなリーダーシップ人材が、これまで以上に求められるようになってきたのです。

4.Z世代以降の意識変化に対応するため

1990年代半ば頃から2010年代に生まれた世代のことを、Z世代と呼びます。彼らZ世代には、仕事において以下のような特徴があるといわれています。

  • ・経営者や管理職など、責任がある立場になりたいわけではない
  • ・目標になる人がいないと早々に会社に見切りをつけて退職する傾向がある
  • ・ガツガツしたスキルアップや昇進を良しとする風潮を、押しつけがましいと思う

ある意味ではZ世代は消極的といえるかもしれません。しかし、彼らは決して優秀でないわけではないのです。そして、今後の組織成長に向けてはそんなZ世代たちの中から次世代リーダーを選出していく必要があり、そのためにはZ世代の優秀層に「次世代のリーダーになりたい」と思ってもらう必要があります。選ばれた一部の優秀層にのみリーダーシップ開発を行うのではなく、まずは社員全般にリーダーシップ開発を行い、リーダーシップに慣れてもらいます。そして、少しずつリーダーシップを発揮する機会を与え、だんだんと実際のリーダーになっていってもらうのです。

 

03リーダーシップ開発を行うメリット

次に、リーダーシップ開発を行う主なメリットについて解説します。主なメリットは以下の3つが挙げられます。

  • 1.自律した人材を増やせる
  • 2.将来の管理職候補を早い段階から育成できる
  • 3.若手社員が早期からロールモデルを意識するようになる

1.自律した人材を増やせる

リーダーシップ開発を行うことで、自律して思考し、目標達成のために行動できる人材を育てることができます。いわゆる「課題に対して自走できる」人材を増やせるのです。VUCAの時代を生き抜くためには、こうした人材を増やすことは必要不可欠なのではないでしょうか。

2.将来の管理職候補を早い段階から育成できる

前述のように、実際にリーダーに関わる職位に任命してからリーダーシップ開発を行うと、どうしてもスキルを身につけて発揮するまでに時間がかかってしまいます。リーダーシップ開発を全社員に行っておけば、個々人がリーダーシップを発揮する機会が訪れ、比較的早い段階から高い視座で業務を行う社員を増やすことができます。そして、その中で管理職に向いているメンバーをリーダー関連の職位に任命すれば良いのです。

3.若手社員が早期からロールモデルを意識するようになる

Z世代の特徴の一つとして、「ロールモデルがいない」という理由で退職する人は少なくありません。彼らのような若手社員が身近に接しているのは管理職ではなく、職位は持たないもののチームで頼られているリーダー的な立ち位置にある先輩社員です。そういった先輩社員がリーダーシップを発揮すれば、目指すべきロールモデルとして据えることができます。

また、あるべきリーダー像をリーダーシップ開発によって示しておけば、早いうちから自分がなるべき理想像を意識することにもつながります。目指す人がいない、目指すものがない、という理由による退職を減らすことができ、社員の定着率や積極性のアップが期待できるでしょう。

 

04リーダーシップ開発を進める方法

次に、リーダーシップ開発を進めるための主な方法について解説します。

  • 1.求めるリーダーシップを明確化し周知する
  • 2.代表者や決定者としての経験を積ませる
  • 3.マイクロマネジメントをしない
  • 4.対象者への研修を実施する

1.求めるリーダーシップを明確化し周知する

「リーダーシップは限られたリーダーのものである」という過去の認識ではなく、「リーダーシップは全社員が発揮できるものである」という近年の認識のもとに、「そもそもリーダーシップとは何か」という定義も変わってきています。これまでのリーダーシップとは、「一部の先天的に優れたカリスマ性がある人が先頭に立ち、全体を引っ張っていく」というイメージがあったのではないでしょうか。これからは過去のイメージから脱却し、以下のようなリーダーシップへの新たな認識が必要となります。

  • ・先天的な要素や性格だけで決まるのではなく、学んで身につけることができる
  • ・個人個人が発揮するものであり、発揮する機会が与えられる性質のものである
  • ・特定のマネジメント業務ではなく、日々の業務でも常に発揮できる

主に、責任感/自主性や自律性/積極性/思考力といった点が関係してくるでしょう。まず行うべきは、自社にとって適切なリーダーシップとは何かを定義することです。そして、それと同じく「責任感とは何を意味するのか?」「自主的であるとはどういうことか?」といった、個別の項目についても目指すべき理想像を定め、周知することから始めましょう。

2.代表者や決定者としての経験を積ませる

リーダーシップ開発をより効率的に行うには、、リーダー業務やその役割を経験するのが一番早いといえます。大きなものでなくてもかまいません。細かい業務でも、小さいプロジェクトでも良いので、「自分の意思決定が業務の決定に反映される」という経験を積んでもらいましょう。小さくとも責任が伴う意思決定を経験することで、リーダーシップがもつ重みや重要性を、実体験として理解して納得できるようになります。そしてリーダーシップは必要なことであると認識できたことで、より真剣にリーダーシップに関わる能力の開発に取り組むことができるようになっていくでしょう。

3.マイクロマネジメントをしない

上記の「小さくても良いので意思決定を行うこと」とも関連していますが、マイクロマネジメントは避けたほうが良いでしょう。日々の業務から「自分で決めているのだ」「自分の仕事でリーダーシップを発揮するのは、自分なのだ」と認識してもらう必要があります。何もかも細かく決めて報告させるマイクロマネジメントを行ってしまうと、日々の業務で得られるはずだった意思決定に関する責任感や思考機会を奪ってしまうことになります。

4.対象者への研修を実施する

外部の知見を得たり専門家に教育してもらったりするためにも、研修やeラーニングなどを実施するのも効果的です。

  • ・全社員を対象としたもの
  • ・特定の能力が不足しているメンバーに対して、不足を補うために行うもの
  • ・将来の管理職やエース社員候補に対して、優れている能力を伸ばすために行うもの

上記3つを軸に対象者を分類し、必要な研修を行いましょう。最低限、「全社員が、自社が定義するリーダーシップとは何かを知っている」という状態になるようにしましょう。そこまでできたら、次はより多くの社員にリーダーシップを発揮してもらえるように働きかけていきましょう。

 

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  • ㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO

    秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。/div>

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授業では理論的な説明だけでなく、その状況でのリーダーの振る舞いや働きかけの仕方、NG行動を学びます。 チームには成長段階があり「同調期」「混沌期」「調和期」「変態期」という形で、最初に集まった状態をグループとして徐々にチームへと変化していきます。 メンバーが集められてすぐに自律するチームになるとは限りません。メンバー同士の関係性や全体の状況を俯瞰し原則で捉え、リーダーとしての振る舞いを学んでいきましょう。

 
  • 組織開発ファシリテーター

    日本福祉大学卒業後、東京学芸大学にて野外教育学を研究後、冒険教育研修会社、玩具メーカー、人事コンサルティング会社を経て独立。 企業、団体、教育、スポーツの現場など、約20年にわたって3000回を超えるチームビルディングを実施、現在は複数の法人で「エア社員」の肩書のもと、事業開発やサービス開発、社内外との横断プロジェクトを通じた組織づくりをファシリテーションする。 株式会社ナガオ考務店代表取締役、一般社団法人プロジェクト結コンソーシアム理事長、学校法人茂来学園大日向小学校の理事を兼任する。 著書に『宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。』『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話』(学研プラス)がある。/div>

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【実践】頼られるリーダーの自己育成法

このコースでは普段多くの指導者が悩んでいる「本音で話してもらえない」というコミュニケーションの難しさをどのように乗り越えたらいいか、コーチのコーチを務める二ノ丸友幸さんに現場の声を踏まえながら解説していただきます。

 
  • プロラグビーコーチ/人材育成プロデューサー

    ラグビーを始めるため名門・啓光学園中学・高校、同志社大学に進学。 卒業後は、ラグビーの本場ニュージーランド留学を経て、ジャパンラグビートップリーグ(現:ジャパンラグビー リーグワン)のクボタスピアーズでトップリーガーとして選手生活を送り、2006年に引退。 引退後は、株式会社クボタにて、法務部、広告宣伝部で従事するなど社業に専念する。 2012年に日本ラグビーフットボール協会リソースコーチ(協会から任命を受けたトップコーチ)となり、 U17/U18ラグビー日本代表コーチを歴任するなど、特にユース世代選手の発掘・育成・強化に携わる。 2016年には約15年勤務した株式会社クボタを退社し、人材育成プロデュース事業、スポーツコーチング事業、デュアルキャリアサポート事業を主に展開する「Work Life Brand」を設立し、代表に就任。 全国屈指の強豪チームである奈良県立御所実業高校ラグビー部やカーリングチーム、更にはサッカーやハンドボール、バレーボールなどのコーチなど、10を超える契約を結びサポートしている。 また、主体的に行動する”自考動型人材”を提唱し、新入社員から管理職までの階層別の研修・講演を行うなど、 スポーツとビジネスの両分野でデュアルに活動している。 (コロナ禍におけるオンラインの講義は国内外で200回を超える) 2021年、指導者と保護者が学び続け、選手を含めた全ての人びとが幸せになることを理念とした、「#他競技から学ぼう」の代表プロモーターとして活動をスタート。 2022年、監督ではなくいわゆるNO.2の存在である“コーチ“に限定し、少人数制ディスカッション型セミナー”二ノ丸友幸の参謀サミット”を主宰している。 テレビ解説、ラジオなどのメディアにも出演中

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06まとめ

リーダーシップは、限られた一部のリーダーのためのものではありません。変化が激しい現代、素早くかつ正しく行動するために、できるなら全社員が身につけて発揮していきたものです。これをきっかけに自社におけるリーダーシップの定義を考え、全社員にリーダーシップ開発を行えないか検討してみてください。

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