更新日:2026/01/30

配属ガチャとは?リスクや企業がするべき対策を詳しく解説

配属ガチャとは?リスクや企業がするべき対策を詳しく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

「配属ガチャ」とは、新入社員や異動者が、希望とは異なる部署や業務に半ば運任せで配属されることを、カプセルトイの「ガチャ」になぞらえた言葉です。配属のミスマッチはモチベーションの低下につながることもあり、企業の人材活用や育成の観点からも注目される課題です。本記事では、この配属ガチャの課題と企業が講じるべき対策について解説します。

 

01配属ガチャとは何か?

配属ガチャとは、希望する部署や勤務地へ配属されるかどうかの見通しが立たない状況を指す言葉です。「辞令を受けて初めて分かる」ことや、不透明さによってそれが運任せと感じられることから、カプセルトイの「ガチャ」をもじって名付けられています。

「配属ガチャ」は、新卒社員において特に課題として取り上げられやすいテーマです。学生から社会人になるにあたって、入社直後は環境に適応するためのとても大切な期間です。このタイミングで本人が納得しにくい部署に配属された場合、モチベーションの低下や会社への定着に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

実際にリクルートの研究機関・就職みらい研究所が実施した人事担当者を対象とした調査(2024)では、配属先伝達時期ごとの新入社員の割合について、41.1%は「入社時以降」でした(内定承諾前34.6%、内定承諾後〜入社前24.4%)。ここから、入社前に見通しが立ちにくいケースが一定数あることがうかがえます。

▶︎参考:【人事担当者対象調査】新入社員の入社後の配属について | 就職みらい研究所

配属ガチャの"アタリ"と"ハズレ"

カプセルトイにたとえる「配属ガチャ」の言葉には、「アタリ」と「ハズレ」の存在が示唆されています。配属ガチャの「アタリ」とは、希望する部署や勤務地、不満のない環境への配属を指します。特に本人が明確に希望する部署がない場合でも、一般に上司や教育担当者に恵まれた環境、残業時間や有給取得の面で働きやすい環境、会社の中におけるいわゆる「花形部署」などへの配属は、「アタリ」として認識されやすいです。

他方、配属ガチャの「ハズレ」とは、対象となる社員が配属に不満を抱く状態で、希望と異なる部署や勤務地への配属によって生じます。人手不足などにより慢性的な残業や休日出勤が多い、上司との相性が悪い、人間関係がギスギスしている、人材育成の仕組みが整っていないといった環境は、「ハズレ」として認識されやすいでしょう。その他、特に都市志向の人材が地方へ配属されるケースも、不満の対象となることがあります。

 

02”配属ガチャ”が抱える課題やリスク

配属ガチャは、新入社員にとっても企業にとってもリスクとなります。この章では、双方の視点からどのような課題・リスクが想定されるのか解説します。

新入社員にとってのリスク

新入社員に希望する部署があったものの、それが叶わなかったケースにおいては、まずその社員は今後の社会人生活におけるキャリア展望が描きにくくなります。それが一時的な配属や、希望する部署に行くためのステップとしての配属でない限り、目の前の業務に意義を感じにくくなるでしょう。特に、身につけたいスキルや取り組みたい業務が明確にイメージできていた人ほどギャップを感じやすくなります。

また、勤務地や労働環境によって「ハズレ」と感じてしまうケースにおいては、職場への定着に悪影響を与える可能性があります。入社後は環境の変化が大きく、ただでさえストレスを感じやすい時期であるため、環境への不満が重なると場合によっては心身の不調などにつながるリスクもあるでしょう。

企業にとってのリスク

「配属ガチャ」のように、必ずしも社員の希望によらず企業主体で配属を決定することは、部門毎の人員が充足するように企業全体でバランスをとって運営する点ではメリットもあります。一方、社員がそれを「ハズレ」と感じてモチベーションが低下すると、組織の生産性低下につながるおそれがあります。特に新人の場合、自走できるようになるまでの間は先輩や上司のサポートが必要なことが多いでしょう。本人が業務に後ろ向きな姿勢では、学習効率が悪化しやすく、育成コストもかさみます。

また、「配属ガチャ」の最大のリスクは意図しない早期退職です。Schoo for Businessの授業『「ゆるい職場」の著者が解説 ‐ 20代で差がつくキャリア』に登壇する古屋星斗先生は、2019年~2021年卒を対象にした調査において、48.9%が「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じる」と回答したことを紹介しています。

「ゆるい職場」の著者が解説 ‐ 20代で差がつくキャリア

これは、不確実性の高い環境において若者がキャリア不安を感じていることを示唆しています。「配属ガチャ」によって希望の業務やスキルの獲得ができない状況は、こうしたキャリア不安に拍車をかけることが想定されます。

 

03配属ガチャに対して、企業ができる対策は?

配属ガチャに対して、企業ができる対策は、主に以下の5つが挙げられます。

  • ・業務内容や文化など事前の情報発信
  • ・配属意図の丁寧な伝達
  • ・従業員スキルの見える化・把握
  • ・OJTやメンター制度によるフォローアップ
  • ・社内公募など本人意向を反映できる制度設計

ここでは、それぞれの対策について詳しく紹介します。

業務内容や配属プロセスについて事前のすり合わせ

配属ガチャによる不安や不満を解消するためには、あらかじめ企業と対象者の間で、配属決定までのプロセスなどについてよく認識を合わせておくことが大切です。特に採用時には、具体的な業務内容や職場環境の情報を示し、候補者自身がそれを認識のうえで内定承諾に進めるようにできると良いでしょう。配属先の可能性も含め、企業文化や仕事のリアルを率直に伝えることは、入社後の自分の姿を具体的にイメージするのに役立ちます。

また、候補者の希望を適切にヒアリングしておくことも重要です。もちろん、入社者のすべてで希望の配属が叶えられないケースもあります。一方で意向を把握しておけば、希望が叶わなかったケースに備えて先手を打ったコミュニケーションを取ることもできるでしょう。

▶︎関連記事:ミスマッチとは?起こりうるデメリットとミスマッチを防ぐ方法を解説

配属意図の丁寧な伝達

配属結果による新規入社者のモチベーション低下を防ぐには、配属意図を丁寧に伝えることが欠かせません。どのような想い・意図で配属先を決めたのかを丁寧に伝えることで、たとえ本人の希望を反映できなかったとしても、納得感を高められる可能性があります。

また同時に、配属によって生まれる不満や不安を、適切に把握するためにコミュニケーションを取ることが大切です。特に新入社員にとっては、配属や処遇などの会社の意思決定に対して何か意見を伝えることは、勇気が必要になるケースも多いでしょう。率直な対話が本人の不利益にならないことを伝えながら、どこに懸念点があるのか、それは会社として解消可能なのかなどをすり合わせると良いでしょう。

企業として、本人のキャリア形成のために適切な配属先を決めたことを伝え、キャリア形成の支援も引き続き行っていくという姿勢を見せることが重要です。

従業員スキルの見える化・把握

「配属ガチャ」は主に新卒入社の社員で課題になりやすいテーマですが、企業のジョブローテーション制度によっては既存の社員が対象になる場合もあります。その際に特に重要なのが、従業員のスキルを見える化し、人事異動に反映することです。企業側が従業員の経験やスキルを把握できていなければ、配属の狙いや意図が曖昧になり、従業員に対して納得感のある説明もできません。また、ミスマッチが増えれば組織としての生産性に悪影響が生じる恐れもあるでしょう。

このような「スキルの見える化」をするためには、組織で共有するスキルマップを整備する必要があります。具体的にはさまざまなアプローチがあり、たとえば経産省/IPAが提示する「デジタルスキル標準(DSS)」などのフレームワークを活用することや、組織内で活躍しているハイパフォーマーの行動を基準としてコンピテンシー・モデルを作ることなどが考えられます。

▶︎参考:デジタルスキル標準|経済産業省

OJTやメンター制度によるフォローアップ

配属への不満は必ずしも「希望の部署へ行けなかった」ことだけで発生するのではなく、受け入れ先の環境整備も重要です。特に新卒入社の社員の場合、配属後は現場でのトレーニングが行われるケースが多いため、OJT担当者やメンター・上司などによるフォローアップ体制が、本人の納得感や立ち上がりに影響しやすくなります。

新人の受け入れに関わる人は、まず対象者と信頼関係を構築することが大切です。業務の指導やメンタリングも、信頼関係の土台がなければ上辺だけのやりとりに陥りがちです。相互信頼を築いた上司や先輩から定期的なフィードバックを得られることで、新入社員は成長実感が得られやすくなります。また、実際に業務に取り組みながらその仕事がどう組織へ貢献しているかを伝えられれば、主体性の向上も期待できます。このような取り組みがあると、たとえ最初の配属が希望と異なっても、モチベーション低下や早期離職の防止につなげられる可能性があるでしょう。

社内公募など本人意向を反映できる制度設計

配属によって従業員にキャリアの不安を感じさせないようにするには、本人の意向を聞き取り、反映できる制度設計が欠かせません。具体的には、1on1やキャリア面談を定期的に行い、従業員の成長支援をしながら、個々の強みが活かされる配属先を管理職・人事と従業員が一緒に考えることが挙げられます。

また、社内で空きのあるポストやプロジェクトに自ら応募できる「社内公募」の制度や、社員が自らを特定の部署に売り込める「社内FA(フリーエージェント)制度」を設けることも、「配属ガチャ」による離職やモチベーション低下の防止に役立つでしょう。これらの制度があることで、たとえ最初の配属が望ましくなくても、自分で道を切り開く希望が持てます。


 

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05まとめ

配属ガチャは、組織における配属の見通しが立たず、運任せに感じられる状況を指します。特に新入社員は配属について不安を抱えやすく、配属先に不満が残る場合はモチベーションの低下や、早期退職につながるリスクもあるでしょう。配属への不満を防ぐには、企業は事前情報や意図を丁寧に伝え、スキル把握とOJTで支援することが大切です。また、本人意向を反映できる制度設計も重要となります。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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