社内勉強会のポイントを解説!メリット・デメリットや進め方も

社内勉強会とは、特定のテーマに関心を持つ社員が集まり、相互に学びを深める自主的な場を指します。新入社員研修など公式に実施される研修とは異なり、部署や職種、または個人といった単位で主体的に企画・運営し、知見を共有したり、スキルを習得したりすることを目的とします。本記事では、社内勉強会のメリット・デメリットと、効果を最大化するための進め方について詳しく解説します。
- 01.社内勉強会とは
- 02.社内勉強会のメリット
- 03.社内勉強会のデメリット
- 04.社内勉強会の主な形式
- 05.社内勉強会の進め方
- 06.社内勉強会で効果を出すためのポイント
- 07.Schooの講座が社内勉強会をサポート
- 08.まとめ
01社内勉強会とは
社内勉強会とは、スキルアップや知見の獲得といった共通の目的を持つ社員が、自発的に集まって学びを深める場のことです。厚生労働省の「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」においても、学びの場への参加が組織の指揮命令によるものかどうかを区別しており、会社が計画的に実施する研修とはその点で異なる性質を持ちます。
実施内容は、参加者同士が現場で培った知恵を共有しあうことや、専門家を招致して講習会を行うなどさまざまです。部署を横断して開催されることも多く、社内交流を促進し、通常業務では生まれないイノベーションのきっかけとなることも期待されます。また昨今はDXの加速や職業人生の長期化を背景に、変化に対応するための継続的な学びが重視されており、企業において自律的な学びを促進する施策の一つとしても重要性を増しています。
▶︎参考:職場における学び・学び直し促進ガイドライン|厚生労働省
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02社内勉強会のメリット
社内勉強会のメリットは、「学びの質に関するもの」と「組織に対する効果」の2つの観点に整理できます。ここでは、それぞれの観点から以下5つのメリットについて、詳しく紹介します。
- ・実務に即したリアルな学びが得られる
- ・社内ナレッジが可視化される
- ・社内コミュニケーションの活性化
- ・エンゲージメントの強化
- ・自律的な学習文化の醸成
実務に即したリアルな学びが得られる
社内勉強会は社員が主体となって開催するため、テーマが現場の悩みに直結しやすい傾向があります。日々の業務で培ったノウハウや社内に蓄積された知見を共有し合い、わからないことがあればその場で質問するといった双方向のやりとりを通じて、学びを「自社で使える」実行レベルまで落とし込めます。外部研修は一般論の比重が大きくなる傾向がありますが、社内勉強会では自社の制約や顧客の特性を前提にしたノウハウが扱えるため、現場起点のリアルな知恵が得られやすい点が特徴です。
社内ナレッジが可視化される
社員個々人が持つ現場起点の知恵は、日常業務のなかでは言語化されず、属人的に留まりがちです。社内勉強会は、この個人の暗黙知を言語化し、組織の共通言語として共有する場として機能します。一度言語化されたナレッジを動画や資料としてストックすれば、特定の個人への業務依存を緩和し、組織の人的資産として継続的に継承していくことが可能になります。
社内コミュニケーションの活性化
社内勉強会は、部署や役職の垣根を越えて社員が共通のテーマに集まる場となるため、通常業務では接点の少ない社員同士の交流が生まれやすくなります。他者との対話を通じた学びは、単なる情報伝達にとどまらない「気づき」の連鎖を生み、新たな知見の獲得につながる可能性があります。こうした横断的な関係性が日常に蓄積されることで、チームを越えた相談や協業がしやすくなり、組織全体のコミュニケーションが活性化しやすい状態になります。
エンゲージメントの強化
社内勉強会の実施は、学びに対する自律的な行動や成長実感などを通じて、エンゲージメントの向上につながる可能性があります。心理学者のライアン&デシが提唱した自己決定理論では、自律的な動機づけを支える要因として「自律性(Autonomy)」「有能感(Competence)」「関係性(Relatedness)」という3つの基本的心理欲求が整理されています。社内勉強会は、社員自身がテーマを選んで参加する点で自律性を、知識の習得や他者への貢献実感を通じて有能感を、同僚との学び合いを通じて関係性を、それぞれ満たしやすい構造を持っています。
自律的な学習文化の醸成
社内勉強会は、社員が自らテーマを選び、企画・運営に携わる場でもあります。自己決定理論では、人は自ら選択し、納得して取り組む活動に対して、より自律的に動機づけられやすいとされており、この点は学びの継続を支える要因になりえます。また、心理学者のバンデューラが提唱した社会的学習理論では、同僚が主体的に学び合う姿を日常的に目にすることで、自身も学びに取り組むきっかけが生まれやすくなります。こうした実践が積み重なることで、自律的な学びを支える風土の醸成が進み、「学び続ける組織」の土台づくりにもつながります。
03社内勉強会のデメリット
社内勉強会には、運営担当者への負担集中、属人化、効果測定の難しさという3つのデメリットがあります。
運営担当者の負担が大きい
社内勉強会は自律的な学びの場として意義がありますが、反面、担当者の運営負荷が高まることがあります。テーマ選定やコンテンツの企画・準備に加え、参加者への告知、会場の確保、当日の進行、アンケートの回収・分析を含む振り返りなど、実施にあたってはさまざまな実務が発生します。こうした運営を主催者個人の自発性のみに依存すると、負担の増大により継続が難しくなるおそれがあります。そのため、企画・運営を複数名で分担できる体制を初期段階から整えておくことが望まれます。
属人的で再現性がない
社内勉強会の質は、登壇者や運営者の知見・時間に強く依存するため、属人的で再現性が低いという課題を抱えがちです。典型的な失敗パターンとして、「毎回同じ人しか登壇せず、組織の一部の知見しか共有されない」「中心メンバーの異動や退職をきっかけに活動が止まる」といったケースが挙げられます。録画・資料化によるアーカイブ化と、登壇者のローテーション設計をセットで組み込むことが有効です。
実施効果を測りづらい
社内勉強会は自発的に始まる分、組織的なゴールとの接続が明確でない場合もあります。そのため、参加者や形式によって、学びの量や満足度に差が出やすく、組織的な観点での効果測定が困難であるという課題があります。結果として、リソースを費やしたにもかかわらず、成果の有無があいまいになるというリスクがあります。
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04社内勉強会の主な形式
社内勉強会の主な形式は、以下の6つがあります。
- ・講義型
- ・ワークショップ型
- ・読書会・輪読会型
- ・ライトニングトーク型
- ・相談会・Q&A型
- ・もくもく会型
講義型
「講義型」は、特定のテーマに精通した社員や外部の専門家に講師を務めてもらい、参加者に対して知識やノウハウを一方的に提供する形式です。特定のスキル取得を目指す際や、得られる情報量(成果)が一定になりやすいというメリットがあります。しかし、参加者同士の交流が生まれにくく、一方的な講習となるため参加者ごとの理解度や満足度に差が出やすいという特徴もあります。
ワークショップ型
ワークショップ型(グループワークやディスカッション)は、参加者同士がグループを組んでテーマに主体的に意見を出し合い、新たな知見や物の見方を獲得する形式です。参加者同士の仲が深まりやすく、社内に実際にある課題の解決にもつながるメリットがあります。
読書会・輪読会型
読書会・輪読会型は、ビジネス書や専門書などを題材に、参加者が交代で内容を発表し、意見を交わす形式です。発表や対話を通じて内容を多面的に捉え直すことができ、テーマへの理解を深めやすくなります。能動的に学び、他者に説明したり意見を交わしたりすることは、学習内容の理解や定着を促すうえでも有効です。
ライトニングトーク型
ライトニングトーク(LT)型は、複数の登壇者が5分程度の短い時間で発表を行う形式です。参加者それぞれの考え方や問題の切り口が共有され、テーマに対する理解を深めることができます。要約力やプレゼン力を高める機会になる一方、登壇者には論点整理や準備の負荷がかかりやすい傾向があります。
相談会・Q&A型
相談会・Q&A型は、特定のテーマに精通した講師や経験者が、参加者からの疑問、課題、現場でのリアルな悩みに対して、双方向で回答やフィードバックを提供する形式です。業務に即効性の高いノウハウが共有され、教え手は業務への貢献実感を持ちやすくなります。
もくもく会型
もくもく会型は、複数人で集まりながら、各自が黙々と作業を進める形式です。他の参加者が作業に取り組む様子が、自身の作業着手や集中維持のきっかけになりやすく、注意が逸れる事態も防ぎやすくなります。会の始めに「今日やること」を宣言し、終わりに「どこまで進んだか」を共有するような仕掛けは、適度な緊張感や当事者意識の醸成につながります。
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05社内勉強会の進め方
社内勉強会は、主に以下の手順で進めます。
- ・目的・テーマ設定
- ・企画と運営体制の構築
- ・集客と告知
- ・当日の進行とファシリテーション
目的・テーマ設定
まず、勉強会を通じて何を得たいのかという目的を明確にします。スキル習得なのか、部署間の交流なのか、ナレッジの共有なのかによって、適切なテーマや形式が変わります。よくあるつまずきは、目的が漠然としているために、以降の企画や集客の段階で判断基準が持てなくなることです。企画や集客で迷いが生じたら、いったんこのステップに戻り、「誰が何を得られる会か」を言語化し直すと良いでしょう。
企画と運営体制の構築
目的とテーマが決まったら、それに合った実施形式、日時、場所を決定します。同時に、登壇者、資料作成者、進行役といった役割を明確化していきます。運営の負荷が偏りすぎないように、少なくとも2〜3名のチームで運営体制を組むと良いでしょう。
集客と告知
実施形式や担当者の役割が決定した後は、多くの社員に自主的な参加を促す「集客と告知」に注力します。ポスターの掲示や全社集会での周知、チャットツールやメールを使った情報発信などを通じ、幅広く告知します。また、オンライン開催であれば「カメラオフでも構いません」など、気軽に参加できるようハードルを下げる工夫も有効です。
当日の進行とファシリテーション
開催日に向けては、申込者がスムーズに参加できるよう、開催場所や時間、オンラインの場合のアクセス方法、準備物などを分かりやすく案内しましょう。また、当日は進行役によるファシリテーションが極めて重要です。問いかけや質疑応答などを用いて、参加者が能動的に関わる学習を促します。参加者の当事者意識が高まると、学習効率が高まり満足度の向上にもつながるでしょう。
06社内勉強会で効果を出すためのポイント
社内勉強会で効果を出すためのポイントは、主に以下の6つがあります。
- ・参加者の自律的学習を重視する
- ・ナレッジをストックして再利用する
- ・開催頻度と時間を適切に設定する
- ・振り返りの時間を確保する
- ・心理的安全性を確保する
- ・オンライン学習サービスやAIを使って効率化する
参加者の自律的学習を重視する
Schoo for Businessの授業『ビジネスパーソンの「学習設計マニュアル」』に登壇する鈴木克明先生は、社内研修の注意点として「研修が充実すればするほど、指示待ち人間を育ててしまう」点を指摘しています。参加者のモチベーションは人それぞれであり、取り組み姿勢によって学習効果に差が生じることもあるでしょう。参加者の主体性を高めるには、ケース検討、レビュー、質疑応答などの他者との対話や共有の時間を組み込むなどの対応が考えられます。また、学ぶ前に現場で感じている課題感や、できるようになりたいことを学習目標として明確にすることも大切です。
ナレッジをストックして再利用する
社内勉強会で得られた知見を組織に還元していくには、ナレッジをストックして再利用できる状態にすることも大切です。例えば講義は動画に残しておくことや、使った資料は共通のクラウドストレージで保管するなど、後から参照できるようにアーカイブすることで、欠席者や新入社員も繰り返し学べる資産になります。ストックされたナレッジは、属人化の解消や新メンバーのオンボーディング教材としても活用できるでしょう。
開催頻度と時間を適切に設定する
社内勉強会を「学びの習慣」を支える施策とするには、開催頻度や時間帯の設計もポイントです。例えば特定の場所と曜日で開催するなど、一定のリズムを作ることで、学習に取り組むきっかけが作りやすくなります。また、社内勉強会は業務と切り離して任意で行うケースが少なくありません。通常業務の負荷も勘案した無理のない頻度や、参加しやすい時間帯を選ぶことが、継続のハードルを下げる上で大切です。
振り返りの時間を確保する
社内勉強会後に振り返りの時間を設けることは、実務での実践や改善行動を通じて学びを定着させる観点で大切です。例えば参加者が何を学んだかや、学びを踏まえた行動計画を他者と共有することで、知識の点検や行動の改善につなげやすくなります。また、運営側としても、参加者の声から浮かび上がった課題を次回の企画にフィードバックすることで、回を重ねるごとに質を高めていけます。
心理的安全性を確保する
心理的安全性とは、メンバーそれぞれが気持ちや考えを安心して表明できる、チームや組織の状態を指します。勉強会のような相互的な学習を進めるには、心理的安全性を確保することで議論が活発になり、学びが促進されやすくなります。
Schoo for Businessの授業『いまさら聞けない 心理的安全性のつくりかた』に登壇する流拓巳先生は、心理的安全性は必ずしも責任者の力だけで作れるものではないと解説しています。勉強会においては、主催者だけでなく参加者同士が、相互の発言を尊重して安心して意見を交わせる関係性を作ることが大切です。例えば、「異論は歓迎する」「相手ではなく意見を議論する」「発言を途中で遮らない」といったグランドルールを設けることが有効です。
オンライン学習サービスやAIを使って効率化する
勉強会を開催するにあたり、教材や学習ツールの手配は手間がかかる作業の一つです。そこで、オンライン学習サービスやAIを活用することは、これら準備の負荷を下げるうえで有効です。例えばSchooでは「オンライン集合学習機能」を提供しており、開催者は動画を指定するだけで参加者と同時視聴が可能になり、チャットツールを使ってリアルタイムで感想や意見を述べ合うことができます。また生成AIを活用すると、アジェンダ設計やファシリテーションの雛形準備を効率化することが可能です。
07Schooの講座が社内勉強会をサポート
オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。
| 受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
| アーカイブ本数 | 9,000本 (新規講座も随時公開中) |
| 研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
| 費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
| 契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
社内勉強会に役立つ講座
ここでは、オンライン研修サービスSchooの講座から、社内勉強会に役立つ講座を紹介します。
「なんとなく学んでない」のメカニズム
新しいアイデアや付加価値が求められる現代社会において、人的資本経営やリスキリングの取り組みが注目を集めています。一方、学びの習慣がある社会人は決して多くはありません。この授業では、リスキリングのための仕組みと組織での実践方法について学びます。組織的に学びを促進していきたいと感じるビジネスパーソンにおすすめの内容です。
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株式会社パーソル総合研究所 上席主任研究員
上智大学大学院 総合人間科学研究科 社会学専攻 博士前期課程 修了。NHK放送文化研究所に勤務後、2015年よりパーソル総合研究所。専門分野は人的資源管理論・理論社会学。著作に『リスキリングは経営課題 日本企業の「学びとキャリア」考』(光文社)など多数。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
ビジネスパーソンの『学習設計マニュアル』
この授業では、学校教育の勉強とは異なるおとなの「学び方」について学びます。社会に出てからの「学び」はそれとはまったく異なる行為です。社会人として、自らにあった学習を設計できるようになりましょう。
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熊本大学 教授システム学研究センター 教授
1959年生まれ。Ph.D.(フロリダ州立大学教授システム学専攻)。ibstpi®フェロー・元理事(2007-2015)、日本教育工学会監事・第8代会長(2017-2021)。主著に「学習設計マニュアル(共編著)」「研修設計マニュアル」「教材設計マニュアル」などがある。
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学びが身につき 人生が豊かになる勉強術
このコースでは、人生をより豊かにするための「学び方」を学びます。スキルアップや趣味を目的に何かを学んでも、「あまり身についている実感がない」と感じたことはないでしょうか?そんなビジネスパーソンのモヤモヤを解消し、「学んだことをしっかりと身につけ、人生に活かせる」ようになる、おとなのための勉強術を学びます。
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国語講師・著述家
大学受験塾やカルチャースクールで古典文学を教えるほか、航空会社や銀行などで、敬語・言葉遣い・文章力を指導する研修講師も務める。近著に『大人らしく和やかに話す 知的雑談術』(日本実業出版社)、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など。東京大学教養学部・慶應義塾大学文学部 卒業。
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08まとめ
社内勉強会は、社員が自発的に学び、スキルアップや知識の共有を目指す重要な取り組みです。一方で、運営負担の集中や属人化、実施効果の測定の難しさといった課題があります。効果を最大化するには、目的・テーマを明確に設定し、心理的安全性を確保した上で、適切な形式を選んで設計することが大切です。また、当事者意識を高めるためには参加型の対話を促すことが鍵となります。知見を動画化・ストックし、AI等の技術活用で効率化を図ることで、継続的な組織の資産として継承することが可能です。


