更新日:2026/04/11

大人の学び直しとは?重要視されている背景やその取り組みについて詳しく解説

大人の学び直しとは?重要視されている背景やその取り組みについて詳しく解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

学び直しとは、学校教育をいったん離れた社会人が、仕事や生活に必要な知識・スキルをあらためて体系的に学ぶことです。本記事では、深刻な人手不足や生産性向上への対応といった学び直しが必要な背景や、政府による支援制度、学びを成果につなげるための具体的なステップを解説します。

 

01学び直しとは?

学び直しとは?

学び直しとは、一度学校教育を離れた社会人がそれぞれのタイミングで学習活動を行い、新しい知識を身につけたり、必要なスキルを磨いたりすることを指します。一口に学び直しと言っても、大学院に入学することから、オンライン講座ですきま時間に学習を進めるものまで、その方法には幅があります。また学び直しの目的も、「人生を豊かにするため」「新しい職に就くため」など多様であり、それによって内容も変わってきます。

ここでは、Schoo for Businessの講座『Why編 リスキリングは何のため?〜マインドセットの変革』の内容も踏まえ、学び直しに関連する「リスキリング」「アップスキリング」「リカレント教育」の3つの言葉について解説します。

  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。2005年に人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。

リスキリングとは

リスキリングとは、新しい職業や異なる仕事に就くために、必要なスキルや知識を身につけることです。2020年のダボス会議では、技術革新によって今後多くの雇用が失われることへの課題感から、環境変化に適応するリスキリングを推進する「Reskilling Revolution(リスキリング革命)」というイニシアチブが発表され、注目を集めました。授業に登壇する清水久三子先生は、リスキリングは新しい仕事に就く直前、または就いてすぐのタイミングで、なるべく短期間でやっていくものである、と解説しています。

▶︎関連記事:リスキリングとは|リカレント教育との違いや推進するための具体策を解説
▶︎参考:The Reskilling Revolution: Better Skills, Better Jobs, Better Education for a Billion People by 2030 | World Economic Forum

アップスキリングとは

アップスキリングとは、現在の仕事のスキルを熟練させたり、生産性を上げたりするための学びを指します。あくまで今の仕事を前提として学ぶ点がリスキリングとの違いであり、研修やOJTの多くがこれに該当します。目的が「現在の仕事におけるステップアップ」であるため、学ぶ内容は現在の仕事に関連することとなります。

▶︎関連記事:アップスキリングとは|リスキリングとの違いや効果的な方法を紹介

リカレント教育とは

リカレント教育とは、就労後に再び教育機関に戻るなどして、人生の各時期で分散して体系的に学びを続けていく概念です。授業で清水先生は、リカレント教育には、必ずしも仕事に直接関連のない学びも含まれ、人生を豊かにしていくことや、中長期的なキャリア形成が目的となると解説しています。

参考:佐々木英和(2020)「政策としての『リカレント教育』の意義と課題」『日本労働研究雑誌』No.721, pp.26-40
▶︎関連記事:リカレント教育とは|リスキリングとの違いや導入のポイントを解説

 

02学び直しはなぜ必要?注目されている背景

学び直しが注目されている背景には、主に以下の3つがあります。

  • ・深刻な人手不足と労働市場のミスマッチ
  • ・生産性向上の要求
  • ・環境変化と雇用の安定

深刻な人手不足と労働市場のミスマッチ

日本では少子高齢化が進み、それに伴う人手不足が課題として顕在化しつつあります。例えば帝国データバンクの調査では、2025年に人手不足を理由とした企業の倒産は427件となり、過去3年で最多となりました。加えて、AIをはじめとする技術革新によって社会や仕事のあり方が急速に変化し、業務で求められるスキルも短期間で変わりつつあります。このような環境で経済を維持・発展させていくには、少ない人手で業務を回す効率性の向上と、環境変化に合わせたスキルのアップデートの双方が求められます。

▶︎参考:人手不足倒産の動向調査(2025年)|株式会社 帝国データバンク

生産性向上の要求

人口減少が進む日本において、経済的な競争力を維持していく観点から「生産性」は長らく課題となっています。日本生産性本部のレポートによれば、2024年の日本の時間当たり労働生産性は60.1ドル(5,720円)で、OECD加盟38カ国中28位でした。文部科学省の資料では、「成人の学習参加率が高いほど、時間当たりの労働生産性が高い傾向」が指摘されており、産学連携でのリスキリング推進の必要性が整理されています。

環境変化と雇用の安定

生成AIをはじめとしたテクノロジーの発達によって、職業ごとに求められる仕事の中身が変化しつつあります。内閣府『世界経済の潮流2024年Ⅰ』では、AIが労働市場に与える影響を「代替」と「補完」という2つの軸で整理しています。事務的なタスクの一部はAIによって自動化されやすい一方、社会的判断を伴う職業ではAIが人の作業を補い、生産性を高める「補完」の関係になりやすいとされます。こうした変化を踏まえ、自分の仕事の中でAIに任せられる部分と、人が担い続ける部分を見極めたうえで、必要なスキルを学び直すことの重要性が高まっています。


 

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03学び直しを後押しする政府の取り組み・支援制度

学び直しを後押しする政府の取り組み・支援制度には、主に以下の5つがあります。

  • ・「マナパス」による情報提供
  • ・専門学校等に対する認定プログラム
  • ・補助金・給付金の提供
  • ・融資による支援
  • ・キャリアプランニング支援

なお、以下の情報は令和7年10月時点の情報に基づいています。最新の情報に関しては、各ホームページでご確認ください。

「マナパス」による情報提供

マナパスは、文部科学省が運営する、社会人の学びを応援するためのポータルサイトです。学びたい社会人に向けて、リカレント教育や支援制度、最新情報を提供し、大学などでの講座や支援制度などの情報も発信しています。特に、何を学んだらいいかわからない方でも自分にぴったりの講座が見つかるよう、講座の効率的な検索をサポートしています。

▶︎参考:マナパス

専門学校等に対する認定プログラム

文部科学大臣認定プログラムは、社会人の職業に必要な能力の向上を図り、学び直しを推進することを目的とした制度の総称です。代表的なものとして「職業実践力育成プログラム(BP)」「職業実践専門課程」「キャリア形成促進プログラム」があります。認定にあたっては、実務に直結する内容か、社会人が働きながら通いやすい工夫がされているかといった観点での審査があります。

補助金・給付金の提供

学び直しをする上で障壁になりやすいのが、費用負担です。この障壁を超えるため、政府は以下のような補助金・給付金制度を展開しています。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、事業主が雇用する労働者に対し、職務に関連した専門知識・技能を習得させる訓練を計画に沿って実施した際、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する制度です。新規事業の立ち上げやデジタル人材育成を支援する「事業展開等リスキリング支援コース」や、高度人材育成、労働者の自発的訓練、定額制(サブスク)訓練に対応する「人への投資促進コース」など、多様なコースがあります。

教育訓練休暇給付金

教育訓練休暇給付金とは、労働者が学び直しを目的に休暇取得した場合に、給付金を受けることができる制度です。給付金は、失業給付(基本手当)に相当する給付として、賃金の一定割合が支給されます。また、事業主との合意や様々な要件が設定されており、事業主の協力・対応(就業規則の整備など)が必要とされます。

▶︎参考:教育訓練休暇給付金|厚生労働省

教育訓練給付金

教育訓練給付金とは、働く人々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的とした制度です。厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されます。例えば、専門実践教育訓練の場合、教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6か月ごとに支給されます(2026年4月現在)。

融資による支援

例えば大学院での長期的な学び直しなど、体系的かつ高度な教育を受けるためには大きな費用が必要になることがあります。選択肢の一つとなるのが、日本政策金融公庫が実施する公的な融資制度である「教育一般貸付(国の教育ローン)」です。国の教育ローンは、中学校卒業以上の方を対象とする教育機関への進学等に利用可能であり、令和5年度から融資対象となる教育機関に必要な修業年限が6か月から3か月に短縮されました。

キャリアプランニング支援

キャリアプランニング支援は、厚生労働省の委託事業である「キャリア形成・リスキリング推進事業」として提供されています。この事業は、「個人」「企業・団体」「学校関係者」を対象に、ジョブ・カードを活用し、様々なキャリア形成支援やリスキリング支援を無料で行っています。

▶︎参考:厚生労働省委託事業 キャリア形成・リスキリング推進事業

 

04学び直しの具体的なステップ

ここでは、学び直しの具体的なステップについて、Schoo for Businessの授業『あなたのキャリアを導く3つの「リスキリングマップ」』を参考に紹介します。

学ぶ目的・目標を明確にする

学ぶ目的・目標を明確にする

学び直しのステップの最初の準備として、「学び直しの目的・目標を明確にする」ことは重要です。これはまずリスキリングする準備の段階で行うべきことであり、自分自身の目指すキャリアと具体的な目標を定めることで、変化を伴うリスキリングの学びをぶれずに進めていくことができます。

コース内の授業で清水先生は、この準備を行うためのツールとして「リスキリング準備シート」を紹介しています。シートでは以下の内容を整理します。

  • ・キャリアストーリー:なぜリスキリングをするのかという自分が納得する物語(ストーリー)を作ります。
  • ・目標:リスキリング後の具体的なスキルセットの目標と、マインドセットの目標を設定します。
  • ・活用する資産:学習に活用できる有形資産(予算など)と無形資産(ネットワーク、信用など)を棚卸しします。

学ぶスキルと学習方法を決める

学ぶスキルと学習方法を決める

リスキリングの目標や目指すキャリアストーリーの設計ができたら、続いてより具体的に、身につけるべきスキルと学習方法の設計を行います。詳細化の方法として、(1)階層化して考える、(2)構造化して考える、(3)マインドマップ、(4)自分戦略で考える(企業に見立てて考える)、(5)ポータブルスキルも考える、という5つの視点が紹介されています。スキルの詳細化ができたら、次はそれぞれのスキルを身につけるために、どのような学び方をしていくかを設計します。

学びの計画を立て実行する

学びの計画を立て実行する

目標・学ぶ対象・手法が整理できたら、これをもとに目標達成に向けたロードマップを作成します。ロードマップでは横軸にスキルの習熟度と期間、縦軸に「達成状態」「インプット」「アウトプット」を設定した例が紹介されています。このように整理することで、スキル習得に向けた段階的なステップと、それぞれのフェーズでやるべきことが明確化されます。また授業では、行動計画を立てる際に「アウトプット」の機会を計画に組み込むことが定着のポイントであると解説しています。


 

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・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
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05大人の学び直しに役立つSchooのオンライン講座

Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 9,000本
(新規講座も随時公開中)
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,650円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

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大人の学び直しに役立つ講座

ここでは、オンライン研修サービスSchooの講座から、大人の学び直しに役立つ講座を紹介します。

あなたのキャリアを導く3つの「リスキリングマップ」

あなたのキャリアを導く3つの「リスキリングマップ」

この授業では「ポジティブ・リスキリング」と称し、学び直しへのアレルギーをなくして、キャリアアップや成果につながるマインドを醸成し、3つのマップを使ってリスキリングを成功させるノウハウの習得を目指します。

  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。

あなたのキャリアを導く3つの「リスキリングマップ」を詳しく見る

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

ビジネスパーソンの『学習設計マニュアル』

ビジネスパーソンの『学習設計マニュアル』

この授業では、学校教育とは異なる大人の学び方について学びます。「学び方」を学ぶことによって、今の自分に適した学習を設計できるようになります。インストラクショナルデザイン(ID)の専門家である熊本大学・鈴木克明教授が登壇します。

  • 熊本大学 教授システム学研究センター 教授

    1959年生まれ。Ph.D.(フロリダ州立大学教授システム学専攻)。ibstpi®フェロー・元理事(2007-2015)、日本教育工学会監事・第8代会長(2017-2021)。主著に『学習設計マニュアル』(共編著)、『研修設計マニュアル』などがある。

ビジネスパーソンの『学習設計マニュアル』を詳しく見る

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リスキリングを実践し、活用できる仕組みとは

リスキリングを実践し、活用できる仕組みとは

この授業では、リスキリングを実践し、活用するための仕組みについて学びます。リスキリングをただの流行り言葉で終わらせずに、組織内で実践、活用する方法を、『リスキリングは経営課題』の著者である小林祐児先生から学びます。

  • 株式会社パーソル総合研究所 上席主任研究員

    上智大学大学院 総合人間科学研究科 社会学専攻 博士前期課程 修了。NHK放送文化研究所に勤務後、総合マーケティングリサーチファームを経て、2015年よりパーソル総合研究所。専門分野は人的資源管理論・理論社会学。著作に『リスキリングは経営課題』(光文社)など多数。

リスキリングを実践し、活用できる仕組みとはを詳しく見る

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

学びが身につき 人生が豊かになる勉強術

学びが身につき 人生が豊かになる勉強術

本コースのテーマは「勉強術」です。「学ぶことは好きで、続けているがなかなか身についている感覚がない」「学びを活かせていない」といった悩みを持つ方に向けて、学んだことをしっかりと身につけ、人生に活かせるようになる、大人のための勉強術を学びます。

  • 国語講師・著述家

    大学受験塾やカルチャースクールで古典文学を教えるほか、航空会社や銀行などで、敬語・言葉遣い・文章力を指導する研修講師も務める。近著に『大人らしく和やかに話す 知的雑談術』(日本実業出版社)、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など。東京大学教養学部・慶應義塾大学文学部 卒業。

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06まとめ

学び直しとは、社会人が学校教育を離れたあとも、必要な知識やスキルを体系的に学ぶ活動全般を指します。AI時代による環境変化や深刻な人手不足、生産性向上の要求といった背景から、学び直しの中でも、新しい職業や職務・役職につくためのスキル獲得である「リスキリング」が注目されています。政府は、学び直しに関する情報提供、各種給付金・助成金などの多様な支援制度で学び直しを後押ししています。学びを成功させるには、まず目的・目標を明確化し、学ぶ内容と手法を計画的に設計・実行することが重要です。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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