初めて研修講師を務める際のトレーニング方法・話し方のコツを紹介
研修講師が、研修の質に与える影響は非常に大きいです。ただし、その重要性とは裏腹に社内で研修講師を専門で担当しているという人はほとんどいません。この記事では、初めて研修講師を務めることになった人を想定して、研修講師に必要な準備・トレーニング方法・話し方のコツなどを紹介します。
- 01.研修講師とは
- 02.研修講師に向いている人
- 03.研修講師のトレーニング方法
- 04.研修講師として押さえておくべきコツ
- 05.オンライン研修|Schoo for Business
- 06.まとめ
01研修講師とは
研修講師とは、企業・団体などで実施される研修・セミナーの講師を務める人のことです。一般的に、社内で研修講師を担う人のことを「社内講師」と呼び、社外で研修講師を担う人のことを「社外講師」と呼びます。
研修講師の役割は、単に講義を行うだけではありません。研修受講者の理解を深め、現場で実践できるように問いかけたり、アウトプットを支援したりすることも求められます。
そのため、業務内容も研修の質を高めることであれば全て担う必要があります。例えば、研修資料の作成やグループワークのお題作成、受講者の理解度確認テストの作成なども、研修講師の業務内容となります。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など
02研修講師に向いている人
研修講師に向いている人には、以下のような特長があります。
- 1:他人の変化や成長が嬉しい
- 2:人前で話すのが得意
- 3:多様な経験をしている
この章では、研修講師に向いている人の特長をそれぞれ紹介します。
1:他人の変化や成長が嬉しい
研修の目標は、研修で学んだことを職場で実践してもらうことです。そのため、何かを教えるのが好きな人ではなく、「人が変わる」・「人が成長する」のを見ることが好きという人は、研修講師に向いていると言えます。
2:人前で話すのが得意
研修講師は、当然ながら人前で話すことが求められます。そのため、幼少期から人前で話すのが得意・好きという人は研修講師に向いていると言えるでしょう。
3:多様な経験をしている
研修受講者の行動変容を促すには、研修で学んだことが実際の現場でどのように活きるのかを、自身の経験を基に語ると効果的です。したがって、新卒からずっと研修講師をしているのではなく、多様な経験を経て、研修講師になったという人の方が、研修講師に向いていると言えます。
03研修講師のトレーニング方法
自社の社員に研修講師を任せる場合、研修講師に必要なスキルを訓練する場を与える必要があります。具体的にどのようなトレーニングを行えば良いのかを、この章では紹介します。
研修企画・設計の正しい知識を習得する
研修講師は、研修の企画から全体設計まで担います。そのため、「研修がなぜ必要なのか」・「どのように効果計測・評価をするのか」・「研修の目標をどのように設定するのか」など、研修に関する基礎知識を学ぶ必要があるのです。
研修をすることが目的になってしまうと、社員から「研修は意味がない」と思われてしまいます。研修講師に選ばれた際は、まず研修に対して正しい見識を持つようにしましょう。
研修の運営に必要なスキルを習得する
研修は、大学の講義のように一方通行になっては効果が薄れてしまいます。講師と受講者だけでなく、受講者同士も含めて双方向のコミュニケーションを取り入れながら、受講者に主体的に参加してもらう工夫が必要です。そのためには、主に以下のようなスキルが必要です。
- ・プレゼンテーションスキル
- ・ファシリテーション能力
- ・コミュニケーション能力
- ・資料作成(PowerPoint・デザイン)
この中でも特に重要なスキルがファシリテーション能力です。研修講師は受講者に積極的に発言をしてもらいながら、研修のゴールに向かって軌道修正を常にかける必要があります。その軌道修正に必要なスキルがファシリテーション能力なのです。
学んだことを実践する場を与える
研修において最も重要なことは、学んだことを実践するということです。これは研修講師におけるトレーニングでも同様です。研修に関する知識や、ファシリテーション能力やプレゼンテーションスキルを学んでも実践してみないことには、使いこなすことはできません。
本番の研修で実践することが訓練になるという考え方もできます。ただし、できれば事前に訓練を積んで研修を理想な状態で臨めるようにした方が良いでしょう。そのため、同じ部署の仲間に協力をしてもらい、学んだことを実践する場を作ってみることをお勧めします。
04研修講師として押さえておくべきコツ
研修講師として、研修を成功させるために押さえておくべきコツが3つあります。研修準備・実際の研修運営・研修後に繋げる仕掛けを押さえておくことで、研修の質を大幅に向上させることができるのです。この章では、研修講師として押さえておくべきコツを詳しく紹介します。
研修原稿を作り込む
話すことが得意な人が研修講師を担う際に失敗するケースとして、原稿を作らずに研修に臨んでしまい、何を話せば良いかわからなくなったり、無駄話が多くて横道に逸れすぎてしまったりすることがあります。
そのため、どれだけアドリブに自信があっても研修原稿は、しっかり作り込んでおきましょう。その原稿をただ音読するのは良くないですが、全く原稿がない状態で取り止めのない研修になるよりは良いです。また、作成した原稿とスライドが連動しているか、スライドで無駄な箇所がないかを確認することも重要です。
時間配分に注意する
想像以上にディスカッションが白熱したり、話が長い人がいたり、予定していた研修内容をすべてやるには時間が足りなくなってしまうこともあります。この事態を避けるには、黒板やホワイトボードの端にスケジュールを書いておくといいでしょう。このテーマには何分使うのか、あらかじめ書いておけば受講者も時間を意識するようになります。
その他にも、優先順位を決めておくと良いです。最低限やっておきたいテーマは何なのかを決めたり、この場でやれることと持ち帰ってもできることを分けておいたりするなど、いざという時に備えておけば時間が足りなくなりそうでも焦らず対応できます。
研修の最後に振り返りをする
研修の最後に振り返りの時間を設けることで、研修で学んだことを忘れずに現場に持って帰ってもらいやすくなります。その際に役立つのが、以下の「振り返り3ステップ質問」です。
- 1.どう感じましたか?(feel)
- 2.特に学びになったことはなんですか?(good)
- 3.どのように実践に活かしますか?(next action)
まず、答えやすい感情を聞き、その後に何が一番学びになったか、それを現場で実践するイメージが湧いているかを聞くことで、研修転移を促しやすくなります。
05オンライン研修|Schoo for Business
Schoo for Businessでは、約8,500本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。階層別研修やDX研修なども実施でき、さらにアセスメント機能も標準で備わっています。また、自律学習の支援ツールとしても活用いただいており、「主体的に学び、成長する人材」の育成を目的にして、ご導入いただくことが多いです。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 8,500本 ※2023年3月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,500円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
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人材育成に関するSchooの講座例
Schooでは8,500本以上の動画をすべて自社で作成します。この章では、人材育成・研修に関するSchooの講座を紹介します。研修担当者の方であれば、10日間限定でSchooの全授業をお試し視聴できるデモアカウントを発行可能ですので、気になるものがあれば、お気軽にお問い合わせください。
社員研修のあるべき姿
この授業では、社員研修の必要性や役割についてインストラクショナルデザイン(ID)を軸に学びます。研修担当者として「何のために社員研修を行うのか」「研修の役割と担当者としての立ち位置」など、研修の根本的な考え方をまず問い直すために、インストラクショナルデザイン(ID)をもとにした研修のあるべき姿について学んでいきましょう。
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熊本大学教授システム学研究センター 教授
1959年生まれ。Ph.D.(フロリダ州立大学教授システム学専攻)。ibstpi®フェロー・元理事(2007-2015)、日本教育工学会監事・第8代会長(2017-2021)、教育システム情報学会顧問、日本教育メディア学会理事・第7期会長(2012-2015)、日本医療教授システム学会副代表理事、日本イーラーニングコンソシアム名誉会員など。主著に「学習設計マニュアル(共編著)」、「研修設計マニュアル」、「教材設計マニュアル」、「教育工学を始めよう(共訳・解説)」、「インストラクショナルデザインの原理(共監訳)」、「学習意欲をデザインする(監訳)」、「インストラクショナルデザインとテクノロジ(共監訳)」などがある。
ビジネスパーソンの『学習設計マニュアル』
この授業では、学校教育の勉強とは異なるおとなの「学び方」について学びます。社会に出てからの「学び」は、学校教育での「勉強」とは言葉は似ていますが、まったく異なる行動です。そこで、「学び方」を学ぶことによって、今の自分に適した学習を設計できるように、インストラクショナルデザイン(ID)の研究者である熊本大学・鈴木克明教授からおとなの「学び方」について学んでいきましょう。
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熊本大学教授システム学研究センター 教授
1959年生まれ。Ph.D.(フロリダ州立大学教授システム学専攻)。ibstpi®フェロー・元理事(2007-2015)、日本教育工学会監事・第8代会長(2017-2021)、教育システム情報学会顧問、日本教育メディア学会理事・第7期会長(2012-2015)、日本医療教授システム学会副代表理事、日本イーラーニングコンソシアム名誉会員など。主著に「学習設計マニュアル(共編著)」、「研修設計マニュアル」、「教材設計マニュアル」、「教育工学を始めよう(共訳・解説)」、「インストラクショナルデザインの原理(共監訳)」、「学習意欲をデザインする(監訳)」、「インストラクショナルデザインとテクノロジ(共監訳)」などがある。
研修の組み立て方 ‐ 設計・実施・評価
この授業では、研修の設計から実施、評価までの一連の組み立て方について学びます。研修担当者のために研修の設計・実施・評価がデザインできるように、インストラクショナルデザイン(ID)をベースにヒューマンパフォーマンスインプルーブメント(HPI)、プロジェクトマネジメント(PM)の考え方を掛け合わせたビジネスインストラクショナルデザイン(BID)を基に研修の組み立て方について、講師2名のデモンストレーション形式で学んでいきます。
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サンライトヒューマンTDMC株式会社 代表取締役社長
熊本大学大学院 教授システム学専攻 非常勤講師。製薬業界での営業、トレーニング部門を経て、起業。HPIやIDを軸とした企業内教育のコンサルティングやインストラクショナルデザイナー、インストラクターを育成する資格講座の運営を行っている。IDの実践方法を提供してきた会社は100社、4,000名を超える。 主な著書:『魔法の人材教育(改訂版)』(幻冬舎、2017年)、『ビジネスインストラクショナルデザイン』(中央経済社、2019年)
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
導入実績
Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで幅広い企業にご導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。
導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。
06まとめ
研修講師とは、企業や団体での研修やセミナーを担当する人を指し、社内講師と社外講師に分かれます。研修講師の役割は講義だけでなく、受講者が現場で実践できるよう支援することも含まれ、資料作成や理解度確認テストの作成など、研修の質を高める全ての業務を担当します。
研修講師に向いている人は、他人の成長に喜びを感じ、人前で話すのが得意で、多様な経験を持つ人です。講師は研修企画・運営のスキルを習得し、実践を通じて研修の質を向上させることが重要です。