ファシリテーター研修で身につくファシリテーションスキルと役割の実例

ファシリテーターといえば会議の進行といったイメージがありますが、求められるスキルはそれだけではありません。ファシリテーター研修を利用して、スキルの内容や役割、実例を確認しておきましょう。
- 01.ファシリテーターとは
- 02.ファシリテーター研修の目的
- 03.ファシリテーターの役割
- 04.ファシリテーター研修の具体的な内容
- 05.ファシリテーター研修を効果的に行うポイント
- 06.Schooのファシリテーター研修
- 07.まとめ
01ファシリテーターとは
ファシリテーターとは、その名の通りファシリテーションを行う者のことを指します。たとえば会議の進行・司会役は、わかりやすいファシリテーターといえるでしょう。
ファシリテーションとは
ファシリテーションには、集団活動をスムーズかつ円滑に進め、より理想的な成果が出るように支援するという意味があります。たとえば会議であれば、参加者が忌憚のない意見を出せるような雰囲気作りであったり、出てきた意見をまとめたりするなど、多角的な支援が可能です。花形の仕事とはいえないかもしれませんが、例えば取引先と制作部門の仲介であったり、編集の仕事であったり、さまざまな職種・シチュエーションで即活用可能なスキルといえます。
02ファシリテーター研修の目的
ファシリテーター研修の目的はその名の通り、ビジネスプロジェクトの円滑な進行や、成果が出やすくなるよう、ファシリテーションスキルを身につけるためのものです。個人の性格に左右されそうなスキルに感じる人もいるかもしれませんが、抑えるべきポイントを把握しておくことで、誰しもが会得できるスキルといえます。また現在は多くのプロジェクトが同時進行する場合や、さまざまなポジションを兼任することがありますが、いずれの場合でもファシリテーターとしてのスキルは重宝されるでしょう。
03ファシリテーターの役割
ファシリテーターの役割は、プロジェクトが円滑に進み、最大の結果が出るように支援することです。支援の内容は会議の場で参加者の意見を引き出したり、出された意見を深堀りしプロジェクトに落とし込んだり、複数の意見をまとめたりするなど多岐にわたります。例として、会議の場におけるファシリテーターの役割をみてみましょう。
意見の出しやすい雰囲気作り
会議においては、どれだけ意見が出たかによって成果が大きく左右されます。そのためには、なるべく多くの参加者から、忌憚のない意見を引き出す必要があるでしょう。誰かに気を遣って意見を出し惜しんだり、上層部に萎縮して意見が出せなかったりしてしまっては、成果の最大化を望めないリスクがあります。会議そのものの雰囲気をコントロールして、遠慮せずに意見を出せる環境を作り上げることは、ファシリテーターの大きな役割といえます。
参加者の意見を深堀り・要約する
ファシリテーターの大事な役割のひとつが、参加者の意見の深堀りと要約です。意見を出しやすい環境が作れた場合、内容がざっくばらんなためプロジェクトに落とし込めるかどうか、意見者本人も理解できていない場合があります。そんなとき進行役であるファシリテーターは、その意見を深堀りし、意見者の意図や趣旨を汲み取り、会議全体に向けて要約することが必要です。
意見をまとめて整理する
会議の場においてファシリテーターは、意見をまとめて整理する必要があります。雰囲気作りや意見の深堀りなどを行えば、自然とまとめ役を行うことになるはずです。実際にファシリテーターは、誰よりもこの役割に適任といえるでしょう。一貫して会議のファシリテーターをしているのであれば、出てきた意見のすべてに関与し、理解しているはずであるため、会議全体のまとめが容易なのです。また会議が望んだ結果に着地しなかったとしても、会議の内容をまとめ、次回会議のスケジューリングやレジュメ作成なども請け負うことができます。
04ファシリテーター研修の具体的な内容
ファシリテーターの大まかな意味や役割を解説しましたが、ここでファシリテーター研修ではどのようなことを学んでいくのかを見ていきましょう。これまではかなり基本的な内容として”ファシリテーター”を学びましたが、より実践的にファシリテーターを理解できます。具体的な事例はもちろん、ファシリテーションが成立するための3つのステップなどから学ぶことが可能です。
ファシリテーションの事例
実際にファシリテーター研修の中で触れられている事例について、一部を紹介します。2017年に東京大学と京急電鉄との共同プロジェクト、「三浦半島の魅力を再定義する」が稼働しました。2016年に赤字転落してしまった京急電鉄は、それまでにもさまざまな施策を行いましたが、明らかな改善には至らなかったようです。たとえば「ターゲットは若者?or高齢者?」といった点までは絞り込むことができましたが、内容が漠然としていました。そこでファシリテーターはターゲットの年代や性別、住環境・年収・趣味など具体的に設定させ、一人のペルソナ(モデルケース)を作り、三浦半島にきた場合のストーリーマップを完成させたのです。ストーリーマップからコンセプト作りを再開し、設定したペルソナ向けのイベントでは若者がたくさん集まりました。課題の解決に向けて、現状出ている意見である「ターゲットは若者」という点を再定義・深堀りしてまとめ、プロジェクトに落とし込むことは、典型的なファシリテーターの役割といえるでしょう。
ファシリテーションの3STEP
意見の深堀りやまとめなど、これまでさまざまなファシリテーターの役割を解説しました。ここではファシリテーションの3STEPとして、それらの役割をもう少し抽象的に解説しています。
- 1:課題再定義
- 2:プロセス設計
- 3:プロセス伴走
1:課題再定義
まずファシリテーションの中でも基本的ながら、最も重要な役割は課題の再定義にあります。当事者間での課題にズレがあったり、認識が異なったりすると、プロジェクトが円滑に進む可能性は極めて低くなります。
2:プロセス設計
課題の再定義ができたところで、どのような順番でどのように話し合いに臨むのか、プロセスのおおまかな設計をするのもファシリテーションのステップです。
3:プロセス伴走
ファシリテーターは設計したプロセスの進行に伴い、課題解決に向かってプロジェクトを推し進めていきます。具体的には、この段階ではじめて会議や課題解決を進めていくのです。ファシリテーションはプロセス伴走に着目しがちですが、それ以前の課題再定義やプロセス設計があってこそ、ファシリテーションは成立します。
05ファシリテーター研修を効果的に行うポイント
ファシリテーター研修を効果的に行う際、実際に行っている業務に落とし込んで考えてみることと、プロセス伴走の前段階に着目することがポイントです。
実務に落とし込んで考えてみる
ファシリテーター研修を行う場合は、自分の実務においてどのようにファシリテーションが行えるかを考えてみると効果的です。現在進行中のプロジェクトにおいて、自分が感じている課題と周囲の課題感が合致しているか、参加者が意見を出し切れているかなど、落とし込める可能性があります。実際に研修中、直後に予定されている会議でどのようにファシリテーションをしていくか検討することも、効果的といえるでしょう。
プロセス伴走の前段階に着目する
前述の通りファシリテーションというと、どうしても会議での進行役といった部分に着目してしまいますが、会議の前段階も非常に重要です。課題の再定義やプロセスの設計が十分なものでなければ、プロセス伴走でズレが生じるリスクがあります。現在のプロジェクトにおいて、「課題再定義」と「プロセス設計」が万全であるかを振り返りながらファシリテーター研修に臨んでみましょう。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

06Schooのファシリテーター研修
Schoo for Businessでは約8000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
Schoo for Business |
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受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 8,000本 ※2023年3月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,500円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
2.ファシリテーションを学びたい/学ばせたい方におすすめのファシリテーション研修パッケージ
ファシリテーションを学びたい/学ばせたい方には、Schooのファシリテーション研修パッケージがおすすめです。ファシリテーション研修パッケージでは、ファシリテーションの基礎からファシリテーション向けのグラレコまで、カリキュラムを組み合わせて網羅的に構成されており、ファシリテーションスキルを体系的に学ぶことができます。
さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。
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マネージャー向けのファシリテーションを学べるカリキュラムです。ファシリテーションの基礎知識から実演を通して学ぶ実践的なスキルまで、幅広く学べる内容となっています。
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ファシリテーション力を磨きたい方向けの研修パッケージです。実践的なケーススタディを通じて課題解決のためのファシリテーションの方法を身につけることができます。
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ファシリテーショングラフィック(グラレコ)を初めて学ぶ方向けの研修パッケージです。話者が話した内容を整理しながら記録する方法、文字やイラストの描き方などを学ぶことができます。
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ファシリテーショングラフィック(グラレコ)のスキルを磨きたい、トレーニングをしたいという方向けの実践的な研修パッケージです。
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会議で使えるファシリテーショングラフィックについて学べる研修パッケージです。「物事の可視化」「様々な意見の整理」「ファシリテーション」などのスキルをワークショップを通じて身につけることができます。
ファシリテーション研修パッケージ を詳しく紹介
研修時間目安:7時間10分(60分×3コマ,50分×5コマ)
7時間10分の研修でファシリテーションの基礎知識から実演を通して学ぶ実践的なスキルまで、幅広く学べる内容となっています。会議はもちろんクライアントとの商談の場など複数のステークホルダーが関わっている場合のディスカッションでも円滑にコミュニケーションを行うことができるようになります。
授業名 | ワークショップデザイン -創造性を高める場のつくり方- |
時間 | 1時間(60分×1コマ) |
学べること | ・ワークショップの概要と事例 ・ワークショップのデザインと2つのポイント ・ワークショップを仕事で活かす方法 |
授業名 | 実演で学ぶリーダーのためのファシリテーションスキル |
時間 | 4時間10分(50分×5コマ) |
学べること | ・ファシリテーションの概要とその重要性 ・ファシリテーターとして身に着けておきたいマインドとスキル ・チーム脳で思考するチームにするためのフォローアップ質問 ・フォローアップ質問を使うときのポイント ・フォローアップ質問の作り方 ・ファシリタティブリーダーシップの概要 ・会議などでの話の長い人への対処法 ・会議でのホワイトボードの活用方法 ・会議時間がなくなったときの対処法 |
授業名 | 企画提案を通すための合意形成技術 |
時間 | 4時間10分(50分×5コマ) |
学べること | ・合意形成の本当の意味とメリット ・合意形成を上達させるための事前想定 ・ポジションが異なる複数のクライアントとの異なる意見の合意形成のポイント ・1対多数における合意形成のための進行方法 |
3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
07まとめ
ファシリテーターは、プロジェクト完遂において非常に重要な役割を担っています。十分な制作やマーケティング活動を行うためには、ファシリテーターの支援が不可欠ともいえるでしょう。ファシリテーターとしてイメージしやすい会議の雰囲気作りや意見のまとめ、進行役などはもちろんですが、課題の再定義やプロセス全体の設計が要になります。さまざまな人材が交わるプロジェクトにおいて、課題の再定義やプロセス設計を行うファシリテーターは、ペースランナーやセーフティーカー等の役割に似ているかもしれません。業種や職種を問わずに活かせるファシリテーションスキルを身に着けて、重宝される人材を目指しましょう。