公開日:2021/07/07
更新日:2023/08/04

ファシリテーションスキルとは?目的や必要なスキルについて解説する

ファシリテーションスキルとは?目的や必要なスキルについて解説する | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ファシリテーションスキルを保有している人材とはどんな人材でしょうか。本記事ではファシリテーションスキルの特徴やファシリテーターの役割について解説していきます。自社における会議運営などに必要なファシリテーションスキルとは何かを確認し会議の変革につなげていきましょう。

 

01ファシリテーションスキルとは

ファシリテーションスキルとはそもそも何なのか。そして、ファシリテーションとは何を目的としており、どうしてビジネスシーンに広がったのでしょうか。まず最初にそれらの理由について解説していきます。

ファシリテーションスキルとは

ファシリテーションスキルとは、会議などでスムーズに進行を促すスキルのことです。参加者の意見を引き出し、議論を活発化させ、最終的に参加者からの合意形成を図ります。ファシリテーションスキルを発揮し、会議を進行する役割を担う人をファシリテーターと言います。

ファシリテーションの目的

ファシリテーションとは、「会議や研修、ミーティングなど場において、期待する良質な結果が得られるようにプロセスをサポートしていくこと」と定義付けることができます。ファシリテーションの目的とは、「会議や研修などの運営プロセスをサポートすることにより参加者が積極的な発言のもと良質な結果を生みだすこと」といえます。ファシリテーションを行うことで、会議の運営がスムーズとなり会議の目的である課題を解決し結果を残せることが必要になるのです。

ファシリテーションが広がった背景

我が国の特性として、企業の方向性などを含めた重要な事項は会議で決定していきます。この動きの中で、会議運営に関する課題もありました。活発な意見がでないこと、長時間の会議など。こうした会議における課題解決がファシリテーションの概念で払拭されることを受け、多くの企業で概念を取り込み社内での会議運営を変え始めています。

ファシリテーターとリーダーの違い

混同されるリーダーとの違いについて解説します。 リーダーの役割は組織やチームの責任者であり物事の最終決定を行う権限を保有しています。この権限のもと組織やチームという集団を率いています。これに対してファシリテーターとは、集団(会議への参加メンバーなど)の意見をまとめて、集団が満足のいく結果を導き出し率いていく、と考えることができます。リーダーとファシリテーターとの違いは、リーダーが中心となるのに対して、集団で一つの方向に向っていくかの違いとなります。

 

02ファシリテーションに必要なスキルとは

ファシリテーションに必要なスキル

ファシリテーションに必要なスキルには4つあると言われています。次に必要とされる4つのスキルについて解説していきます。4つのスキルにより会議運営がスムーズになると理解しておくとよいでしょう。

空間のデザイン力

空間のデザイン力とは会議室など、会議を行う場所(空間)を会議に適した環境にすることを示しています。具体的には会議室の手配などです。現在では、空間のデザイン力を会議の前準備と広くとらえ会議資料を事前に集め会議前に配布しておくなど会議運営のために前準備を指すこともあります。また、会議のアジェンダを作り会議の目的や会議のタイムテーブルなどを参加者に伝えることも含まれるようになっています。

対人関係スキル

対人関係スキルとはコミュニケーション能力のことです。有益な会議となるように発言者を指名したり、発言しやすい雰囲気作りも、この対人関係スキルに含みます。議論が白熱した際にも冷静を保ち建設的な発言がされる様に誘導することも必要です。また、目標となる結果を導くためには、発言の訂正なども求める必要があるなど、常に冷静な対応が求められながらも相手の意図を組み対応していく力量が求められます。

構造化のスキル

構造化スキルとは、会議中に発生した議論の内容を整理し共有をしていくことです。最終的な論点をシンプルに整理する能力のことです。発信された内容を議事録として残す役割ではなく結論に至った経緯と結論を整理するという意味と理解しておきましょう。

合意形成スキル

合意形成スキルとはコンセンサスとも言われ、決定したことに対する同意を得るスキルです。その後、実行に移すための整理と確認を行うことを含む場合もあります。

 

03ファシリテーターの役割とは

ファシリテーションを担う役割をファシリテーターと呼びます。このファシリテーターは「黒子」とも呼ばれる存在ですが、どの様なスキルを保有しておく必要があるのでしょうか。次に、ファシリテーターの役割についても解説していきます。自分自身がファシリテーターになることを想定して確認していきましょう。

目的へ誘導する

目的への誘導とは、議論する内容の最終的な結果をどこに到達させるかを意味しています。会議であれば、何かを決めることになります。その何かを決める所まで誘導するのがファシリテータの役割になります。会議へ参加しているため、自分自身も発言をすることも必要ですが、その発言内容に拘るのではなく参加者全員が納得した結論に導く案内人の役割を担います。議論開始の冒頭では、到達すべきゴールを提示し合意を得た上で開始するなどの工夫を行い、目的に向うサポートを行っていきます。

会場の雰囲気作り

議論に適した会場の手配からレイアウトの準備を含め、議論中の雰囲気作りもファシリテーターの役割になります。白熱してしまった時も含め、常に冷静な対応が求められるだけではなく批判などに及んだ場合には、それを止め議論に戻したり、一度休憩を挟むなどの臨機応変な対応が求めれる役割だと理解しておきましょう。議論を遮る必要がある場合などは、非常に気を使いやりにくさを感じてしまいがちです。しかし、最終的に結果を出す上では必要な事だと理解し対応を行う必要があります。

意見交換の促進

建設的であり、活発な意見交換が実施される様に誘導するのも役割の1つです。役員や管理職のみは発信するなどを避け、未発信者への発信を求めたり発言のバトンを振り替えたりしながら意見交換を促進していきます。自分自身も議論に参加し積極的に意見を出しますが、自分の意見を通しすぎないことも必要な観点です。誘導役は自分の意見を通しやすくなる傾向があると言われており、それを行うことでは議論の意味を持たなくしてしまいます。参加者が意見を出し合った上での結果となることを常に念頭においておく必要があり、自分に優位な意見に引っ張られることを避ける工夫が必要です。

タイムキーパー

議論中のタイムテーブルに合わせたタイムキーパー役も役割になります。ただし、良質な意見を出し結界に結び付ける中で、予定時間がきたからといって議論を中断させるべきかは判断が必要です。あくまでも目的は良質で参加者が合意する結果を導くことになることを忘れず全体のタイムテーブルを意識した管理を行っていきましょう。議論の度合によっては、当初予定していたタイムテーブルを延長して継続する場合もあります。しかし、長時間になってしまうと活発な意見を出しにくくなる傾向もあるため、1~2時間に1度は休憩を挟むなど参加者の様子に合わせた調整も適宜行う配慮が必要です。

話の整理とまとめ役

結論に至った場合には、結論と結論に至ったプロセスを整理していきます。話の整理においては、細かい事を全て伝えるのでなくシンプルに整理し結論に至ったプロセスのポイントに絞り整理を行います。シンプル化する上では、ロジカルシンキングなどの概念を活用し実践していきましょう。繰り返し練習を行うことで、方法のコツが分かり自然とできる様になていくため焦らずに練習を繰り返すことが大事なスキルです。

コンセンサスを取る

議論の最後には、最終的な結果に関して参加者全員の合意(コンセンサス)を取ります。この合意が目的達成の結果となります。コンセンサスを取った内容は、必ず議事録などに残し、後日参加者に配布し確認してもらう様に働きかけることも大事です。

 

04ファシリテーションを成功させる方法とは

最後に、ファシリテーションを成功させる方法について解説していきます。ファシリテーションを成功させるために注意しておきたい項目には、どの様な項目があるのでしょうか。参加者に協力してもらうことを含めて解説していきます。

目的の理解

まず、議論の目的を理解することが必要です。これは、ファシリテーターも議論に参加する人全てに言えることです。ファシリテーターは議論を開始する前にはアジェンダなどを作成し議論の目的を参加者に伝えるだけではなく議論開始前にも再度通知し目的の理解を促す必要があります。これを怠ると当日の目的が不明瞭となり結果を出すことができなくなる可能性があるため注意しておきましょう。

客観的立場に立つ

常に客観的な立場に立ち、かつ、冷静に進行を進める必要があります。ファシリテーションを行う中で、誰かの意見に引っ張られてしまうと議論の進行の妨げを生んでしまいます。こうなってしまうと参加者全員が納得する良質な結果にはなりません。良質な結果を生むために自分自身の立ち位置を崩すことなく対応していくことにしましょう。

黒子役に徹する

議論中は、原則的に黒子に徹する必要があります。ファシリテーションを行いつつ議論に参加する場合もありますが、意見を述べる所とファシリテーションを行う側面は異なります。あくまで、意見を述べる立場とファシリテーションを行う立場は別と理解しておくことも必要です。

適切な質問をする

誰かの発言に対して、適切な質問をすることも必要です。発言に対して常にその本質や真意を考え不明瞭な時には質問をすることを意識して行う必要があります。質問についてはできるだけ、参加者から発信される様に導く方がよく質問の有無を確認するなどの方法により対応していきましょう。

 

05ファシリテーションスキルを身に着ける方法

前述した通り、ファシリテーションには様々なスキルが求められ、一朝一夕で身に着けられるものではありません。それでは、どのようにしてファシリテーションスキルを身に着けていけば良いのでしょうか。ここでは主な方法を2つ解説します。

資格を取得する

ファシリテーションスキルに関する資格を取得することで、スキルを身に着けることが可能です。ファシリテーションの資格として代表的なものが、一般社団法人日本プロカウンセリング協会の「FITファシリテーター資格認定講座」です。この講座では、コンサルティングや企業研修ができるレベルのファシリテーターを養成できるとしています。ファシリテーターに必ずしも資格が必要というわけではありませんが、学習を通じて体系的に学びたいという場合にはおすすめです。

研修に参加する

ファシリテーションに特化した研修に参加し、専門家から知識やノウハウを学ぶことも方法の一つです。昨今では、ファシリテーションスキルが注目されている背景から、関連した研修を提供する企業も増えています。研修でインプットし、実践でアウトプットするサイクルを繰り返していけばファシリテーションスキルも磨かれていくでしょう。 また、Schooでもファシリテーションスキルに関する授業を提供しているので、興味のある方は確認してみてください。

メンバーがすぐ行動できるファシリテーションスキル

メンバーがすぐ行動できるファシリテーションスキル
 

この授業は、園部先生のご著書『ゼロから学べる! ファシリテーション超技術』(かんき出版)を基に、「チームが納得するファシリテーションの方法」について学んでいきます。

  • プロファシリテーター

    新卒でNECマネジメントパートナーに入社。経理で10年間下積み後、事業計画部門へ異動。事業計画部門では、損益管理だけでなく、人材開発や組織風土改革までフィールドを広げ、様々なプロジェクトマネジメントを経験。在籍事業部(300名)の組織変革プロジェクトリーダーも経験し、年間1,000本の会議を圧倒的なファシリテーション力で取り仕切り、2億円の営業利益改善に導く。2016年4月に独立。「プロファシリテーター」として、大手からベンチャー企業まで年間100本以上の会議を仕切るほか、2,500人以上のファシリテーターの育成に携わる。

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ファシリテーション【課題設定編】

ファシリテーション【課題設定編】
 

身近な例をもとに、問いの整理の仕方を学んだ後、ビジネスシーンのケーススタディで実践します。

  • 株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

    1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。ウェブメディア「CULTIBASE」編集長。企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の創造性を高めるファシリテーションの方法論について探究している。主な著書に『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』、『問いかけの作法:チームの魅力と才能を引き出す技術』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』などがある。東京大学大学院 情報学環 特任助教。

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

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06Schooのファシリテーター研修

Schoo for Businessでは約8000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。


Schoo for Business
 
受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 8,000本
※2023年3月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,500円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております

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1.研修と自己啓発を両方行うことができる

Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.ファシリテーションを学びたい/学ばせたい方におすすめのファシリテーション研修パッケージ

ファシリテーションを学びたい/学ばせたい方には、Schooのファシリテーション研修パッケージがおすすめです。ファシリテーション研修パッケージでは、ファシリテーションの基礎からファシリテーション向けのグラレコまで、カリキュラムを組み合わせて網羅的に構成されており、ファシリテーションスキルを体系的に学ぶことができます。

さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。

ファシリテーション研修パッケージを見る

ファシリテーション研修パッケージ を詳しく紹介

研修時間目安:7時間10分(60分×3コマ,50分×5コマ)

7時間10分の研修でファシリテーションの基礎知識から実演を通して学ぶ実践的なスキルまで、幅広く学べる内容となっています。会議はもちろんクライアントとの商談の場など複数のステークホルダーが関わっている場合のディスカッションでも円滑にコミュニケーションを行うことができるようになります。

授業名 ワークショップデザイン -創造性を高める場のつくり方-
時間 1時間(60分×1コマ)
学べること ・ワークショップの概要と事例
・ワークショップのデザインと2つのポイント
・ワークショップを仕事で活かす方法
授業名 実演で学ぶリーダーのためのファシリテーションスキル
時間 4時間10分(50分×5コマ)
学べること ・ファシリテーションの概要とその重要性
・ファシリテーターとして身に着けておきたいマインドとスキル
・チーム脳で思考するチームにするためのフォローアップ質問
・フォローアップ質問を使うときのポイント
・フォローアップ質問の作り方
・ファシリタティブリーダーシップの概要
・会議などでの話の長い人への対処法
・会議でのホワイトボードの活用方法
・会議時間がなくなったときの対処法
授業名 企画提案を通すための合意形成技術
時間 4時間10分(50分×5コマ)
学べること ・合意形成の本当の意味とメリット
・合意形成を上達させるための事前想定
・ポジションが異なる複数のクライアントとの異なる意見の合意形成のポイント
・1対多数における合意形成のための進行方法
 

3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

Schoo for Businessの資料をもらう

 

07まとめ

本記事は、ファシリテーションスキルをテーマに用語の定義や役割などについても解説しています。議論の結果を左右することは、企業の未来にも影響することを意味しています。活発な意見を通して、良質な結果を導きだせる様に心掛けてファシリテーションを実施していきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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