公開日:2020/12/17
更新日:2023/12/23

アンガーマネジメントとは|怒りのメカニズムや簡単なやり方を紹介

アンガーマネジメントとは|怒りのメカニズムや簡単なやり方を紹介 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

アンガーマネジメントとは、衝動的に訪れる怒りを分析し、上手くコントロールすることで、仕事におけるトラブルを減らしたり、生産性を向上させる方法論です。組織内の人間が適切にアンガーマネジメントをすることができるようになれば、生産性が向上するだけでなく、近年問題になっているパワハラの防止にもつながります。この記事では、"怒り"が起きる要因やアンガーマネジメントの必要性、実践方法などについて詳しく解説していきます。

 

01アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、衝動的に訪れる怒りを分析し、上手くコントロールすることで、仕事におけるトラブルを減らしたり、生産性を向上させる方法論です。

アンガーマネジメントは、「怒ってはいけない」ということではありません。喜怒哀楽という言葉があるように、感情は人間が生きていく上で非常に大切な感情の1つです。しかし、一時の感情的な行動で組織内の居場所を失わないためにも、怒りをコントロールし、安定した感情を保つことが重要になります。

そもそもなぜ怒ってしまうのか

アドラー心理学によると、感情は単体で成立する「一次感情」と、単体では成立し得ない「二次感情」があると定義されています。

人は大小問わず目標達成のための行動が妨害されると、不安や辛さ、悲しさといったネガティブな一次感情を感じることが多いです。一次感情が一定以上蓄積されると、怒りという形で発散しようとします。これが二次感情です。つまり、怒りとは理想と現実のギャップによって生まれたネガティブな感情を発散するための防衛本能なのです。

また、自分の中の”普通(自分のルール)”を相手も理解していると勘違いし、普通から逸脱した行動を相手がとった場合、感情が乱され、怒りに変わってしまいます。怒りを上手くコントロールするためには、理想と現実のギャップを受け入れる思考を持つことが重要になります。

 

02アンガーマネジメントが必要な理由

アンガーマネジメントが必要な理由は以下の通りです。

  • ・生産性の向上につながる
  • ・不当なパワハラを予防できる

組織内の人間が適切にアンガーマネジメントをすることができるようになれば、生産性が向上するだけでなく、近年問題になっているパワハラの防止にもつながります。詳しく見ていきましょう。

生産性の向上につながる

先に述べた通り、怒りによる衝動的な言動は周囲にネガティブな影響を及ぼします。結果、チーム全体の士気が下がり、生産性が下がってしまうことも多いです。また、起こった本人も冷静さを失ったりストレスが溜まってしまうため、意思決定や業務上の判断にブレが生じ、仕事の再現性がなくなってしまう可能性があります。

アンガーマネジメントができれば、本人も比較的冷静に仕事ができる上、周囲に影響を与えることもないため、生産性を落とすことなく業務を行うことが可能です。日常的に怒りがこみ上げてしまうことが多い人は、アンガーマネジメントを習得することで仕事効率が上がっていくでしょう。

不当なパワハラを予防できる

現場における先輩や上司の怒りは、若い社員にとってパワハラに映ることが多いです。パワハラをはじめとしたハラスメントは受け手主体で生じる問題なので、怒った本人に自覚がなくても、周囲から見たらパワハラだったという事例も多々あります。

パワハラを予防するためには、そもそも社員への強要をしないことが重要です。怒りに任せた指摘や指示は感情的な強制力が高くなるため、アンガーマネジメントができるだけで無自覚なパワハラをしてしまうリスクを減らすことができます。

社内コンプライアンスを守る上でも、アンガーマネジメントは必要なのです。

 

03アンガーマネジメント診断で分かる6種類の怒り

日本アンガーマネジメント協会が制作した「アンガーマネジメント診断」によると、怒りは以下の6種類に分類することが可能です。リンク先で診断を行うことができるので、一度診断してみてください。

  • ・公明正大タイプ
  • ・博学多才タイプ
  • ・威風堂々タイプ
  • ・天真爛漫タイプ
  • ・外柔内剛タイプ
  • ・用心堅固タイプ

上記の怒りのタイプはそれぞれ怒りの原因が異なり、カテゴライズされることで怒りのコントロールがしやすくなります。詳しく見ていきましょう。

公明正大タイプ

公明正大タイプに分類される人は正義感が強く、ルールや倫理から外れることに対して強いストレスを感じることが多いです。曲がったことが大嫌いで、自身の正義から外れた言動を見ると、自身の権力に関係なく介入してしまう傾向があります。自身の正義を当然と思わず、他人にとっての正義をある程度受け入れることで、怒りをコントロールしやすくなるでしょう。

博学多才タイプ

博学多才タイプの人は完璧主義で、物事に明確な答えを求める人が多いです。自身に対する要求レベルが高い分、他人にも厳しい傾向があります。また、決断が遅い人や行動の目的が適当な人を見てもストレスを溜めやすいです。物事に対する要求レベルは人によって違うという考え方ができれば、怒りを押さえやすくなるでしょう。

威風堂々タイプ

威風堂々タイプは他人からの評価を気にしがちな傾向にあります。自尊心が高いゆえに他人からのネガティブな感情に敏感で、他人からマイナスな評価を受けるとストレスを溜めやすいです。理想と現実のギャップが大きいほど怒りを覚えやすいので、現実を受け入れ、ネガティブな評価をされることをある程度あきらめることで、怒りをコントロールできるでしょう。

天真爛漫タイプ

天真爛漫タイプは感情に素直で、自身の意見をストレートに伝えることができるのが特徴です。自身が感情を前面に出している分、他人が自信なさげにしていたり、思うように行動できていなかったりするとストレスを感じる傾向にあります。また、自立心が強いので、行動を制限させることが苦手です。自身とは性質が違う人間がいることや、ルールに従う意味を理解することで、ストレスを軽減することができます。

外柔内剛タイプ

外柔内剛タイプは一見柔和な性格に見えますが、実は確固たる意志を持っているのが特徴です。自分とは異なる意見や価値観には興味がなく、自身の意思を優先しする傾向があります。また、外見と内面にギャップがあるため、他人から誤解されることが多い上、感情を表に出すことも苦手なため、ストレスを溜め込みがちです。

元々怒りが表面に出づらいので、怒りをコントロールするというよりは自身の性質を自覚し、ストレスを適度に発散する場を設けるようにすると良いでしょう。

用心堅固タイプ

用心堅固タイプは人間関係に対する警戒心が高く、自身や他人について固定観念を持ちやすい傾向にあります。パーソナルスペースが広く、他人と接すること自体がストレスになることも多いです。他人を信用できないことがストレスの根本的な原因なので、可能な限り自分から心を開き、周囲の人を信頼することで怒りをコントロールできるでしょう。

▶︎参考:日本アンガーマネジメント協会:「アンガーマネジメント診断」

 

04アンガーマネジメントのやり方

アンガーマネジメントは、少しの意識づけで簡単に実践することができます。アンガーマネジメントのやり方は、主に以下の5つが挙げられます。

  • 1:怒りの衝動を6秒間我慢する
  • 2:怒りの度合いを点数にする
  • 3:その場から離れる
  • 4:「~すべき」という思考を極力捨てる
  • 5:仕方ないと割り切る

アンガーマネジメントのやり方で、最も簡単で有名なものが6秒ルールです。6秒待つだけという簡単な方法であるため、誰もが知っていれば活用できるやり方と言えます。

1:怒りの衝動を6秒間我慢する

1つ目の手法は、怒りの衝動を6秒間我慢することです。衝動的な怒りはアドレナリンが原因で発生するといわれており、アドレナリンは6秒程度で全身を巡りきるとされています。つまり、6秒間怒りの衝動を我慢できれば、生体的に怒りが収まるということです。

衝動的に怒りが湧きやすい人は、怒りに任せてた言動をする前に、何もせずに6秒間待つことを心がけると良いでしょう。とはいうものの、最初のうちは衝動的な怒りを抑えるのは困難です。アンガーマネジメントになれていないうちは、怒る前に怒りの原因を書き出すことで、冷静さを取り戻すことができます。

加えて自身の怒りの傾向を知ることもできるため、対策も練ることも可能です。怒りを6秒間我慢できれば、より冷静に仕事に取り組むことができるでしょう。

2:怒りの度合いを点数にする

アンガーマネジメントのやり方には、怒りの度合いを点数にするという方法もあります。通常の状態を0、最大の怒りを10として、10段階で怒りの度合いを点数化します。

点数化することで、自分の怒りを客観的に見ることができ、感情をコントロールできるようになります。6秒ルールと点数化は併用すると、さらに効果を高めます。6秒我慢している間に、頭の中で点数化することで、怒りが収まるまでの時間を効率よく活用することができるのです。

3:その場から離れる

その場から離れることも、アンガーマネジメントの1つのやり方です。目の前に怒りの対象がいると、収まった怒りが再燃することもあるでしょう。そのため、トイレやコンビニに行くなどして、まずは目の前に怒りの対象がいない状況を作ることも効果的です。

その際は、出来るだけ頭を切り替えましょう。スマホで動画を見たり、ゲームをしたりしながら気分転換することで、さらに怒りが収まりやすくなります。

4:「~すべき」という思考を極力捨てる

怒りの根本的な原因となっているのは、他者との価値観の違いです。日常的に怒ることが多い人は、「~すべき」という思考を持っていることが多く、自身の思考と他者の思考にずれがあると感情的になってしまいます。

怒りをコントロールしたいのであれば、他者の価値観を認める姿勢を持つことが重要です。「なぜそんな考え方になるんだ」ではなく「そういう考え方もあるのか」という思考ができるようになれば、自然と怒りも減っていくことでしょう。

5:仕方ないと割り切る

完璧主義的な思考も、怒りを生じさせる原因になることが多いです。完璧主義な人は他人に求める成果のハードルも高くなってしまうため、些細なミスなどで怒りを覚えてしまいます。怒りをコントロールしたいのであれば、他人は自分と違うことを理解し、他人の言動については「仕方ない」という姿勢を持つことが重要です。

 

05アンガーマネジメント研修|Schoo for Business

Schoo for Business

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座を保有しており、部下の指導方法を学ぶことのできるコンテンツも揃っております。

導入企業数は3,500社以上、管理職研修はもちろん新入社員研修からDX研修まで幅広く活用いただけ、自律学習の支援ツールとしてもご利用いただいております。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
アーカイブ本数 8,000本
※2023年5月時点
研修管理機能 あり
※詳細はお問い合わせください
費用 1ID/1,500円
※ID数によりボリュームディスカウントあり
契約形態 年間契約のみ
※ご契約は20IDからとなっております
 

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Schooのアンガーマネジメント研修の特長

Schoo for Businessでは、アンガーマネジメントに関する授業をいつでもどこでも好きなだけ受講することができます。また、アンガーマネジメントだけでなくメンタルヘルス・レジリエンスの授業も豊富に揃えているため、すでに部下を持つ管理職の方やこれから管理職やマネジメントを行なう方など、幅広い方々におすすめです。

アンガーマネジメン研修のカリキュラム例

Schoo for Businessの、8,000本から、アンガーマネジメントを学べるコンテンツの一部を抜粋して、カリキュラム例としてご紹介します。

怒りをコントロールするための「アンガーマネジメント」入門

怒りをコントロールするための「アンガーマネジメント」入門

第1回 価値観が多様な時代に学ぶ「アンガーマネジメント」のキホン
時間 60分
研修内容
  • ・右手に理論、左手に感情
  • ・マイルールを見つける
  • ・成果の方程式
第2回 仕事でも家庭でも活かしたい怒りのコントロールのコツ
時間 60分
研修内容
  • ・怒りをコントロールする上で大切なこと
  • ・怒りをコントロールするコツ
  • ・フォーカスを変える
 

この授業では、会社や家庭で怒りが抑えられず、失敗や反省を繰り返した経験がある人向けに、累計100万部を突破した「怒らない技術」(フォレスト出版)シリーズの著者、嶋津良智先生をお迎えして、いまだからこそ学ぶべき「アンガーマネジメント」について深ぼっていきます。怒りに任せた発言をしてしまい、部下の生産性を下げたり、家族から信頼を失ったりと失敗を繰り返していた自分とは決別し、周りと上手く付き合える自分へと成長しましょう。

  • (社)日本リーダーズ学会代表理事 リーダーズアカデミー代表

    人づくり、組織づくりに特化をした、スクール形式では日本一のビジネススクール『リーダーズアカデミー』を経営。IT系企業に入社後、同期100名の中でトップセールスとなり、最年少営業部長に抜擢。 就任3か月で担当部門の成績が全国No,1に。28歳で独立、2004年株式上場(IPO)を果たす。 現在は、講演・企業研修・コンサルティングを行う傍ら、顧問・社外役員として経営に参画。リーダー育成の専門家として世界15都市でビジネスセミナーを開催。延べ50000人以上のリーダー育成に携わる。 シリーズ100万部のベストセラー「怒らない技術」をはじめ、著書累計は28冊で150万部を超える。

アンガーマネジメントを活用したコミュニケーション術

アンガーマネジメントを活用したコミュニケーション術

第1回 アンガーマネジメントを活用したコミュニケーション術 -前編-
時間 60分
研修内容
  • ・アンガーマネジメントとは
  • ・怒りのメカニズムを知ろう
  • ・問題となる4つの怒り
  • ・怒りの感情のピーク
  • ・私たちを怒らせるもの
  • ・イライラの原因
第2回 アンガーマネジメントを活用したコミュニケーション術 -後編-
時間 60分
研修内容
  • ・アンガーマネジメントの3つの暗号(6秒・3重◯・分岐)
  • ・怒られるとは
  • ・うまく怒られる5つのテクニック
 

この授業では、怒りっぽい自分をどうにかしたいと思っている方や部下や子供に対して、怒ってしまう場面の多い方向けに「アンガーマネジメント」を軸に、皆さんのコミュニケーションがもっと円滑にするための考え方やノウハウをお伝えします。講師は、日本マイクロソフト テクノロジーセンター 元センター長で、Microsoftの名物エバンジェリストとしても有名な澤円先生です。

  • 日本マイクロソフト テクノロジーセンター センター長

    立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、マイクロソフト(現日本マイクロソフト)に転職。 情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。 競合対策専門営業チームマネージャー、ポータル&コラボレーショングループマネージャー、クラウドプラットフォーム営業本部本部長などを歴任。 2011年7月、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長に就任。 2015年2月、サイバークライムセンター 日本サテライトのセンター長も兼任。 著書:「外資系エリートのシンプルな伝え方」

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06まとめ

アンガーマネジメントの必要性や怒りのタイプ別の特性、対策などについてお話ししてきました。アンガーマネジメントをする上で重要なのは、自身の怒りの原因を知ることと、他者に対しある種のあきらめを持つことです。

考え方次第で怒りは誰でもコントロールできるものなので、研修なども活用しつつ、アンガーマネジメントをしていきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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