公開日:2021/07/07
更新日:2024/01/19

セルフコーチングとは?自分を目標達成へと導くための手法やポイントを解説

セルフコーチングとは?自分を目標達成へと導くための手法やポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人手不足が蔓延している日本国内の企業では、従業員一人ひとりの生産性の向上が求められています。セルフコーチングは自主的に成長できる人材を育てる有効な方法です。セルフコーチングを効果的に行う上で、有効な質問を自分に問いかけることは欠かせません。セルフコーチングの基礎から効果的な質問まで、例を交えつつ解説します。

 

01セルフコーチングとは?

セルフコーチングとは自分で自分をコーチングすることです。そもそもコーチングとは、コーチがコーチングの対象者へ問いかけを行うことで、目標達成に向けてその人自身が成長していく過程を支援する人材開発法です。ティーチングとは違い、教えるのではなく相手からやりたいこと・考えていることを引き出す支援を行います。セルフコーチングはコーチングからコーチを抜いて、自分で自分の内側にある問題に気づき、改善策も自分で考えることを指します。

コーチングとの違い

セルフコーチングにも一般的なコーチングと同じような効果があります。しかし、コーチングを行うコーチは専門的な知識やスキルが必要です。また、相手から気づきや発見を引き出すためには時間がかかります。コーチとのコミュニケーションに、ある程度時間がかかってしまうことはデメリットの一つでしょう。コーチングは1対1でのコミュニケーションで進めていくため、大勢を一度に教育することもできません。 その点、セルフコーチングを習得することができれば、自分の都合で自分に対してコーチングを行うことが可能になります。自己成長の速度は高まり目標達成が早まるでしょう。セルフコーチングの手法を全社員に浸透できれば、各々がセルフコーチングによって自発的に成長していく可能性もあります。セルフコーチングにより気づきの切っ掛けさえも自ら作れるようになれれば、より自立性が高まり、コーチに頼らずとも自分で問題を解決できる人材になることができるでしょう。

▼コーチングに関して詳しく知りたい方はこちら▼
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02セルフコーチングの効果

セルフコーチングの実践によって様々な効果を得られます。ここでは、主な効果を3つ解説します。

目標達成のスピードが上がる

セルフコーチングは自己意識を高め、具体的な目標に向けて自分で行動計画を立てるスキルを養います。このプロセスを通じて、目標に焦点を当て、効果的なアクションを早く選択できるようになります。自ら問いかけ、振り返りながら進むことで、目標達成のスピードが向上し、自律的な行動が促進されます。

客観性が身に着く

セルフコーチングは自分の行動や思考を客観的に評価する能力を鍛えます。感情や偏見から離れ、客観的に自分を見つめることで、より正確で客観的な自己評価が可能となります。客観的な視点を身につけることで、問題や課題に対する冷静な判断が可能になり、より効果的な改善策を見つけることができます。

継続的な変化と成長

セルフコーチングは単なる目標達成だけでなく、習慣の変化や持続的な成長をもたらします。自己理解を深め、フィードバックを通じて学びながら進むことで、継続的な改善のスパイラルに入ります。このプロセスは自律性を高め、自身のポテンシャルを最大限に引き出すための手段となります。セルフコーチングを習慣にすることで、持続的な変革と成長を達成できるでしょう。

 

03セルフコーチングのやり方と注意点

セルフコーチングを習得できれば非常に大きな成長ができます。しかし、セルフコーチングは簡単に習得できるものではありません。やり方自体は簡単ですが、コーチングの精度を上げるためには習慣化して何度も繰り返し行うことが必要です。ときにはコーチングを受けて外部からのフィードバックをもらうことも大切です。ただの独りよがりの自問自答にならないためにも、正しいやり方と注意点を身につけ繰り返し行いましょう。

セルフコーチングの4つのステップ

1.目標設定する

コーチングは相談者を目標達成させることがゴールです。セルフコーチングでも同じです。目標がなくして成功はありません。行動の原動力になる目標を設定することで、自らモチベーションを高めることも重要なポイントです。また目標は具体的に数字で表現することも大切です。「売上を上げたい」ではなく「来月の売上を10%上げたい」と期限と目標を数字にして具体化しましょう。

2.現状の把握

目標に対して現状で何が不足しているのか、何が障壁となっているのかを正しく把握します。この際、自分自身に質問をしつづけることが大切です。「売上が上がらないのは行動量が足りないから」ではなく、根本となる原因が分かるまで質問を繰り返します。「なぜ行動量が足りないのか?」「業務時間内に行動量を確保できるのか?」「ほかの不必要な行動をしていないか?」など質問を繰り返し、原因を特定します。

3.行動計画を決める

目標と現状のギャップを把握したらそれを埋める行動計画を立てます。目標の期限が1か月後であれば1週間ごとに計画を立てることが大切です。途中にマイルストーンを設置することにより、目標に対する進捗を確認しつつ、小さな達成感を味わい続けることもできます。

4.PDCAサイクルを回し習慣化する

コーチングは簡単に効果は出ません。継続して修正しつづけることが大切になります。しかし、セルフコーチングを怠ったとしても誰かから責められるわけではありません。強制されているわけではないのです。そのため、続けられる工夫を施す必要があります。行動の原動力になるような目標を設定することや小さな達成感を味わうようにすることも工夫の一つです。 またアファメーションも有効です。アファメーションとは、言葉によりその人の可能性を引き出すセルフトークのことです。目標をイメージして自分自身に対して肯定的な言葉を投げかけ続けることで、自分自身の潜在意識を肯定的に変えていくことができます。自分に自信をもち、やり遂げられると思い込むことは非常に効果的です。

実施する上での注意点

セルフコーチングを正しく行わないと、いつの間にか自分に都合のいいように物事を解釈しているだけになってしまう危険性もあります。また、「正しい自分像」になろうとするあまり、現実離れした考え方や思想を自分自身に強制するようになってしまう危険性もあります。注意すべきポイントに気をつけて正しく行うように心がけましょう

思ったこと、感じたことを無視しない

ただ目標を達成するのであれば、ティーチングによって答えをもらうほうが効率的です。あくまでもコーチングは自分自身の成長を通して目標達成することを目指します。。そのため、ふと感じたことや思ったこと、何気なく取った行動に対しても向き合わなければいけません。 売上が上がらないことに対して発生する感情や行動は、必ずしもすべてがポジティブなものではないでしょう。「やる気が出ない」「がんばりたくない」と感じてしまうこともあります。サボってしまうこともあるでしょう。それらのネガティブな感情を「ポジティブに考えなければいけない」と強制するのではなく、なぜそう考えたのか、なぜやる気が出ないのかと、一つひとつに対して考えることが大切です。

ノートに書く

セルフコーチングは良くも悪くも、自分一人のなかですべてが完結してしまいます。記録を取らないことで、過去の自分を美化してしまうことも考えられます。普段考えていることや、ふと感じたことにこそ自分の本当の気持ちが隠れているものです。 そこで、日々の考えをノートにまとめ、いつでも見直せるようにすることがおすすめです。すぐに答えが出ない問題もあるでしょう。自分が忘れてしまっても思い出させてくれる人は誰もいません。ノートに書いて繰り返し問いかけ続けることで、いつか答えを得られる可能性が生まれます。

緊急ではないが重要なものに時間をかける

セルフコーチングは時間がかかります。日々緊急の業務に忙殺されてしまうと、考える時間すらなくなってしまいます。コーチングはしっかり時間をかけて本気で臨まないと、効果は期待できません。意識して時間を作ることを習慣としましょう。

 

04セルフコーチングで使える質問例

セルフコーチングでは質問内容が非常に重要です。自分の本当の気持ちを理解するためには、適切な質問が必要不可欠です。ここでは、効果的な質問例を紹介します。

目標を設定する質問

「なりたい自分はどんな自分?」 「自分が得たい結果はなんだろうか?」 「どうしてそうなりたいのか?」 「何も制限がなかったら、何がしたい?」 「働かなくてもいいくらいのお金があれば、何をする?」

目標に対する行動を決定する質問

「目標達成に必要な情報やスキル、経験は?」 「だれか力になってくれる人はいるだろうか?」 「目標達成に弊害となるものは?」 「目標を達成した後の自分から見たら、今の自分に何が足りないのか?」 「明日までに完了させなければいけないとしたら、まず何をする?」

行動を振り返るときにする質問

「さらに良い結果を得るために何が必要か?」 「なぜ上手く行かなかったのか?」 「もしまったく同じ業務をやるなら、次はどうやる?」 「その行動から何を学んだ?」

自分の変化や感情に気づく質問

「その行動から何を学んだ?」 「過去の自分であればどう考えているだろうか?」 「今やりたいことは何?」

そのほか、行き詰まったときに使える質問

「この壁を乗り越えた時、自分はどのような気持ちだろうか?」 「もし今以上に時間をかけることが許されたのならば、何をする?」 「自分の尊敬する人ならばどうするだろうか?」 「いま行き詰っていることは、本当に乗り越えなければいけない壁なのか?」

 

05効果が上がるセルフコーチングノートの書き方

前述のとおり、セルフコーチングにおいてノートは非常に有効です。誰も聞いてくれる人がいないセルフコーチングでは、ノートがコーチ代わりになります。自問自答をしているとあらゆる感情や思考が生まれてきます。それらは決して合理的ではありません。お互いに矛盾することもあれば反発することもあります。複雑な感情を把握するためにはノートに書いてメモを取り続ける必要があります。

目標を設定する

目標設定に欠かせないのは、未来のあるべき姿と現状です。それらに加えて、過程や行動を書き足していきます。ノートは見開きで2ページ分広く使いましょう。後から書き足すことができるように、忘れずにスペースを確保しておきます。後から見直したときに感情の変化がわかりやすいように、書いた日付を記入することも有効です。

行動を振り返るときの書き方

綺麗な言葉でまとめる必要はありません。他人が見るノートではないので、自分の思ったことや感じたことをそのまま書きましょう。感情を書いたら次はなぜそう感じたのかも書きます。 その次は、感情を抱いた結果自分が取った行動を振り返ります。そしてなぜそのような行動をとったのかを記入します。良くない行動を取っていたとしても責める必要はありません。なぜそのような行動をとり、結果はどうなったのかをあくまで客観的に書きましょう。


 

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行動のためのモチベーション管理術

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行動するために必要な「目標」の立て方を学びます。 そもそもなぜ目標を設定する必要があるのか、まずは目標よりも行動をするべきではないのか。 目標を設定してから行動すると何が違うのかについて、人材開発領域にてプロコーチとして活躍される大坂谷 勇輝氏(㈱MEXUS 代表コーチ/㈱LEBEN CAREER 代表取締役)先生が順を追って説明していきます。

  • ㈱LEBEN CAREER CEO

    大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。

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「メタ認知」を高めるマインドフルネス

「メタ認知」を高めるマインドフルネス
 

本授業は、マインドフルネス体験を通じて「メタ認知」の方法について学んでいきます。 メタ認知とはそもそも何かを解説し、マインドフルネスによるトレーニング方法を学んでいきます。

  • にこフル

    ニフティ株式会社を経て、ヤフー株式会社へ入社。2016年以降、マインドフルネスの企画展開の先行事例として各メディアに注目され、講演やワークショップなど年100回ほど登壇。これまでに社内外に7000人以上に届けてきた。UPDATE mindfulnessを掲げて、2020年個人事業で独立し、ポートフォリオキャリアの働き方で、今に至る。

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ラグビーの本場ニュージーランド留学を経て、ジャパンラグビートップリーグのクボタスピアーズで選手生活を送り、2006年に引退。 株式会社クボタにて、法務部、広告宣伝部で従事するなど社業に専念する。 2012年に日本ラグビーフットボール協会リソースコーチとなり、 U17/U18ラグビー日本代表コーチを歴任。 2016年には株式会社クボタを退社し、人材育成プロデュース事業など展開する「Work Life Brand」を設立し、代表に就任。
 

07まとめ

今後、今まで以上に自立して成長していける人材が求められていきます。上司の命令にだけ従えば良い仕事はAIに取って代わられていき、自分で考えられない人の価値はますます低下してしまいます。そのなかで、自分の価値を高めるためにセルフコーチングは非常に有効です。成長しつづけられるだけでなく、自分のモチベーションを自分で上げられるようにもなります。ぜひ、セルフコーチングを日々の生活の中に取り入れてみてください。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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