公開日:2022/09/16
更新日:2023/01/19

ダイバーシティマネジメントとは|今求められる理由やメリットから実践手法も解説

ダイバーシティマネジメントとは|今求められる理由やメリットから実践手法も解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

多様性の尊重が叫ばれる昨今、ダイバーシティマネジメントの重要性が注目されています。ダイバーシティマネジメントとはそもそも何か、なぜ求められているのか、得られるメリットや手法も含めて解説していきます。

 

01ダイバーシティマネジメントとは多様性を受け入れ組織を強化する企業体勢のこと

人々の多様性を尊重する社会が目指すべき社会であるとされ、SDGsの目標にも取り上げられています。 そんな昨今、企業によるダイバーシティマネジメントが注目されているのをご存知でしょうか。 ダイバーシティマネジメントとは、人材がもつ多様性を活かし、自社の事業を強化し、企業を成長させていくことを示しています。 従来、ダイバーシティの話を行う際には「違いを受け入れる」という話が主となっていました。しかし、ダイバーシティマネジメントでは、個々人の違いを「受け入れる」というだけではなく「個人の強みとして活用する」ことまで含めることが語られています。

そもそもダイバーシティとは

ダイバーシティとは、直訳すると多様性のことですが、ビジネス上で用いる際は「組織を構成する人の多様性」を指すことが多いです。具体的には、年齢、性別、人種、出身国や国籍、身体的特徴、性自認、病気の有無、思想、信条、価値観、宗教観、スキル、職歴、趣味、趣向などによる個々人の違いを認め、受け入れることを意味します。 多様性を考えるうえでは、年齢や出自などの変えられないもののほか、思想信条や価値観といった要素にも優劣はなく、他者の権利を侵害しない限りは尊重していくべきである、という認識が必要です。他者から見て変えられるように感じたとしても、本人にとっては変えられないものと同等であるためです。

 

02ダイバーシティマネジメントが求められる背景

ダイバーシティマネジメントが求められる背景には、何が挙げられるでしょうか。 ここでは、その背景について解説していきます。

  • ・1.人手不足の深刻化
  • ・2.日本の競争力低下とグローバル化
  • ・3.労働者と消費者の意識変化

1.人手不足の深刻化

少子高齢化による労働人口の減少は、日本に限らず先進諸国の課題であることは間違いないでしょう。国内で優秀な人材の確保はもちろんのこと、若手人材の採用に苦戦する企業は少なくありません。さらに外国人労働者を雇用することや、海外部署の人材と仕事をすることも少なくないでしょう。 そのうえで、多様な人材の確保だけでなく、社内に定着させていくためには社内でのダイバーシティマネジメントが欠かせません。人材の多様な個性、背景に対応するためにも、制度や文化の醸成が求められるでしょう。

2.日本の競争力低下とグローバル化

日本が国際社会での競争力を失ってきていることは、認識されていると思います。少なくとも、かつてのように世界におけるGDP第2位の経済大国でなくなっていることは明らかです。加えて、経済のグローバル化が進み、日本経済も外国との結びつきなしには成り立ちません。それに伴い、国際競争力を強化するためには海外市場への進出が重要であり、海外で活躍できる人材の雇用も欠かせなくなりました。 雇用した海外の人材にその能力を十分に発揮してもらうには、言語の壁はもちろんのこと、ダイバーシティマネジメントが欠かせません。働き方に関する慣習が大きく違うことで、従来のように仕事を遂行できない、雇用した人材を活かしきれないといった事態は少なくありません。 今後、日本の国際社会における競争力や生産性を改善していくためには、ダイバーシティマネジメントの導入が欠かせないでしょう。

3.労働者と消費者の意識変化

多様性の尊重が重視される中、企業に求められる姿勢も大きく変化しています。各企業活動における、多様性に対する姿勢がより厳しく消費者から見られるようになっているのです。 例えば、広告を打ち出す際にも「特定の人に対して配慮していない表現をしていないか」、「今求められるダイバーシティの基準に沿っているか」などを考える必要があります。 従来の企業メッセージでは、現代の価値観に沿わず、消費者や採用に繋がる候補者に誤った伝わり方をしてしまう恐れがあります。そのためにも、ダイバーシティマネジメントを導入し、企業としての態度表明だけでなく、あらゆる業務に関わる社員のダイバーシティに対する理解度を上げることが求められるでしょう。

 

03ダイバーシティマネジメントを取り入れるメリット

日本を取り巻く社会の現状や国際化の背景から、ダイバーシティの尊重は必須となります。しかし、一方でダイバーシティマネジメントを導入することで企業にとっては多くのメリットがあります。 ここでは、得られるメリットについて確認していきましょう。

  • ・1.多様な人材の確保につながる
  • ・2.イノベーションを生む可能性がある
  • ・3.企業ブランディングにつながる

1.多様な人材の確保につながる

大きなメリットとして上げられるのが、人材の確保において優位性を保つことができる点です。 ダイバーシティマネジメントを取り入れている企業への応募は、これまで多様性の問題から排除されてきてしまった人材でも心理的ハードルが低くなります。そういった態度表明や取り組みができていれば、人材の募集を増やすことができ、結果的に人材確保につながるでしょう。 そして、多様性を理由に差別されることがなく、加えて活躍していけるため、社員定着率も上がっていきます。今後、少子高齢化によってますます人材の確保が難しく、生産性が求められるため、取り組むことには大きなメリットがあるといえます。

2.イノベーションを生む可能性がある

ダイバーシティマネジメントを取り入れ、社内で多様な人材の強みや個性を活かすことができれば、既存の慣習や企業文化に捉われないアイデアを生み出す可能性があります。 多様性が尊重されていない慣習があると、採用する人材のバリエーションが画一的になってしまい、同じような思想やスキルを持った人材が多くなってしまいます。その強みはある一方で、競争優位性を見出すような画期的なアイデアや取り組みが生まれる可能性も少なくないでしょう。 ダイバーシティマネジメントは、多様性を活かして、強みとしていく手法です。これまでとは違った思考性を取り入れ、企業文化や慣習に変化を加えることでイノベーションの促進にも寄与することが期待されています。

3.企業ブランディングにつながる

ダイバーシティマネジメントなどの取り組みを大々的に掲げることで、企業のブランディングにつながることが期待されます。海外人材や障がい者の定着のための取り組みや、LGBTQ人材の活躍方針などを掲げる企業も年々増加傾向にあります。政府も経済産業省を主導にをおこなっており、一定の基準を満たす企業には「新・ダイバーシティ経営企業100選」や「なでしこ銘柄」の認定を受けることができます。政府も率先して取り組む事項の一つであるため、ダイバーシティへの姿勢や取り組みによる態度表明は企業のブランディング活動にも寄与するでしょう。

▶︎参考:ダイバーシティ経営の推進

 

04ダイバーシティマネジメントの実践事例

次は、ダイバーシティマネジメントの実例や、促進するための手法をいくつかご紹介していきます。主な実践の事例は下記の通りです。

  • ・1.ブラインド採用
  • ・2.在宅勤務と出社の併用
  • ・3.教育機会の提供とスキル強化の支援

1.ブラインド採用

ブラインド採用とは、履歴書から「性別」「顔写真」をなくすというものです。場合によっては「年齢」も見ないこともあります。 これによって、無意識のうちに行っていた、「なんとなく良いから採用しよう」「この部署のや職種は女性には難しいかもしれない」といったバイアスを排除することができます。 不要なバイアスを排除することによって、純粋に応募者がもっているスキルや過去の経歴で判断できるため、より自社が求める人材を採用しやすくなります。そのうえで、従来にはなかった人材の適材適所が実現され、生産性の向上にもつながります。

2.在宅勤務と出社の併用

ダイバーシティマネジメントの取り組みとして、働き手の事情や環境に合わせて、在宅勤務と出社を選べたり、併用できる仕組みを用意することが挙げられます。在宅勤務をしたい人は在宅で仕事ができる環境にし、出社したい人は出社しての勤務ができる、という構造にすることです。これによって、生産性の向上はもちろんのこと、育児や介護がある社員が働き続けられるようにするなどのメリットがあります。 近年、急速にリモートワークが普及する中で、「出社してすべき仕事」「在宅勤務でも成立する仕事」の棲み分けは大きく見直されています。そのため、意見の擦り合わせや新たな取り組みなどは出社して行い、個人ごとに進められる業務は在宅勤務にすることで生産性の工場を図ることが期待されます。 また、社員の中には出社前提であると育児や介護などを理由に今の仕事を続けられない、という人材も少なくありません。個人の状況に合わせて柔軟な働き方ができることで、人材の定着にもつながる取り組みだといえます。

 

3.教育機会の提供とスキル強化の支援

異なる背景をもった人材のスキルを強化するためには、eラーニングや教育研修が有効です。 教育機会の提供を行うことで、まずはダイバーシティへの取り組みに対する社内全体の認識合わせ、理解の促進を図ることできます。ダイバーシティマネジメントに取り組むためには、社内の文化が大きく関わります。経営層や管理職の合意形成だけでなく、社員一人一人への定着が重要です。 そのためには、社内での積極的な周知、理解促進のための研修をおこない、根付かせていくことが有効です。 さらに、人材の中には、もっと活躍したいと思っている人や、スキルアップしたいと思っている人、あるいは特定の分野に強い興味関心をもっていたり、プロフェッショナルになりえる能力をもったりする人がいます。社員が手を挙げることで「自ら学べる」環境があることも、ダイバーシティマネジメントの取り組みとして重要です。そのため、自己啓発(SD)を促す環境づくりや福利厚生を設けることが推奨されます。

 

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Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、ダイバーシティマネジメントを推進する授業を紹介いたします。

ダイバーシティマネジメントの考え方

この授業では、職場における多様な属性をもつメンバーの個々の力を活かしながら、組織力を高めるためのアプローチ手法、「ダイバーシティマネジメント」について学びます。

 
  • (株)クオリア代表/プロフェッショナルファシリテーター

    都市計画コンサルタント会社、NPO法人理事、会社経営等を経て、株式会社クオリアを設立。 長年女性の能力開発、キャリア開発、組織活性化などのコンサルティングを実践。 1996年、米国訪問時にダイバーシティのコンセプトと出会い、以降、組織のダイバーシティ&インクルージョン推進を支援している。意識や行動変容を促進するプログラムには定評があり、アンコンシャス・バイアストレーニングや女性のリーダーシップ開発など高い評価を得ている。 2017年、世界94ヶ国1400人の女性リーダーが集うGlobal Summit of Women(GSW)東京大会の招致に関わり、実行委員を務めた。また、2019G20大阪の公式エンゲージメントグループW20運営委員会委員として政策提言に携わった。 国際ファシリテーターズ協会認定プロフェッショナルファシリテーター(CPF) Standing in the fire認定(2015年)ダイバーシティスペシャリスト。

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多様性あふれる時代に「ダイバーシティ&インクルージョン」

この授業では、なぜ「ダイバーシティ」が必要なのかという必然性から、そもそもダイバーシティが許容されているのはどういう状態なのかを考え、個人として具体的に自分がどう行動したらよいのかを学んでいきましょう。

 
  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。

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多文化チームで働く職場デザイン

この授業では、職場の中におけるダイバーシティー&インクルージョン(D&I)を推進するための視点について学びます。

 
  • 株式会社An-Nahal 代表

    2019年高度外国人材を切り口に企業のダイバーシティ&インクルージョン推進を人材・組織開発の面から支援する株式会社An-Nahalを設立。創業前はグローバル人材育成分野における制度・研修の設計、新規事業開発、フリーランスコンサルタントとして世界銀行や国際機関との教育関連プロジェクト、またNPOにて難民申請者の就労支援にも携わる。世界経済フォーラム(ダボス会議)任命のGlobal Shaperとして横浜を拠点に、多文化共生、教育など幅広いテーマでプロジェクトに取り組む。ボストン拠点のフィッシュファミリー財団Japanese Women’s Leadership Initiativeのフェロー。

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06まとめ

ダイバーシティに対する対応は、もはや企業にとって必須となっています。 ですがそれだけではもはや不足しており、多様性を強みに変えるようなダイバーシティマネジメントが重要視されるようになってきています。 ぜひこれを機に、自社のダイバーシティ施策について確認してみてください。そしてできるなら、ダイバーシティマネジメントによる企業力の強化を考えてみましょう。

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