公開日:2022/10/05
更新日:2022/10/05

パフォーマンスマネジメントとは?期待できる効果や流れを解説

パフォーマンスマネジメントとは?期待できる効果や流れを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

パフォーマンスマネジメントは組織の生産性を向上させる上で大切なマネジメント手法です。社員のパフォーマンスを戦略的に管理することで、能力やモチベーションを引き上げます。この記事ではパフォーマンスマネジメントの概要や期待できる効果、流れを解説します。

 

01パフォーマンスマネジメントとは

パフォーマンスマネジメントとは、1970年代にアメリカのコンサルタントである、オーブリー・C・ダニエルズ氏らによって提唱された、行動科学マネジメントに似た手法です。上司は従業員のパフォーマンスの向上や成果につながる「行動」を身につけてもらうことを考えたマネジメントを行います。併せて、社員一人ひとりの主体性を育むことも重視します。社員にパフォーマンスを最大限発揮してもらうために、適切な目標を設定したり、達成のために行動を上司と部下、人事が一緒に考えたり、フィードバックの頻度を高めたりします。

従来のマネジメント手法との主な違いは、プロセスの設計と評価にあります。目標達成を目指す過程では、コーチングや振り返りなど社員のパフォーマンスが向上するようなコミュニケーションの頻度を予め設計し、上司と部下がやり取りする頻度を上げます。

これには、部下の業務におけるパフォーマンスが向上するという側面もありますが、一方で上司と部下の信頼関係が構築され、エンゲージメントが向上するという側面もあります。社員のエンゲージメントが向上することで、主体的に考え行動できるようになるのです。

また、人事部や管理職は社員の能力や仕事の仕方などを評価する立場ではなく、コーチングなどのサポートによって社員をサポートする立場に変わることが求められます。サポートすることによって、社員に成果を出してもらうのです。

 

02MBO(目標管理制度)との違い

MBO(目標管理制度)とは経営学者のドラッカーが提唱した手法で、設定した目標に対して1年もしくは半年に1回面談を行い、目標を達成したかを確認し評価するマネジメント手法を指します。

しかし、1年に1度の評価ではどのような目標を立てたのか忘れてしまったり、目標設定を個人に委ねた場合にわざと低い目標を立て生産性を落としてしまったりするという問題がありました。また、変化の激しいVUCA時代と呼ばれる今、事業環境も変わりやすく、1年や半年に1回の評価では頻度が少ないという指摘もあります。

それに対してパフォーマンスマネジメントは目標達成の評価を行う機会が増え、目標達成のモチベーションを高く保つことが可能となります。

 

03パフォーマンスマネジメントが必要な背景とは

グローバル化や情報伝達が高速化したことによって、1年や半年サイクルの目標設定と評価では、世の中の変化についていけなくなりました。パフォーマンスマネジメントでは、目標設定→行動→評価のサイクルを短くできるため、常に目標や行動を調整、アップデートすることができます。これにより、世の中の激しい変化に対応することができるのです。よりスピーディーに変化や動きを察知して、行動を変えていくことで成果を上げていきます。

また、社員が主体性を持って考え行動できるようになる点も時代にマッチするからこそ、パフォーマンスマネジメントが必要とされています。従来の評価制度では上司は半期や年間の成果を見て評価を下す立場ですが、パフォーマンスマネジメントにおける上司はメンバーに伴走してよりよい行動を導く存在です。「上司がサポートしてくれたり、アドバイスをくれるなら」と考え、主体的に考え挑戦する社員も増えるでしょう。挑戦する社員が増えることで、変化に対応できるようになったり、イノベーションが生まれたりと、会社全体としてのパフォーマンスが向上していくのです。

 

04パフォーマンスマネジメントの導入により期待できる効果

パフォーマンスマネジメントを導入することにより期待できる効果を具体的に解説します。

社員のエンゲージメントが向上する

パフォーマンスマネジメントでは、目標設定→行動→コミュニケーション→振り返りの頻度が増します。つまり必然的に上司と対話する機会が多くなるのです。対話が増えることで信頼関係がより強固になったり、自身の役割ややるべきことを認識しやすくなったりすることで、エンゲージメントが向上します。

コーチングや振り返りなど、コミュニケーションする機会は増えるので、しっかりマネジメントスキルをもった上司であれば、自然と双方の信頼関係は強固になっていくのです。また、それがきっかけで以前と比較して成果が上がれば、エンゲージメントも向上していきます。

社員のスキルや現状をより理解できる

パフォーマンスマネジメントでは、上司との対話する頻度が増えるため、社員のスキルや現状を深く理解することができます。その結果、上司も任せられる仕事を的確に判断することができ、部下も得意分野で仕事ができるため高いモチベーションで働くことができます。

また、高い頻度で面談を行うことで部下の現状を正しく理解できます。もちろん、マネージャーとして部下の現状を理解するためのスキルは必要ですが、高頻度で評価面談などを行うことでそれは培われる可能性が上がります。部下の現状を正しく理解し、それに合わせたコミュニケーションを心がけることで、モチベーションを上げることができます。

自主性を育成することができる

従来の評価制度と違い、パフォーマンスマネジメントでは従業員ひとりひとりを事業主のように扱います。その結果、受け身で仕事をするのではなく、従業員が自主的に仕事を進めるようになります。

いままで積極的に仕事ができなかった従業員もパフォーマンスマネジメントを導入することによって主体的に仕事を進めるようになり、チーム全体の生産性向上を見込めるようになるでしょう。

変化に柔軟に対応できる

例えば、急な部署の異動や転勤などで業務内容がガラリと変わることがあるでしょう。パフォーマンスマネジメントでは、目標を頻繁に変更することが可能であるため、そのような場面に対応することができます。また日頃のフィードバックによって、従業員のスキルデータも十分に溜まっているため、異動先でも従業員にマッチした仕事を任せることができるでしょう。

結果的に成果が上がる

社員が主体的に考え行動するようになれば、結果的に成果が上がります。これもパフォーマンスマネジメント導入による期待できる効果でしょう。

上司と部下が連動し、部下が事業主のような思考や行動をできるよう主体性を育むのが、パフォーマンスマネジメントで大切なポイントです。社員一人ひとりが主体性を持ち、事業主であるかのように振る舞う状態は簡単には達成できません。高品質かつ高頻度でコーチングや振り返りを行うことで徐々に身についていくのです。そのためすぐには成果につながらない可能性もありますが、中長期的な視点で考えれば、社員が成長し主体性を持って取り組むことで成果が上がったり、イノベーションが起きやすくなったりします。

 

05パフォーマンスマネジメントの流れ

パフォーマンスマネジメントの流れについて解説します。

目標を設定する

まずは、社員1人1人の目標を設定します。このとき会社の方針に基づく目標を設定することを意識してください。また、前述の通り、上司と部下、人事部も巻き込んで設定します。

パフォーマンスマネジメントは、個人の能力にフォーカスしたマネジメント手法ですが、会社の方針から逸脱してしまうと、目標としては意味のないものになってしまいます。振り返りは短いスパンで行われるため、中長期的な目標を設定しましょう。また、適切に評価できるようなるべく定量的な目標を設定することがポイントです。

パフォーマンスを観察する

次に設定した目標に対してどれくらいのパフォーマンスを発揮しているかを観察します。

例えば「営業のためにかなり外回りしました」などの主観的な報告は、メンバーと上司の基準が揃わないためNGです。客観的な数字でパフォーマンスを測るよう意識してください。上手く成果がでていない場合、その事実を攻めるのではなく、原因は何か、次はどのように行動するか、など未来に向けた改善策を社員と議論しましょう。

またこの時、一方的に上司が部下に改善策を教えるのもNGです。パフォーマンスマネジメントは、高い頻度で面談することで部下の主体性を育てる目的もあります。「ここはもっと◯◯した方が良い」「◯◯をしてみては?」と教えたい気持ちをぐっと堪えて、なるべく部下に改善策を考えてもらうのが良いでしょう。

適切なコミュニケーションを取る

パフォーマンスマネジメントにおいて、コミュニケーションは最も重要な項目のひとつです。部下とのコミュニケーションを密に行うことで、部下のスキルセットを把握したり、進捗具合を確認したりすることができます。

また、コミュニケーションの頻度が上がることで、モチベーションやエンゲージメントも向上するでしょう。ここで気をつけたいのは、前項でも触れましたが、ティーチングの割合よりもコーチングの割合を増やしたコミュニケーションです。

新卒や入社したての中途社員にはティーチング主体のコミュニケーションが適していますが、育ってきた若手や自走できる中途社員にはコーチングメインのコミュニケーションが最適です。部下の考える力を養い、主体性を伸ばすコミュニケーションが大切なのです。これは、パフォーマンスマネジメントを行う上で管理職に求められる最も大切な行動と言っても過言ではないかもしれません。 ​​

フィードバックを行う

プロジェクトメンバーが何かしらの結果を出した場合、すぐにフィードバックを行います。設定した目標を達成していれば、そのままの水準で仕事を進めてもらいます。目標を達成できなかった場合、次からはどこを改善したらいいのか一緒に考えます。

営業であれば、客先へ訪問回数を増やすなど、できるだけ数字に基づいた改善だと行動しやすいでしょう。未達を責めるのではなく、次からはどうするのかを部下と議論するのです。

メンバーへのフォロー

パフォーマンスマネジメントは、振り返りを行う期間が短くなるため、ストレスに感じるメンバーも出てくるはずです。そのストレスにより、業務のパフォーマンスが落ちてしまうのは本末転倒ですから、フィードバック後のフォローを意識することも大切です。メンバーとの信頼関係を築くため、コミュニケーションスキルの向上に努めましょう。

 

06パフォーマンスマネジメントを導入する際の注意点

パフォーマンスマネジメントを導入する際の注意点を解説します。

上司と部下の信頼関係があることが前提である

パフォーマンスマネジメントは面談の機会が増え、上司と部下とのコミュニケーション頻度も上がります。そのため、上司と部下の信頼関係がないとパフォーマンスマネジメントは上手くいかないでしょう。部下にしてみれば、信頼していない上司に何を言われても響かないし、信じて行動しようと思いません。また、上司としても信頼していない部下に、大事な仕事を任せようと思わないでしょう。パフォーマンスマネジメントを導入する前にまずは、土台となる信頼関係が築けているのかをよく確認しましょう。

管理職のスキルが前提となるので注意が必要

パフォーマンスマネジメントでは、社員と管理職とが対話する頻度を増やし、主体的に行動してくれるようなマインドを身につけていきます。また、コーチングなどを交えながら社員のパフォーマンスを最大化しますが、前提となるのはこれらができる管理職がいることです。主体的な思考や行動ができない管理職は、当然部下とのコミュニケーションの中でそれらを教えることはできません。また、コーチングについてもマネジメントスキルの1つで「なんとなくできる」ものではありません。管理職が社員の思考や行動を変えていけるようなスキルセットを持ち合わせていなければ、パフォーマンスマネジメントは成立しないのです。

企業全体に浸透させないと失敗する

一部のメンバーはパフォーマンスマネジメントを採用し、他のメンバーは従来通りの評価方法を採用すると失敗します。なぜなら、一年に一度だけ評価を受ける方法と、都度評価を受ける方法とではルールがまるで違い、メンバーの不満を招きかねないためです。パフォーマンスマネジメントを取り入れたいと考えているのであれば、企業全体に浸透させることを意識してください。それが難しいのであれば外部からの補助を受けて浸透させるのも有効でしょう。

 

07まとめ

パフォーマンスマネジメントについて、解説してきました。従来のやり方とは根本的に異なっているため、導入する際は十分な注意が必要でしょう。また中途半端な状態でパフォーマンスマネジメントを導入してしまうと、チームの生産性が落ちてしまい逆効果になりかねません。まずは研修などで考え方の基礎を学び、通常業務などで積極的に活用してみましょう。

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