公開日:2022/10/24
更新日:2023/01/27

アクティブリスニングの定義とは?その効果や手法、メリットを徹底解

アクティブリスニングの定義とは?その効果や手法、メリットを徹底解 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

アクティブリスニングは、近年企業内でも効果を実感できると注目が集まっている手法です。特に、社内の人間関係を良好にしたいといった課題がある企業では、アクティブリスニングの導入がおすすめです。本記事では、アクティブリスニングの定義やメリットをご紹介します。

 

01アクティブリスニングの定義とは

アクティブリスニングは、1957年にアメリカの臨床心理士カール・ロジャースが提唱したコミュニケーション技法のひとつで、傾聴する姿勢のことを指します。主にカウンセリングを行う際に使われてきたスキルですが、現在ではビジネスの場でも活用されはじめています。アクティブリスニングの能力を身につけると、対話をしている話し手が自ら問題解決できるようになり、課題解決に導く支援を行うことができます。また、円滑でより良い人間関係の構築や業務の効率アップにもつながります。

 

02アクティブリスニングが重要視される理由とは

企業が成長して生産性を上げるためにも、人材の育成はとても大事です。アクティブリスニングは、社内のコミュニケーションと育成の質を上げることでビジネスにとって必要なスキルが強化できるので、重視されているのです。ここからは、アクティブリスニングが重要視される理由について解説します。

マネジメント能力の向上を目指せる

アクティブリスニングが重要視される理由として、組織におけるマネジメント力の向上が挙げられます。相手の話に耳を傾け理解する力や、質問を投げかけるスキルといったものは、マネジメント力を高める上で最も重要です。ビジネスの場においても、上司や管理職がアクティブリスニング技法を身に着けて実用することで、傾聴力や質問力のスキルを大きく伸ばすことができ、結果的にマネジメント能力の向上を目指せることにつながるのです。

社員の自己成長を促すことができる

アクティブリスニングを実施すると、社員のコミュニケーション能力も上がるので、社内のコミュニケーションも活発になります。社員各々が自身の計画や思考について深く考えるきっかけにもなり、結果的に新たな課題や発見を見つけることに繋がりやすくなります。自分からやってみようと挑んでいき、できるようになった事柄はすべて自己成長となるのです。社員の成長を促すのにアクティブリスニングは最も有効な手段と言えます。

 

03アクティブリスニングを実践する4つのメリット

アクティブリスニングを身に着けて実践するメリットについて解説します。

仕事を円滑に進めるためのコミュニケーションが活発になる

アクティブリスニングによる積極的傾聴では、話し手を受け入れているという姿勢で話を聞きます。話し手は真剣に聞いてもらっているという印象を受けるため、安心して自己を開示して話をするようになり、結果的にコミュニケーションが活発化しやすくなります。社員間の人間関係は、業務効率に影響を与えやすく円滑なコミュニケーションが最も大切になってきます。コミュニケーションにおいては、自分の意見を言う力に重きが置かれがちですが、社員同士の信頼関係を築く上でも、相手の言葉に耳を傾ける姿勢の方が大切になります。

問題解決能力の向上につながる

アクティブリスニングでは相手の話に敬意を持って傾聴し、共感と思いやりを示す姿勢で行うことが基本となります。適宜行う質問や相槌によって、話し手が内面を整理できる機会を与え、自分自身の力で問題を解決できたと思えるようになるのです。アクティブリスニングを意識することで自分自身で問題を整理して考え、解決の糸口をつかめるようになるというわけです。

様々なハラスメントの抑止力に繋がる

アクティブリスニングによって本音で話しやすい職場環境が作れると、より良い人間関係の構築にもつながります。アクティブリスニングを用いて相手の話に耳を傾ける姿勢を保てると、部下は上司に対してスムーズなコミュニケーションが取りやすく、心地良い環境を築けます。結果的にハラスメントが起こるような環境の回避にも繋がってきます。

 

04アクティブリスニングの2つの手法とステップ

ここからは実際にアクティブリスニングの手法とその具体的なステップをご紹介していきます。

バーバルコミュニケーション

バーバルコミュニケーションとは、言語的コミュニケーションを用いたアクティブリスニング手法になります。具体的な内容をご紹介します。

パラフレーズ

相手の言葉をオウム返しのように繰り返す手法を指します。話の中で重要なポイントを見出し、「今の話は〇〇ということでしょうか?」などと、話し手に振り返るきっかけを与え、相手が自然に自問自答できる機会をサポートをすることです。相手は話を聞いてもらえたと感じると共に、自分の言葉を振り返って思考し、新たな発見を見出すきっかけになることもあります。

オープン・クエスチョン

「はい」や「いいえ」で答えられない質問のことを指します。相手の話に共感しながら話の内容を広げるための質問を投げかけることで、話し手の本質的な内容や話の意図を再認識するサポートができます。ポイントとしては、Who(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)を引き出せる「5W1H」を意識した質問になるようにするということです。

ノンバーバルコミュニケーション

ノンバーバルコミュニケーションは、非言語的コミュニケーションのことを指します。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによると、会話をする際に話者が聴者に与える要素として言語情報は約7%、視覚や聴覚といった非言語情報が93%を占めていると提言しています。その非言語情報を具体的にご紹介します。

聞く姿勢

しっかり耳を傾けて聞いているという姿勢を示すために、話し手に身体を向けます。またリラックスして話ができるように、聞き手自身もリラックスし、腕や足を組んだりする姿勢は、威圧感を与えるため行わないようにします。相手との距離は、お互いのパーソナルスペースを守って近すぎず離れすぎずを意識するよう心がけましょう。

目線

話し手には適度に目線を合わせるように意識すると、相手も心の距離感が近くなったような感覚になり、話しやすくなります。目線を合わせすぎてしまうと、かえって緊張感が増してしまいますので、適度に目線を合わせることを意識するようにしましょう。

表情

話し手の表情に合わせながら話しを聞くと、理解されているという安心感を与えることができるものです。話の内容によって表情を変化させ、話し手が相談や悩み事を話しているときには、同じような表情で共感しながら傾聴することが大切です。

声のトーン

声のトーンを話し手とあわせる心がけも大事になってきます。質問や相槌を打つ時の声を気にかけるだけでも、話し手はリラックスして言葉を発することができるのです。

 

05アクティブリスニングの要となる3つの聞く姿勢とは

アクティブリスニングの要とも言える要素は「聞く姿勢」になります。ここでは、3つの聞く姿勢をご紹介します。

無条件に受け入れる姿勢

相手の話の内容に対して聞き手の主観的な評価を下すことなく、無条件に肯定することが大切です。アクティブリスニングは相手との駆け引きではないので、自分は自分、相手は相手と割り切る姿勢で臨み、相手を無条件に肯定して受け入れるようにします。話し手は自分の存在や意見を尊重してもらえますので、聞き手に良い印象を持ち、信頼関係の向上につながりやすくなります。

考えや感情が一致

話し手が表現している行動と考えている思考、感じている感情が一致していることが最も大切です。それができていると、自分の考え方に対して矛盾や混乱がなくなって心が統一されるので、自身の考えを研ぎ澄まして整理しやすい状態になります。聞き手は話が分かりにくい時には、分かりにくいことを言葉にして伝え、そのままにしないことが重要です。また聞き手には、自分をよく見せようとせず等身大の自分としてそこにいること感じてもらうことが大切です。そうすると、自然に話し手から本音を引き出せるようになります。

共感する姿勢

話し手に共感して、同じ立ち位置や視点で理解を示すことも大切です。相手に共通点を見出せると、心を開きやすくなり本音を交えたコミュニケーションも活発になります。

 

06アクティブリスニングを企業で実践する際のポイント

アクティブリスニングを企業で実践するには、効果を高めるいくつかのポイントがありますので、解説します。

アクティブリスニングの研修を開催する

アクティブリスニングを導入においては、人事教育部やメンター担当者を選んで研修に参加させるなどして、しっかりとスキルを学ばせることが大切です。アクティブラーニング研修の実施を外部に委託するか否か、どの会社に依頼するかによっても条件は変わりますので、、自社に合った研修を探してみましょう。スキルや経験を積んだ担当者は社内研修を開催することも可能になり、他の社員に浸透させることもできます。開催後には社員間で、より良い効果を発揮させることが期待できるでしょう。

役職別にロールプレイングを実践する

アクティブリスニングを実践するにあたって、ロールプレイングという有効的なトレーニング方法があります。「悩んでいる人」の役、相手が「励ます人」の役というようなイメージで、役割を回しながら短時間で何パターンか繰り返していく方法です。ロールプレイングでは、傾聴するというスキルを体験的に学ぶことができます。業務内容の異なる役職別にロールプレイングを実践すると、お互いに共感しながら習得できるので、効果も高まりやすいでしょう。話し手と対等な立場で向き合う姿勢を意識して、お互いに質問や応答の仕方で意見を交わしあい、工夫しながら実践していくと効果も上がりやすいです。

 

07傾聴力を向上させるSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

Schooビジネスプランの資料をもらう

Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実

傾聴力を向上させるSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、傾聴力を向上させる授業を紹介いたします。

聴く技術~リモート環境でもチームの心理的安全性を高める

本授業では、組織で働くすべての人が参考にできる「聴く力」について、これまでの傾聴の研修とは少し違う切り口で学んでいきます。

 
  • エール株式会社 代表取締役

    横浜国立大学経営システム科学科卒業。新卒でワークスアプリケーションズに入社。新規営業にて社長賞を受賞後、人事総務部のマネージャーを経て、GCストーリーへ。営業・新規事業開発、健康経営を支援する子会社を担当。両社にてGPTW「働きがいのある会社」ランキングにてベストカンパニーを受賞。2017年2月よりエール株式会社に入社し、同年10月に代表取締役に就任。現在、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の研究員として「個人の幸せと組織の生産性の両立」についての探究も行う。

聴く技術~リモート環境でもチームの心理的安全性を高めるを無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

ビジネスを成長させる「聞く」技術

この授業では3つの「聞く」技術について、外資系のトップコンサルとして活躍してこられた清水久三子先生と一緒に学んでいきます。

 
  • 株式会社アンド・クリエイト 代表取締役社長

    大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの変革プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成功しない」との思いから、専門を人材育成分野に移し、人材開発のプロジェクトをリード。 2005年に当時の社長から命を受け、コンサルティング&SI事業の人材開発部門リーダーとして育成プログラムを設計導入。ベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた。2013年に独立し執筆・講演活動を開始。講師として、大前研一ビジネス・ブレークスルー、日本能率協会、日経BPセミナー、大手銀行系研修会社などに多数のプログラムを提供し、高い集客と満足度を得ている。 著書は「一流の学び方」など現在18冊を出版。東洋経済オンライン、プレジデントオンラインなど連載多数。

ビジネスを成長させる「聞く」技術を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

 

08まとめ

アクティブリスニングについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。カウンセリングの分野で重視されてきたアクティブリスニングですが、近年では日本の企業でも導入され始めています。アクティブリスニングを活用して、企業の更なる発展に役立てたら幸いです。

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