公開日:2022/11/18
更新日:2023/01/20

Youメッセージの特徴とは?|Iメッセージとの違いや使える場面を解説

Youメッセージの特徴とは?|Iメッセージとの違いや使える場面を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ビジネスにおいてのコミュニケーションでは、YouメッセージやIメッセージと呼ばれるものがあります。これらはどのような特徴があるのでしょうか。それぞれについて使える場面についても解説していきます。

 

01Youメッセージとは「あなた」を主語にしたメッセージのこと

Youメッセージは、「あなた(You)」を主語として発せられるメッセージのことを示しています。発話しているのは、あくまでも「わたし」です。その「わたし」が、「あなた(You)」に対して、「あなたは〇〇ですね」といった、観察の結果や断定などで思っていることを発する際に、それはYouメッセージである、といわれます。Youメッセージには多くの特徴があります。この記事では、その特徴や適切に使える場面について解説していきます。

Iメッセージとは「わたし」を主語にしたメッセージのこと

Youメッセージを語る際に避けては通れないのが、Iメッセージについて知ることです。Youメッセージが「あなた(You)」を主語にしたメッセージであったことに対して、Iメッセージは「わたし(I)」を主語にしたメッセージのことです。こちらの場合も、発話しているのはあくまでも「わたし(I)」です。その「わたし(I)」が、「わたし(I)は〇〇だと思っています」といったように、自分の考えや想いなどを「わたし(I)」を主語にして語るものがIメッセージです。Youメッセージと合わせて、こちらの概念についても覚えておきましょう。

Weメッセージが使われることもある

「わたしたち(We)」や「みんな」などを主語にしたWeメッセージと呼ばれるものが使われる場合もあります。これは、YouメッセージやIメッセージに比べるとあまり見る機会はありませんが、例えば企業でビジョンやミッションについて語るときや、自分たちの目標などについて語るときなどに使われます。「わたしたち(We)は〇〇という目標を掲げています」というような使い方です。

 

02Youメッセージは決めつけに感じられることもある

Youメッセージの大きな特徴として、相手が決めつけられたと感じる可能性がある、というものがあります。「あなたは〇〇ですね」という言い方は、確かに聴き手によっては、「あなたにわたしの何が分かるのか」「わたしのことを勝手に決めつけないでほしい」という感情を呼び起こしてしまいかねません。

それがパーソナルな情報であったり、感情や性質であればなおさらでしょう。特にネガティブなものやそう捉えられそうなことに関しては、強い反発を招いてしまう可能性があります。

  • ・「あなたは怠け者ですね」
  • ・「あなたは考えが足りません」
  • ・「あなたはチームの足を引っ張っています」

このように言われてしまうと、たとえそれが正しい指摘であったとしても、頭ごなしに否定されたと反発してしまうものではないでしょうか。

Iメッセージが良いとされる場面が多い

近年では、基本的にビジネス上で伝えるのならばIメッセージで伝えるのが良い、とされています。「あなた(You)は〇〇である」というのは、伝えたいことをあくまで発信者の考えとして伝える方法です。そのためそう言われた側は、「それはあなたの勝手な勘違いです」と否定することができます。しかし、「わたし(I)はこう思います」という感想であるなら、それを言われた相手は否定しにくいでしょう。

  • ・「わたしの考えでは、あなたは努力が足りないように思います」
  • ・「わたしには、あなたが十分考えているようには感じられません」
  • ・「わたしは、あなたがチームのボトルネックであるように思えます」

たしかに辛辣な物言いかもしれませんが、Youメッセージの決めつけたような言い方と比較すると、多少は柔らかい言い方になっているでしょう。もちろん、これだけで終わらずにフォローしたり、なぜそう感じるのかなどを付け足す必要はあるでしょう。しかし、最初の一言で完全に反発されてしまうYouメッセージよりは、対話の余地が残されるのです。

Weメッセージは押しつけに感じることがある

「わたしたち(We)」を主語にする場合も、Youメッセージと同様に気をつけなければなりません。

  • ・「私達は、あなたを怠け者だと思っています」
  • ・「みんな、あなたの考えが足りないと感じています」
  • ・「みんなの足をあなたが引っ張っています」

このような言い方では、言われた側はYouメッセージよりもさらに委縮してしまうでしょうし、より強く反発するでしょう。言われた側からすると、相手が他者と連帯して自分を責めているように感じるからです。

ただし、会社のビジョンやミッションを浸透できれば、Weメッセージの使いどころによっては、強く事業を推進できる共通言語にもなりえます。 いずれにせよそれぞれのメッセージは使い方しだいですし、その場面は大いに吟味する必要があるのです。

 

03Youメッセージが向いていない場面

Youメッセージを効果的に活用するには、どのようなシーンに向いていないのかを把握しておく必要があります。どのような場面が向いていないのか、具体的に確認していきましょう。

  • 1.ネガティブなフィードバック
  • 2.指導に関連した指示や命令
  • 3.信頼関係が十分ではない場合
  • 4.目上の人に対する発言

1.ネガティブなフィードバック

前述した通り、Youメッセージでネガティブなフィードバックを伝えてしまうと、強い否定や押しつけ、こちらの言い分を無視した決めつけであるかのように受け取られてしまう可能性があります。本来、ネガティブなフィードバックは誰しもが聞きたくないものです。そして恐らく、指摘する側も積極的に指摘したいものではないでしょう。しかしビジネス上必要であるため、行わなければならないから行うのです。

その際にYouメッセージを使ってしまうと、相手がすぐに心の壁を作ってしまい、それ以降の話を聞いてもらえなくなる可能性が高くなります。そうすると、本題は「そのネガティブな面をどうやって直すか」という話であるにも関わらず、それを一切聞いてもらえない、という状況に陥るのです。ネガティブなフィードバックの場合は、なるべくIメッセージでやんわりと伝えるところから初めてみましょう。

2.指導に関連した指示や命令

前述のネガティブなフィードバックに付随して、必ずついて回るのが指導に関連する指示や命令です。このような弱みがあるから、それを直してほしい、そのためにこうしてほしい、と伝えるシーンなどが該当します。ここでもYouメッセージは避けたほうが良いでしょう。

  • ・「あなたは〇〇であるから、△△をしてください」
  • ・「あなたは××をすべきだ」

上記のように言われると、やはり言われた側は決めつけられた、こちらの言い分を聞いてくれない、押しつけだと感じてしまいます。ネガティブなフィードバックだけでなく、それに付随する指導もYouメッセージではなくIメッセージを使うようにするのが無難でしょう。

3.信頼関係が十分ではない場合

お互いが出会って間もない場合の関係性においても、Youメッセージは使用を控えたほうが良いでしょう。Youメッセージに「決めつけに感じられる」という特徴が、より強く、悪い形で作用してしまうためです。出会って間もない人から、自分に関することを決めつけられたらどうでしょうか。少なくとも良い気持ちはしないのではないでしょうか。たとえそれがポジティブな内容であっても、「あなたにわたしの何が分かるのか」と否定的に感じてしまうのは仕方がないでしょう。そうなると、それ以降の良好な関係を築くのが難しくなってしまいます。信頼関係が十分に築かれないうちは、Youメッセージを伝えるのは避けましょう。

4.目上の人に対する発言

目上の人に対する発言も、基本的にYouメッセージは避けたほうが良いでしょう。この場合は、ポジティブな発言であっても避けるのが無難です。Youメッセージは決めつけに感じられる、というのはこれまでもお伝えしているとおりです。決めつけはときとして、「上から目線」に感じられます。たとえポジティブな内容であっても、目下の者から上から目線の発言をされたら、不快に感じてしまう人もいるのではないでしょうか。非常に親しい関係でないのならば、なるべく目上の人にはYouメッセージは使用しないようにしておきましょう。

 

04Youメッセージが効果的な場面

多くのビジネスコミュニケーションの解説では、Iメッセージを基本にしたほうが良いともいわれています。しかし、一部にYouメッセージが効果的となる場面があります。どのような場面であるのか、以下で解説します。

  • 1.親しい間柄での感謝や賞賛
  • 2.機械的な情報の伝達
  • 3.やむを得ない叱責

1.親しい間柄での感謝や賞賛

しばらく一緒に仕事をしている同僚や部下、何年来の上司など、極めて親しい間柄であり、なおかつ感謝や賞賛の言葉であれば、Youメッセージは効果的に伝わることもあります。

  • ・「あなたは責任感がある」
  • ・「あなたの思慮深さのおかげだ」
  • ・「あなたがチームを引っ張っている」

こういった言葉は、深い間柄であれば違和感を持たれることなく相手に伝わります。「あなたがどう感じようと、事実として、あなたはすごいのだ」という強い賞賛は、場合によっては、Iメッセージよりも強い感謝の意志を伝えることができるのです。

2.機械的な情報の伝達

発話者の意志や意見が関係ない、機械的な情報伝達の場合には、よりストレートに伝わるYouメッセージは効果的です。例えば、会社からの辞令や命令、なんらかの措置などです。これは主語が「あなた(You)」でありながら、実際は、「あなたには〇〇という部署が向いています。と、組織は判断しました。」「あなたは〇〇という研修を受けねばなりません。と、組織が決定しました。」というような文意であるためです。機械的な情報伝達はより強くストレートにより直感的に伝わるべきであるため、発話者の意志が介在するIメッセージは、むしろ向いていないのです。また発話者の人格が介在しないため、受け取った側が反発するとしてもそれは組織に対してとなります。

3.やむを得ない叱責

何年も部下たちと接していると、やむを得ず、強いメッセージで伝え、指摘しなければならないタイミングがあるのも事実です。何かしらの不正や報告の嘘を指摘する場合などがそれにあたります。あまりにも度が過ぎる場合は、即刻懲戒処分となるかもしれません。しかし、訓戒や指導などで済まされる場合もあり、そのようなタイミングで強いメッセージを発することが必要となります。その際には、Youメッセージがもつ決めつけや上から目線であるという点を活用し、強いメッセージを発しているのだ、と相手に理解してもらうようにしましょう。当然ながら、その際にもハラスメントにならないよう言葉を選ぶ必要があります。強いメッセージであると理解してもらえたら、その後にはしっかりとフォローを入れ、立ち直れる支援を行うようにしましょう。

 

05伝え方について学ぶならSchooのオンライン研修

Schoo for Businessは、国内最大級8,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。

Schooビジネスプランの資料をもらう

Schoo for Businessの特長

Schoo for Businessには主に3つの特長があります。

【1】国内最大級8,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実

伝え方に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、8,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、伝え方に関する授業を紹介いたします。

みじかく伝える「鉄板の法則」

このコースでは、3回に分けて、つい長くなってしまうコトバをスッキリ簡潔にする方法を学びます。 会議やプレゼンテーションで言葉がまとまらず、ダラダラと話してしまうことはありませんか? 話を伝わりやすく短くするための3つのポイントを学び、シチュエーションによって使いこなすことができるようになる鉄板の法則を身につけるコースです。

 
  • マーケティングコーチ「短期間で成果につなげる1枚超訳家」

    1枚超訳のマーケティングコーチ。約6000商品のプロモーション開発、大手企業100社超のコンサルティング経験を体系化し、「“紙1枚”にまとめる」メソッドをプログラム化、これまでの受講者は、のべ4万人を超える。主著の『最強のコピーライティングバイブル』(ダイヤモンド社)は、Amazonビジネス部門、楽天ブックス、紀伊国屋にて1位の3冠を獲得するベストセラー。著書として、『迷えるリーダーがいますぐ持つべき1枚の未来地図』(日経BP社)他多数。横浜国立大学大学院博士課程前期経営学(MBA)修了。横浜国立大学成長戦略センター研究員、横浜国立大学客員講師、早稲田大学エクステンションセンター講師。CRMダイレクト株式会社代表取締役。

みじかく伝える「鉄板の法則」を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

元NHKキャスターが教える「話し方」「聞き方」「伝え方」【全2回】

この授業では、謝罪、催促、依頼など、ちょっと気後れしがちなシチュエーションがスムーズに運ぶような実践的な言葉や表現の選び方について、牛窪万里子先生にお話しいただきます。

 
  • 元NHKキャスター(株)メリディアンプロモーション代表取締役

    大学卒業後は大手飲料メーカーに就職。話し方やコミュニケーションの大切さを実感し、本格的に勉強し始めたことをきっかけにNHKキャスターに転身。NHK「おはよう日本」、「首都圏ネットワーク」等に出演し、これまでのインタビュー歴は著名人を含め、3000人以上にのぼる。 2002年、フリーアナウンサー事務所(株式会社メリディアンプロモーション)を立ち上げ、アナウンススクールも創設。現在は「身近なことからSDGs」のパーソナリティーを務めながら、放送経験を生かしたコミュニケーション法を指導する講演活動も行っている。

元NHKキャスターが教える「話し方」「聞き方」「伝え方」【全2回】を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

もっと1分で話せ-すべてのコミュニケーションは“ピラミッド”で伝わる-

この授業は、「1分で話せ」「1分で話せ2【超実践編】」の著者、Zアカデミア学長の伊藤羊一さんが、ロジカルに伝わるコミュニケーションの方法をご紹介する授業です。 話が伝わるひと、伝わらないひとの違いは、頭の中で“ピラミッド”ができていない、つまり「言いたいことを整理できていない」ということです。 授業のなかでは、“ピラミッド・ストラクチャー”というロジカルに整理するフレームワークを紹介し、「コミュニケーションの武器」として様々なシーンで活用する方法を実践していきます。

 
  • コZホールディングス株式会社 Zアカデミア学長

    武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長。日本興業銀行、プラスを経て2015年ヤフー。現在Zアカデミア学長としてZホールディングス全体の次世代リーダー開発を行う。 またウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてリーダー開発を行う。 2021年4月 武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)学部長就任。代表作に52万部超ベストセラー「1分で話せ」。ほか、「1行書くだけ日記」「FREE,FLAT,FUN」など。

もっと1分で話せ-すべてのコミュニケーションは“ピラミッド”で伝わる-業を無料視聴する

※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。

 

06まとめ

近年ではYouメッセージは避け、Iメッセージを使うほうが良い、とされています。多くの場面ではその通りですし、Youメッセージがいらぬ軋轢を生むこともあるでしょう。 しかし、実際に有用な場面があるのも確かなことです。これまでお伝えしてきたとおり、もっとも重要なのはどのメッセージがどの場面で有効かを知り、場面に合わせて使い分けることです。これを機に、自分や自社内でどのようなメッセージが使われているか、その使い方は適切であるか、ぜひ考えてみてください。

  • Twitter
  • Facebook
  • はてなブックマーク
  • LINE

20万人のビジネスマンに支持された楽しく学べるeラーニングSchoo(スクー)
資料では管理機能や動画コンテンツ一覧、導入事例、ご利用料金などをご紹介しております。
デモアカウントの発行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

お電話でもお気軽にお問い合わせください受付時間:平日10:00〜19:00

03-6416-1614

03-6416-1614

法人向けサービストップ