公開日:2023/01/12
更新日:2023/01/30

対比誤差とは?その問題点や社内で事前防止するための方法を解説

対比誤差とは?その問題点や社内で事前防止するための方法を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

多くの企業で人事評価制度が取り入れられていますが、中には正しく運用されていないケースがあります。適正な人事評価制度は従業員のモチベーションを上げ、企業をより発展させていきますが、人事評価制度が不十分だと、経営や企業の発展の弊害となり得ます。適正な評価ができていない状態として、対比誤差が挙げられます。対比誤差が起こると、従業員のモチベーション低下を招き、結果として組織力を低下させてしまいます。本記事では対比誤差が発生する原因や問題点、対比誤差を防ぐ方法について解説しています。

 

01対比誤差とは

対比誤差とは、人事評価の際、評価者が自分を基準として部下を評価してしまうことです。本来、部下の評価は客観的な基準を基にしなければなりません。対比誤差を行ってしまうと、主観的な評価となり、本当はもっと高い評価を受けるべき人が低い評価となってしまったり、あまり成果を挙げていない人が高い評価を得てしまったりするリスクがあります。

対比誤差の具体例

自分を基準として部下を評価してしまう対比誤差ですが、具体的にはどういうケースが考えられるのか解説していきます。

例えば、自身がじっくり考えるタイプの評価者がいたとして、仕事を進める際に感性を重視し、考えるよりもすぐ行動する部下を評価できない場合があります。または、とにかく行動することが大事だと考えている評価者がゆっくりと論理的な情報を集める部下を「リアクションが遅い」と低く評価してしまうことがあります。また、自分と似ているがために過大評価をしてしまうことも対比誤差といえます。その他、プレーヤーとして活躍した人がマネージャーに昇進した場合に、自分のプレーヤー時代と比較して「これくらいは簡単に出来るはずだ」などと自分の能力を基準に独自の基準で部下を評価してしまうケースは比較的起こりやすいと言えるでしょう。

働く人の6割以上が人事評価制度に不満

総合人材サービス企業であるアデコが実施した調査によると、働く人の6割以上が人事評価制度に不満を持っているそうです。そして、不満の理由としては「評価基準が不明確」が最も多い結果となっています。この結果から、評価される側としては、現状の評価基準に不満があることがわかります。しかし一方で、上司の8割は自分の評価は適切であると回答しています。上司と部下で評価制度に関する満足度が大きく異なるといえるでしょう。

▶︎参考:6割以上が勤務先の人事評価制度に不満、約8割が評価制度を見直す必要性を感じている|Adecco Group

 

02対比誤差が発生する原因

対比誤差とは、前述の通り評価者が評価基準を自分自身に設定することです。なぜそのようなことが起きてしまうのでしょうか?対比誤差が発生する原因についてみていきましょう。

1.評価者が自身の得意領域を過大評価している

評価者が自身の能力や得意分野を過大に評価している場合、対比誤差が発生する場合があります。自分自身を成功事例として基準に置き、部下を評価してしまうためです。

例えば、自分が営業におけるプレゼンテーション力が高いと思っていたとします。そんな自分と同じく、プレゼン力やトークスキルが高い部下を高く評価し、反対にプレゼン力はやや劣るものの、そこを資料作成力でカバーしている部下を低く評価してしまうことは対比誤差となりえます。 もちろん、社内で定義された評価基準として「プレゼンテーションスキル」という項目があるなら問題はありません。そういった基準がないにもかかわらず、自分が重視するスキルを偏重する場合、客観的な評価とは言えません。

2.評価者が従業員の業務を部分的にしか把握していない

評価者が部下の業務を部分的にしか把握していないと、対比誤差を引き起こす原因となり得ます。対比誤差は多くの場合、従業員が行う業務の一部について、評価者が自身と比較することにより発生します。自分がよく理解している特定の業務に関してだけで評価をしようとすると、客観的な評価ができないのは当然といえます。

また本来、評価は予め定められた項目と基準で行われるべきですので、仕事の一部だけでなく、全体をみてなされなければなりません。上司が部下の仕事の一部しか把握しておらず、その他の領域の仕事の評価を、知っている情報の範囲で推察して行ったとすれば、正当な評価がつくとは言えないでしょう。

このように、部下の業務を断片的にしか把握していなかったり、部分的にしか知らなかったとすると、主観的な評価の軸として自分との対比も入りやすく、対比誤差を起こしやすくなります。

3.人事評価基準が不明確

人事評価基準は明確にしなければなりません。人事評価基準が不明確な場合、評価者はそれぞれの判断の元、自分なりの評価基準を設定することとなります。仕事をするうえで何が重要か、どういった行動が望ましいか、成果達成の基準は何の指標を用いるかなどの考えは人によって様々です。「どれだけPDCAサイクルをうまく回せるかを最重視」「とにかく成果が一番。プロセスは参考程度」「仕事はスピード感が重要。考えるよりも行動することで物事を動かせる」などなど、人によって仕事のポイントが異なります。人事評価基準が不明確だと、自分なりの仕事の進め方や考えによって評価基準を設定するしかなく、結果として自分を基準として評価する対比誤差を起こしやすいといえるでしょう。

 

03対比誤差の問題点

自分を基準として評価する対比誤差が発生すると、高い評価を受けている人はまだしも、評価が低い人は不満がたまります。評価者の依怙贔屓とも受け取られ、従業員や組織全体にとってマイナスとなります。ここでは、対比誤差の問題点について解説していきます。

1.従業員のモチベーション低下

対比誤差は従業員のモチベーション低下を引き起こします。人事評価は、仮にその評価自体が良くなかった場合においても従業員自身がその評価に納得し、次のアクションを明確にできていればモチベーションの低下に一概には繋がりません。しかし、対比誤差によって上司の主観的な基準で低い評価となってしまった場合、その結果に従業員が納得できることは少ないでしょう。成長する意欲をなくし、仕事に身が入らなくなるようなこともあるかもしれません。

2.企業が求める人材育成の妨げとなる

対比誤差により、企業が目指している人材育成の妨げとなることがあります。人材育成は従業員の仕事の能力を向上させ、業績向上に貢献していくために行われます。自社の目標達成に向け、自社にとって必要な能力を持った従業員を育ていくことで、企業は成長できます。本来、評価の際にはその企業が描くプランに沿った能力や成果を示した従業員が高く評価されるはずです。そうすることで、企業が成長するのに必要な、企業が求めている人材育成を行うことができるためです。しかし、対比誤差が起こると適正な評価がなされません。本当なら企業が求めている行動や成果をしている従業員でも、評価者の一存により評価が低くなり、低評価を受けた従業員は「今のままじゃダメなんだ」と思い、本来なら正しい仕事のやり方を見直してしまう可能性があります。

3.組織力の低下

対比誤差は組織力の低下を招きかねません。組織力とは、組織として団結することで発揮される力のことで、企業が成長するためには組織力が重要です。いくら個人の能力が高い人が集まっているとしても、個人個人が別々の方向を向いていては、企業は成長できません。組織として団結し、全体の能力を高めることで組織力も高めることができ、組織力の強化は企業を成長させます。

組織力を高めるために重要なのは、やはり人です。従業員と企業が同じベクトルを向き、助け合い、適材適所の配置が行われ、きちんと従業員間でコミュニケーションが取れる環境で組織力は向上していきます。もしも対比誤差が発生していると、個人が不満を抱きながら仕事をすることとなります。そして、不満を抱いているとなかなか他の従業員のことを助けたり、自ら組織のために働こうとは思えなくなってしまいます。

 

04対比誤差を防ぐ方法

企業の成長の妨げとなってしまう対比誤差を防ぐには、公平・公正な人事評価制度を作ることと、それをきちんと社内に浸透させることが大切です。一つずつみていきましょう。

公平・公正な人事評価制度を構築する

対比誤差はそもそも、人事評価基準が曖昧であり、評価者が独自の基準で評価することにより発生します。そのため、まずはどの評価者でも同じように評価できるような公平・公正な人事評価制度を構築することが必要です。従業員に対し、「何を求めているのか」「どう行動することが望ましいのか」を明確にすることで、従業員もやるべきことが理解でき、また評価者も評価する際に主観が入りづらくなります。対比誤差を防ぐには、企業として適切な評価項目を設定し、客観的に評価できる仕組みを作ることが必要です。

人事評価方法を評価者に理解させる

公平・公正な人事評価制度を作ったとしても、それが浸透していなければ意味がありません。対比誤差を防ぎ、適正な評価を評価者がするためには、人事部門などが評価者に対し、企業の人事評価制度を理解させる必要があります。人事評価方法についての説明会を開いたり、研修を行ったり、マニュアルを作成して常に見られるようにしたり、新たに評価者となった人に教育をしたりといった対応を行いましょう。

 

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人事評価に関するSchooの講座を紹介

Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、人事評価に関する授業を紹介いたします。

目標設定と管理への基礎理解

この授業では適切な目標設定やその具体的な手法、フレームワークについて学びます。 講師には人材開発領域にてプロコーチとして活躍される大坂谷 勇輝氏(㈱MEXUS 代表コーチ/㈱LEBEN CAREER 代表取締役)を迎えし、全4回にわたり授業を届けます。

 
  • ㈱LEBEN CAREER CEO ㈱MEXUS CCO

    秋田県は男鹿市の生まれ。 大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。 前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。 2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 株式会社MEXUSでは、CCOとしてパーソナルコーチングサービス『REEED』を企画運営。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。

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人事評価に”自社の基準”はあるか〜設計思想の考え方から運用まで考える

基準に沿って従業員を評価して生産性を上げ、その先に企業の業績アップを目指すことが目的である「人事評価制度」。終身雇用が崩壊し、働き方の多様性も広がる中で、多くの企業が従業員が納得する制度は何か、試行錯誤しているのではないでしょうか。本来であれば、各企業によってミッションやビジョンが異なり、従業員に求めるスタンスが異なってくることから企業ごとに評価制度のカラーがあってもおかしくありませんが、グレードの設計や賞与の分配といった各論ばかりに目がいきがちです。 本授業では、このような具体的な指標を設計する前に必要な、「自社ならではの評価制度」の考え方と、制度を運用していく時に意識しておきたいポイントについて学んでいきます。

 
  • 株式会社キャスター取締役CRO

    株式会社キャスター取締役CRO。(株)リクルートHRマーケティング入社。09年6月に当時5名の(株)リブセンスに転職し、ジョブセンスの事業責任者として入社から2年半で東証マザーズへ史上最年少社長の上場に貢献。その後、DeNAのEC事業本部で営業責任者ののち、新規事業、採用責任者を歴任し、2016年より現職。2019年7月より「bosyu」の新規事業責任者も兼任。

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06まとめ

対比誤差が発生すると、従業員のモチベーションは低下し、企業としての成長が阻害される恐れがあります。評価は公平・公正に行われなければならず、対比誤差が起こらないような人事評価制度を構築することが大切です。

主観ではなく、企業として一貫した客観的な評価が行えるような仕組みを導入しましょう。

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