公開日:2021/09/09
更新日:2024/07/16

評価者研修とは?主なプログラム事例やエラーを防止するためのポイントを解説

評価者研修とは?主なプログラム事例やエラーを防止するためのポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

人事評価制度を設けている企業の多くが、評価者研修を実施しています。では、評価者研修とはどのような意味をもつのでしょうか。本記事では、人事評価制度に伴う評価者研修に関してプログラム事例や実施のポイントについて解説しています。評価者研修の目的を理解し実施していきましょう。

 

01評価者研修とは

評価者研修とは、人事評価を行う評価者に向けた研修です。評価者となる人材が、人事評価制度の仕組みや評価方法、評価基準などに理解を深め、評価スキルを向上させるために行うトレーニング・演習のことです。多くの企業で実施されており、評価者スキルの向上は公平な評価を行う上で重要であると認識されています。

評価者研修の導入率は7割を超えている

産労総合研究所の「2016年 評価制度の運用に関する調査」によると、評価者教育を実施している企業は71.4%で、7割以上の企業が評価者向けの評価者研修を実施していることが分かります。同じ調査により被評価者の訓練を実施している企業は22.6%で、被評価者に評価制度や評価軸等の理解を促進し意識レベル向上やモチベーション向上に取り組む企業がいることが分かっています。

参考:「産労総合研究所/2016年 評価制度の運用に関する調査」

 

02評価者研修の導入の目的

評価者研修の導入の目的は、組織内の人事評価プロセスを向上させることにあります。具体的には次のような目的が挙げられます。

  • ・正しく公平な人事評価能力を身につけるため
  • ・フィードバックスキルを高めるため
  • ・自社の成果につなげるため

上記のように、評価者研修は組織全体の人事評価プロセスを改善し、従業員の成長と組織の目標達成に向けて重要な役割を果たします。ここではそれぞれについて具体的に解説していきます。

正しく公平な人事評価能力を身につけるため

人事評価においては、さまざまなエラーが起きやすく被評価者の納得度合に影響を与えます。また、組織内での人材評価や昇進の決定などにも影響を与えるため、正確で公平な評価を行う必要があります。そのため、正しい評価を行うことが評価者の責務です。したがって、評価者研修は、評価基準や評価方法についての理解を深め、個々の評価者が客観的で公平な評価を行える能力を身につけることを目指します。

フィードバックスキルを高めるため

フィードバックは、組織内での成長や改善を促進するために重要な要素です。評価者は、適切なフィードバックを提供し、受け取る能力を持つ必要があります。評価者研修では、フィードバックの効果的な提供方法やコミュニケーションスキルの向上に焦点を当てることが一般的です。これにより、評価者は従業員との対話を通じて相互の成長を促進し、組織全体のパフォーマンスを向上させることが可能となるのです。

自社の成果につなげるため

自社の成果につなげるための評価者研修は、人的資本経営の観点から重要な役割を果たします。「人的資本経営」とは、従業員の能力、スキル、経験などの人的資源を組織の成果や競争力向上に活用することを重視する経営アプローチです。人的資本経営の理念では、従業員の能力やモチベーションを最大限に引き出し、組織の目標達成に貢献させることが重要視されます。

そのため、評価者研修を通じて、評価者が従業員の能力を正しく評価し、適切なフィードバックを提供することができれば、従業員のモチベーションやエンゲージメントが向上し、結果として組織の成果につなげることができるのです。

▼人的資本経営について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】人的資本経営とは?ポイントや開示の手順をわかりやすく解説

 

03評価者研修のコンテンツ事例

次に評価者の向けの研修で行うコンテンツの事例について解説していきます。評価者研修ではどのような研修を行うとよいのでしょうか。研修の内容を決める際の参考にして頂くのと同時に、必要な項目である点をおさえて研修を組んでいく必要があります。実際に行っている研修内容とも比較していきましょう。

人事評価制度の意味

どうして人事評価制度があるのか。人事評価を行うことは、どのような意味を持ち、どういった影響を持っているかについての理解を行います。人事評価制度を構築した意味や、自社における位置付けだけではなく、被評価者に与える影響なども理解する必要があります。特に、評価結果が与える意味合いや影響については、その後の人材育成やモチベーションに大きく影響する点を理解しておきましょう。

▼人事評価制度について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】人事評価制度とは?導入する目的や制度の運用を成功させるポイントを解説

評価者の役割

評価者の役割についても理解が必要です。自分が評価を行うことでの影響、評価をされる側の気持ちも理解していきます。同時に、自分が行う評価が持つ意味や何故、自分が評価を行うのかも合わせて理解していく必要があります。その他にも評価者としての心構えや責任といったテーマを理解し、日常の業務で行うべきことをしっかりと理解しておく必要がある点を伝えていきましょう。

評価基準

自社の人事評価における評価基準についての理解も必要です。5段階評価をする場合には、各項目別の判断基準を理解する必要があります。このように、全ての項目に対して評価基準を理解することは、必須の項目です。評価基準が分かっていなければ、評価できません。評価基準の理解は特に時間をかけて理解をするように説明していきましょう。

評価面談・フィードバック面談方法

その他に必要となるのが、評価面談とフィードバック面談の方法です。自己評価をもとに行う評価面談では、どういった成功体験を持っているのか、目標を達成しているかについてヒヤリングしていきます。このヒアリングでは、相手の気持ちを聞き出す能力が必要です。フィードバック面談においては、評価結果を伝えるだけではなく次回に向けてどのような期待をしているのか、どんな注意点があるかを伝えることになります。両者ともに、相手の気持ちを組みながらも伝えるべきことを伝える必要があるため、面談スキルの訓練も非常に重要な研修項目です。

 

04評価者が公平な評価を行うためのポイント

最後に、評価者が公平な評価を行うためのポイントについて解説していきます。公平な評価を行うためには、評価者研修を行うことだけが方法ではありません。人事部門として行うべき対策について解説していますので、評価者研修と合わせて複合的に実施をするようにしましょう。複合的な施策により有効な人事評価を実施することで、被評価者の納得度合も高い評価となります。

評価軸と基準の整備

評価を行う上で必要となる評価軸、評価基準の整備を行う必要があります。評価軸、評価基準は、公平さを維持するために整備後には公開をし周知を行います。周知することにより、どのような点に注意するべきなのか、どのような点を見られているかを意識することも可能です。また、人事評価における公平性はとても重要なキーワードであり、その点をふまえて内容の周知と理解を促していきましょう。

評価者研修は講義だけではなくワークも行う

評価者研修については、講義だけではなくワークを通して研修内容の理解を促進させます。実際にワークをすることで、人事評価で起きやすいエラーについて知ることや、評価の癖を知ることが可能です。実際の評価とワークは異なる点もありますが、いかに公平で論理的な評価を下せるかについて実践を繰り返すし、改善していくしかありません。評価者への研修や啓蒙をおこなうことで、エラー防止を進めていくといいでしょう。

評価者に求められる指針を啓蒙する

評価者は、常に評価をする側としての心構えを持つ必要があります。そのため、対象となる管理職にはその指針を定期的に啓蒙することが重要です。自分自身が公平な態度、公平な評価をするためには、人事評価におけるバイアスを理解し、普段の業務や社員との関わる中で意識しておく必要があります。評価面談が実施される前に、定期的に基準や指針を共有するといいでしょう。また、評価期間中のプロセスや定性面をどれだけ加味するのかなど、評価者で意見がわかれるところをどう解決するのかを共有し、社員が納得できる評価基準、その実施ができるようにしましょう。

 

05評価者研修ならSchoo for Bussiness

Schoo for Bussinessでは約8,500本の授業をご用意しており、タイムマネジメントの研修にも対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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1.研修と自己啓発を両方行うことができる

schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,500本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.自発的に学ぶ人材を育成できるSchooの講座

上記でも説明したように、Schooでは約8,500本もの動画を用意している上に、毎日新しいトピックに関する動画が配信されるため、研修に加えて自ら学び、成長する人材の育成が可能です。近年の社会のグローバル化やテクノロジーの進化などにより、企業を取り巻く環境が刻々と変化しています。それに伴い、社員の業務内容や求められるスキルも早いスパンで変化しています。このような予測のつかない時代の中で会社の競争力を維持するためには、社員一人一人が自発的に学び、成長させ続けることができる環境、いわば「学び続ける組織」になることが必要です。

Schooビジネスプランの講座では、体系的な社員研修だけでなく、自己啓発を通じて自発的に学び、成長できる人材を育成することが可能です。

ここでは、評価者研修に活用できるSchooの講座をご紹介します。

人事評価 部下の評価を正しく行うポイント

人事評価 部下の評価を正しく行うポイント
 

チームメンバーのパフォーマンスを適切に評価し、フィードバックを行うことは、メンバーが改善できる点を把握し、成長を促し、会社/組織全体のパフォーマンス向上につながります。このコースでは管理職、上司として公正な評価を行うための、考え方や基準、評価面談の進め方について解説します。

  • コンサルタントマネージャー

    株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパン コンサルタントマネージャー <経歴>小売業 統轄エリアマネージャー(22店舗担当)人事部部長、不動産業 人事課課長、大手販社 人材開発部マネージャー<得意分野>新入社員の接客・接遇・ビジネスマナーから上層階層のマネジメントスキルまで幅広く対応。クライアントの現状を細かくお伺いし、目指すべき姿を明確にし教育プログラムを構築します。

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人事評価に”自社の基準”はあるか〜設計思想の考え方から運用まで考える

人事評価に”自社の基準”はあるか〜設計思想の考え方から運用まで考える
 

基準に沿って従業員を評価して生産性を上げ、その先に企業の業績アップを目指すことが目的である「人事評価制度」。終身雇用が崩壊し、働き方の多様性も広がる中で、多くの企業が従業員が納得する制度は何か、試行錯誤しているのではないでしょうか。本来であれば、各企業によってミッションやビジョンが異なり、従業員に求めるスタンスが異なってくることから企業ごとに評価制度のカラーがあってもおかしくありませんが、グレードの設計や賞与の分配といった各論ばかりに目がいきがちです。本授業では、このような具体的な指標を設計する前に必要な、「自社ならではの評価制度」の考え方と、制度を運用していく時に意識しておきたいポイントについて学んでいきます。

  • 株式会社キャスター取締役CRO

    株式会社キャスター取締役CRO。(株)リクルートHRマーケティング入社。09年6月に当時5名の(株)リブセンスに転職し、ジョブセンスの事業責任者として入社から2年半で東証マザーズへ史上最年少社長の上場に貢献。その後、DeNAのEC事業本部で営業責任者ののち、新規事業、採用責任者を歴任し、2016年より現職。

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3.受講者の学習状況を把握し、人材育成に役立てることができる

Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、受講者がどんな内容の講座をどれくらいの長さ見ていたのかも把握することができるため、社員のキャリアプランの傾向を掴むことも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方2

管理画面では受講者それぞれの総受講時間を管理者が確認できるようになっており、いつ見たのか、いくつの講座を見たのか、どのくらいの時間見たのか、ということが一目でわかるようになっています。

管理画面の使い方1

さらに、受講履歴からは受講者がどのような分野の動画を頻繁に見ているかが簡単にわかるようになっており、受講者の興味のある分野を可視化することが可能です。これにより、社員がどのようなキャリアプランを持っているのかを把握できるだけでなく、社員のモチベーションを高めながら人材育成するためのヒントを得ることができます。

さらに、社員に自己啓発を目的として受講してもらっている場合、社員がどのような内容の授業を受講する傾向があるのかを把握できるため、社員のキャリアプランを把握することができます。

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
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・自己啓発への活用方法 など

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06まとめ

本記事は、評価者研修をテーマに人事評価における評価エラーの種類、評価研修のテーマなどについて解説しています。人の評価を行うことは大変なことです。常に意識をしながら、被評価者を見るだけではなく、公平にかつ納得度が高い評価ができるように育成を行っていきましょう。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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