リーダー候補とは?見極めから育成の課題・ポイントを紹介

「次世代リーダー育成」は、組織人事課題として優先度の高い課題に上がることが多いテーマです。ビジネス環境が加速度的に変化する現代において、企業はこれまでの成功体験に囚われず、変化・変革をリードできるリーダーを求めています。本記事では、リーダー候補の見極めや育成について、課題やポイントを詳しく解説します。
- 01.リーダー候補とは
- 02.リーダー候補の選出における課題
- 03.リーダー候補を見極める際のポイント
- 04.リーダー候補の育成における課題
- 05.リーダー候補の効果的な育成方法
- 06.次世代リーダー育成に役立つSchoo for Business
- 07.まとめ
01リーダー候補とは
リーダー候補とは、周囲に影響力を発揮して組織的な成果を出し、より大きな責任を担うことが期待される人材を指します。これは必ずしも、現段階の役職や個人としてのパフォーマンスのみで判断されるものではありません。本人の潜在的な力や志向性、組織としての方針など、さまざまな要素で判断されます。
リーダー候補の見極め・育成が重要な理由
時代や環境が移り変わっても、集団の核となるのは常に人です。そのため組織を導き、目標達成に向けて周囲に働きかけるリーダーは、今も昔も非常に重要な役割を担っています。リーダーの舵取りによって、組織は目指すべき方向に進むことができるためです。
一方、リーダーシップの発揮は複合的なスキルであり、一朝一夕で身につくものではありません。将来の中核人材を早期に発見して計画的に育成することは、企業の継続的な発展にとってとても重要な取り組みとなります。
02リーダー候補の選出における課題
リーダー候補を選出する際には、共通のリーダー像や評価基準が定まっていない、成果のみでリーダー適性を判断する誤解、など複数の課題が存在します。ここでは、リーダー選出に関する4つの課題を解説します。
共通のリーダー像や基準が明確に定義されていない
企業がリーダー候補を選定するうえで課題になりやすいのが、共通のリーダー像や基準の不足です。たとえば部署ごとに「リーダーらしさ」の解釈が異なる場合、計画的な選抜は困難です。自社のビジョンや戦略、そして優れたリーダーシップを発揮している社員像などをベースに、どのような人材に組織を引っ張ってほしいのかを言語化する必要があります。
好業績=リーダーという誤解
一般に、優れた業績をあげた人材はリーダーポジションに抜擢されやすい傾向があります。一方、一人で大きな成果を生み出せる能力と、複数のメンバーを率いて組織全体の成果を最大化する能力は、本質的に異なるものです。リーダーには、周囲によい影響力を発揮することが求められます。そのため単純な個人のパフォーマンスのみで選定しても、想定した成果につながらないケースがあります。
社員の能力が把握できていない
リーダー候補の選抜をするには、その適性を判断する必要があります。しかし特に人数規模の大きな組織では、判断材料となる社員一人ひとりのスキルや特性を把握するのは困難です。たとえ上司からの見立てや評価が共有されたとしても、上司との関係値やコミュニケーション頻度によって精度に差が生まれます。周囲からの意見を集める評価手法や、実践的な研修を通じた見極めなど、複数の角度から人材を捉える工夫が必要になります。
候補者側の意欲の欠如
近年キャリアの多様化にともない、管理職への昇進を望まない人も一定いると言われています。たとえばパーソル総合研究所が実施している「働く10,000人の就業・成長定点調査」によると、今後のキャリアとして「現在の会社で管理職になりたい」と答えた人(雇用形態・会社員)は、16.9%という結果でした。候補者の特性だけでなく、リーダー職の役割設計、制度、環境などに関わる問題も多く、会社がリーダーになるメリットを説明し、納得感を醸成する取り組みが重要です。
▶︎出典:パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査」
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03リーダー候補を見極める際のポイント
リーダー候補を見極める際は、個人の実績だけでなく、組織の変革をリードする能力や目標達成への強い意志が重要です。また、優れた人格や倫理観、無私の精神といった人間的資質も求められます。ここでは、リーダー候補を見極めるポイントを詳しく解説します。
期待役割と能力要件の明確化
リーダー候補を見極める前に、まずその判断基準を明確にする必要があります。将来的にその人物に、どのような役割を担わせたいのかを明確に定義しましょう。 その際は単に「チームをまとめられる人材」とするのではなく、自社の状況や成長フェーズに応じて検討することが重要です。例えば「新規事業を推進するリーダー」なのか「既存組織を安定的に運営するリーダー」なのかといった期待を具体化する必要があります。そして、その役割を果たすために必要となる能力要件を整理し、評価軸として落とし込むことで、感覚に頼らない客観的な選出が可能となります。
多面的な情報収集と客観的評価
リーダー候補を見極める際には、一面的な指標に依存せず、多角的な視点から情報を収集し評価することが不可欠です。例えば、定量的な業務実績だけではリーダーとしての適性を十分に測れません。そこで、360度評価や同僚・部下からのフィードバック、さらには個別面談を通じたコミュニケーションなど、複数の情報源を活用することが重要です。こうした多面的なデータを組み合わせることで、候補者の強みや課題を客観的に把握でき、属人的な判断に偏らない評価が可能となります。
リーダーシップへの意欲とキャリア志向の確認
リーダー候補を見極める際には、候補者自身がどの程度リーダー職に興味を持ち、将来的にどのようなキャリアを描いているかを把握することも大切です。周囲がその力を十分に認めていたとしても、本人にその意向がなかった場合、リーダーポジションへの登用が前向きに受け止められない可能性もあるでしょう。面談や対話の場を通じて、キャリアの方向性を率直に語ってもらう機会を設けることが有効です。
候補者への機会提供と観察
候補者に対して挑戦的な機会を早期に提供し、その中での行動や成長を観察することも重要です。例えば、通常より責任の大きいタフアサインメントを行うことで、困難な状況における判断力やチームを導く力が高まります。また早期選抜は、候補者が自らの可能性を意識し、主体的に成長するきっかけにもなります。このような実践の場を通じた観察は、単なる面接や評価シートでは見えにくい、リーダーとしての資質や意欲をより具体的に把握する点で役立つでしょう。
04リーダー候補の育成における課題
リーダー候補を計画的に育成するには多くの課題が存在します。育成体系の整備不足や母集団の小ささに加え、担当者の経験不足や業務との両立の難しさが障壁となり、継続的な育成を妨げています。
育成体系の未整備
リーダー候補を育成するためには、自社のリーダー要件に照らして、必要スキルの習得プロセスと実務機会を一体で設計することが重要です。一方で、育成プログラムが未整備なまま、OJT任せの個別対応に依存し、育成の一貫性が担保されないケースも少なくありません。
意欲ある人材の母集団が小さい
近年、キャリア観の多様化を背景に、必ずしも社内での昇進や管理職登用を目指さない人が増えています。こうした状況の背景には、社外も視野に入れたキャリア意識の広がりに加え、管理職の負担感の高まりも影響している可能性があります。リクルートマネジメントソリューションズの「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査(2025)」では、管理職層(管理職に課題感を持つ回答者)の49.2%が「管理職の仕事の増加や期待の高まりにより、負担が大きくなっている」を課題として挙げています。企業としては、業務設計や権限移譲、支援体制の整備などを通じて負荷を適正化し、挑戦が報われるキャリアの魅力度を高める環境づくりが求められます。
▶︎参照:「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査(2025)」の分析結果を発表|人材育成・研修のリクルートマネジメントソリューションズ
育成担当者の経験・スキル不足
リーダー候補を育成するには、対象者の課題を定義し、育成方針と打ち手(経験機会の設計、コーチング、フィードバックなど)を一貫させる多面的なスキルが求められます。一方で、体系的な育成プログラムや支援体制が整っていない場合、現場のラインマネジャー(直属上司)が育成を担う比重が高まりやすく、OJT担当者の「教える力」不足や指導のばらつきが課題として挙がることもあります。だからこそ企業としては、育成担当者(上司・メンター)向けの支援プログラムと運用体制を整えるとともに、指導・コーチング・フィードバックのスキルを組織的に底上げしていくことが重要です。
既存業務との両立の難しさ
リーダー候補の社員に対して成長を支援する場合、既存業務との両立が課題になることがあります。一般に業務のほうが緊急度が高く、研修やOJTは後回しにされがちで、想定通りの育成効果が得られない可能性もあります。組織としては、育成を戦略的な目的と位置づけ、時間的余裕や柔軟なスケジューリングの整備、例えば研修時間の明確な確保や業務負荷の調整など、制度的・運用的な支援策を講じることが必要です。
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05リーダー候補の効果的な育成方法
リーダー候補を将来的に活躍できる人材へと成長させるには、計画的な育成と実践機会の提供が重要です。ここでは、その具体的な方法を解説します。
ストレッチアサインメント
ストレッチアサインメントとは、リーダー候補に対し、現在の能力を少し上回るような挑戦的な業務や責任の大きな役割を意図的に与える育成方法です。「今のままでは達成できないが、努力や工夫次第で手が届く」という絶妙な負荷をかけることで、経験を通じた飛躍的な成長を促します。これには、新規事業の立ち上げや、異なる部門・職種・国での経験など、普段の業務では得られないような機会が含まれます。候補者は新しい経験を通じて視野を広げ、リーダーとしての資質を養います。
メンター・コーチング制度
メンターやコーチといった「成長の伴走者」を活用することも、リーダー候補の育成に有効な手段です。リーダーシップとは周囲への影響力の発揮であり、具体的な方法は人によってさまざまです。そのため開発においては、目標に向けた行動を実践し、内省と振り返りによって次のアクションにつなげることが不可欠です。一人でできる内省には限界がありますが、メンターやコーチングの制度を活用することで客観的なフィードバックを得やすくなります。
選抜型研修の実施
選抜型研修とは、将来性の高い人材を戦略的に抽出し、集中育成を行う仕組みです。内容はさまざまですが、たとえば経営の本質的な理論、戦略構築の思考法、グローバルな経営環境への洞察といった知識基盤や、チームでの討議、経営層への提言という実践などが含まれます。こうした機会を得ることで、参加者は早期からリーダーとしての視座を獲得し、部門を越えた関係性や共通認識を育むことができます。
企業内大学などの育成プラットフォーム構築
企業内大学などの育成プラットフォームは、体系的かつ継続的な人材育成を目的として組織内に設けられます。これらのプラットフォームでは、多岐にわたる専門講座が提供されることが多いです。eラーニングやオンライン学習などICTを活用した多様な学習スタイルを通じて、従業員は時間や場所にとらわれずに学ぶことができます。
具体的な例として、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの企業内大学「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)」や、ソフトバンクにおける後継者の発掘・育成を目的とした「ソフトバンクアカデミア」などがあります。
参照:ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン|サステナビリティ|コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
キャリア開発・能力発揮 | 企業・IR | ソフトバンク
06次世代リーダー育成に役立つSchoo for Business
リーダー育成を進める前に、eラーニングの活用が有効です。eラーニングは、パソコンやモバイル端末を利用し、時間や場所を選ばず自分のペースで学習を進められる柔軟性が大きな特長です。また繰り返し学べるため、定着のしやすさも利点として挙げられます。手頃な受講料で提供されることが多く、複数名での受講向けのお得なプランもあるため、コストパフォーマンスにも優れています。ここでは次世代リーダー育成に役立つSchooの研修を紹介します。
次世代リーダー育成研修 初級
カリキュラムでは、経営学の基本(理念と戦略)から始まり、事業を正しい改善へ導く手法(課題特定、目標設定、改善策策定)、OODAループの理解、会計の基礎知識(会社の価値指標、時価総額、のれん、PBR・ROEなど)、ティール組織論、投資家が求めるD&I、そしてリーダーシップの全体像について深く学びます。各分野で活躍する多様な専門家が講師を務め、実践的な知見を提供することが特徴です。本研修は全12回で構成されています。
| 第1回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】デザイン思考と不確実性 | 69分×1コマ |
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| 第2回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】デザイン思考と創造的なチーム -プロジェクト・テーマの作り方 編- | 77分×1コマ |
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| 第3回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】デザイン思考と発想力 -アイデアの生み出し方 編- | 74分×1コマ |
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| 第4回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】プロジェクト進行で起きる諸問題と対処法『プロマネの役割と問題症候群』 | 25分×1コマ |
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| 第5回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】プロジェクト進行で起きる諸問題と対処法『あいまいな目標症候群』 | 39分×1コマ |
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| 第6回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】プロジェクト進行で起きる諸問題と対処法『縦割り・分業症候群』 | 27分×1コマ |
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| 第7回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】プロジェクト進行で起きる諸問題と対処法『コミュニケーション不全症候群』 | 24分×1コマ |
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| 第8回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】財務モデリング入門『企業活動と財務諸表の概要』 | 10分×1コマ |
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| 第9回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】財務モデリング入門『企業活動と財務諸表の2つのつながり』 | 13分×1コマ |
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| 第10回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】財務モデリング入門『具体事例の概要』 | 16分×1コマ |
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| 第11回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】『マネジメントとリーダーシップ』 | 12分×1コマ |
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| 第12回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】『マネジメント 基本編』 | 11分×1コマ |
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次世代リーダー育成研修 中級
学習内容としては、デザイン思考を用いて不確実性に対応し、創造的なチームでアイデアを生み出す発想力を養います。さらに、プロジェクト進行中に発生しがちな問題(プロジェクトマネージャーの役割、目標の曖昧さ、縦割り組織、コミュニケーション不全など)への対処法や、財務モデリングの入門知識、そしてマネジメントとリーダーシップの基本について体系的に学びます。こちらも各分野の専門家が講師を担当し、全12回のオンライン授業で構成されています。
| 第1回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】組織を学問する「経営学」のキホン -理念と戦略- | 60分×1コマ |
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| 第2回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】事業を正しい改善に向かわせる -本当に解決すべき課題を明らかにする- | 60分×1コマ |
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| 第3回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】事業を正しい改善に向かわせる -適切な目標数値を設定する- | 61分×1コマ |
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| 第4回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】事業を正しい改善に向かわせる -最適なカイゼン方法を策定する-- | 61分×1コマ |
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| 第5回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】O / O / D / A / ループ を1つずつ理解する | 34分×1コマ |
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| 第6回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】会計の基礎的事項の確認 | 15分×1コマ |
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| 第7回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】会社の価値指標を知る 時価総額・のれん | 24分×1コマ |
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| 第8回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】会社の価値指標を知る PBR・ROE | 26分×1コマ |
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| 第9回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】会計を通じて社会の見方や動向を知る | 32分×1コマ |
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| 第10回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】ティール (成人発達理論) と組織状態の可視化 | 27分×1コマ |
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| 第11回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】投資家が企業に求めるD&I - 人的資本から理解する | 51分×1コマ |
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| 第12回 | 時間 | 研修内容 |
| 【次世代リーダー育成研修カリキュラム版】リーダーシップの全体像 -リーダーシップとは何か?- | 65分×1コマ |
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07まとめ
真に力のあるリーダーを育てるには、知識やスキルを教えるだけでは不十分です。挑戦的な業務アサインや、先輩リーダーからの直接指導、厳選された育成プログラムなどを組み合わせて支援することが重要です。様々な背景を持つ人材をリーダー層へと引き上げ、組織の人的な厚みを増していくことは、事業の成長と価値の最大化に役立ちます。