マネジメント能力とは|必要なスキルや高める方法を紹介

マネジメントとは、組織の成果を上げるための手段のことです。マネージャーが高いマネジメント能力を身につけられれば、チームの目標達成に近づけます。ここでは、マネージャーに求められるスキルや知識・マネージャーの育成方法を解説します。
- 01.マネジメント能力とは
- 02.マネジメント能力とリーダーシップの違い
- 03.マネジメント能力に必要不可欠な7つのスキル
- 04.今後求められるマネジメント能力
- 05.マネジメント能力を高める方法
- 06.Schooのマネジメント研修
- 07.まとめ
01マネジメント能力とは

オンライン学習サービスSchooの「15分で学ぶ 元Googleシニアマネージャーが教えるマネジメントの授業」という授業で、Aqxis 合同会社 代表の多田 翼氏は、マネジメント能力を以下のように定義しています。
マネジメント能力とは、「目的を達成するための最適化手法」のことです。マネジメントは単なる管理に留まらず、様々な制約や矛盾がある中で泥臭くやりくりし、最適解を見出す能力を指します。その役割は、目的の達成、成果の最大化、そしてマネージャーがいなくても組織が回る仕組みを構築することの3点に整理できます。
対象領域は、目的(Why)、戦略(What)、オペレーション(How)、組織・人(Who)の4象限に及びます。特に人を動かす際は、命令ではなく信頼や感謝を通じて相手の内発的動機付けを引き出す姿勢が重要です。また、現状と理想のギャップを埋める問題解決力も欠かせません。
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Aqxis 合同会社 代表
Google でシニアマーケティングリサーチマネージャーを経て独立。2年間のフリーランス (個人事業主) を経て Aqxis 合同会社(https://aqxis.biz)を設立し代表に就任。Google 以前はインテージにてマーケティングリサーチ業務に従事。
02マネジメント能力とリーダーシップの違い

オンライン学習サービスSchooの「15分で学ぶ 元Googleシニアマネージャーが教えるマネジメントの授業」という授業で、Aqxis 合同会社 代表の多田 翼氏は、マネジメント能力とリーダーシップの共通点と相違点を以下のように説明しています。
マネジメントとリーダーシップは、共に「目的達成」を目指し、「人を動かす」営みであり、いずれも後天的に伸ばせる能力という共通点があります。
両者の決定的な違いは、リーダーシップが「欲求と行動」であるのに対し、マネジメントは「手法(メソッド)」である点です。マネジメントは、様々な制約や矛盾の中でやりくりし、成果を最大化するための「最適化手法」です。自分が不在でも組織が回る仕組みを構築する役割を担います。
対して、リーダーシップは目的達成に向けた内発的な「欲求と行動」そのものです。ビジョンを描いて目指す先を示し、自ら行動して周囲を先導します。構想力や決断力、人がついていきたいと感じる人間力が重要視されます。総じて、リーダーシップは「どこへ向かうかという意志と牽引」であり、マネジメントは「それをどう実現し効率化するかという手段」と言えます。
03マネジメント能力に必要不可欠な7つのスキル
マネジメントは、総合格闘技と呼ばれるくらい必要なスキルは多岐にわたります。マネジメント能力を細分化した際に、代表的なスキルは主に以下の7つが挙げられます。
- 1:戦略を策定する力
- 2:適切な目標を設定する力
- 3:進捗を管理する力
- 4:目標を達成できるチームを作る力
- 5:人材を育成する力
- 6:組織やメンバーの状態を把握する力
- 7:意思決定をする力
上記で挙げたスキルもさらに細分化されます。例えば、人を育成する力にはコーチングもあればフィードバックもあり、ティーチングも含まれます。
1:戦略を策定する力
マネジメントに必要な能力として、戦略を策定する力は欠かせません。戦略とは、目的(目標数値)を達成するためにリソース配分を意味します。
リソースには、主にヒト・モノ・カネ・情報・時間の5つがあります。マネジメントという文脈では、メンバーのリソースをどの業務に分配するかを決める能力が重要となります。
2:適切な目標を設定する力
適切な目標設定は、メンバーのやる気を引き出したり、成長を促したりする効果があります。そのため、マネジメント能力の中でも、適切な目標設定をする力は非常に重要になります。
目標が低い場合はメンバーの成長機会を奪うことになり、目標が高すぎる場合はそもそも達成できないので仕事への意欲が削がれてしまいます。したがって、頑張れば達成できるくらいの目標を見定める力が求められるのです。
3:進捗を管理する力
目標や個々の業務に対しての進捗管理も、マネジメント能力の1つです。マネジメントがなぜ必要かと言えば、目的(目標数値)を何とか成し遂げるためです。つまり、目的に対しての進捗を把握し、管理する力は必須のスキルと言えます。/p>
また、数字以外にも業務の進捗管理も求められます。個々の施策の進捗を把握・管理して、目的を達成するために必要な量や速度が保たれているかを常に管理する必要があるためです。
4:目標を達成できるチームを作る力
目標を達成できるチームを作る力、いわゆるチームビルディングもマネジメント能力の1つです。互いに助け合い、高め合う関係性をつくることで、目標を達成できる確率を高めることができます。
また、強いチームをつくることはワークエンゲージメントを一定に保つ効果もあります。仕事への意欲が下がった時に、周りのメンバーが前向きに頑張っている様子を見れば、周りに迷惑をかけたくないと鼓舞する作用も期待できるでしょう。
5:人材を育成する力
人材を育成する力は、マネジメント能力の中で最も重要なスキルと言えるでしょう。短期視点だけでなく、中長期の視点でも人材を育成できなければ企業としての成長は止まってしまいます。
人材を育成する力は多岐にわたりますが、代表的なスキルとしてはティーチング・コーチング・フィードバックがあります。昨今ではコーチングを重視する風潮もありますが、大事なことはこれらをメンバーの状態・能力に合わせて、適切に使い分けることです。
6:組織やメンバーの状態を把握する力
成果に向かって組織の実行力が高まっている状態かどうかを把握するアセスメント能力は、マネージャーにとって重要です。 なぜなら、組織の状態を正しく判断できなければ、その後の対応が難しいからです。 組織が成果に向かって活動ができる状態であるかを判断するには、注意深く観察する必要があります。組織構成員一人ひとりの単位で判断し、個々人の状態に対して適切な対応をとらなければなりません。 このように、現状について正しく評価できる能力がマネージャーにとって必要不可欠なのです。
7:意思決定をする力
マネージャーは、チームのプロジェクトや人材管理をしていくなかで、多くの意思決定が求められます。 決断を後回しにしてしまうと、プロジェクトの進行が遅れてしまい高い成果を上げることができなくなってしまいます。また、チームの施策や、チームメンバーへのフォローを迅速に行っていかなければ、メンバーのやる気を削いでしまうこともあり得ます。 スピード感があり、かつチームメンバーからの納得感を得られるような意思決定の力が必要不可欠です。
04今後求められるマネジメント能力

オンライン学習サービスSchooの「管理職ビギナーのためのマネジメント教室」という授業で、株式会社ポケットカルチャー 代表取締役の冨塚 優氏は、今後求められるマネジメント能力を以下のように説明しています。
今後求められるマネジメント能力において、まず重要なのは「人と自分の価値観が異なることを理解する」力です。特にリモート環境下では、画面越しに相手の真意や顔色を読み取ることが難しいため、相手がどこへ向かいたいのか、何を大切にしているかという個人の「目的地(ありたい姿)」を深く理解し、それに伴走する姿勢が不可欠となります。これは、相手を目的地まで安全に送り届ける「馬車(コーチ)」としての役割を果たすための基盤となる考え方です。
次に「言葉の定義を明確にする」能力です。「ビジョン」や「コンセプト」といった横文字は、人によって「目標」「将来像」「理念」など解釈がバラバラになりやすく、組織のベクトルを狂わせる原因となります。そのため、「ビジョン」を「ありたい姿」と再定義するなど、平易な言葉で組織内の認識を統一することが重要です。抽象的な表現を避け、誰もが同じ景色を思い浮かべられる「共通言語」を持つことで、コミュニケーションのロスを最小限に抑え、確実な成果に繋げることができます。
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株式会社ポケットカルチャー 代表取締役
1988年3月立教大学法学部法学科卒業、株式会社リクルートに入社。人材領域に16年間携わり、営業部長、リクナビ編集長などを歴任。2004年より国内旅行領域(じゃらん)の責任者となり、2008年に株式会社リクルート執行役員に就任。じゃらん・ホットペッパーなどを扱うリクルートライフスタイルの社長、ゼクシィ・スタディサプリなどを扱うリクルートマーケティングパートナーズの社長など、様々な領域の責任者を歴任。累計1万人以上をマネジメントしてきた。2018年3月に同社を退職し、現在は現職の他、株式会社イオレの代表取締役社長、株式会社Gunosyの社外取締役・複数の企業の顧問を行う
05マネジメント能力を高める方法
チームの目標達成のため、マネージャーはどのようにマネジメント能力を高めていけば良いのでしょうか。 ここでは、マネージャーがマネジメント能力を高めるにあたって、理解を深めるべき内容について解説します。
1.正しい知識を身につける
マネジメント能力を高めるには、まずは正しい知識を身につけましょう。研修で学ぶことはもちろんですが、個人でも書籍や動画で学ぶことができます。
その際には注意点が2つあります。1つは、世の中に出回っている情報や知識が全て正しいものとは限らないことです。我流のマネジメント論が書籍や動画になっていることも珍しくありません。そのため、信用性の高いものを選び、正しい知識を習得する必要があります。
もう1つは、組織の文化や従業員規模などの前提条件を考慮するという点です。ベンチャーと大企業では、従業員数はもちろんのこと、組織文化や成長速度も異なります。そのため、大企業で理想とされたマネジメント論がベンチャーでそのまま適応できるとは限らないという点に留意する必要があるのです。
2.実践する
正しい知識を身につけても、実践で活用できなければ意味がありません。失敗することに怯えず、学んだことはすぐに実践してみましょう。
マネジメント手法も多種多様で、何が自身に適しているかは実践してみないとわかりません。メンバーに淡々とフィードバックができる人もいれば、指摘することが苦手な人もいます。そのため、まずは実践して苦手ということを自身で自覚する必要があるのです。
3.振り返りをする
実践した後は、必ず振り返りをしましょう。自分が得意なこと・苦手なこと、上手くできたことや失敗したことなどを内省します。
その内省を踏まえて、また学び、再度実践してみるという繰り返しによって、徐々にマネジメント能力は向上していきます。
4.フィードバックをもらう
自身で内省しているだけでは、客観的な視点が抜けてしまうので、フィードバックをもらう工夫もしましょう。
特にメンバーにフィードバックをもらうような仕組みを作ると効果的です。自分の発言がどのように伝わっているか、自分が狙いとしていることは実現できていたのかなど、メンバーの視点で厳しいフィードバックをもらえる仕組みを作りましょう。
メンバーにフィードバックをもらうことで、自身の弱みを相手に見せることにも繋がるだけでなく、成長意欲をメンバーに背中で示すこともできます。管理職になっても、プライドを捨てて、自身の成長のために若手からフィードバックを貰おうとする姿勢は、メンバーにも勉強になるはずです。
5.課題や悩みを相談できる場をつくる
マネジメントには、課題や悩みが常に付き纏います。その際に相談できる相手や場所があることは、自身だけでなく周囲の能力向上にも繋がります。
例えば、自身の上司に1on1で相談させてもらったり、同じレイヤーの管理職とグループチャットを作ったりすると良いでしょう。ただし、愚痴の言い合いをする場所にならないように、その集まりの目的は常に意識しながら、生産性の高い会話をする意識は常に持っておく必要があります。
06Schooのマネジメント研修
Schoo for Businessは、国内最大級9,000本以上の講座を保有しており、マネジメント能力の向上に繋がるコンテンツも揃っております。
導入企業数は4,000社以上、マネジメント研修はもちろん新入社員研修からDX研修まで幅広く活用いただけ、自律学習の支援ツールとしてもご利用いただいております。
| 受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
| アーカイブ本数 | 9,000本 ※2023年5月時点 |
| 研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
| 費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
| 契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
大企業から中小企業まで4,000社以上が導入
Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで4,000社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、IT人材育成もあれば階層別研修やDX研修としての利用、自律学習としての利用やキャリア開発の目的で導入いただくこともあります。
導入事例も掲載しているので、ご興味のあるものがあれば一読いただけますと幸いです。以下から資料請求いただくことで導入事例集もプレゼントしております。そちらも併せて参考にいただけますと幸いです。
マネジメント能力を学べるコンテンツ例
Schoo for Businessの、9,000本から、部下の指導方法を学べるコンテンツの一部をご紹介します。管理職研修の内容を決める際に、参考にしてみてください。
組織を育てるリーダーの コーチング思考と対話法
| 第1回 | チームを導くリーダーの セルフコーチング |
| 時間 | 60分 |
| 研修内容 |
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| 第2回 | メンバーを導く コーチングの聴き方 |
| 時間 | 60分 |
| 研修内容 |
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| 第3回 | 動機づけを促す コーチングの技術 |
| 時間 | 60分 |
| 研修内容 |
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この授業では、組織づくりやメンバーとの関わりに着目し、実践できる考え方と対話法を解説しています。全3回完結で、コーチングスキルの一部を紹介しながら、ビジネスの場で活かしていくためのポイントをお伝えしています。
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㈱LEBEN CAREER CEO
大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。前社退職後、東南アジアにて半年間のバックパッカー生活。 帰国後、製薬業界にて、人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。 同社では「コーチングを受けたい・学びたい」というビジネスパーソン向けにコーチングサービスの『LCPコーチング』及び、コーチングスクール『LCPコーチングアカデミー』を運営。 専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。
パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」
| 第1回 | パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」 |
| 時間 | 60分 |
| 研修内容 |
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| 第2回 | 組織・チームを強化するポジティブ フィードバックのコツ |
| 時間 | 60分 |
| 研修内容 |
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ポジティブフィードバックとは人や物・出来事の良い面を指摘するフィードバックの一種です。このコースでは、チームのモチベーションをアップさせ、パフォーマンスを改善させる手法について学ぶことができます。
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国際エグゼクティブコーチ
株式会社グローバル・キャリアデザイン代表取締役。国際エグゼクティブコーチ、企業研修講師、コンサルタントとして活動。ポジティブフィードバックを活用したコーチングが好評を博し、法人、個人問わず、グループ面談やセミナーなどを提供。最近は、企業から依頼を受け、経営者、リーダー等にポジティブフィードバックを始めとするビジネススキルを伝承している。
パワハラと業務指導 線引きの考え方 -管理職向け
| 第1回 | パワハラ問題の多様な局面と判断要素 |
| 時間 | 25分 |
| 研修内容 |
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| 第2回 | 「必要性」と「相当性」の具体的な考え方 |
| 時間 | 35分 |
| 研修内容 |
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このコースでは管理職や上司、先輩による部下、後輩への業務指導がパワハラに当たってしまうのか否かの線引きについて大前提となる考え方を解説しています。
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高井・岡芹法律事務所 弁護士
2004年早稲田大学卒業。2007年東京弁護士会登録。2011年経営法曹会議会員。企業側弁護士として、労働問題の解決に取り組む。中でもハラスメント等の問題社員対応、職場のLGBTの問題を専門とする。単著として『1冊でわかる!改正早わかりシリーズ パワハラ防止の実務対応』(労務行政)、共著として『知らないでは済まされない!LGBT実務対応Q&A―職場・企業、社会生活、学校、家庭での解決指針―』(民事法研究会)などがある。
07まとめ
マネージャーは、チームの目標達成を実現する非常に重要な役職です。チームの成果はマネージャーの力によって左右されるともいえます。マネジメントがうまくいけば、結果としてチームは高いパフォーマンスを残すことができます。 この記事を機に、マネジメントに関する知識を学び必要なスキルを身につけましょう。