マネジメント能力とは?必要スキルや高め方、研修カリキュラムを紹介

マネジメントとは、組織の成果を上げるための手段のことです。マネージャーが高いマネジメント能力を身につけられれば、チームの目標達成に近づけます。ここでは、マネージャーに求められるスキルや知識・マネージャーの育成方法を解説します。
- 01.マネジメント能力とは
- 02.マネジメント能力に必要不可欠な7つのスキル
- 03.マネジメント能力を高める方法
- 04.マネジメント能力の誤った考え方3選
- 05.Schooのマネジメント研修
- 06.まとめ
01マネジメント能力とは
マネジメントとは、組織の目的を達成するための手段のことです。また、単に目的を達成するためだけではなく、成果を最大化させたり、組織が回るような仕組みを整えていくこともマネジメントに含まれます。 マネジメントを日本語に訳すと「経営管理」となりますが、実際の役割は管理でなく組織に成果を上げさせる機能のことを指しています。 このことから、マネジメント能力とは「経営資源を管理する能力」を意味します。管理の責任範囲は、役職によって異なり、課長やマネージャーなどであれば担当するチームや部署、経営者であれば企業全体となります。
マネジメントの対象
マネジメントの対象は組織や人を指すと考えられがちですが、4W1Hのフレームワークのうち、4つを使って以下のように分けられます。
- Why:目的、存在意義、ビジョン
- What:戦略
- How:オペレーション
- Who:組織や人
まず、「Why」では、目的とは何かを考えたり、存在意義の見直し、ビジョンをアップデートすることも対象としています。2つ目の「What」においては、戦略においてやることと、やらないことを区別することを指します。3つ目の「How」はオペレーション、つまり業務プロセスやプロジェクトの管理を指します。4つ目の「Who」は自分の所属する組織や人を指します。 これらのように、マネジメントの対象は多岐に渡ると理解しておく必要があります。
指示・統制型と対話・支援型を使い分ける
これまでのマネジメント能力は、経験・知見を持つ人がマネージャーとなり、組織や人に対して指示や統制をとるといった、指示・統制型が一般的でした。これは、既存の方法で解決できるような技術的問題に対して有効であると言えます。しかし、昨今は課題や問題が複雑化し、既存の知見では解決できないことが増えています。そこで、メンバーから意見をヒアリングして、一緒に解決を目指していくような対話・支援型のマネジメントが求められるようになっています。もちろん、指示・統制型が有効なケースもありますので、対話・支援型のマネジメントと使い分けることが大切です。
リーダーシップとの違い
マネジメント能力と似た言葉で「リーダーシップ」というものが存在します。リーダーシップとは、会社やチームなどの組織において、目標達成に向け、引っ張っていくリーダーとしての資質や能力のことを指します。リーダーシップは発揮する対象がヒト(人)のみなのに対して、マネジメント能力はヒトに限らず、モノ・カネ・情報と呼ばれる経営資源の管理も求められるのが特徴です。
▼リーダーシップについて詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】リーダーシップとは?役割とタイプ、発揮するために必要な要素を解説
02マネジメント能力に必要不可欠な7つのスキル
マネジメント能力は大きく7種類のスキルが存在します。次で7種類を解説していきますが、これらはどのようなレイヤーのマネージャーでも一定の応用が効く能力要件です。ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.ファシリテーション能力
マネージャーには、高いファシリテーション能力が求められます。 ファシリテーション能力とは円滑な会議やミーティングを進行する能力です。自身の主張を押し付けるのではなく、ほかのメンバーの発言を促し意見を整理することで、議論の結論を導き出していくことが重要です。なぜなら、マネージャーばかり発言量が増えてしまうと、チームメンバーの主体性が低い組織となってしまうからです 。ファシリテーション能力を高めることで、チームメンバーの意見が活発に飛び交うような議論を進められます。一人ひとりが自分で考えて発言し、それぞれが組織の課題を「自分ごと」として捉えていく仕組みづくりをしましょう。
2.意思決定能力
マネージャーは、チームのプロジェクトや人材管理をしていくなかで、多くの意思決定が求められます。 決断を後回しにしてしまうと、プロジェクトの進行が遅れてしまい高い成果を上げることができなくなってしまいます。また、チームの施策や、チームメンバーへのフォローを迅速に行っていかなければ、メンバーのやる気を削いでしまうこともあり得ます。 スピード感があり、かつチームメンバーからの納得感を得られるような意思決定の力が必要不可欠です。
3.計画・管理能力
マネージャーは、チーム目標達成のため、長期的な目線でプロジェクトやメンバーの行動計画を立て、管理することが求められます。 そもそも、マネジメントとは「目標達成に向けて、チーム力を最大限に引き出し、プロセスを管理すること」であると理解されています。マネジメントで成果を残すには、目の前の課題や利益といった短期的な視点にとらわれてはいけません。中長期的視点から現状把握することで、今後どのような道筋を立てれば良いか明らかになります。 また、目先の数字ばかりに気を取られてしまうと、チームメンバーの悩みや不安に気づけない恐れもあります。中長期的な視点に立ち、チームメンバーが高いパフォーマンスを残せるよう行動計画を立てて管理しましょう。
4.コーチング力
現状を正しく評価できたら、さらに良い方向に向かうように組織構成員に働きかける必要があります。コーチング力はその際に重要なスキルです。 現状を正しく評価できたとしても、改善できなければ成果にはつながりません。正しく評価したうえで、改善に向けて組織構成員を導かなければならないのです。 具体的には、改善の必要性に気づかせ、どのように対処すべきか話し合い、組織構成員が前向きに改善に向けて対応していくことが理想的です。 このような状態に導くために、コーチング力は重要なのです。
5.戦略立案・目標設定力
成果を出すための創造的活動である戦略立案・目標設定力は、マネジメントをするうえで必要不可欠なスキル・能力です。 なぜなら、成果を出すための方向性はどの組織でも必ず同じ、ということではなく、もっと良い着眼点や効率的に実施する方法などを考えていく必要があるためです。 このように、戦略立案・目標設定力という創造的活動は、マネージャーにとって不可欠な能力なのです。
6.アセスメント(診断)能力
成果に向かって組織の実行力が高まっている状態かどうかを把握するアセスメント能力は、マネージャーにとって重要です。 なぜなら、組織の状態を正しく判断できなければ、その後の対応が難しいからです。 組織が成果に向かって活動ができる状態であるかを判断するには、注意深く観察する必要があります。組織構成員一人ひとりの単位で判断し、個々人の状態に対して適切な対応をとらなければなりません。 このように、現状について正しく評価できる能力がマネージャーにとって必要不可欠なのです。
7.プロジェクトマネジメント力
組織構成員への働きかけだけではなく、タスクやプロジェクトのコントロールもマネージャーにとっては重要です。プロジェクトマネジメント力はその際に重要なスキルになります。 なぜなら、成果に向かって期間を限定して集中的に行うプロジェクトをどうマネジメントするかによって、成果は大きく変わるからです。 プロジェクトがスケジュールどおり進行し、期日どおりに成果物を出せるかどうかは、個々の細かいタスクごとに進捗を判断し、障害があればそれを取り除けるかにかかっています。 このように、プロジェクトマネジメント力は、マネージャーにとって組織構成員をマネジメントするのと同様、重要なスキルなのです。
03マネジメント能力を高める方法
チームの目標達成のため、マネージャーはどのようにマネジメント能力を高めていけば良いのでしょうか。 ここでは、マネージャーがマネジメント能力を高めるにあたって、理解を深めるべき内容について解説します。
1.チームビルディングの方法を理解する
チームビルディングとは、チームのメンバーがそれぞれもつスキルや能力を最大限に発揮し、一丸となって目標達成を目指すための取り組みです。チームメンバー同士が協力しあったり、それぞれの足りない箇所を補い合って目標達成を目指すためには、活発にコミュニケーションをとり、相互理解を深める必要があります。 コミュニケーションが促進されれば、業務に関する情報共有がスムーズになるだけでなく、目標達成へ向けたメンバーの意識を高めることもできます。 自分のチームに適したチームビルディングの方法を見つけ、実行しましょう。
2.部下への適切な指導方法を身に着ける
チームメンバーが高いパフォーマンスを発揮できるよう、指導していく必要があります。 一人ひとり分からない箇所や不安な箇所が異なるだけでなく、性格やモチベーションの原点もそれぞれ違うはずです。性格については、「自分から上司に尋ねることができない人」もいれば、「あまり詳細まで丁寧に教えてもらわず自分の力で進めたい人」などさまざまです。 部下の特徴を把握し、一人ひとりに最適な指導ができるよう指導方法に関する知識を身につけましょう。
3.目標を達成のための管理能力を身に着ける
マネージャーの仕事は「チームの目標達成」を実現することであるため、目標達成のための最適な管理方法も学んでおきたいところです。 目標管理や評価方法はさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。自社に適した目標管理や評価方法を導入することで、チームメンバーのモチベーションを向上させることが大切です。
4.課題解決能力を高める
課題解決力とは、問題が発生した要因や事象の分析、発生原因を洗い出し、整理し、問題を解決する対応可能な解決案を立案し、問題を解決に導く能力です。課題解決力を身につけるためには、以下が必要となります。
- ・フレームワークなどの考える枠組みを理解して活用すること
- ・論理的思考力を身につけ、事象の要因をつきとめること(ロジカルシンキング・クリティカルシンキング)
これらは頭でわかっていても、訓練していかないと実践することが難しいものばかりです。まずは知識をつけていくことが第一ですが、日常の業務や生活の中で、常に課題の本質を考える習慣をつけていくようにしましょう。
▼課題解決力について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】課題解決力とは?課題解決力とは何かを解説
5.コミュニケーションスキルを高める
マネジメントをする上で求められるコミュニケーションスキルは以下が挙げられます。
- ・コーチング力
- ・伝達力
- ・関係構築力
- ・傾聴力
これらのスキルはコーチングやファシリテーションといった科目で学ぶことが可能です。書籍であれ、研修であれ、そのようなカリキュラムを選択しましょう。 コミュニケーションスキルを身につけるには、以下が重要です。
- ・メンバーの能力やスキルに合ったコミュニケーションの方法を、選択して実践すること
- ・組織全体から理解と共感を得て、やるべきことが促進されるようなコミュニケーションの方法論を理解し、実践すること
マネジメントをする上で必要なコミュニケーション能力は、プレイヤーとは異なるレベルのものを求められるので、上記の内容を押さえていきましょうね。
04マネジメント能力の誤った考え方3選
マネジメント能力は時として、誤った理解がなされます。そして、その誤った理解が組織の崩壊や売り上げの縮小などを生んでしまいます。ここでは、マネジメント初心者が陥りがちな誤った考え方について解説していくので、確認していきましょう。
根性論の押し付け
「とにかく行動量でカバーしていく」「必死にやれば成果に繋がる」と考え、根性論で乗り切ろうとすることは誤りです。マネジメントレイヤーの人の中には、プレイヤー時代に行動量を重視していた人もいることでしょう。根性論を押し付けすぎると、メンバーの体力が低下し、モチベーションやパフォーマンスに悪影響をもたらすこともあります。そのため、パフォーマンスの低いメンバーがいても根性論に走ることなく、成果を出すための道筋を論理的に作り出すことが重要です。
細かな指示
なるべく細かく指示を出すことは短期的な成果に繋がるため、ついついやってしまいがちですが、メンバーが自分自身で考えることをやめてしまうため、成長の機会を奪ってしまうことになります。そのため、まずは目標を与え、できる限り部下に任せていくことも必要です。これは成果に繋がりづらく、ついつい横から指示を出したくなってしまうものですが、一定の忍耐力を持って、臨んでいきましょう。
自分のやり方を押し付ける
自分自身がプレイヤー時代にやっていたやり方が必ずしも他のメンバーや部下に合っているとは限りません。メンバーも自分のやり方を持っている場合があるので、自分のやり方を押し付けるのではなく、選択肢の一つとして提示する程度に留めましょう。また、メンバーがうまくいかなかった時に、自分に合ったやり方を自分自身で見つけることも重要です。
05Schooのマネジメント研修
Schooでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
Schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
2.マネジメントスキルを学びたい/学ばせたい方におすすめのマネジメント研修パッケージ
マネジメントスキルを学びたい/学ばせたい方には、Schooのマネジメント研修パッケージがおすすめです。マネジメント研修パッケージでは、ストレスマネジメントやビジョンマネジメント、リスクマネジメント、モチベーションマネジメントなど、マネージャーに必要なマネジメントスキルに関するカリキュラムを組み合わせて網羅的に構成されており、マネジメントスキルを体系的に学ぶことができます。
さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。
-
中堅社員を対象とした、セルフマネジメントのカリキュラムです。仕事の効率化に活かせるセルフマネジメント方法について学べる内容になっています。
-
マネージャー向けのリスクマネジメントを学べるカリキュラムです。リスクマネジメントを事例を交えながら体系的に学べる内容となっています。
-
マネージャー向けの組織マネジメントについて学べるカリキュラムです。マネージャーの役割と業務について体系的に学んだ上で、具体的にチームで成果を出していくために必要なことについて学習できる研修となっています。
-
営業の効率化に活かせるタイムマネジメントについて学ぶカリキュラムです。営業マンが効率的に日々を過ごすコツについて学べる内容となっています。
-
マネージャー向けのビジョンマネジメントを学べるカリキュラムです。ビジョンとは何かという基本的な内容から具体的なビジョン実現のためのアプローチ方法まで体系的に学べる内容となっています。
-
ストレスマネジメントの基礎について学びたい方向けの研修パッケージです。職場におけるストレスとの付き合い方や、不安やストレスに悩まないための習慣づけなどを学ぶことができます。
-
マネジメントのスキルをレベルアップさせたいという方向けの研修パッケージです。チームや部下をマネジメントする際に必要な「即断力」について学び、「部下が自主的に動いてくれない」、「ルールを決めても守らない」といったお悩みを解消する「壁マネジメント術」について学ぶことができます。
-
部下や後輩などのモチベーションを向上させたいという方向けの、モチベーションマネジメントの研修パッケージです。行動変容を促す働きかけのコツや、モチベーションマネジメントの実践スキルなどについて学ぶことができます。
3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

まず、Schooビジネスプランの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
06まとめ
マネージャーは、チームの目標達成を実現する非常に重要な役職です。チームの成果はマネージャーの力によって左右されるともいえます。マネジメントがうまくいけば、結果としてチームは高いパフォーマンスを残すことができます。 この記事を機に、マネジメントに関する知識を学び必要なスキルを身につけましょう。