「研修」と「セミナー」の違いは?目的に応じた正しい選択を

自己研鑽のために、自ら社外の「セミナー」や「研修」に出向き学んでいる方の中でも、両者の違いを明確に認識している方は少ないのではないでしょうか。今回のこの記事では、セミナーと研修の違いや、両者のメリット・デメリットをご紹介するだけでなく、両者を企業の人材育成の一つとしてどのように導入すべきかも解説します。ぜひ、自社の人材育成にお役立てください。
- 01.セミナーとは?
- 02.研修とは
- 03.セミナーと研修の違い
- 04.オンライン研修とオンラインセミナーのニーズが高まっている
- 05.Schooが提供する企業向け学習パッケージ
- 06.まとめ
01セミナーとは?
セミナーという言葉には、少人数を対象にした講習会という意味があり、設定されたテーマを元に講義が行われることを表しています。大学のゼミナール(ゼミ)と同義ですから、ゼミを想像すると言葉のイメージが掴みやすいでしょう。
セミナーのスタイルはさまざまで、講師が常に話し続ける形式、複数の専門家が集められ特定のテーマについて講演するパネルディスカッション形式、参加者も手を動かすワークショップ形式などがあります。参加する際は、自分が学びたいテーマにふさわしいセミナーは何か、見極める必要があるでしょう。
セミナーには、上述の通りさまざまな形式がありそれぞれにメリット・デメリットがありますが、今回は、セミナーそのものに参加するメリットやデメリットについて紹介します。
セミナーに参加するメリット
最新の情報や専門的な情報を入手できる
セミナーに参加すると、講師が持っている独自のノウハウやまだあまり知られていない最新の情報に触れることができます。セミナーは、同じテーマであっても、さまざまなレベルや切り口で開催されていることが多く、興味や熟達度などを元に自分に適したものを選ぶことができます。情報収集は書籍やインターネットが主流ですが、書籍には書かれていないノウハウに触れられるのがセミナーのメリットであり魅力といえます。
仕事以外の人脈を広げられる
仕事やプライベートでは知り合うことのない人たちと交流ができることも、セミナーに参加するメリットの一つです。同じセミナーに参加するということは、同じテーマに興味関心があるということ。その新たな出会いの中からは、新しい仕事が発生したり、長年にわたり付き合える仲間が生まれたりすることも少なくありません。
視野が広がる
上でも述べましたが、セミナーでは、書籍やインターネットからは得られない情報を得る機会に恵まれることもあります。セミナーを開催する多くの講師は、その道の専門家です。専門家としての知見を聞けたり、質疑応答の時間で自分の予想しない方法で問題を対処する方法を知れたりなど、視野を広げられるポイントがたくさんあることもセミナーに参加するメリットです。
セミナーに参加するデメリット
講師が選んだ情報に左右される
数多くのセミナーが日々開催されていますが、その中身は玉石混交。よくも悪くも、講師が選んだ情報によってセミナーの質は左右されます。例えば、新しい情報を知りたいと思いセミナーに参加をしても、希望通り目新しい情報を知ることができる場合もあれば、一般的な情報を扱っており新しい情報を得られないこともあるかもしれません。
特に初めて参加するセミナーでは、そういった失敗を経験された方も少なくないのではないでしょうか。失敗をできる限り避けるには、信頼できる人からの紹介を通じて参加するという方法もおすすめです。
参加者から勧誘を受けることがある
すべてのセミナーに起こるわけではありませんが、時折、勧誘目的でセミナーに参加する人がいます。セミナーが終わり、お互いに名刺交換したら、その後からビジネスの勧誘をしつこく受けるようになった……という話を耳にしたことがある方もいらっしゃるはないでしょうか。
最近では、セミナーの主催者が参加条件や誓約書を提示して、勧誘目的の人を参加させないようにしてくれるケースも増えてきましたのでもし勧誘などを受けたくない、という気持ちがあれば、参加条件などがしっかり明示されているセミナー参加するとしたほうがよさそうです。
02研修とは
これまでセミナーについて解説してきました。では、よく似た意味を持つ研修とは、どのようなものでしょうか。ここからは研修について解説していきます。
研修という言葉には、知識や技能などを修得することという意味があります。一般的に多くの企業で取り入れられているのはこの研修という学びの場です。セミナーに比べ、仕事に直結するスキルを学ぶ機会であると捉えると、両者の違いがわかりやすいのではないでしょうか。
研修に参加するメリット
仕事の問題点や解決策が明らかになる
研修では、講師の話を聞くだけでなく実際に手を動かして作業するものもあります。その過程で、それまで自分が抱えていた問題が浮上したり、その解決策が明らかになったりすることも。研修に参加することで、実務に直結する学びが得られるでしょう。
受講者同士の交流によって視野が広がる
研修によっては、グループワークがあったりディベートをしたりする機会が設けられていることもあります。社内であれ社外であれ、受講者同士が交流することで、自分と異なる意見や知恵に触れることができます。
自社との比較ができる
特に社外研修の場合ですが、講師の話や受講者同士の交流から自社の仕事と他社の仕事とを比較できるのも、メリットの一つです。仕事の仕組みや戦略などをつまびらかにすることはできなくても、「そういうやり方(考え方)があったのか!」と、創意工夫あるいは改善のヒントを得られるかもしれません。
研修に参加するデメリット
講師が選んだ情報に左右される
セミナーも研修も同様ですが、講師の選ぶ情報によって研修の内容が左右するため、受講者が得るものはまるで違います。受講者の心を掴み、わかりやすくかつ的確にポイントを捉えて研修を行ってくれる講師と出会えるとは限りません。また、参加した研修の講師が伝える内容と、あなたが知りたかった内容がぴったり合うことばかりではないかも知れません。
さらに、人気講師の研修はすぐに満席になってしまうことも多く、その点で質のいい研修を受けることにハードルがあるということもデメリットと言えるかも知れません。
想定していた内容と実際の研修内容が違うことがある
研修だけに限ったことではありませんが、想定していた内容と研修の内容が異なる場合があります。研修の場合はスキル修得が目的のことが多く、想定した内容と違う内容を受講するのは「費用と時間が無駄になってしまった……」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に研修の場合は、内容はもちろん、それを通してどのようなことが修得できるのかという出口の部分まで事前に把握しておく必要があるでしょう。
03セミナーと研修の違い

企業が人材育成としてセミナーや研修を導入するとしても、それぞれの違いがよくわからない方も少なくないと思われます。セミナーと研修の違いとしては以下の3つが挙げられます。
- 1.自発的か強制か
- 2.オープンかクローズドか
- 3.学べる内容
それぞれどういうことか、以下で解説します。
1.自発的か強制か
1つ目の違いとして、自発的に参加するのがセミナーで、強制されて参加するのが研修であると言う違いがあります。基本的にセミナーはビジネスパーソンが自発的に参加するもので、比較的意欲が高く、自分の身に着けるべきスキルがある程度明確であるビジネスパーソンが参加するものと考えられています。また、上司や会社の経営者から具体的なスキルを身に着けるよう求められたビジネスパーソンがセミナーに参加すると言うケースもあります。反対に、研修は会社が社員を育成することを目的に、社員それぞれに義務付けられたものであるとされています。いわば、業務上必要なスキルを学ぶ特別な勉強会のようなものです。しかし、基本的に義務付けられて参加するのが研修であるため、セミナーに比べて社員の意欲が低くなってしまう傾向があります。
2.オープンかクローズドか
2つ目の違いとしては、オープンかクローズドかと言うことが挙げられます。基本的にセミナーは不特定多数の企業・ビジネスパーソンを対象として行われるものとされています。「〇〇セミナー」と言うセミナーがあれば、そのセミナーは主催者がトピックを設定して講師を呼び、どんな企業・ビジネスパーソンを問わず参加することができると言うことです。反対に、研修の多くは社内で社員を対象に行われるため、他社の社員や関係の無い人が参加する事はほぼありません。社内で人材育成を行うために社内限定で開催されるのが研修なのです。
3.学べる内容
3つ目の違いは学べる内容の違いです。上述したように、セミナーは主催者が内容を決めて参加者を募るため、参加するビジネスパーソンがどんなスキル・知識を得たいと考えているかで学べる内容が決まります。基本的にセミナーで学ぶ内容は自分自身で決められると言うふうに理解できます。反対に、研修は社員が会社から求められた知識を学ぶための勉強会と言う要素が強く、自分で学びたい内容を選ぶことができないのです。そのため、学べる内容の幅はどうしても狭くなってしまいます。
04オンライン研修とオンラインセミナーのニーズが高まっている
近年、働き方改革やコロナウイルスの感染拡大の影響で、オンライン研修を行う会社が増えています。同じような理由で、オンラインセミナーも増加しているというトレンドがあります。本章では、実際にオンライン研修・セミナーのニーズがどれほど高まっているのかをご紹介します。
オンライン研修の導入検討状況のデータ

Schooの「人事学びゼミ」が行ったオンライン研修の実施・検討状況の調査では、コロナでオンライン研修を実施しようと検討している会社は全体の10.3%、導入をすでに開始している会社は42.1%、コロナ以前から導入している会社が42.1%、導入予定なしという会社が5.3%となっています。この調査の結果からわかるように、全体の94.7%の会社がオンライン研修を導入している、もしくは導入を検討しています。つまり、オンライン研修のニーズは高まっているということです。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

05Schooが提供する企業向け学習パッケージ
Schoo for Businessでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
2.様々な研修におすすめのSchooの研修パッケージ
上記でも説明したように、Schooでは約8,000本もの動画を用意しており、様々な研修に対応することができます。特に、階層別研修は、内定者・新入社員研修から管理職研修までが揃っており、階層別研修パッケージを活用することで、内定者・新入社員研修、若手社員研修、中堅社員研修、管理職研修の全てを行うことができます。また、それぞれの研修パッケージにも、階層によって必要なスキルに関する講座が網羅されているため、内容面でも充実した研修を行うことができます。
さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。
ここでは、例として新入社員研修を例としてご紹介します。
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新社会人のためのビジネスマナーの基本を学ぶカリキュラムです。第一印象の磨き方(身だしなみ・挨拶・敬語)や、社内マナー(ホウレンソウ・名刺交換・電話応対など)について解説しています。
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社会人としてのマインドセットを習得するためのカリキュラムです。「思考」「実行」の2つの視点で、すぐに現場で実践できるビジネスに必要な力を学びます。
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見やすいグラフやスライド資料の作成方法を学ぶカリキュラムです。独学で悩みがちの本テーマを、具体例や実践例を交えながらお伝えします。
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若手社員向けのロジカルシンキングに必要な思考法について学ぶカリキュラムです。論理性を高めて業務を遂行していく際に必要な思考法について解説していきます。
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Excelを活用したデータ分析について学べる研修パッケージです。データ分析をする際の考え方から、「並べ替え」「オートフィルタ」「ピボットテーブル」などのExcel分析に必要な機能について学ぶことができます。
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ビジネス文書やメール作成ついて学ぶカリキュラムです。社会人として求められる文章能力について詳しく解説していきます。
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若手社員向けのロジカルシンキングに必要な思考法について学ぶカリキュラムです。論理性を高めて業務を遂行していく際に必要な思考法について解説していきます。
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Wordの基礎技術を学習するためのカリキュラムです。Wordの操作方法や文書作成の基礎などを学ぶことができます。
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Excelの基礎技術を学習するためのカリキュラムです。新入社員や若手社員が知っておくべき基本スキルについて学ぶことができます。
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ファシリテーショングラフィック(グラレコ)のスキルを磨きたい、トレーニングをしたいという方向けの実践的な研修パッケージです。
3.Schooなら研修スケジュールが簡単に立てられる
研修期間が短く、必要な研修を全て実施することが難しいという場合はオンライン学習サービスを研修に取り入れてみるというのはいかがでしょうか。 オンライン学習サービスはPCやスマートフォンを使って動画講義を通じて学習するというもので、インターネットさえ繋がれば時間や場所を選ばずに学習できることが大きなメリットです。 Schoo for Businessでは、管理者側が受講者の研修スケジュールを管理することができるため、簡単に研修スケジュールを立てることができます。ここではその方法をご紹介します。
まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。
研修スケジュールを立てるだけでなく、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができるため、もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
06まとめ
- セミナーとは、少人数を対象にした講習会という意味があり、設定されたテーマを元に講義が行われる。書籍等では得られない最新の情報や専門的な情報を入手できることもあるが、内容は講師の選んだ情報によって左右されることもある。
- 研修とは、知識や技能などを修得することという意味があり、一般的に多くの企業で取り入れられている学びの場である。仕事の問題点や解決策を学ぶなど、セミナーに比べて実務に直結するインプットの場となることが多い。
- 企業の人材育成として導入検討する際は、「セミナー」は最新の知識やノウハウの修得を目的に、「研修」は実際の仕事につながる技術や知識の修得を目的として、それぞれ比較しながら検討するのがよい。
集合研修・OJTによる人材育成を加速させる。
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動画学習を活用することで事前に業務に関する知識をインプットをした上で、集合研修やOJTに臨むことができます。
それにより集合研修やOJTの場は知識の定着を図ったり疑問点を解決したりといった時間に充てることができ、 研修をより効果的に行うことが可能です。
ビジネスマナーやコミュニケーション力などの基本スキルから、営業・プログラミング・デザインなどの実務スキルまで学べるので、自発的に学び成長していける人材の育成促進につながります。