更新日:2026/01/30

合意形成とは?意見をまとめる方法と必要なスキルを徹底解説

合意形成とは?意見をまとめる方法と必要なスキルを徹底解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

合意形成とは、関係者が納得できる共通の結論を導くため、意見をすり合わせて意思決定するプロセスです。単なる意見の一致ではなく、主体的に納得に至ることが重要で、適切に合意形成することは組織やチームの問題解決や意思決定の円滑化に役立ちます。適切な準備・対話・振り返りを行い、共通利益に焦点を当てながら「賢明な合意」を目指すことで、信頼関係や企画精度の向上につながります。

 

01合意形成とは?

企画提案を通すための合意形成技術

合意形成とは、「関係者の意見・利害を調整し、受容可能な結論に至るプロセス」を意味する言葉です。またSchoo授業『企画提案を通すための合意形成技術』に登壇する酒井文也先生は、提案する側の視点で「相手自身が、こちらが提示した案に思考がいきつくよう導いていくこと」と定義しています。

一般に、提案の背景にはその合理性や有効性を示す事象やデータ、ロジックがあり、情報の受け手はそれらに基づいて内容の妥当性を判断します。一方でその内容が十分に伝達できなかったり、情報の受け手の理解が及ばないと、納得感をもって意思決定することはできません。合意形成の場においては、こちらが提示した案や方向性に対し、相手自身が思考を巡らせ、できるだけ自然に納得感を持って受け入れられるように導くことが大切なのです。

相手の立場や考えを尊重しながら対話を進め、相手が自ら意思決定したという感覚を持つことで、合意形成は真に効果的かつ持続可能なものとなります。

  • リクルートコミュニケーションズ クリエイティブディレクター

    株式会社リクルートに入社以来、一貫して制作セクションを担当。 これまで300社(機関)を超える顧客を担当。現在は主に大学や専門学校の教育機関を中心に募集戦略、ブランディング、組織改革、ビジョン・ミッション策定、インナーコミュニケーションなど幅広く手掛けている。社内の年間最高賞、社外の広告賞など多数受賞。

合意形成のメリット

企画提案を通すための合意形成技術

合意形成をしっかり行うことは、多くのメリットがあります。
酒井先生によれば、合意形成の主なメリットは以下の3つです。

  • 1)その後の進行がスムーズになる
  • 2)パートナーシップが強まる
  • 3)企画・施策の精度があがる

まずは、相手が納得して合意形成をしているので、提案内容の進行に協力を得やすくなる点です。意見や利害の細かな調整に力を注ぐ必要がなくなり、調整コストや労力が削減できます。

また、提案の受け手がその内容を自分事として捉えてくれた場合、その案件の「共謀者」としてパートナーシップが強化されます。このような関係を築けた場合、進行にあたって何らかの障壁が生まれても、その解消に関係者が主体的に行動することが期待できます。

さらに、十分な合意を経た企画や施策は、関係者全員が納得しているためブレが少なく、途中での大幅な修正も必要になりにくいでしょう。その結果、責任の所在も明確になり、安心して役割分担できる体制が整います。こうしたメリットによって、合意形成は組織の成果を最大化するための重要な基盤となるのです。

 

02合意形成の基本フロー

企画提案を通すための合意形成技術

合意形成の精度を高め成功させるには、「想定」「実践」「振り返り」の3つのプロセスを繰り返すことが不可欠です。この一連の流れを徹底することで、質の高い合意と実行力が生まれます。本章では、引き続き、Schoo for Businessの授業『企画提案を通すための合意形成技術』を参考に、合意形成の基本フローについて、解説します。

ステップ1:想定

合意形成におけるステップ1「想定」は、今回の合意のテーマは何か、ゴールは何か、相手の特性、誰がキーマンか、どんなストーリーでどんな語り方をするか、といった内容を、事前に細かく想定するフェーズです。このあとに続く「実践」も「振り返り」も、このフェーズで作成した「想定」に基づいて行うため、すべての起点となる最も重要なプロセスと言えるでしょう。

この想定は、単なる準備ではなく、当日の会議や商談を脳内で具体的にシュミレーションする作業です。会議室の状況や持ち時間などを具体的にイメージし、時間が想定よりもかかったときの延長の可否や、途中での入退室の有無、プロジェクターやホワイトボードの有無といった要素も加味します。

また重要なのが、対話相手の想定です。よく話すタイプなのか、聞くに徹するタイプなのかといった相手の特性を踏まえてコミュニケーション戦略を変更します。

ステップ2:実践

ステップ2「実践」では、事前の想定(シミュレーション)に基づき、実際に相手と対峙して合意形成を進めます。何かを提案する場であると、つい提案者側が「話す」場になりがちですが、酒井先生は、「聞く(傾聴)→話す→見る(状況)」を基本スタンスにすることを解説しています。聞く姿勢をベースにすることは、相手に同意や理解の姿勢が伝えられるだけではなく、自分の緊張もほぐれやすくなり、話の進み方に応じた柔軟な軌道修正が可能になります。

また「1対1」と「1対多」のシチュエーションでアプローチが異なりますが、共通して重要なのは「説得ではなく相談のスタンス」で臨むことです。対人の場であるため、当然批判的意見が出ることもあるでしょう。そんな時にも「なるほど」と一旦受け止め、「ではこういう点はどうですか?」と相談する姿勢を崩さないことが、相手の納得獲得につながります。

ステップ3:振り返り

ステップ3「振り返り」は、合意形成の質を高めるために欠かせないプロセスです。対人のやりとりそのものはステップ2「実践」で完結しますが、その結果を分析し改善につなげることで、次回以降の合意形成がより精度の高いものとなります。

振り返りの目的は、「想定(シミュレーション)」と「実践」のギャップを確認し、修正することです。人物に対する想定は適切だったか、描いたシナリオ通りに話が進んだか、など、さまざまな観点から評価します。

振り返りのポイントは、記憶が新しいうちに行うことです。時間が経つほどにリアルな振り返りが難しくなるので、会議が終わった直後、帰りの電車の中などで思い返すようにしましょう。また、頭の中で思い出すだけでなく、紙やドキュメントに書き出すなどして整理しておくと良いでしょう。こうした振り返りの習慣こそが、合意形成のプロセス全体を磨き上げ、合意形成力を持続的に強化する鍵となります。

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03合意形成のポイント

合意形成のポイントは、合意しやすい事項から進め、共通の利益に焦点を当て、双方にメリットのある「賢明な合意」を目指すことです。ここからは、Schoo for Business の授業『交渉術の基礎と実践』の内容を参考に、合意形成をスムーズに進めるうえでのポイントについて解説していきます。

  • 株式会社マネジメント21 代表取締役

    1972年早稲田大学法学部卒業。 San Francisco State College, Madrid University留学。米国と欧州にそれぞれ2年間 生活して交友と見聞を広める。 商社、メーカーなどでプロジェクトマネジャーなどを経験。「中小企業診断士」取得を機にコンサルティング・ファームで活動する機会を得る。伊藤忠ビジネスコンサルティング(株)の組織戦略推進部長を経て、1996年(社)中部産業連盟(トヨタグループ200社余などが会員企業)に入職し東京本部プロジェクト開発室長を歴任。 2010年1月に(株)マネジメント21を設立、代表取締役になる。 製造業、商社、販売業、損保代理店などの多数の国内外企業で、コンサルティング指導および教育研修をする。テーマは経営戦略、マーケティング戦略,新商品・新事業開発、現場改善と業務改善,管理職・コアマン育成、営業マン育成・営業幹部育成、CS・ES刷新、QC改善、ISO9001と14001の認証取得指導、リスクマネジメントなど多岐にわたる。 東京商工会議所や地方商工会議所、りそな総合研究所、ちばぎん総合研究所、浜銀総合研究所、日本政策金融公庫、職業能力開発協会及び県庁や市役所などで多く研修、公開セミナー、研修の講師を歴任する。 [主な著書]:「新商品・新事業開発大事典」(日刊工業新聞社、共著)「中小企業の生産マネジメント(中小企業金融公庫、共著)その他経営雑誌などに論文・記事あり。 コンサルティング・ファーム マネジメント21 mail:manabe@manegement21.net

合意形成しやすいところから進める

合意形成のポイントの1つ目は、協議事項をリストアップし、合意しやすいものから順に進めて相互理解を深めることです。初めから難しい課題に取り組むと対立が生じ、議論が行き詰まる恐れがあります。そのため、まずは共有できる問題や意見の一致点を確認し合い、信頼関係を築いたうえで、段階的に合意困難なテーマへ移行することが重要です。

共通の利益・関心に焦点を合わせる

交渉術の基礎と実践

ポイントの2つ目は、自分の利益関心と相手の利益関心の「共通するポイント」に焦点を当てることです。相違点ばかりを強調すると対立が深まりますが、一致点を見つけて掘り下げれば、双方にとって価値ある解決策を導けます。共通の利益関心を基盤に議論を展開することで、相互理解が進み、より持続的で納得度の高い合意形成が可能となるでしょう。

「賢明な合意」を目指す

合意形成のポイント3つ目は、相手と自分双方にとってメリットのある「賢明な合意」を目指すことです。そのためには、まず相手が必要としていることや不足している点を明確にし、自分の強みを活かした提案を行うことが重要です。なんらかのオプションを提示するときは、まず自分の負担を最小限にした選択肢を提示し、負担の大きいアイデアは切り札として活用するようにします。相手のメリットを具体的に強調し、留保条件を設定して「三方よし」の着地点を探ることで、利害を調整しながら持続的に有効な合意を形成できます。

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04合意形成を進めるうえで必要なスキル

合意形成を円滑に進めるには、情報収集と洞察力で相手を理解し、ロジカルシンキングで論理的に整理する力が不可欠です。さらに、シナリオ設計力や伝達力、傾聴力、質問力、ファシリテーションスキルを駆使することで、双方が納得できる建設的な合意を導くことが可能となります。

情報収集・洞察力

合意形成を効果的に進めるには、情報収集と洞察力が重要です。まず、相手の立場や利害関係、過去の発言・行動を丁寧に調べ、交渉や議論の前提となる情報を把握します。その上で、相手の価値観や優先順位、可能な反応を想定する洞察力が求められます。相手のポジションや言動から提案に対するリアクションを予測し、複数のシナリオに備えることで、自分と相手双方にメリットのある着地点を見極めやすくなり、建設的な合意形成を促します。

▶︎関連記事:情報収集能力とは|高い人の特徴や鍛え方について解説

ロジカルシンキング

合意形成を進めるうえで必要なスキルの1つとして、ロジカルシンキングがあります。意見や主張をただ述べるだけでなく、事実やデータに基づき論理的に整理・構造化することで、相手に納得感を与えやすくなります。また、議論の過程で矛盾や抜け漏れを早期に発見し、適切に補強・修正できるため、対立を最小化しながら合意点を明確に導き出せます。主張に対して合理的な判断材料を提供することで、相手の納得度を高め、双方にとって建設的な合意形成が可能となります。

▶︎関連記事:ロジカルシンキングとは?構成する要素や鍛える方法を解説

批判的思考(クリティカルシンキング)とは?類似用語の違いや導入のメリットについて解説する

シナリオ設計力

合意形成におけるシナリオ設計力とは、相手と合意に至るまでの道筋を、あらかじめ解像度高く描き出す力です。事前の「想定」フェーズにおいて、相手の特性や立場を踏まえてどんな意見が出るのか、対話のパターンを複数想定しながら、議論の展開や問いかけを設計します。

上で解説した「合意形成のフロー」のうち、振り返りを通じて確かめるのは事前シナリオと現実の差分です。これを繰り返すことでシナリオの精度があがり、はじめての場面でも精度高く想定できるようになります。

伝達力

合意形成は対話を通じて互いの理解を深めるプロセスであるため、自分の考えや意図を正確かつ分かりやすく伝える伝達力が求められます。具体的には、論点を整理して簡潔に説明したり、事実やデータを示して裏付けることで、相手に誤解なく理解してもらう力が含まれます。また、情報は相手によって受け取り方が異なるため、表現方法や言葉の選び方を工夫することで、感情的な対立を抑えながらスムーズな合意形成を目指すことも大切です。

傾聴力

合意形成の実践においては、一方的に話すのではなく、相手の意図や考え・感情を適切に把握することが肝要です。その点から、傾聴力もとても重要なスキルに挙げられます。注意深く相手の話を聞き、背景やニュアンスを理解し、認識をすり合わせながら議論を進めることで、誤解やすれ違いを防げます。また相手の意見を尊重しつつ受け止める姿勢を示すことで信頼関係が強まり、双方が納得できる合意点を見つけやすくなるでしょう。

▶︎関連記事:傾聴力とは?ビジネスコミュニケーションで活かすコツとスキルアップのポイントについて

質問力

合意形成において、曖昧な点や不明確な点を残して議論を進めることは、後になってすれ違いや認識の齟齬を生むことにつながります。そのため相手の意図や考えが不明瞭な場合には、適切な質問で不足情報を引き出すことが求められます。具体的には、オープンな質問で背景や理由を確認したり、相手の意見を整理するための具体的な問いかけを行うことで、誤解や抜け漏れを防げます。的確な質問を通じて情報を補完し、双方が納得できる結論に導くことが可能となります。

ファシリテーションスキル

合意形成において、議論を整理し導くファシリテーション力は不可欠なスキルです。特に多人数での意見交換は、話が脱線したり意見の収集がつかなくなったりするリスクもあるため、参加者の発言を尊重しつつも合意に向けて上手くリードすることが求められます。

合意形成におけるファシリテーションのポイントは、あらかじめ会議の冒頭で論点とゴールを明確にすることです。また結論を左右し得る重要人物がいる場合は、事前に個別相談して懸念点を聞き出すなどしておくことも有効でしょう。また会議の場においては、ホワイトボードや資料などを使いながら、議論を構造的に整理して可視化することも、参加者の目線を揃える上で大切です。

▶︎関連記事:ファシリテーションスキルとは?目的や必要なスキルについて解説する


 

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05合意形成力を高めるSchooのオンライン研修

Schooで提供している合意形成力を高めるオンライン研修について詳しくご紹介します。

研修名 時間 研修内容
企画提案を通すための合意形成技術 2時間(60分×2コマ)
  • ・相手の立場や状況を見極める方法
  • ・アイスブレイクを活用した場づくりの技術
  • ・質問を用いた情報引き出しと議論の促進方法
  • ・合意に向けた論点整理のコミュニケーション手法
  • ・「1対1」「1対多数」それぞれのケースに応じた合意形成の進め方
  • ・ファシリテーション力を高め、円滑な意思決定を導く方法
研修名 時間 研修内容
交渉術の基礎と実践 2時間(60分×2コマ)
  • ・相手の立場やニーズを理解し、意向を把握する力
  • ・対立する意見や利害を調整し、双方に納得感のある結論を導く力
  • ・提案内容を効果的に整理・伝達するスキル
  • ・質問やヒアリングを活用して情報を引き出す力
  • ・相手との信頼関係を構築し、合意に向けて議論をリードする力
研修名 時間 研修内容
お互いのメリットを引き出す交渉術 1時間(30分×2コマ)
  • ・相手の立場や利益を理解し、尊重する力
  • ・自分の要求と相手の利益を調整し、最適な合意点を見つけるスキル
  • ・単なる譲歩ではなく、双方にメリットがある結論を導く交渉力
  • ・合意形成におけるコミュニケーションの本質を押さえる能力
  • ・対立や意見の相違を建設的に解決する方法
研修名 時間 研修内容
課題解決するファシリテーション 2時間(60分×2コマ)
  • ・課題を正しく設定し、合意形成につなげる問いの立て方
  • ・課題解決までのプロセス設計や進行管理の方法
  • ・認識のズレや対立を調整し、建設的な合意を導くスキル
  • ・ケーススタディを通じて実践的に合意形成の手法を体得
  • ・課題のリフレーミングにより、多角的な視点で合意点を見つける能力
 

06まとめ

本記事では、合意形成の手法について詳しく解説しました。合意形成とは単なる意見の一致ではなく、相手が主体的に納得して意思決定するプロセスであり、進行の円滑化や信頼関係強化、企画精度向上などのメリットがあります。成功には「想定・実践・振り返り」のフローを徹底し、合意しやすい事項から進め、共通利益に焦点を当て、双方にメリットのある「賢明な合意」を目指すことが重要です。合意形成力を高めるには、情報収集や洞察力、ロジカルシンキング、傾聴力などのスキルを身につけるのが大切です。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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