更新日:2026/03/20

褒め合う文化は大切?企業でのメリットや醸成するためのポイントを解説

褒め合う文化は大切?企業でのメリットや醸成するためのポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

近年、リモートワークの普及によるコミュニケーションの希薄化や、人的資本経営における従業員エンゲージメントの重要性の高まりを背景に、「褒め合う文化」が注目されています。褒め合う文化とは、職場で従業員同士がお互いの仕事ぶり、成果、あるいは努力に対して感謝や称賛の気持ちを積極的に伝え合う文化のことです。本記事では、この文化を企業に醸成するための具体的な方法と、従業員が「褒めるスキル」を向上させるためのアプローチを詳しく解説します。

 

01褒め合う文化とは?

褒め合う文化とは、従業員同士が互いの仕事や貢献に対し積極的に感謝や称賛を伝え合う組織の慣習であり、相互承認の文化を指します。職場における「承認」は従業員のモチベーションやエンゲージメントを高め、結果として組織内の信頼関係強化や定着率の向上に寄与する可能性があります。例えば、モチベーションに関する著名な理論である「ハーズバーグの二要因理論」においても、「承認」は仕事の満足度を高める「動機づけ要因」として位置づけられています。

一方で、「褒めると相手の過信につながる」「成長を阻害する」といった誤解から、褒めることに抵抗を感じる人も少なくありません。特に日本では、謙虚さを美徳とする価値観が普及していることも、称賛を受け取る/伝えることへの心理的ハードルになり得ます。

▶︎関連記事:ハーズバーグの二要因理論とは?最大限に活かすための5つの方法と3つの注意点を解説


 

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02褒め合う文化がもたらすメリット

褒め合う文化がもたらすメリット

Schoo for Businessの授業『コミュニケーションを円滑にする「ほめ上手」のテクニック』では、褒めることで、褒められた人・褒めた人双方に幸福感が増すこと、それらを通じて職場が活性化する効果が見込まれることが紹介されています。

以下では、職場で褒め合う文化を形成することのメリットを紹介します。

  • 公認心理師/株式会社ハピネスワーキング代表取締役

    大手出版社で雑誌編集に携わり、経営者、俳優、ミュージシャンなど1000名超の著名人を取材。インタビュースキル向上のためカウンセリングを学び始めたことを機に2005年、カウンセラーに転向。全国の企業・団体等でコンサルティング、カウンセリング、研修などを通じ、組織と人のメンタルヘルス支援を行う。自身も職場ストレスに悩んだ経験から、多くの人が「幸せに働く」サポートをしたいという思いで活動。これまでに1000社・10万人のメンタルケアに携わってきた。著書に『職場がイキイキと動き出す 課長の「ほめ方」の教科書』(左右社)、『幸せなチームのリーダーがしていること』(方丈社)など。

従業員のモチベーション向上

褒め合う文化のメリットの1つ目は、従業員が自信を持ち、モチベーションを高める効果が期待できる点です。他者からの「称賛」は社会的報酬の一種であり、金銭的報酬と同様に脳の報酬系が反応することが報告されています。

職場における言動に対し、「そのアイデアすごく良いですね」「チームに貢献するアクションですね」などとポジティブな反応をもらえると、従業員は満足度が高まり、さらに頑張ろうという気持ちが湧きやすくなります。

また、モチベーションに関する理論である「自己決定理論」では、人の内面に関わる動機づけを高める要素として「自律性」「有能感」「関係性」の3点が挙げられています。他者からの称賛は、自信や他者から認められている感覚を養うことから、内発的な動機づけを高める要素にもなり得るのです。

▶︎参考:Izuma, K., Saito, D. N., & Sadato, N.(2008). Processing of Social and Monetary Rewards in the Human Striatum. Neuron, 58(2), 284–294.

社員同士の信頼関係構築

褒めるという行為は、相手の長所や努力を観察し、関心を持っていることの証明でもあります。相互に称賛し合う習慣は、従業員間の心理的安全性を高め、相手に心を開くきっかけとなります。これにより、部署や役職を超えた活発な会話や情報交換が促進され、トラブル時の迅速なフォローアップなど、協力的な行動が生まれやすくなります。

生産性の向上

相互の称賛によるモチベーションの向上と信頼関係の強化は、組織全体の生産性にも良い影響を与え得ます。従業員が自身の貢献を認められることで、失敗を恐れずに挑戦できる風土が醸成され、各人の主体性が引き出されます。また、ノウハウの共有や連携がスムーズになるため、業務効率が高まり、結果として組織全体の業績向上につながることが期待されます。

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03褒め合う文化を醸成する方法

褒め合う文化を醸成する方法には、主に以下の5つがあります。

  • ・感謝を伝えるための仕組みを導入する
  • ・リーダーが率先して実践する
  • ・「褒める場」を作る
  • ・貢献の基準を明確にする
  • ・社員同士のコミュニケーションを促進する

ここでは、それぞれの方法について詳しく紹介します。

感謝を伝えるための仕組みを導入する

褒める行動を習慣化するためには、サンクスカードやピアボーナス(社内ポイント制度)といった具体的な仕組みの導入が有効です。ただし、単にツールを導入しただけでは「一部の人しか使わない」「特定の部署だけ評価が偏る」といった不公平感が生じるリスクがあります。これを防ぐためには、「少額でも即時付与する」「役職に関わらず誰から誰へでも送れるようにする」といった運用ルールを定め、日々の小さな貢献に光を当てる仕組みづくりが求められます。

リーダーが率先して実践する

新しい文化を醸成するには、経営層や上司が率先して手本を示すことが不可欠に近い要素となります。従業員はリーダーの振る舞いを観察しています。上司が部下を積極的に褒め、また他の部署のメンバーにも感謝を伝える姿を見せることで、その行動が組織全体に浸透しやすくなります。まずはリーダー自身が「1日1回はメンバーの良い点を見つけて言葉にする」といった小さな行動から始めることが推奨されます。

「褒める場」を作る

チャット上のチャンネルや朝会などの場を活用し、「褒める場」を設けることも効果的です。これにより、称賛行動を組織全体で可視化することができます。また、個人間のやり取りにとどめずオープンに共有することで、「どのような行動が評価されるのか」という気づきを他の社員に与え、良い行動の横展開を促します。一方で、人前で褒められることを苦手とする従業員もいるため、1on1ミーティングでの個別の称賛と使い分けるなどの配慮も必要です。

貢献の基準を明確にする

「何を褒めれば良いのか分からない」という現場の迷いを払拭するためには、貢献の基準を明確にすることが重要です。例えば、企業の行動規範(クレド)やバリュー(価値観)と称賛の基準を紐付ける方法があります。「当社のバリューである『挑戦』を体現した行動でした」といったように、基準に沿って褒めることで称賛に客観性が生まれ、企業理念の浸透にもつながる傾向があります。

社員同士のコミュニケーションを促進する

「褒め合う文化」の醸成には、社員が互いの仕事や貢献を知る機会を増やすことが不可欠です。そもそも相手のことを見る、知る機会がなければ「褒める行為」には繋がらないためです。

チャットツールでの情報共有や相互理解会、ランチ補助などを通じて、部署や役職を超えたコミュニケーションを促進しましょう。これにより、従業員は他者の良い点や頑張りに気づきやすくなります。また、「何を褒めれば良いか分からない」という障壁が低減され、感謝や称賛を伝え合う行動が活発化します。


 

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04従業員の褒めるスキルを向上させる方法

従業員の褒めるスキルを向上させる方法には、研修・ワークショップと自己啓発の2つがあります。この章では、それぞれの方法について詳しく紹介します。

研修・ワークショップ

日本人は褒めることに苦手意識を持つ人が多く、「褒め方が分からない」「褒め言葉が出てこない」といった悩みを抱えています。こうした課題に対し、褒めることの重要性や具体的なテクニックを学ぶ研修やワークショップは非常に有効です。実践的なワークを通じてスキルを向上させることで、人間関係が円滑になり、職場の活性化に繋がります。

自己啓発

褒めるスキルは、人間関係を円滑にし、職場を活性化させる上で重要な役割を果たします。日本人が苦手意識を持つ「褒め方」を向上させるには、自己啓発による継続的な学習が有効です。個人が主体的に学び、豊富な褒め言葉のボキャブラリーを増やすことで、より効果的に感謝や称賛を伝えられるようになります。eラーニング(オンライン学習)の導入は、時間や場所の制約なく従業員が自身のペースでスキルを磨く機会を提供し、褒める文化の定着に繋がります。

 

05褒め合う文化の醸成に役立つSchoo for Business

Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。

受講形式 オンライン
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褒めるスキルの向上におすすめの講座

この章では、オンライン研修サービスSchooの講座から、褒めるスキルの向上におすすめの講座を紹介します。

達人から学ぶ「ほめる」は最強のビジネススキル

達人から学ぶ「ほめる」は最強のビジネススキル

この授業では、ビジネスシーンを想定した「ほめ上手への道」を学ぶことができます。褒めるとは何か、相手の心に響く褒め方などを解説いただいています。講師は、ほめちぎる人財育成講師の西村様です。

  • ほめちぎる人財育成講師

    有限会社西村自動車 代表取締役。一般社団法人ほめる達人協会 特別認定講師、一般社団法人日本パーソナルブランド協会 パーソナルブランドコンサルタント。テレビ:四国放送ゴジカルレギュラーコメンテーター(2019~2023)など。2018年セミナーコンテストグランプリ優勝。

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コミュニケーションを円滑にする「ほめ上手」のテクニック

コミュニケーションを円滑にする「ほめ上手」のテクニック

この授業では、「ほめ」の効果や人間関係を円滑にする実践的なほめテクニックを学ぶことができます。ほめることの効果をまだ知らない方・人の心に響くほめ方をしたいと考えている方におすすめの授業です。

  • 公認心理師/株式会社ハピネスワーキング代表取締役

    大手出版社で雑誌編集に携わり、経営者、俳優、ミュージシャンなど1000名超の著名人を取材。インタビュースキル向上のためカウンセリングを学び始めたことを機に2005年、カウンセラーに転向。全国の企業・団体等でコンサルティング、カウンセリング、研修などを通じ、組織と人のメンタルヘルス支援を行う。これまでに1000社・10万人のメンタルケアに携わってきた。著書に『職場がイキイキと動き出す 課長の「ほめ方」の教科書』(左右社)、『幸せなチームのリーダーがしていること』(方丈社)など。

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パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」

パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」

この授業では、チームのモチベーションをアップさせ、パフォーマンスを改善させる手法について学ぶことができます。講師は、『人、組織が劇的に変わるポジティブフィードバック』の著者であるヴィランティ牧野祝子先生です。

  • 国際エグゼクティブコーチ

    株式会社グローバル・キャリアデザイン 代表取締役。東京生まれ。ミラノ在住。コロンビア大学、INSEAD(インシアード・欧州経営大学院)MBA卒業後、国内外10カ国で、外資系の戦略コンサルタント、多国籍企業のマーケティング、新規事業の立ち上げ等、様々なキャリアを積む。現在は、独立し、国際エグゼクティブコーチ、企業研修講師、コンサルタントとして活動。ポジティブフィードバックを活用したコーチングが好評を博し、法人、個人問わず、グループ面談やセミナーなどを提供。3児の母でもある。

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06まとめ

褒め合う文化とは、従業員同士が互いの仕事や貢献に感謝や称賛を伝え合う相互承認の慣習です。ハーズバーグの二要因理論においても「承認」は重要な動機づけ要因とされており、従業員のモチベーションや信頼関係の向上につながる可能性があります。この文化を育むには、感謝を伝える仕組みの導入、リーダーの実践、褒める場の設定、貢献基準の明確化といった具体的なステップが有効です。ただし、形骸化や不公平感といった副作用を防ぐためのルール設計も求められます。同時に、研修や自己啓発を通じて従業員自身の「褒めるスキル」を高めることが、持続的な文化醸成の鍵となります。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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