アンガーマネジメント研修の内容とは|効果やおすすめの実施方法を解説
アンガーマネジメントはアメリカで開発され、現在ではアメリカだけではなく世界各国の企業が研修に取り入れている「怒りの感情をコントロールする」プログラムです。アンガーマネジメントができるようになると、社内のコミュニケーション改善などが期待できる上に、個々人のストレス軽減などの効果も期待できます。そこで、このコラムではアンガーマネジメント研修の効果や対象者などをご紹介します。
01アンガーマネジメント研修を行うべき理由
怒りに任せたコミュニケーションやマネジメントは他のメンバーとのハレーションの原因となります。そのため、アンガーマネジメント研修は社員が働きやすい環境を構築する上で必要不可欠です。それ以外にも研修を実施する目的は存在します。ここでは以下の理由について解説していくので参考にしてみてください。
- ・職場でのトラブルを減らすため
- ・快適な職場環境づくりのため
- ・仕事の生産性向上のため
職場でのトラブルを減らすため
当たり前のことですが、怒りを我慢できずに発散してしまう人が職場にいては、様々なトラブルが起こります。上司と部下の間だけでなく、同僚同士でもトラブルが起こってしまう場合もあります。そのような職場では社員同士の仲も深まらないだけでなく、トラブルによって時間のロスや仕事の生産性が低下してしまうというデメリットも考えられます。そのようなデメリットを減らすためにも、アンガーマネジメント研修を行うことが大切なのです。
快適な職場環境づくりのため
アンガーマネジメント研修を受け、怒りをコントロールすることができる人が増えると、職場環境も格段に良くなります。以前まではすぐ怒る上司に怯えていた部下、あるいは怒りを抑えられない同僚に不快感を覚えていた社員も、そのような状況が改善されるだけでかなり職場を快適な場所だと感じるでしょう。その結果、離職率の低下や社内不和の解消などといったメリットがもたらされます。
仕事の生産性向上のため
アンガーマネジメント研修はそれぞれの社員の仕事の生産性向上にも繋がります。上記してきたように、怒りを抑えることができない人がいる職場はストレスフルであり、様々なトラブルが起こります。そのような職場にいるだけで不快になり、やる気が出ないと言う社員が出てきたり、怒られる当事者になってしまい、仕事が進まないと言う社員も出てきます。もちろんですがそのような職場では社員の生産性向上は期待できません。そのため、生産性向上のためにアンガーマネジメント研修が重要なのです。
02アンガーマネジメント研修の対象者
アンガーマネジメントの対象者は管理職やマネジメント職の「リーダー層」と新入社員や若手社員「メンバー層」の大きく2つに分けられます。ここでは、それぞれが研修を受けるべき理由について解説していきます。
管理職・マネジメント職
部下は常に上司を見ています。良い意味でも悪い意味でも、上司の背中を見て育つことが多く、上司の行動や言動がその人にとってのマネジメント職に求められるスキルの基準となる可能性もあるでしょう。その上で、怒りの感情をコントロールできる上司になることは、その上司だけでなく部下にとっても有益な背中を見ることができるようになるため、メリットが大きいのです。
新入社員・若手社員
アンガーマネジメントは必ずしも上司だけが習得すれば良いと言うものではありません。怒る側には怒る側の、怒られる側には怒られる側のアンガーマネジメントがあるのです。上司の怒りを長引かせないための所作であったり、そもそも怒りそうな予兆に気づくことであったり、新入社員や若手社員にもアンガーマネジメントは必要不可欠と言えるでしょう。
03アンガーマネジメント研修の4つの効果
アンガーマネジメント研修には次の効果があります。
- 効果1:ストレスが軽減する
- 効果2:コミュニケーションが円滑になる
- 効果3:二次災害を防止する
- 効果4:客観的な視点を持てる
効果1:ストレスが軽減する
一般的に「怒る方も大変」と言いますが、これは言い得て妙で、怒りの感情は、相手だけでなく自分自身にも強いストレスをかけてしまうのです。アンガーマネジメントのスキルを習得すると、自分の感情を理解し、客観的に受け止めることができるようになります。そのため、アンガーマネジメントの効果の1つは、ストレスを軽減させることと言えるのです。
効果2:コミュニケーションが円滑になる
上司が怒りやすい人だと部下が認識していると、業務上言うべきことや報告すべきことが言い出しにくい雰囲気ができてしまいます。早めに報告しておけば対処できたかもしれないことであっても、上司に怒られるのが嫌だったからと報告を怠り、自力でどうにかしようとしてしまうと、それがさらに傷口を広げ、報告を受けたタイミングではどうにもならない事態に発展してしまっていることも珍しくありません。つまり、部下にとってコミュニケーションを取りやすい上司となることが、社内のコミュニケーションを円滑にするための秘訣なのです。そのためにアンガーマネジメント研修を受け、自分の怒りの感情をコントロールできるようにする必要があるのです。
効果3:二次災害を防止する
怒りの感情に身を任せた発言は、時として行き過ぎた発言になってしまう可能性があります。例えば、「男のくせに」という言葉をふと使ってしまえば、セクシャルハラスメント(セクハラ)に該当する可能性がありますし、部下がミスをして「それ修正するまで帰るなよ」と言ってしまえば、パワーハラスメント(パワハラ)に該当する恐れがあるのです。普段であれば、上記のような発言はしない人であっても、怒りに身を任せてしまうとこれらのような言動をしてしまう可能性がある。それが怒りをコントロールできない危険性と言えます。
効果4:客観的な視点を持てる
アンガーマネジメント研修を行うことで、自分を客観的に見ることができるようになります。自分を客観的に見ることで、この考え方は偏っているかもしれないと気づくことも多くなりますし、他者の意見に関しても良い意味で客観的になることができるでしょう。怒りは「こうあるべき」という理想と現実とのギャップから生まれます。そのため、客観的に物事を捉え、自分の「こうあるべき」という範囲を広げることで、怒りが生まれる可能性も減らすことができるようになるのです。
04アンガーマネジメント研修の内容
アンガーマネジメントの研修内容は次の3つが存在します。
- 1:怒りのメカニズムを理解する
- 2:怒らずに注意するコミュニケーションスキルを学ぶ
- 3:部下との信頼関係の築き方を学ぶ
怒りのメカニズムを理解する
前述しましたが、アンガーマネジメント研修において、怒りのメカニズムを理解するという事は、非常に重要です。どれだけコミュニケーションスキルや信頼関係の築き方を学んでも、どのように怒りが発生するのか、どのタイミングなのか、何分で怒りがおさまるのかをしっかり理解していなければ学んだ知識を発揮する事はできません。そのため、研修を行う前にしっかりと怒りのメカニズムを理解します。
怒らずに注意するコミュニケーションスキルを学ぶ
怒りのメカニズムを理解することができたら、次は実践的なコミュニケーションスキルを学びます。これまで怒りをあらわにしすぎていた人は、コミュニケーションスキルに問題があったという可能性もあります。コミュニケーションの仕方次第で相手の捉え方は大きく違ってきます。そのため、どのようなコミュニケーションの仕方であれば怒りがダイレクトに相手に伝わらないかということを学ぶことが大切なのです。
部下との信頼関係の築き方を学ぶ
怒りのメカニズムを理解し、怒りがダイレクトに伝わらないコミュニケーションスキルを学んだら、最後に、部下との信頼関係の築き方を学びます。コミュニケーションの撮り方も重要なのですが、やはり信頼関係のない上司と部下の間では軋轢が生まれやすくなるのは事実です。逆に考えると、信頼関係の厚い上司と部下だと、多少厳しい言い方でも部下はすんなりと受け入れてくれることもあります。そのため、長い時間をかけて部下と信頼構築する方法を、研修で学ぶのです。
05アンガーマネジメント研修の実施方法
アンガーマネジメント研修において、実施方法は以下の3つが挙げられます。
- 集合研修
- オンライン研修
- eラーニング
ここでは、各実施方法の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
集合研修
集合研修は最も一般的な方法であり、受講者が一つの場所に集まり、講師から直接指導を受けます。対面での対話やグループワークも主要な要素であり、リアルタイムで質問や議論が可能です。一方で、物理的な出席が必要なため、スケジュールの調整が難しい場合や遠隔地の参加者には不便です。
オンライン研修
オンライン研修はリアルタイムの配信を通じて行う方法で、参加者はインターネット経由で研修に参加します。講師と受講者は物理的に別の場所にいても、リアルタイムでコミュニケーションが可能です。場所に縛られずに受講者が参加できることや、会場等のコストを削減できます。一方で、集合研修と同様に受講者を決まった時間で拘束するため、調整の手間がかかってしまう点はデメリットです。
eラーニング
eラーニングはあらかじめ録画された動画を視聴して学習する方法です。時間や場所に捉われないため、忙しい社員の方でも効率的に学習を進めることができます。一方で、受講者間や講師とのコミュニケーションが取れない点や、ディスカッションなどのグループワークなどができない点がデメリットです。そのため、eラーニングでの受講とは別に、グループワークの時間を設ける必要があります。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など
06アンガーマネジメント研修ならSchoo For Business
Schoo for Businessでは8,500本以上の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schoo for Businessの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
Schoo for Business |
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受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 8,500本 ※2023年3月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
Schoo for Businessは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,500本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
アンガーマネジメント研修のカリキュラム例
授業名 | 授業の内容 | 所要時間 |
いま必要とされるアンガーマネジメント |
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60min |
アンガーマネジメントを活用したコミュニケーション術 -前編- |
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60min |
アンガーマネジメントを活用したコミュニケーション術 -後編- |
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60min |
アンガーマネジメント研修の授業を紹介
この授業では、仕事で多国籍チームに配属、所属した際の、プロジェクトを成功させるためのコミュニケーションのコツについてを、【日本人の視点】と【外国人の視点】の2つの視点からお話しします。
立教大学経済学部卒。生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、マイクロソフト(現日本マイクロソフト)に転職。 情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。 競合対策専門営業チームマネージャ、ポータル&コラボレーショングループマネージャ、クラウドプラットフォーム営業本部本部長などを歴任。 2011年7月、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長に就任。 2015年2月、サイバークライムセンター 日本サテライトのセンター長も兼任。 著書:「外資系エリートのシンプルな伝え方」
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価値観が多様な時代に学ぶ「アンガーマネジメント」のキホン
この授業では、アンガーマネジメントの基本について学びます。 そもそも「アンガーマネジメント」とはなにかや、学び習得するとどんな効果があるのか、怒りをコントロールするとはどういうことなのか、を学んでいきます。 実践の前の基礎編として、知っている方も学び直しの意味も込めて一緒に受講していきましょう。
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(社)日本リーダーズ学会代表理事 リーダーズアカデミー代表
人づくり、組織づくりに特化をした、スークール形式では日本一のビジネススクール『リーダーズアカデミー』を経営。IT系企業に入社後、同期100名の中でトップセールスとなり、最年少営業部長に抜擢。 就任3か月で担当部門の成績が全国No,1に。28歳で独立、2004年株式上場(IPO)を果たす。 現在は、講演・企業研修・コンサルティングを行う傍ら、顧問・社外役員として経営に参画。リーダー育成の専門家として世界15都市でビジネスセミナーを開催。
価値観が多様な時代に学ぶ「アンガーマネジメント」のキホンを無料視聴する
3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schoo for Businessには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。
まず、Schoo for Businessの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。
この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
08まとめ
アンガーマネジメントができるようになると、社内のコミュニケーションを円滑にするだけでなく、自身のストレス軽減にもなります。また、怒りによる二次災害も防ぐことができるので、管理職やマネジメント職のような部下を指導する立場の人はアンガーマネジメント研修を必須項目として受講してもらうのが良いでしょう。一方で新入社員や若手社員のように怒られる側の人もアンガーマネジメントを理解しておくことで、上司の怒りを助長させないような行動や言動を取ることができるようになるので、全社員にこのスキルは必須と言えるかもしれません。