社会人研修でおすすめの内容10選と実施手順やポイントを解説

企業の将来を担う重要な人材である新入社員が一人前に成長するために欠かせないことが、基礎スキルを身に着けるための社会人研修。 しかし、研修を実施するにあたり、設計方法がわからなかったり、どのように進めていけばいいのかなど、様々な悩みを抱えている担当者は少なくないと思われます。 そこでこの記事では、社会人研修の実施内容やその設計方法、成功させるためのポイントを細かく解説してきます。
- 01.社会人研修の目的
- 02.社会人研修の内容10選
- 03.社会人研修の設計・実施手順
- 04.社会人研修を成功させるためのポイント
- 05.社会人研修|Schoo for Business
- 06.まとめ
01社会人研修の目的
社会人研修は新入社員に向けて行いますが、以下を目的に行います。
- ・学生から社会人への意識転換
- ・業務を円滑に遂行する上での基礎スキルの定着
学生気分が抜けきっていない新入社員に対して、社会人の自覚を持ってもらうために社会人研修を行います。また、業務に必要な基礎スキルを養うことも社会人研修の目的です。
学生から社会人への意識転換
新入社員の中には、学生気分が抜けきっていない方も少なくないと思われます。学生から社会人としての第一歩を踏み出すためには、まず自分が社会人である自覚してもらうことで、行動変容を促すことが重要です。 研修を通して、社会人とは何か、社会人として必要な考え方を一から学ぶことが、今後のキャリアや働きかたに対する考え方の軸を形成することにつながるのです。
業務を円滑に遂行する上での基礎スキルの定着
自分の仕事を滞りなく行うために必要な考え方やスキルを身に着けることも社会人研修の大きな目的の一つです。 PCスキルといった内容だけでなく、コミュニケーションの取り方やチームワークといった傾聴力や柔軟性を養う研修も実施することで、社会人として働くうえでの基盤を形成できます。
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02社会人研修の内容10選
社会人研修で行う研修は以下です。
- 1:社会人としての心構え
- 2:ビジネスマナー
- 3:会社の理念や規則
- 4:Excel
- 5:コンプライアンス
- 6:ロジカルシンキング
- 7:コミュニケーション
- 8:Word(議事録)
- 9:PowerPoint
- 10:現場配属後に必要なスキル・知識
学生気分を脱し、社会人として必要なマインドセットを身につけることはもちろんのことですが、会社の理念や規則、法令を理解できるような研修も行いましょう。 また、実務につながるOAスキルや配属後に必要なスキルの研修、報連相などのコミュニケーションに関する研修も行うといいでしょう。
社会人としての心構え
新入社員にとって最も重要なのは、社会人としてのマインドセットを身につけることです。学生の意識を切り替え、社会人として必要な心構えを持つことは、新入社員研修の中で最優先されるべき要素と言えるでしょう。社会人として求められる適切な行動や言動、仕事に対する姿勢などは、各種研修を実施する前に新入社員がしっかりと習得しておく必要があります。
ビジネスマナー
ビジネスマナーの習得は、社会人としての基礎を築くために欠かせない要素です。ビジネスマナー研修では、敬語や挨拶、名刺交換の方法、電話対応、メールの作成など、日常業務で求められる基本的な礼儀作法を学びます。また、第一印象を左右する服装や身だしなみ、適切な態度や表情についても指導します。さらに、上司や同僚、取引先との円滑な関係を構築するために必要な配慮やマナーについても触れます。この研修を通じて、社会人として信頼を得るための振る舞いや、周囲と良好な関係を築く基盤を形成します。
会社の理念や規則
新入社員が会社に迅速に適応するためには、会社の理念や規則を理解することが重要です。具体的な内容として、企業理念やビジョン、ミッションを深く学び、会社が目指す方向性や価値観について教えます。また、就業規則や業務ルール、勤怠管理、コンプライアンスに関する基本事項についても説明します。これにより、組織の一員としての自覚を持ち、会社の方針に沿った行動ができるようになります。さらに、理念を具体的な行動に落とし込む方法を学び、会社への貢献意識を高めます。
Excel
Excelは多くの業務で必要不可欠なツールであり、新入社員にとってその基本操作の習得は必須です。Excel研修では、セルや関数の基本操作、データ入力や編集、表やグラフの作成方法を学びます。また、業務効率を向上させるためのショートカットや便利な機能、集計や分析に必要なピボットテーブルや条件付き書式の使い方についても指導します。さらに、データの見やすさや正確さを意識した資料作成のポイントも学びます。この研修を通じて、業務に必要なデータ処理スキルを習得し、即戦力として活躍できる基礎を築きます。
コンプライアンス
コンプライアンス研修では、法令や社内規則を遵守しながら適切に判断し行動する能力を養います。企業におけるコンプライアンスの重要性を理解するとともに、具体的な事例を学ぶことで、リスク管理や不正防止の意識を高めることを目的としています。研修内容には、ハラスメント防止、個人情報保護、取引上の倫理的な課題など、職場で直面しうる問題への対応方法が含まれます。また、問題発生時の適切な対処法や、上司やコンプライアンス担当者への報告の重要性についても指導します。この研修を通じて、法令遵守を基盤とし、信頼される社員を育成することを目指します。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングは、問題解決や提案の場で論理的に考え、相手にわかりやすく伝える力を養うスキルです。ロジカルシンキング研修では、結論を先に述べる「ピラミッド構造」や、主張を根拠で支える「MECE(漏れなく重複なく)」の考え方を学びます。また、問題を明確にし、原因を特定するためのフレームワークや、複雑な情報を整理して可視化する方法も指導します。ロジカルシンキングを活用することで、説得力のある提案や効率的な問題解決が可能になります。このスキルは、業務を円滑に進めるための基盤となります。
コミュニケーション
コミュニケーション研修では、職場での円滑な人間関係を構築し、チームでの生産性を高めるスキルを学びます。この研修では、傾聴力や明確な意思伝達の重要性を理解し、具体的な技術を身につけます。例えば、相手の意図を正確に汲み取る方法や、適切なタイミングで質問や意見を伝える方法などを実践的に学びます。また、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の基本を習得し、上司や同僚との信頼関係を築くスキルも指導します。研修を通じて、職場で必要とされる柔軟で効果的なコミュニケーション能力を養います。
Word(議事録)
議事録作成のスキルは、新入社員にとって欠かせない基本スキルです。Word研修では、Wordを活用して効率的かつ正確に議事録を作成する方法を学びます。会議内容を適切に要約し、必要なポイントを明確に整理するための構成やフォーマットの作成法を指導します。また、会議中のメモの取り方や、重要事項を迅速にピックアップするスキルも養います。さらに、情報の一貫性や正確性を保ちながら、読み手にとってわかりやすい文章を書くコツを学びます。これにより、業務を効率化し、社内コミュニケーションの質を向上させます。
PowerPoint
PowerPoint研修では、効果的なプレゼンテーション資料の作成方法を学びます。具体的には、スライドの基本操作や、視覚的にわかりやすいデザインのポイントを指導します。具体的には、配色やフォントの選び方、グラフや画像を効果的に使用する方法、レイアウトの工夫などを実践します。また、プレゼンテーションの目的に応じて適切な構成を作る方法や、スライド枚数や情報量を調整するスキルも学びます。この研修を通じて、伝えたい内容を的確に伝える資料作成の技術を習得し、業務での提案力を高めます。
現場配属後に必要なスキル・知識
現場配属後に即戦力として活躍するためには、業務に関連する具体的なスキルと知識が求められます。具体的には、配属先に応じた専門的な知識や業務の流れ、使用するツールや機器の基本操作を学びます。また、職場での円滑なコミュニケーションや、チーム内での役割分担の重要性についても指導します。さらに、現場で直面する可能性のある課題やトラブルへの対応方法をケーススタディを通じて学びます。この研修を通じて、現場での迅速な適応力を養い、スムーズなスタートを切る準備を整えます。
03社会人研修の設計・実施手順
新入社員が一人前の社会人に成長するために学ばなければならないことは多くありますが、研修自体も計画的に行わなければなりません。 そこで、ここでは社会人研修を設計と実施までの手順を解説します。
現状の課題の洗い出し
まずは、現状の課題を分析して洗い出します。企業の経営理念や事業戦略をもとに、ミッション遂行に必要な人材像と現状にどのような乖離があるのかを把握しましょう。 また、課題を見つけ出す方法としては、現場社員へのヒアリングも有効です。様々な角度から分析して課題を洗いだしてみましょう。
研修のゴールを設定する
課題を洗い出したら、次は社会人研修でのゴールを設定します。企業として求めるレベルに対して、社会人研修ではどのくらいのレベルに到達させるのか、またそのために必要なスキルは何なのかを検討します。 「社会人研修を通してどのような人材になってほしいか」といった、問いを立てて考えるとスムーズに進めることができます。
研修方法とフローを作成する
研修のゴールが設定できたら、達成するためにはどのタイミングでどのような研修を実施するかを検討し、研修フローの作成に入ります。 研修方法としては、インプットに重きを置いたOff-JTやeラーニング、現場でのOJTを通じて実施することが一般的です。 また、研修フローは入社前にPCやスマートフォンで学習できるeラーニングを導入し、入社後はOff-JTでロールプレイングなどを交えて学び、その後にOJTやフォローアップ研修を実施する、などがあります。 特に最適な研修フローは企業によって様々なので、自社に合ったものを取り入れてみてください。
研修のプログラムを決定する
研修フローの作成ができれば、最後にどのような研修プログラムを実施するかを検討します。 新入社員のレベルを把握して、不足しているスキルを補うための研修内容、優先順位付け、研修方法や講師の選定などを決定します。 また、この際に外部の研修サービスを利用するのか、社内で実施するのかなども検討します。
04社会人研修を成功させるためのポイント
社会人研修を成功に導くために、押さえておきたいポイントは次の通りです。
- ・目的に合った研修方法を採用する
- ・研修効果の測定方法をあらかじめ決めておく
- ・研修後の行動目標を受講者に立ててもらう
社会人研修の成功率を向上させ、受講者が研修から最大の価値を得るために、上記のポイントについて解説していきます。
目的に合った研修方法を採用する
研修の効果を高めるためには、研修の目的に沿った適切な研修方法を採用することが不可欠です。たとえば、コンプライアンスや法令知識の習得を目的とする場合、座学形式の研修が効果的です。
一方で、プレゼンテーションスキルや接客スキルのように、実践を通じて身につけるべき能力を対象とした研修では、ロールプレイングやワークショップといった参加型の手法が必要です。このような研修で座学のみを採用すると、実際にスキルを活用する場面で十分な効果を発揮できない可能性があります。
目的に応じて最適な研修方法を選択することで、参加者が効率よく学び、実務に役立つスキルを確実に習得できる研修を実現できます。
研修効果の測定方法をあらかじめ決めておく
研修が終わった後も、当初立てたゴールに到達できているのか、学んだことを実際の現場で活かせているのかといった、効果測定は重要です。 研修効果の測定方法として有名なものとして、ドナルド・L・カークパトリックの4段階評価法というものがあります。
この方法では、研修効果が以下の4つに分類されます。

レベルが高いほど測定は難しくなりますが、まずは簡単に実施できるレベル1・2を実施して測定するのもよいでしょう。
研修後の行動目標を受講者に立ててもらう
受講者に、研修を終えた後の具体的な行動目標を立てるよう促すことが重要です。これにより、研修を現実の業務やキャリアに結びつけることができます。例えば、受講者に対して、研修で学んだスキルや知識を具体的なプロジェクトに適用する方法や、スキルの向上に関連する職務への応募を目指す方法を考えさせましょう。これにより、研修の成果を実践に活かす意欲を高めることができます。
05社会人研修|Schoo for Business

オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、様々な種類の研修に対応しています。社会人研修はもちろんのこと、若手社員研修・管理職研修からDX研修まで幅広いコンテンツで全てを支援できるのが強みです。
受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
アーカイブ本数 | 9,000本 ※2023年5月時点 |
研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
Schooの社会人研修の特長は、ビジネスマナーからマインドセット、ロジカルシンキングやExcelまで、新入社員に求められるスキルに関する幅広いコンテンツが充実しているという点にあります。また、営業基礎やマーケティング基礎のような授業も揃っており、現場に配属されてからの研修や自律学習という側面でも活用できるという点も特長です。
また、Schooはeラーニングによる研修受講となるので、社員1人ひとりが好きな時間や場所、タイミングで研修を受講することができるので、リモートワークを導入している企業や多拠点展開している企業におすすめです。
大企業から中小企業まで累計4,000社以上が導入

Schoo for Businessは、大企業から中小企業まで累計4,000社以上に導入いただいております。利用用途も各社さまざまで、階層別研修やDX研修としての利用もあれば、自律学習としての利用もあり、キャリア開発の目的で導入いただくこともあります。
社会人研修に関するコンテンツ一覧
研修内容 | 時間 |
仕事の基本-新入社員のうちに学んでおきたいこと- | 3時間 |
令和版みなおしビジネスマナー | 1時間 |
仕事がデキると思われるビジネスマナーの基本 | 5時間 |
論理的なコミュニケーションの基礎 | 2時間 |
デキる若手の報連相 | 2時間 |
ビジネスコミュニケーションの教科書 | 9時間 |
頼られる新入社員になるために今すぐ身に付けたいこと | 1時間 |
ビジネススキル大全〜デキる社員への最短ルート〜 | 5時間 |
すぐに使える ロジカルシンキング超入門 | 2時間 |
ロジカルシンキング入門 | 1時間55分 |
本質を見極める クリティカルシンキング入門 | 3時間 |
クリティカルシンキング実践演習 | 1時間 |
ラテラルシンキング入門 | 2時間 |
ロジカルシンキング 実践トレーニング | 4時間 |
超実践 仕事で使えるロジカルシンキング特訓 | 1時間 |
組織で働く人のためのコンプライアンス | 1時間30分 |
Excel入門 | 1時間30分 |
Word基礎 | 3時間20分 |
PowerPoint基礎 | 2時間20分 |
「真・コミュニケーション能力」の教科書 -論理的に話す力編- | 6時間 |
情報セキュリティとクラウドの話 -組織のリスクに備える | 2時間 |
それ、情報セキュリティの被害者になるかも | 1時間 |
他人事では済まされない情報セキュリティ | 1時間 |
情報セキュリティ - リモートワーク編 | 45分 |
個人情報保護法改正とその対応 | 1時間 |
アンコンシャス・バイアス - 無意識の偏見 | 35分 |
反社会的勢力に関わらないための注意点 | 1時間 |
ハラスメントを正しく知る | 1時間30分 |
06まとめ
社会人研修は、新入社員が社会人として成長していくための基盤を作るための重要な研修です。 業務を円滑に遂行するために身につけなければならない知識やスキルは多いですが、しっかりとゴールを設定し、研修計画を立てることで、効果的な社会人研修を実施しましょう。 そして、研修後も実際に効果があったのか、この記事で解説した計測方法を実施するなど、研修内容の改善に努めることも大切です。