公開日:2021/04/28
更新日:2022/07/22

MECEとは?ロジカルシンキングの基本となる思考法や代表的なフレームワークについて解説

MECEとは?ロジカルシンキングの基本となる思考法や代表的なフレームワークについて解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ロジカルシンキングについて理解をしようとした際によく耳にするのが「MECE」という用語ではないでしょうか。ロジカルシンキングの基礎と言われる「MECE」について、今回は定義の理解や活用ステップについて理解を深めていきましょう。

 

01ロジカルシンキングの基礎となるMECE

ロジカルシンキングの基礎と言われる「MECE」を理解するのは、その定義(意味)を知ることから、どういったビジネスシーンで活用されるかを知ることが近道です。

MECEの定義

最初にご紹介するのは「MECE」の定義です。そもそもMECEとは、「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「モレなく、ダブりなく」と訳すことができます。MECEは、「物事を考える際に、必要な要素を網羅しつつも(それらが)重複しないようにする考え方」と定義付けることができます。この考え方は、ビジネスシーンだけではなく日常の生活においても応用することが可能とされています。例えば、幼稚園に通う場合に必要なモノを買いそろえる必要がある場合には、頭に必要な帽子、足元に必要な靴や靴下といった風に、身体の部位に合わせて何を買うか決めていくなどです。MECEについては、その意味を深く知らない方でも普段の生活で取り入れている方が非常に多い考え方なのです。

ロジカルシンキングとMECEの関係性

ロジカルシンキングの基礎と言われるMECEですが、その関係性はどうなっているのでしょうか。ロジカルシンキングとの関係というと構えてしまうかもしれませんが、その位置付けを理解することはとても重要なことです。そもそもロジカルシンキングとは、「論理的思考」とも呼ばれる思考法(問題解決のノウハウや方法)で、発生している課題や問題を客観的に整理し、矛盾点や飛躍なく筋が通るよう整理することです。ロジカルシンキングの手法は数多くあり、その1つが「MECE」であり最も基礎的な思考ノウハウと言われています。ロジカルシンキングを使い課題や問題を整理する際には、おきている事象の整理を行いますが、この際に「もれがないこと」「重複がないこと」を念頭に整理をする必要があります。この「もれがないこと」「重複がないこと」そのものがMECEの考え方なので、ロジカルシンキングの基礎とされています。言い換えれば、MECEの概念を利用することができなければ、課題の整理が出来ないという考え方にもなるのです。

ビジネスシーンで活用するMECEとは

では、こうしたMECEはどんなビジネスシーンで利用されるのでしょうか。MECEを活用する場面での切り口には、「トップダウンアプローチ」「ボトムアップアプローチ」の両方からのアプローチが存在します。どちらからのアプローチでも事柄の整理を行う際にMECEを利用します。実際には、解決すべきテーマを選定しその事柄に関する課題や問題点を「もれなく」「ダブリなく」整理する段階で利用します。この時、今までの事象(見えているもの)だけにとられない様に注意することが必要です。時には、問題の根本が簡単には見えない場合もあります。そうした際には、整理する観点をいくつかのカテゴリに分類し、カテゴリ別に洗い出しをする事が最適です。このカテゴリについてもダブルことなく整理をすることがポイントです。この様にビジネスシーンにおいてMECEを活用する場合には、課題解決を行う最初のフェーズで利用することが多くなります。課題解決においては特に、事象を整理することが必要となります。この時には、MECEの概念が最適ということです。

 

02MECEの活用ステップ

では、ここからはより具体的なMECEの活用ステップを4つの切り口でご紹介していくことにしましょう。

対照的な概念で分類

もっとも簡単な切り口が「対照的概念」で物事を分類する方法です。具体的には、「白・黒」「上・下」といった対照的な2つの事柄で物事を分類することになります。例えば、売上が上がった、下がったなどの分類で店舗の売上自体を分類することになります。こうした例でとらえると、簡単に分類できることをご理解頂けると思います。

因数分解

因数分解というと、数学の問題の様に思われ苦手意識を持つ方もいるかもしれません。しかし、因数分解は、MECEの基本になる切り口です。「因数分解=数学」という考え方ではなく、ビジネスシーンにおける因数分解を実施します。具体的には、業務で実施する項目を細かいタスクに分けていくことを示します。この細かいタスクについては、優先付けを行いタスクに対しての実施タイミングの細分化や工程を整理することを意味していきます。この因数分解を行うことで、マルチタスクに見えていた工程が細分化され分業化を行うことや工程の整理を行うことが可能になります。

プロセス分解

因数分解がタスクで整理させるのと比較して、プロセス分析では物事のプロセスに焦点をおいて分解を行います。ここでいうプロセスとは、「物事の手順や手段、方法」のことを示しています。例えば、エクセルで作成した表を印刷する工程があった場合には「表の作成」「印刷」という流れ(手順)により整理をすることが可能になります。

尺度分解

最後にご紹介するのが「尺度分解」です。年齢や年収、社歴数などの要素が一直線で表せるものは尺度分解が可能になります。例えば、年齢が上がるにつれ社歴数が伸び、かつ年収が上がるなどの要素が揃っていれば経過年数を横軸として整理することが可能です。活用例として、企業が製品サイクルを定義するプロダクトライフサイクルで利用することがあります。製品の盛衰について「時間」「売上」の2軸で表します。この製品の一生を「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の尺度で分類することが可能になります。

 

03MECEの活用した代表的なフレームワーク

より深くMECEを理解するためにビジネスシーンで利用されるフレームワークをご紹介していきましょう。今回ご紹介するフレームワークは代表的なものです。ご紹介する以外のフレームワークもあることも理解しておきましょう。

SWOT分析

ビジネスシーンでもよく登場するSWOT分析があります。自社のビジネスチャンスを発見(整理)するための用いるSWOT分析では、自社を取り巻く環境と、それに対する自社の状況を考えるためのフレームワークです。SWOT分析は、「強み (Strengths)」「弱み (Weaknesses)」「機会 (Opportunities)」「脅威 (Threats)」のカテゴリに分類することで、自社サービス(製品)の位置付けを明確にしていきます。

3C分析

こちらの用語も聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。この3C分析はMECEを考えるときに、必ずと言っていいほど引用される分析方法です。この考え方は、もともとマーケティングに用いられる分析技法です。企業活動を3つのCで分析をします。この3つのCとは、「顧客分析(Customer)」「競合分析(Competitor)」「自社分析(Company)」で、もれなくダブリなく市場を分析することが可能になります。

バリューチェーン

マイケル・E・ポーターが1985年に発表した『競争優位の戦略』という著書の中で提唱した考え方です。「価値連鎖」という意味合いを持つフレームワークです。事業プロセスを「主活動」「支援活動」に分解し、どの工程でバリュー(付加価値)を出しているか分析していきます。

 

04MECEの注意するべきポイント

ここまでの内容を見るとMECEは万能の考え方と思われがちですが、注意点もあります。それは、MECEを行うこと、MECEに分類することに注力しすぎないことです。MECEとは、ものごと(事象)を「モレなく、ダブりなく」整理することで、課題を解決することを考えやすくするためのものです。MECEに整理することがゴールではないということを理解しておくことが必要です。MECEに整理するときは、「どこまでMECEに整理することができれば、目的が果たせるのか」を常に意識して取り組むことが可能です。その他にも、今回ご紹介いたフレームワークについてもの同じです。フレームワークを導入することがゴールではありません。あくまで、目的を達成する為の手段であることを念頭に進めていくことにしましょう。

 

05簡単に習得できないスキルMECE

MECEを身に付けるトレーニングには方法があります。しかし簡単そうなMECEでも、習得には時間が必要です。

日々の業務で培う

日々の業務において、MECEの観点で工程をロジックに置き換える方法です。自分自身の行っている業務から、工程を「モレなく、ダブりなく」に分類をします。最初は、当たり前となっている業務を分類することは難しいこともあります。そうした際には、上司や同僚にアプトプットを見てもらうことも有効です。しかし、不慣れな場合や上司や同僚がMECEを知らない場合には、アウトプットの正当性に課題が残ってしまいます。

外部機関を利用する

MECEの考え方や例題をこなすなどの観点では、外部機関を利用する方法が有効です。概念の基本的考え方から練習問題なども準備されており、効率的に学べるのは外部機関の特徴です。しかし、多くの企業がコンテンツを提供しているため、どの研修機関を選択して良いかの判断が難しくなります。同時に、一度研修を受けたからといってMECEを完璧に使いこなせるわけではありません。研修後に繰り返し練習し続けることが必要です。


 

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06ロジカルシンキング研修にはSchooビジネスプランがおすすめ

Schooビジネスプランでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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1.研修と自己啓発を両方行うことができる

schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.ロジカルシンキング研修におすすめのSchooの研修パッケージ

様々な研修に対応できるSchooビジネスプランの研修パッケージですが、もちろんロジカルシンキング研修にも対応しています。Schooのロジカルシンキング研修パッケージには、基礎レベルのロジカルシンキングから、実践レベルのロジカルシンキング、さらにはマインドマップを活用したロジカルシンキングまでがラインナップされており、ロジカルシンキングに必要なスキルや知識をこの研修パッケージで網羅できます。

さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。

  • 若手社員向けのロジカルシンキングに必要な思考法について学ぶカリキュラムです。論理性を高めて業務を遂行していく際に必要な思考法について解説していきます。
  • 若手社員向けのロジカルシンキングに必要な思考法について学ぶカリキュラムです。論理性を高めて業務を遂行していく際に必要な思考法について解説していきます。
  • マインドマップを用いてロジカルシンキングのスキルを磨く研修パッケージです。創造力、記憶力など、人間の脳が持っている可能性を最大限させるための思考ツールであるマインドマップを活用することで、論理的思考力を向上させてビジネス課題解決力を鍛えることができます。
  • 論理的で簡潔なプレゼンテーションスキルを磨くための研修パッケージです。より実践的に論理的な話し方やロジカルプレゼンテーションのポイントについて学ぶことができます。
  • ロジカルシンキングを実践的に学べる研修パッケージです。論理的思考力を仕事に活用する際のポイントを学び、ワークショップを通じてトレーニングしながらロジカルシンキングのスキルを身につけることができます。
  • 論理的な文章を書く力を身につけたい方向けの研修パッケージです。「相手に伝わる」文章を書く技術などを学ぶことができます。

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3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schooビジネスプランの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

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07まとめ

今回は、MECEについてご紹介してきました。MECEの概念からフレームワークまでをご紹介してきましたが、実際に利用することでMECEの効果をより体感できると思います。今回ご紹介している内容はMECEの基本的な事ばかりですが、ぜひ日常の業務でMECE を活用して頂きたいと思います。

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