公開日:2021/06/30
更新日:2022/09/14

アンガーマネジメントを効果的に行うには?研修方法やセルフ実践・資格について解説

アンガーマネジメントを効果的に行うには?研修方法やセルフ実践・資格について解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

アンガーマネジメントとは、怒りの感情をうまくコントロールすることです。怒ったときに、その感情をそのまま相手にぶつけてしまうことはデメリットばかりです。当記事では、アンガーマネジメントの効果や実践方法・講師に必要な資格について詳しく解説します。

 

01アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、「怒り」の感情とうまくつき合い賢くコントロールすることや、その手法です。 1970年代にアメリカで生まれた概念です。当時は家庭内暴力や軽犯罪者向けのものとされていましたが、現在では広く普及し企業の研修にも用いられるようになりました。 アンガーマネジメントは、「怒ること」を制御しようとするのではなく、怒りの感情が発生したときの「怒りとの向き合い方」を変えていくための取り組みです。怒りの感情を適切にコントロールできれば、人間関係が円滑になるだけでなく、気持ちに余裕をもって過ごせるようになるでしょう。

 

02怒りの感情がもたらすデメリット

衝動的に発生した怒りの感情を相手に伝えてしまうと、人間関係が悪化する恐れがあります。 それだけでなく、状況によってはパワーハラスメントになる危険性もあるでしょう。特にマネージャーや部長職といった部下を指導する立場の人は注意が必要です。 ここでは、怒りの感情がもたらすデメリットについて詳しく解説します。

モチベーションの低下

怒りの感情は、相手のモチベーションを低下させてしまう恐れがあります。 部下に指導するにあたり、「教えた通りにできない」「指示通り動いてくれない」といったことで、相手に怒りを感じてしまうかもしれません。しかし、怒りをそのままぶつけてしまうと育成対象者のモチベーションを低下させてしまいます。 相手に怒る前に、まずは相手に伝わる説明となっていたかどうか自分の言動を見直しましょう。

ストレスの増加

怒ること自体が、ストレスの増加につながります。 それだけでなく、感情的に怒られた側もストレスを感じてしまいます。互いのストレスから関係がギクシャクしてくると、スムーズにコミュニケーションがとれず、さらにストレスが蓄積するという悪循環に陥ってしまいます。 怒りの感情で負の連鎖を生み出さないように注意しましょう。

行動の萎縮

感情的に怒ってしまうと、相手を萎縮させてしまう恐れがあります。 怒られることで、相手は怒られないように動くことだけに気を取られ、顔色を伺うようになってしまいます。相手が過剰に気を使ってしまうことで、円滑なコミュニケーションがとれなくなるのです。 相手の言動に対して怒りを感じたとしても、声は荒げず注意を呼びかけるようにしましょう。

 

03アンガーマネジメントの効果

自分の怒りをコントロールできるようになることで、自分だけでなく周囲にも良い影響をもたらします。ここでは、アンガーマネジメントがもたらす効果について詳しく解説します。

良好な人間関係の構築

怒りをコントロールできることで、周囲と良好な人間関係を構築できます。 怒りの感情をそのまま相手にぶつけてしまうと、ぶつけられた相手はストレスを感じてしまいます。そうなれば、相手とのコミュニケーションはギクシャクしてしまいます。怒りを抑え、自分の気持ちを分かりやすく相手に伝えることで、相手も素直に受けとめてくれるようになるでしょう。

セルフコントロール力の向上

怒りの感情をうまく扱えるようになることで、感情のセルフコントロール力が向上します。 相手とコミュニケーションをとるなかで、思わず感情的になってしまった経験はないでしょうか。後から「言わなくても良い発言をしてしまった」と後悔してしたとしても、発言を取り消すことはできません。 アンガーマネジメントができるようになると、自分の感情をコントロールし、失言を減らせるようになるでしょう。

生産性の向上

怒りの感情をコントロールできるようになることで、生産性が向上します。 集中して取り組まなくてはいけない作業があっても、ほかのことに対して怒りの感情を抱いてしまうと、頭のなかは作業どころでなくなってしまいます。負の感情に左右されてしまうと、作業効率が悪くなります。 怒りの感情をうまく扱えるようになることで、感情の起伏を抑え作業に集中できるようになるでしょう。

 

04自分の怒りのタイプを知る「アンガーマネジメント診断」

怒りのコントロールと一言で言っても、怒りを感じるきっかけは人によって異なります。そこで、一般社団法人任本アンガーマネジメント協会が考案した「アンガーマネジメント診断」を行うことで、自分の怒りのタイプを把握することができるので、ここで紹介します。

怒りのタイプを把握する12の質問

「アンガーマネジメント診断」では、以下の12の質問に点数で応えます。

  • 1. 世の中には尊重すべき規律があり、人はそれに従うべきだ
  • 2. 物事は納得いくまで突き詰めたい
  • 3. 自分に自信があるほうだ
  • 4. 人の気持ちを誤解することがよくある
  • 5. なかなか解消できない、強いコンプレックスがある
  • 6. リーダー的な役割が自分に合っていると思う
  • 7. たとえ小さな不正でも見逃されるべきではない
  • 8. 好き嫌いがはっきりしているほうだ
  • 9. 自分はもっと評価されていいと思う
  • 10. 自分で決めたルールを大事にしている
  • 11. 人の言うことをそのまま素直に聞くのが苦手だ
  • 12. 言いたいことをはっきりと主張すべきだ

点数

  • まったくそう思わない→1点
  • そう思わない→2点
  • どちらかと言うとそう思わない→3点
  • どちらかと言うとそう思う→4点
  • そう思う→5点
  • すごくそう思う→6点

計算式と診断結果は以下の通りです。

  • 1+7 の合計点が1番高い→ 「公明正大」タイプ
  • 2+8 の合計点が1番高い→ 「博学多才」タイプ
  • 3+9 の合計点が1番高い→ 「威風堂々」タイプ
  • 4+10 の合計点が1番高い→ 「外柔内剛」タイプ
  • 5+11 の合計点が1番高い→ 「用心堅固」タイプ
  • 6+12 の合計点が1番高い→ 「天真爛漫」タイプ

6つの怒りのタイプと特徴

前述の「アンガーマネジメント診断」での結果で出る怒りのタイプについてそれぞれ解説します。

公明正大タイプ

正義感が強く、曲がったことが許せないタイプです。マナー違反や社会の規範から外れたことに対して怒りを感じやすく、人をジャッジしようとしたり、常に正そうとしたりして、物事に介入しすぎる面があります。

博学多才タイプ

向上心が高く、完璧主義な点があるため、物事に白黒をつけないと気が済まないタイプです。はっきりしないことや人に対してストレスを溜めやすく、自分にも周りにも厳しくしてしまう傾向があります。

威風堂々タイプ

自尊心が高く、自分の価値観や考え方に対して誇りを持っています。そのため、軽んじられたり、ネガティブな評価を受けたり、自分の思いどおりにならないことがあると不満やストレスを抱えてしまいます。

外柔内剛タイプ

表向きの穏やかな印象とは裏腹に、自分の意思や決めたルールを重んじるため、ほかの意見や価値観には目を向けない傾向があります。我慢強い一面がありますが、度が過ぎたり自分のルールに反している出来事があるとストレスを感じることがあります。

用心堅固タイプ

とても慎重派で、人とも距離をとって、時間をかけて吟味し、交遊するタイプです。プライベートな領域に無断で他人が踏み込むとストレスや怒りを感じてしまいます。

天真爛漫タイプ

自分の考えや感情を素直に伝えることができ、しがらみなく自由に行動したいタイプです。 意思表示をはっきりできない人や思いどおりに行動できない人に対してイライラしがちで、他人によって行動が制限されるとストレスを感じてしまいます。

 

05アンガーマネジメントの実践方法

怒りをコントロールするためには、いくつかのテクニックがあります。 ここでは、アンガーマネジメントの実践方法を解説します。他者と接する際の意識を変えることで、自分の怒りとうまく向き合いましょう。

イライラしても6秒待つ

相手に怒りを感じても、すぐに相手に感情を伝えずまずは6秒待ちましょう。 怒りが生じたとき、そのピークは6秒だといわれています。衝動的な怒りは、暴力や暴言に現れてしまい相手を傷つけてしまう恐れがあります。怒りを感じたら、まずは6秒待つことで衝動的な行動を制御することができます。 怒りを感じた時は、深呼吸で心を落ち着かせたり、一旦その場を離れるといった行動をとると良いでしょう。

相手の背景を考える

自分の都合ばかり考えず、相手の背景を想像することで怒りを抑えることができます。 例えば、相手が「提示した期限以内に仕事を終わらせていなかった」とします。提示していた期日を守れなかったことに対して、怒りを感じてしまうかもしれません。しかし、相手が期日を守れなかった要因には、体調不良や家庭の事情など何かしらのハプニングがあった可能性もあります。 相手に怒りを伝える前に、相手の背景を想像し「なぜできなかったのか」を尋ねるようにしましょう。

許容できる範囲を広げる

人は自分でも気づかない間に「〜であるべき」という理想や価値観をもっています。 そのため、他人の考えが自分の価値観にそぐわない場合に怒りを感じてしまうことがあります。人はそれぞれ生まれ育った環境がまったく異なるため、自分の価値観は他人の価値観と異なることは当たり前です。 価値観が違うことを前提として認識していれば、他人の言動に違覚える少なくくなるため、怒りを感じることも少なくなるでしょう。

 

06アンガーマネジメントの研修方法

怒りのままに相手を注意しても、部下は素直に受けとることができないでしょう。 アンガーマネジメントができるようになることで、部下の育成や指導にも活かせます。そのため、アンガーマネジメントは企業の研修としても注目を集めています。ここでは、企業で実践できるアンガーマネジメントの研修について詳しく解説します。

座学

研修方法として、アンガーマネジメントの効果などを伝える座学が挙げられます。 怒りの感情が与えるデメリットやメリットを知らない方も多いのではないでしょうか。座学として、怒りの感情をコントロールする大切さを伝えることで、組織全体で「怒りをコントロールしていこう」といった風潮が生まれます。 アンガーマネジメントの大切さを共通認識としてもっておくことで、怒りのままに発言している人がいると互いに注意し合えるようになります。

ロールプレイングの実施

怒りをコントロールするといっても、どのように相手に対応したら良いか分からない方もいるでしょう。 相手を怒ることがなくなっても、トゲがあるような発言をしてしまったり、怒りが表情に出てしまう恐れがあります。ロールプレイングを実施し、実際の場面を想定することで、怒りをコントロールするイメージをつけましょう。 また、ロールプレイングの設定で相手の状況や背景が分かることで、実際に同じような状況が発生しても「相手はロールプレイングで実践したような状況に置かれているのかもしれない」と配慮した考えができるようになります。

怒り項目のチェック

自分が怒るときの状況を整理することで、どのような場合に怒りの感情が生まれるのか把握できるようになります。日本アンガーマネジメント協会によると、怒りのタイプは大きく6つに分かれるといわれています。

  • ・公明正大:正義感が強く、規則や社会規範から外れた行動に怒りを示す
  • ・博学多才:完璧主義であるため、優柔不断な人や些細なミスが目立つ人に怒りを示す
  • ・威風堂々:自尊心が高いため、周囲から低い評価や雑な扱いを受けることに怒りを示す
  • ・天真爛漫:考えを素直に表現できるため、意思表示がはっきりしない人に怒りを示す
  • ・外柔内剛:自分の意思を強くもつため、合わない考え方や価値観に怒りを示す
  • ・用心堅固:慎重で警戒心が強いため、自分の領域に踏み入れられると怒りを示す

怒りのタイプは無料で診断できるため、関心のある方は自分の怒りのタイプを確かめてみてはいかがでしょうか。

 
参考:無料アンガーマネジメント診断
 

07アンガーマネジメント講師に必要な資格とは

アンガーマネジメントは企業の研修でも実践されるほど、需要が高まっています。 アンガーマネジメントを講師として教えるためには、資格を取得する必要があります。アンガーマネジメントに関する資格は複数存在します。講座の受講や認定試験に合格することで取得が可能です。 ここでは、アンガーマネジメントの講師になるために必要な資格を解説します。

アンガーマネジメントファシリテーター

アンガーマネジメントファシリテーターとは、日本アンガーマネジメント協会が認定する怒りの感情に関する専門的な資格です。 資格を取得するには、同協会が主催するアンガーマネジメントファシリテーター養成講座を受講し、試験に合格する必要があります。アンガーマネジメントファシリテーターの資格があれば、怒りの専門家として講座やセミナーを開催したり、企業から協会に依頼があった研修に講師として応募することができます。

アンガーカウンセラー

アンガーカウンセラーは、日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)が認定する資格です。 アンガーマネジメントに関する基本的な知識を有していることが必要であり、独学でも取得可能です。アンガーカウンセラーは、怒りの専門家であると同時にカウンセリング技術の習得を重要視しているため「アンガーカウンセラー」として活躍できます。 一度でも心理学について学んだことがある人は、身につけやすい資格でしょう。

アンガーコントロール士

アンガーコントロール士とは、日本インストラクター技術協会(JIA)が認定する資格です。 怒りをコントロールするための基本知識を身につけ、アンガーコントロール士認定試験に合格すると、取得できるようになります。取得後は、アンガーマネジメントの専門家として、講師としての活動が始められます。

 

 

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08まとめ

生活していると、あらゆる場面で怒りを感じてしまうことがあるでしょう。しかし、怒りの感情を表に出してしまうことは、自分にも周囲にも悪影響を及ぼしてしまいます。怒りの感情とうまく向き合い、コントロールできるようになりましょう。

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