公開日:2022/03/11
更新日:2023/08/21

ESG投資とは?代表的な手法から課題、企業事例まで解説

ESG投資とは?代表的な手法から課題、企業事例まで解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

昨今ニュースや新聞などのマスメディアでよく目にするようになったESG投資。自社の価値創造のために積極的にESGを推進していこうと検討している企業も少なくないでしょう。 本記事では、ESG投資の手法や国内外で注目されている要因、企業事例について解説します。

 

01ESG投資とは

ESG投資は、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の略称であり、環境・社会貢献・企業統治の3つの要素を評価項目として投資先を選別し投資することを指します。ここでは、ESG投資とは何か、なぜ注目が集まっているのかについて解説していきます。

ESG投資の概要

ESG投資は、新しい企業を評価する指標として近年注目されており、社会的なSDGsへの関心の高まりも相まって、ESGに力を入れる企業が増えてきました。前述のように、ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の略称ですが、具体的には次の取り組みを指します。

E
Environment(環境) 気候変動、水資源、生物多様性など
S
Social(社会) ダイバーシティ、サプライチェーンなど
G
Governance(企業統治) 取締役会の構成、少数株主保護など

SRI(社会的責任投資)との違い

SRIとは、「Socially Responsible Investment」の略で、株主がその立場・権利を行使して、経営陣に対して、地域社会の貢献や環境への取り組み、法令遵守など、社会的責任に配慮した持続可能な経営を求めていく投資を指します。SRIは、ESG投資より以前に生まれた言葉で、基本的にSRIとESG投資は同じ意味をなします。ですが、ESG投資は、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)のように、企業が果たすべき社会的責任をより具体的に表すもののため、SRIよりも広く使われる傾向にあります。

ESG投資に注目が集まっている背景

これまでの投資は、数値として確認できる売上高や利益率などが企業の将来性・価値を判断する指標とされていましたが、近年は企業の粉飾決算やデータ改ざんが公になっています。そのため、数値で確認できる財務情報だけでは企業を正当に評価することが困難になりました。このような背景から、環境への取り組みや社会貢献活動、企業統治がその企業の社会的な立ち位置が企業の価値だと考える投資家が増え、ESG投資に注目が集まっています。 ESG投資の特性上、企業の将来的な持続性を判断する点で見ている投資家が多く、短期的でなく長期的な視点での投資を考えている方に注目されている投資でもあります。

 

02ESG投資のメリット

ESG投資は近年、注目が集まっている投資方法の1つですが、メリットとしては、次のようなものが挙げられます。

  • ・持続可能な社会実現への促進
  • ・リスク低減
  • ・長期的な価値創造

ESG投資は、金融リターンだけでなく、持続可能な社会的および環境的な利益を追求することを目指すものです。そのため、ESG投資は持続可能性と社会的影響を重視する投資アプローチであり、長期的なリターンや社会的効果を追求する投資家にとって魅力的な選択肢となる可能性があるのです。ここでは、上記のメリットについて詳しく解説していきます。

持続可能な社会実現への促進

ESG投資では、企業が環境への影響、社会的責任、適切な企業統治(ガバナンス)を考慮することを奨励するため、間接的に、環境への負荷を減少させる可能性があります。そのため、「環境や社会へよい働きかけをしたい」といったように利益以外での投資リターンを求めている方にとっては、おすすめの投資手法といえるでしょう。

リスク低減

ESG要因の評価は、企業のリスク管理能力を向上させる可能性があります。例えば、環境問題に適切に対処しない企業は、将来的に規制の影響や環境関連の訴訟などでリスクに直面してしまいます。そのため、ESG投資は、こうした訴訟リスクなどを軽減する一因とな ります。また、ESG投資家は、企業の持続可能性戦略に関与し、改善を要求することがあるため、企業は透明性を高め、投資家との対話を通じて改善の方向性を見極めることができます。

長期的な価値創造

ESG投資は、長期的な価値創造を促進する傾向があります。ESG評価が高い企業は、社会的信頼を獲得し、従業員のモチベーションや顧客の支持を得ることができるため、収益面でのリターンが大きくなる可能性があり、企業価値の向上が期待できます。結果として、持続的な成長の可能性が高まります。

 

03ESG投資のデメリット

ESG投資にはデメリットも存在します。具体的には次のようなものが挙げられます。

  • ・情報が不十分
  • ・リターンの変動
  • ・定義の曖昧さ

前項の「ESG投資のメリット」で解説したように、ESG投資にはさまざまなメリットが存在します。一方で、「情報の不足」や「リターンの変動」「定義の曖昧さ」といった課題も存在します。ここではそれぞれについて、具体的に解説していきます。

情報が不十分

ESG評価の基準やデータの品質はまだ一貫していません。そのため、企業に関する信頼できる情報を入手し、正確な評価を行うことが難しく、投資判断をする材料を揃えるまでに手間や時間がかかってしまいます。ですが、日本では2023年度から上場企業に対して、非財務情報を開示することが義務付けられました。したがって、上場企業を中心に、ESG投資に関する情報は開示されています。加えて、近年ではESG投資に関する注目度が高まっていることから、今後は情報量が増えていくことでしょう。

リターンの変動

ESG投資は、一般的な投資と比較してリターンが低い可能性があります。また、ESGの内容は短期的に結果が出てくるものではありません。そのため、一部の持続可能な産業はまだ成長段階にあるため、短期的なリターンが期待できないこともあります。このような背景から短期的な投資を好む投資家にとって、ESG投資はあまり参考にならないでしょう。

定義の曖昧さ

ESGの要因や評価基準は企業や投資家によって異なる解釈がされることがあり、一貫性が欠けることがあります。たとえば、ある評価機関が特定の企業を高く評価している一方で、別の評価機関が同じ企業を低く評価する場合があります。そのため、信頼性の高いデータや評価を得るためには、信頼性のある評価機関やデータプロバイダーと協力し、選定基準を明確にし、持続可能な企業を特定するための取り組みが必要です。

 

04ESG投資の代表的な7つの手法

ESG投資は主に7つの手法に分類されます。

  • 1:ネガティブスクリーニング
  • 2:ポジティブスクリーニング
  • 3:国際規範に基づくスクリーニング
  • 4:ESGインテグレーション
  • 5:サステナビリティ・テーマ投資
  • 6:インパクト投資
  • 7:企業エンゲージメント

本項ではそれぞれについて詳しく解説していきます。投資家目線でESG投資を捉えるためにも、各手法についての理解を深めておきましょう。

ネガティブスクリーニング

任意の事業から売上・利益を上げている企業を投資先の候補から選別して外す(スクリーニング)手法です。ESGからかけ離れたギャンブルやたばこなどの事業を行っている企業をスクリーニングし、投資先を絞り込むのに効果的です。  ギャンブルなどのような反社会的・非倫理的な事業とみなされ、ESG投資においては除外の対象となり、中長期的な成長が見込めない事業であるとされています。  ネガティブスクリーニングはアメリカで古くから使用されている手法で、現在ESG投資はアメリカでも注目されており、外国人投資家のポートフォリオにおけるESG投資の割合は増加しています。

ポジティブスクリーニング

ポジティブスクリーニングは、同じ業界でESGにおける評価が高い企業に投資を行う手法です。既にESGに対する評価が高い企業は将来的にも継続して成長が見込めるという考えに基づいています。  財務的な数値は決算書等を確認すればすぐにわかるものの、環境への取り組みや社会貢献活動は定量的には評価しづらい傾向があります。そのため、ポジティブスクリーニングなどを用いて投資判断をおこないます。

国際規範に基づくスクリーニング

スクリーニングでも、国際的な基準に基づいて企業を選別する手法もあります。一定の基準に満たない企業を投資先の候補から外し、ESGを積極的に推進している企業への投資が可能です。代表的な国際基準に国際連合の「国連 グローバル・コンパクトの10原則」があります。この10個の原則は人権や環境などまさにESGに関する原則が明確に決められているため、投資家にとっても使いやすい手法です。

ESGインテグレーション

ESGインテグレーションは、ESGの投資手法の中でも広く使われている手法です。投資する企業を決める上で売上高などの財務情報だけでなく、ESGに関する情報(非財務情報)を判断の指標にする手法です。  非財務情報への取り組みを推進する企業は増加傾向にあり、近年では社会的に働き方改革が進められているため、リモートワークや時短労働などの企業統治・従業員ファーストな取り組みが見られるようになってきました。投資家にとってもこのような企業の取り組みは分かりやすいESGに関する企業の姿勢の表れですね。

サステナビリティ・テーマ投資

持続可能をテーマとする事業を行っている企業に投資をする手法です。SDGsへの関心が高まりつつある日本ですが、まだよくは分からないという方も多いはずです。分かりやすい例としては、地球温暖化に対する取り組み・事業などが挙げられます。他にも性別による賃金格差改善の取り組みもサステナビリティをテーマとする取り組みです。

▼SDGsについて詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】SDGsとは?社内に浸透させるポイントを解説

インパクト投資

昨今の技術の進歩により、ベンチャー企業を中心にこれまで世の中に出ていなかった革命的なサービスを提供する企業が日本でも見られるようになってきました。そのような社会に多大な影響を与えるであろう企業を投資対象とする手法が、インパクト投資です。直接投資はせず、ベンチャーキャピタルを通したESG投資が一般的な流れです。

企業エンゲージメント

これまで紹介してきた手法とはやや性質が異なるESG投資です。企業エンゲージメントとは、その企業の株主が企業に対してESGに関する活動を推進するよう要請する手法です。ESGに対する考えや行動は徐々に広まりつつあるものの、まだ浸透しているとは言えないでしょう。投資家の中には、既に株主である企業にESG投資を啓蒙したいと考えている方もいるでしょう。そのような方には企業エンゲージメントがおすすめです。

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② 日本はS(Social)とG(Governance)の改善余地が大きい
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④ 投資家がダイバーシティを求める理由:人権的観点と経済的観点
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05ESG投資普及の要因

本記事の冒頭でESG投資に注目が集まっている背景を解説しましたが、普及が進んでいる要因として、具体的に次の3つが挙げられます。

  • 1:責任投資宣言(PRI)の提唱
  • 2:海外投資家の保有株式の変化
  • 3:持続可能な開発目標(SDGs)への関心の高まり

これらの共通点として、「海外での動きによる影響」が存在します。ここではそれぞれについて詳しく解説していくので、ESG活動・投資の判断に役立てていきましょう。

責任投資宣言(PRI)の提唱

責任投資宣言(PRI)とは、2006年に国連が発表した原則です。内容は下記の通りです。

  • 1.私たちは投資分析と意思決定のプロセスにESG課題を組み込みます。
  • 2.私たちは活動的な所有者となり、所有方針と所有習慣にESG問題を組み入れます。
  • 3.私たちは投資対象の企業に対してESG課題についての適切な開示を求めます。
  • 4.私たちは資産運用業界において本原則が受け入れられ、実行に移されるよう働きかけを行います。
  • 5.私たちは本原則を実行する際の効果を高めるために協議します。
  • 6.私たちは本原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します。

▶︎参考:責任投資原則 - UN PRI

PRIは投資家に対して長期的な視点でESG情報を考慮した投資行動をとることを求める内容だったため、ESG投資を行う投資家が急増しました。 日本でもPRIの発表を受けて、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」がPRIに署名したことで一般的な投資として浸透しています。

海外投資家の保有株式の変化

日本企業でESG投資が普及した要因のひとつに、海外での人気の高まりがあります。 海外の投資家は低リスクで利益を得られるESG投資に関心を持ち、自身のポートフォリオにおけるESG投資の割合を増やしていきました。加えて、海外の投資家は日本の企業への関心が高く、ESG活動に注力している企業に対して積極的に投資を行なう傾向があります。 この事実が日本に波及し、日本企業の中でESG活動への考え方が変わっていきました。

持続可能な開発目標(SDGs)への関心の高まり

ESGと似た意味の言葉に「SDGs」があります。 最近良く耳にするようになったSDGsは「持続可能な開発目標」という意味で、2030年までに「持続可能でより良い世界の実現」を目的に国連サミットで採択されました。 日本企業でSDGs活動に力を入れている会社は年々増えています。ESGはSDGs実現に向けたプロセスのひとつなので、SDGsへの関心の高まりは、ESG投資の発展に繋がるでしょう。

 

06近年のESG投資の動向

前項で解説したように、ESG投資は日本のみならず世界中で注目が集まっている投資手法です。では、日本におけるESG投資はどのような傾向にあるのでしょうか。ここでは、「政府」「労働団体」「使用者団体」3つの立場から、ESG投資がどのように推進・検討されているのかについて解説していきます。

政府による推進・検討状況

令和4年6月に発表された岸田内閣の推進する「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では、今後10年間で150兆円規模のグリーン・トランスフォーメーション投資を実現するとともに、世界のESG資⾦を呼び込むことを目標に掲げています。そのためにも、企業の情報開示の充実に加え、ESG評価機関の信頼性向上やデータ開示のための基盤整備等を行うことを目標に掲げています。

労働団体による推進・検討状況

⽇本労働組合総連合会では、「企業年金」「公的年金」「労働組合の独自資金」といった労働者が拠出した資金や労働者のために拠出された資金である「ワーカーズキャピタル」を元手にESG投資を推進しています。これにより、環境や社会的な公正、ガバナンスの向上に繋がり、労働者が中⻑期的に安定した収益を確保することができると考えています。

使用者団体による推進・検討状況

日本経済団体連合会(通称 経団連)では、ESG投資が社会への負の影響を最小化させるだけではなく、日本政府が提唱するデジタル化が進んだ未来社会のコンセプトである「Society 5.0」を実現することができると考えています。そのために、ESG投資を推進する指標として、「インパクト指標」を制定し、よりESG投資が推進されるために枠組みを推奨しています。

▼Society 5.0について詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】Society 5.0とは?実現に不可欠な技術とメリットや課題を解説

【参考】ESG投資について | 財務省

 

07ESG投資とSDGsの関わり

労働問題や環境問題、企業の不祥事など、ESG投資を目指すうえでネックとなる課題とSDGsのゴールやターゲットは共通点が多くあります。そのため、SDGsが達成され、持続可能な経済社会が実現することで、GPIFにとって、運用資産全体の長期的なリターン向上につながります。逆に、社会的な課題解決がESG投資を実現し、投資機会を生むことで企業は事業機会を増やすことができ、SDGsを実現させることができるのです。このようにESG投資とSDGsは密接なつながりがあることから、合わせて注目されるようになっているのです。

▼SDGsについて詳しく知りたい方はこちらから▼
【関連記事】SDGs人材を育成するには?その方法とメリットや事例について解説する

SDGsを自分ごと化するための3個の視点

SDGsを自分ごと化するための3個の視点
 

世界的に広がっているSDGsの取り組みはただのトレンドではなく、私たち個人個人がしっかり考えていくべきトピックスです。しかし、壮大な目標であるがゆえに、実態が分からなかったり、環境に良い、困っている人を助けると善意のつもりで行った行動が実は逆の結果を導いてしまったりと、個人がアクションを起こす上でのハードルが高いことも事実です。SDGsに向き合う時に、まず最初にやるべきは「知る」というアクションを起こすことが重要です。「知る」上で押さえておくべき3つの視点〜「善意の恐ろしさ」「便利さの裏にある犠牲」「問題の認知から始める」〜 について学んでいきます。

  • フリーランス国際協力師

    1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒業。フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。これまでウガンダの元子ども兵や南スーダンの難民を支援してきた。大学在学中にNPO法人コンフロントワールドを設立し、新卒で国際協力を仕事にする。出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月小野梓記念賞を受賞した。 大学卒業後に適応障害を発症し、同法人の活動から離れる。半年間の闘病生活を経てフリーランスとして活動を再開。ウガンダのローカルNGOと協働し、北東部で女子児童に対する生理用品支援などに従事。他にも講演やブログ、YouTube、オンラインサロンの運営にも携わるなど、「フリーランス×国際協力」という新しい働き方を追求している。著書『世界を無視しない大人になるために』『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』

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ビジネスパーソンが理解しておくべきSDGsの基本知識

ビジネスパーソンが理解しておくべきSDGsの基本知識
 

この授業ではSDGsの基本知識について学びます。 SDGsの17のゴールの解説や、SDGsへの関心、取り組みについての現在の社会環境について紹介します。

  • 株式会社Drop SDGsコンサルタント

    新卒より8年間働いた会社でインド、インドネシア、タイなど7カ国の販路開拓し、海外展開に奔走。2019年8月に退職。翌月よりサハラ以南の現状を自分の目で確かめたく、アフリカのセネガルに1ヶ月滞在し、プラごみ問題の解決に奔走。帰国後は社会課題を解決するスタートアップ企業 株式会社Dropの創業メンバーとしてジョイン。 これまで企業・青年会議所・教育機関などでSDGs研修を開催し、これまで計40万人のビジネスパーソン向けにSDGs研修を実施。YouTuberとしても、ビジネスパーソン向けにSDGsの基本知識から取り組み方法について発信中。

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残り10年、SDGs目標達成を考える書籍

残り10年、SDGs目標達成を考える書籍
 

この授業では、「企業がSDGsに取り組む際の考え方」について、具体例や思考のポイントを併せながら解説していきます。

SDGsを含む2030アジェンダには、2030年の世界が目指したい姿や厳守すべき原則が書かれているものの、それを実現していくための方法や具体的なステップは書かれていません。

そこで、本授業では、『図解入門ビジネス 最新SDGsの手法とツールがよくわかる本』(秀和システム)の編著者で、地球環境戦略研究機関(IGES)持続可能性ガバナンスセンターの研究員であられる天沼伸恵先生と小野田真二先生をお迎えして、以下のテーマで授業を行います。

・SDGsを取り組む際に抑えておくべきポイント
・そこにまつわる事例

SDGsの取り組みを考えている起業家の方、関連する事業を運用したいと考えているビジネスパーソンの方には、重要な考え方になるかと思います。

何を前提にして事業を運営するのか知り、組織を動かせるビジネスパーソンへと成長していきましょう。

  • 地球環境戦略研究機関(IGES)主任研究員

    地球環境戦略研究機関(IGES)持続可能性ガバナンスセンターの主任研究員。2013年から2017年にかけて国連アジア太平洋経済社会委員会に勤務し、SDGsの策定、実施、フォローアップ・レビューにかかわるプロセスに従事。SDGsに関する国内外の動向を調査している他、持続可能な社会構築に向けて政府、企業、市民社会などの様々な主体がいかに連携していけるか研究している。
  • 地球環境戦略研究機関(IGES)研究員

    IGES持続可能性ガバナンスセンター研究員。2012年のリオ+20以降、SDGs国際交渉、ハイレベル政治フォーラム(HLPF)等にNGO、研究員、政府代表として参加。環境省環境産業市場規模検討会委員、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのSDGsタスクフォースメンバー、神奈川工科大学非常勤講師等も務める。主な著書に、『SDGsの基礎』(共著、2018)など。

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08ESG投資の課題

日本でも普及しつつあるESG投資ですが、まだ歴史は浅く、更なる発展のためには課題が残っています。具体例を挙げて見ていきましょう。

企業のESG情報開示不足

これまで主流であった財務情報を評価項目とした投資は、企業の開示情報が投資判断の鍵でした。それはESG投資でも同様です。企業はどのようなESG活動を行なっているのか、何を目的としているのか、今後の方針は何かなど、投資家に開示することで賛同を得られるものの、質・量の両面に置いて開示が不足していると言われています。 量が不足している要因は、日本特有の同業他社同士の対抗意識にあります。他社の出方を見てから自社に有利になるような開示をしたいという心理が、開示不足を招いています。 質の面では、ESG活動がまだ浸透していないことが要因に挙げられます。ESG活動に注力している企業は増えてきてはいるものの、実例はまだ少ないのが現状です。 これらを解決するためには、株主が株主総会で企業に働きかける、役員報酬をESG活動の達成度に紐づけるなど、既存・新規の仕組みを上手く使った手法が必要になってくるでしょう。

ESG評価手法の確立

ESGはまだ歴史の浅い取り組みです。活動を実施する側はもちろん、評価する側の改善は必須と言えます。 企業のESG活動を評価する評価会社は年々増えてきてはいるものの、それぞれの会社で評価方法が異なるため、同企業にまったくかけ離れた格付けがされるケースも見受けられます。整合性の面でも改善が必要と言えるでしょう。

 

09ESG投資の企業事例

最後に、ESG活動を積極的に行なっている企業を紹介します。 これからESG活動を検討していきたいと思っている企業担当者や投資家の方はぜひ参考にしてみてください。

花王

花王は2019年にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を発表しており、つめかえ・つけかえ製品のプラスチック使用量削減・再生プラスチックへの変更を実現しています。 さらに、2030年までにユニバーサルガイドラインに適合する新規製品・改良製品の比率を100%にする目標「ユニバーサルプロダクトデザイン」を掲げました。 目標の確立を行動力・実現力が高く、国内の他の企業よりも先進的にESG戦略に取り組んでいます。

▶︎参考:「花王公式ホームページ、花王 ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を発表

日本郵政

日本郵政はESGの中の特にG(Governance 企業統治)に力を入れており、グループの経営方針で監査・内部統制の確立、適切な情報開示による経営の透明化の実現を謳っています。グループ会社の一つひとつが常にガバナンスを意識し経営することでリスク管理になり、日本郵政全体のESG活動が推進されています。

▶︎参考:「日本郵政公式ホームページ、ESGナビゲージョン

積水ハウス

ESG戦略の長期目標である「 サステナビリティビジョン2050」を策定している積水ハウスは、脱炭素社会の実現に向けた戸建住宅の見直し、生物多様性保全を目指した緑化運動などに力を入れています。社会課題においても、スマートワークや幸せ健康経営を掲げ、働き方改革の推進に注力しています。

▶︎参考:「積水ハウス公式ホームページ、サステナビリティ・ESG戦略」


 

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10まとめ

ESG投資の概要、普及している理由と課題、企業事例を解説してきました。 更なる普及のためには課題を一つひとつ解決していく必要がありますが、世界で注目されている投資・活動であることは間違いありません。 本記事がESG投資・活動を検討している方の参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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