変化対応力とは?人材・組織に止められる理由や高める方法を解説

変化対応力を高めることで、環境変化やイレギュラーに素早い対応ができるようになります。変化対応力は、現代のビジネス環境においては個人と組織、双方で高めておきたいスキルです。本記事では変化対応力の概要と高める方法、組織としての変化対応力を解説します。
- 01.変化対応力とは
- 02.ビジネスに変化対応力が求められる理由
- 03.変化対応力を高めるメリットとは
- 04.変化対応力が高い人材の特徴
- 05.変化対応力が高い組織の特徴
- 06.変化対応力を向上させるには
- 07.変化対応力を向上させるSchooのオンライン研修
- 08.まとめ
01変化対応力とは
変化対応力とは、環境の移り変わりに素早く、かつ柔軟に対応する能力のことです。変化対応力がある人材は、自身を取り巻く環境変化に強い耐性を持ち、どのような環境に置かれてもパフォーマンスを落とすことがありません。トラブルにも冷静かつ柔軟に対応できる強みを持っています。
02ビジネスに変化対応力が求められる理由
ビジネスを取り巻く環境変化は、加速度的にスピードを増しています。現代を取り巻く環境で活躍し続けるには、変化対応力を高めることが必要です。 ビジネスに変化対応力が求められる理由は、大きく以下の3つが挙げられます。
- ・1.働き方やITツールの変化
- ・2.求められるスキルの多様化
- ・3.VUCAの時代であること
1.働き方やITツールの変化
働き方の変化やITツールの発達が、変化対応力が求められる理由の一つです。リモートワークの普及は、これまでの働き方を大きく変えました。また、従業員間の情報共有やタスク管理に、ITツールの活用を進める企業も増えています。 こうした変化に柔軟に対応できなければ、業務を停滞させてしまうことが考えられます。
2.求められるスキルの多様化
近年は人材に求められるスキルも多様化しています。DXをはじめとした、デジタル技術の発展は、これまでのビジネスモデルに変化をもたらしました。こうした環境では、会社の組織構造や、仕事の進め方にも変化が生じます。 これまで必要とされたスキルだけでは、業務に対応できなくなることが考えられます。
3.VUCAの時代であること
VUCAとは、「先行きが不透明で将来の予測が困難な状態」を指す造語です。近年では実際に、天災や感染症の流行などで、大きな環境変化が生じています。こうした予測困難なビジネス環境においては、どのような変化にも柔軟に対応する能力が求められるのです。
03変化対応力を高めるメリットとは
ここでは変化対応力を高めるメリットについて考えていきます。変化対応力は、昨今のビジネス環境においては、組織と個人の双方で高めておきたいスキルです。 変化対応力を高めるメリットは、具体的に以下の3つが挙げられます。
- ・1.激化する市場競争に対応できる
- ・2.個々の人材・市場価値が高まる
- ・3.マネジメントスキルが向上する
1.激化する市場競争に対応できる
変化と多様化を続ける消費者のニーズに、スピードと柔軟さを持って対応できない場合、市場における競争力を低下させ、やがて淘汰される可能性が高まります。組織と人材の変化対応力を高めることで、消費者のニーズに見合った製品やサービスを、より早く提供していかなくてはなりません。
2.個々の人材・市場価値が高まる
環境変化に素早く順応しトラブルに強い人材は、あらゆる組織においても高く評価されます。変化対応力を高めることで、これまでの経験に捉われず、新しいスキルや知識を吸収していけるでしょう。どのような環境においても活躍できることは、人材としての市場価値を高めます。
3.マネジメントスキルが向上する
マネジメントスキルの向上にも良い影響を及ぼすことが考えられます。変化に強いことは、多様性への対応力も強いことにつながるのです。所属する人材の多様性を受け入れ、柔軟なマネジメントを行うことでメンバーの活躍機会を作ります。変化対応力を高めることで、有能な管理職として活躍できるでしょう。
04変化対応力が高い人材の特徴
対応力が高い人材は、どのような環境に置かれてもパフォーマンスを落とすことなく活躍するでしょう。変化対応力が高い人にみられる特徴には以下の5つが挙げられます。
- ・1.好奇心旺盛でチャレンジ精神がある
- ・2.前例にとらわれない
- ・3.レジリエンスが高い
- ・4.多角的な視野で物事を判断できる
- ・5.巻き込み力がある
1.好奇心旺盛でチャレンジ精神がある
変化対応力が高い人は、常に好奇心旺盛でチャレンジ精神に溢れています。変化に対する耐性が強いため、新たな取り組みにも臆することがありません。チャレンジの過程で困難に見舞われても、柔軟に対応し切り抜けていけます。こうした自信が、不安よりも好奇心を優先させることにつながるのです。
2.前例にとらわれない
変化対応力の高さは、前例にとらわれない柔軟な思考に由来するものです。変化対応力の高い人材は、今、目の前で起きている出来事に向き合い最善の対処を考えます。過去の前例にとらわれ、単一的な視点で考えることはありません。こうした特徴は、問題解決力の高さにつながっていると考えられます。
3.レジリエンスが高い
レジリエンスとは「回復力」「しなやかさ」を意味する言葉です。変化対応力の高い人材は、このレジリエンスも高い傾向にあります。レジリエンスの高さは、逆境への強さにつながります。変化対応力の高い人材が、困難にトラブルに遭遇しても「心が折れる」ことなく、柔軟に対処できるのはレジリエンスがあるからにほかなりません。
4.多角的な視野で物事を判断できる
変化対応力の高い人材は、多角的な視点で物事を判断します。視野が広く、物事に対し全体を俯瞰する視点を持っています。そのため一つの出来事に対して複数の選択肢を柔軟に考え、最適な解決策を導くのです。対応力の高い人材がトラブルに強いのは、こうした視野の広さによるものです。
5.巻き込み力がある
巻き込み力があるのも、変化対応力がある人の特徴です。変化対応力の高い人はコミュニケーションスキルも高い傾向にあります。物事の変化を素早く察知し、相手に応じた的確なコミュニケーションを行います。そのため周囲の人々からの信頼も厚く、上手に周りを巻き込み仕事を進めていけるのです。
05変化対応力が高い組織の特徴
ここまでは人材の変化対応力についてみてきました。ここからは組織としての変化対応力について考えていきます。 変化対応力が高い組織が、共通して持つ特徴に挙げられるのは、以下の3点です。
- ・1.従業員の当事者意識が高い
- ・2.自律型人材が活躍している
- ・3.エンゲージメントが高い
1.従業員の当事者意識が高い
従業員の当事者意識の高さが、組織としての変化対応力につながります。当事者意識の高い従業員は変化を感知する能力が高く、市場の変化や顧客の要望を敏感に感じ取るためです。 そして、察知した変化を素早く社内に共有し、戦略に反映させます。こうした従業員が多くいることで、組織としての変化対応力が高まります。
2.自律型人材が活躍している
自律型人材は環境変化に直面した際に、自分の頭で考え最適な解決策を導きだそうとします。こうした人材が多く活躍する企業は、意思決定を全てトップの判断に委ねることはありません。意思決定が早く、現場レベルの対応力が高い組織となるため、変化対応力もおのずと高まるのです。
3.エンゲージメントが高い
変化対応力の高い組織は、エンゲージメントも高い傾向にあります。エンゲージメントとは、従業員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」を指す言葉です。組織の「ミッション」「ビジョン」に共感することで、従業員は仕事に本気で取り組むようになります。従業員のこうした本気が、変化に強い組織を作り上げるのです。
06変化対応力を向上させるには
組織としての変化対応力を向上させるには、人材育成の取り組みが不可欠です。具体的には以下に挙げる方法が考えられます。
- ・1.変化を恐れない姿勢や人材像をクレドとして推奨する
- ・2.社員のレジリエンスを高める
- ・3.リカレント教育を推奨する
- ・4.人材教育や研修を行う
1.変化を恐れない姿勢や人材像をクレドとして推奨する
変化を恐れずチャレンジする姿勢を、自社の求める人材像やクレドに設定するのも良い方法です。クレドとは、全ての従業員が心がける心情や行動指針のことです。クレドとして定着させるには、チャレンジが賞賛される文化や、攻めた結果の失敗に寛容な組織風土の醸成も合わせて行う必要があります。
2.社員のレジリエンスを高める
従業員のレジリエンスを高め、逆境に負けないしなやかさを身に付けてもらうことも効果的です。レジリエンスを高めることで、変化を恐れずチャレンジするマインドが形成されます。例え、失敗したとしても心理的なリカバリーが早いため、すぐに次の対応ができるのです。レジリエンスを高めることで、より強固で柔軟性の高い組織へ成長していけるでしょう。
3.リカレント教育を推奨する
企業としてリカレント教育を推奨するのも一つの方法です。リカレント教育とは、学校教育から離れ社会に出た後でも、必要なタイミングで再び教育を受け、仕事に役立つスキルを身に付けていくものです。 リカレント教育が注目される背景には、急速な技術革新、市場や雇用の変化があるとされます。変化対応に必要なスキルを身に付けるには、「生涯を通じた継続的な学び」が必要なのです。
4.人材教育や研修を行う
変化対応力を養う人材教育や研修は、人材育成のテーマの一つとして、企業全体で取り組むことが望ましいといえます。変化対応力を高めるスキルは多岐にわたります。コミュニケーション力やレジリエンスを高めることも必要です。変化を察知する力も養わなくてはなりません。研修や勉強会を継続的に実施することで、こうしたスキルを高めていけるでしょう。
07変化対応力を向上させるSchooのオンライン研修
Schoo for Businessは、国内最大級7,000本以上の講座から、自由に研修カリキュラムを組むことができるオンライン研修サービスです。導入企業数は2,700社以上、新入社員研修や管理職研修はもちろん、DX研修から自律学習促進まで幅広くご支援させていただいております。
Schoo for Businessの特長
Schoo for Businessには主に3つの特長があります。
【1】国内最大級7,000本以上の講座数
【2】研修設定・管理が簡単
【3】カスタマーサクセスのサポートが充実
変化対応力に関するSchooの講座を紹介
Schooは汎用的なビジネススキルからDXやAIのような最先端のスキルまで、7,000本以上の講座を取り揃えております。この章では、変化対応力に関する授業を紹介いたします。
OODAループ思考入門
本授業は、以下の三つの特徴を持つ、(1.業界業種に縛られず応用が聞くこと、2.変化への対応力が高いこと、3.意思決定がスピーディである)『OODAループ思考』をシーン別に鍛錬するコース授業です。
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アイ&カンパニー・ジャパン代表 経営コンサルタント
経営コンサルタント、経営者、元シリコンバレー・ストラテジスト。米国において、シスコシステムズ本社のマネージングディレクターとして次世代エコシステムの構築、システムロックイン戦略の策定をグローバルで指揮。日本企業の経営幹部とシリコンバレーの現場にて米国流経営と日本的経営について比較し目指すべき経営モデルを明らかにする。ハーバード大学にてビジネスケースによる米国流の自ら考える教育を受ける。 日本においては、外資系戦略コンサルティングファームの日本・アジア代表を歴任。PwCコンサルティングでは、アンダーセンとKPMG統合を行い千人規模のコンサルティングファームの構築を統括。EYコンサルティングにおいては、赤字であった日本法人を一年で世界最高の利益率を誇る事業に転換。 OODAループをはじめ全体最適・自律分散の先進的な経営モデルの提言と導入を主導。これらの実績に基づいて、書籍の執筆や講演そして早稲田大学や首都大学東京大学院などでの講師を通して日本の経済界の変革の大きな流れを作ってきている。 ソニー、NTTなどのニューヨーク証券取引所上場に関わる会計監査も担当。 ボランティア活動としては、経済同友会にて経済成長戦略委員会副委員長、公立小学校の名門 港区立青南小学校のPTA会長および評議員、港区小学校PTA連合会役員などを歴任。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
08まとめ
変化の激しい現代のビジネス環境においては、変化対応力は組織と人材の双方で高めておきたいスキルです。変化対応力を高めることで、組織は競争力を高めます。人材にとっては、自身のビジネスパーソンとしての価値を高めることにつながります。 変化対応力の向上は、社員教育の重要なテーマとして取り組んでいかなくてはなりません。