公開日:2019/08/06
更新日:2023/08/10

「研修マニュアルってどう作るの?」新人教育で活用すべきマニュアルの作成方法

「研修マニュアルってどう作るの?」新人教育で活用すべきマニュアルの作成方法 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

新人研修でマニュアルを活用する企業は多いですが、せっかくマニュアルを作成したにも関わらず、運用しきれずに困っているということも耳にします。今回のこの記事では、せっかく作成したマニュアルを一時的なものにしないための活用方法や、作成のポイントについて解説します。自社で新人研修のマニュアルを作成する際や運用の見直しの際に、ぜひご参考ください。

 

01新人教育で活用できるマニュアルの必要性とは?

そもそも研修マニュアルの必要性を理解するためには、マニュアルを作成するメリットとデメリットを知る必要がありますので、ここで解説します。

マニュアルのメリット

・いつでも振り返られるため習熟度が上がる
 マニュアルのメリットの1つは、いつでも振り返って学習ができるという点です。新入社員の中には、研修や周囲の社員などから一度教育を受けても、忘れてしまって思い出せないとか、ノートに控えたのに手順が正しいか不安になってしまう、という人もいるでしょう。ちょっと確認したい、という時にマニュアルがあれば、自力で解決できますし、繰り返し振り返ることによって自然と習熟度も上がると期待できます。
・仕事の質や判断のばらつきを防げる
 仕事の精度は個人差があり、どうしてもばらつきが出てしまいます。例えば企画など、個人の創造力が求められるものであれば、ばらつきがあってもよいでしょう。しかし、製品を作る・機械を操作する・品質をチェックするというような、個人差による精度のばらつきが許されない場合には、それを防ぐためにマニュアルが必要です。作業手順や判断などをその人に任せるのではなく、あらかじめ決められたものがあることによって、携わる全員が同じ精度で仕事をすることが可能になります。
・新入社員が安心して仕事に取り組める
 新入社員が安心して業務に取り組めるのもマニュアルのメリットといえます。上の2つで紹介したように、定期的に振り返ることができるため習熟度が上がりますし、手順や判断基準に自信がなくても、マニュアルに記載があればその指示に沿って仕事を進められます。また、マニュアルに触れているうちに、自社の仕事のやり方や考え方も身につきます。自社の風土にいち早く慣れてもらうためにも、マニュアルの存在は重要です。
・教育や指導にかかる工数を削減できる
 新入社員が仕事に慣れるまでは、ある程度、教育にかける工数を確保すべきでしょう。しかし、実際に業務を進めていくと、自力では解決できない問題や判断に迷うといったことに何度もぶつかります。そのような際、多くの企業では、“すぐに人に聞くのではなく、まず自分で調べ、解決できなければ周囲の人(あるいは職場先輩など)の指示を仰ぐ”というようなことを指導すると思いますが、この自分で調べるという過程で、マニュアルが役立ちます。手順や判断が常に一定な仕事に関しては、マニュアルに記載するだけで新入社員の悩みを減らすことができます。新入社員の悩みを減らすことができれば、周囲の社員の指導にかける工数を減らし本業に専念してもらうことができます。
・口頭だけでは伝わらないところがわかる
 例えば機械や画面の操作などは、実際操作する対象のものが目の前になければ、いくら口頭で説明してもなかなか伝わりません。しかし、マニュアルであれば、図や写真などを掲載できますから、実際の手順などをわかりやすく説明することが可能です。

マニュアルのデメリット

・作成工数の確保が必要
 マニュアルにはいくつかのメリットがありますが、マニュアルを用意するには、ある程度まとまった作業工数が必要になります。例えば人材育成に関わる社員が多く、マニュアル作成のために本業から離れても差し支えないという状況であれば、すぐに取り掛かることができるかもしれません。しかし、もともと人員不足で困っているという企業(あるいは部署)では、マニュアルを作成するための工数の確保が難しいと感じるところもあるかもしれません。作成に割く工数がきちんと確保できるのかを見極める必要があるでしょう。
・定期的に更新や見直しが必要
 マニュアルは、作って終わりではなく定期的な更新や見直しが不可欠です。手順ルール、判断基準の変更・廃止などは、その都度マニュアルも変更しなければ、情報が古くて使えないという事態に・・・・・・。せっかく作成したマニュアルが、誰にも使われないものにならないよう、きちんと管理担当者を作り、更新などの工数もあらかじめ見積もっておく必要があります。
・その都度状況判断が必要な事柄には適していない
 マニュアルさえあれば、新入社員は誰でも全ての仕事ができるようになるかというと、決してそういうわけではありません。マニュアルに記載できるのは、一貫している事柄に限られますから、状況判断が必要な事柄には適していないのです。そのため、新入社員がそのような問題に直面した際には、その都度直接の指導が必要になります。
・解釈に個人差が出ることがある
 わかりやすく作成したつもりでも、読み手によっては作成者の意図と異なる解釈をされることがあるかもしれません。できる限り誰が見ても同じ解釈ができるような表現や図解などを心がけて作成すべきでしょう。作ったマニュアルが正しく運用されるかどうか、事前に複数の人からチェックを入れることをおすすめします。

マニュアルを有効活用する方法

 せっかく作成したマニュアルも、運用されなければもったいないと考える方は多いと思います。有効活用する方法としては、「研修や勉強会の教材として使用する」「社員全員にマニュアルの存在を知ってもらい、業務の中で積極的に使用してもらうよう協力を促す」「考課査定に使用する」などの方法があります。 特に「考課査定で使用する」という点に関しては、評価基準の一部に“マニュアルに沿って一人で業務ができる”というような項目があると、振り返る機会につながります。また、新入社員向けのマニュアルであれば、社内全員を対象にした強化対策などは実施しづらいかもしれませんが、自主的に行われる勉強会やミーティングなどで、マニュアルを使用しながら振り返る機会を設けてもらうよう、アナウンスするのもよいかもしれません。

 

02新人教育マニュアル作成のポイント

マニュアルを作成する際のポイントは主に3つあります。また、使いやすいマニュアルと使いにくいマニュアルの違いも抑えておく必要がありますので、ここで解説します。

マニュアル作成のポイント

・理念や目的など、指針となるメッセージを記載する
 マニュアルには、自社の理念や行動指針、その業務の目指すところなどをあらかじめ記載しておくと、新入社員が自身の行動を判断する際の基準になります。マニュアルを通じて、自社が求める姿勢や仕事のやり方を理解・浸透させるためにも指針となるメッセージが必要といえます。
・使用するタイミングを記載する
 マニュアルは、それを使用するタイミングまで漏れなく記載しておくことが望ましいといえます。わからなくなったらマニュアルで確認するように伝えても、面倒だからと怠る人がいるかもしれません。しかし、例えば作業手順の中にマニュアルを閲覧するという項目があらかじめ組み込まれていれば、手順通りに行うだけで毎回マニュアルを開くことになります。
・新入社員のつまずきやすいところをあらかじめ記載しておく
 一般的にマニュアルを作成するのは、人事担当者や新入社員の教育担当者だと思いますが、いずれにしても作成者はすでに業務に慣れた人ですから、新入社員のつまずきやすいポイントに気づかないこともあります。過去の新入社員がどのようなところにつまずいていたのかをヒアリングし、記載しておくと親切です。慣れた頃に新入社員にマニュアルの更新や追記を依頼すると、新たな発見があるかもしれません。

使いやすいマニュアルと使いにくいマニュアルの違い

・長い文章は避け、わかりやすい文章展開にする
 使いやすいマニュアルにするためには、文章表現や展開に注意が必要です。長い文章は、誤読する可能性も高くなりやすいので、意識的に簡潔な文章にします。また、図版などを用いて視覚的に理解しやすくする工夫もあるといいでしょう。専門用語の多い業界の場合は、できるだけ専門用語を用いないようにするか、もしくは用語リストなどを用意するとつまずきも少なくなると考えられます。
・情報は定期的にアップデートし、更新情報をまとめる
 マニュアルは定期的に見直し、古い情報などがあればアップデートしましょうということは上述しました。しかし、アップデートする際には注意が必要です。なぜなら、アップデートした部分やアップデートを行った理由などを残しておかないと、情報を更新されたことに気付かない人が、古いマニュアルに則って作業を進めてしまう恐れがあるからです。ですから、マニュアルを書き換えた部分と、書き換えた理由が明確にわかるようまとめておき、誰からもわかるようにしておくことが大切です。
・いつでもすぐに閲覧できるようにする
 社内の決まったパソコンからしかアクセスできないとなると、次第にマニュアルから遠のいてしまいますから、時間や場所、端末を選ばず、マニュアルの閲覧ができるようにすると、利便性が高くなります。機密情報の取り扱いには細心の注意が必要ですが、社員全員がアクセスできる環境にマニュアルを保存しておくとよいでしょう。
 

03効率的に見やすいマニュアルを作成する方法

社員研修・人材育成向け定額制eラーニングのSchooでは、Wordを使い効率的にマニュアルを作成するノウハウを授業として提供しています。ここからは、「劇的に作業効率が上がるWordの使い方【Wordらしい機能を活用してマニュアルを作成する】」という授業から一部を抜粋し、マニュアルを効率的に作成するために必要なWordの操作方法についてお伝えしていきます。

劇的に作業効率が上がるWordの使い方【Wordらしい機能を活用してマニュアルを作成する】

劇的に作業効率が上がるWordの使い方【Wordらしい機能を活用してマニュアルを作成する】

この授業では、Microsoft Office の 1 つである Word についてご紹介します。 この授業を受講すると、Wordを使って効率的にマニュアルを作る方法を習得することが出来ます。

 
担当講師:石田 かのこ先生
一般社団法人 実践ワークシート協会

Microsoft 製品、サービスのユーザー向けトレーニングの実施、オンライン記事の執筆などを行っている。 最新バージョンの Office はもちろん、過去のバージョンについての知識も豊富で、企業のバージョンアップに伴うOfficeトレーニングや企業内活用セミナーなど、実務レベルトレーニングを得意とする。

劇的に作業効率が上がるWordの使い方【Wordらしい機能を活用してマニュアルを作成する】を無料視聴する

スタイルを活用する

「ホームタブ」を選択し、「段落」というグループを探しましょう。「段落」というグループの中に、小さな矢印が2つ書かれた、「編集記号の表示・非表示ボタン」があります。ここがオフになっている方はここをオンにしてください。次に、「表示」というタブに切替え、左の方を見ていただくと、「ルーラー」「ナビゲーションウィンドウ」というチェックボックスが3つあるので、そこにチェックを入れてください。そこまでできましたら、画面上部のタブを「ホーム」に戻してください。ホームタブの右の方に、「ギャラリー」がいくつかあることがわかります。このギャラいーを使うことで、見出しには見出しに適したスタイルを、小見出しには小見出しに適したスタイルを自動で生成してくれるため、見やすいマニュアル作りにとても便利です。

ページ番号

Wordのツールバーにある「挿入」の部分から、「ページ番号」というタブをクリックすると、ページ数を入れる場所を選択することができます。多くの場合はページの下部に挿入することが多いですが、好みによって入れる場所を選択できます。ページ番号を入れることでマニュアルを何度も見るときに便利だったり、どこまでマニュアルを読み進めたかを確認しやすくなります。

目次を入れ込む

Wordのツールバーの「参考資料」のタブを開くと、一番左側に「目次」という表示があります。その目次という表示をクリックすると、いくつかの目次の種類が出てきますので、お好みで選ぶことができます。目次がないマニュアルでは、どこに何が書いてあるのかがわからず、読みたい場所を探すのに時間がかかってしまいます。目次はマニュアルには必須と言えるものなので、必ず入れるようにしましょう。

 

04マニュアルでカバーできないもの

マニュアルは一貫性のある作業を非常に効率的に行えますが、万能では無いため、カバーしきれない教育場面なども多々あります。ここでは、具体的にどんな状況ではマニュアルでカバーできないのかと言うことを解説していきます。

社員それぞれのノウハウの継承

マニュアルでカバーできないことの1つに、社員それぞれに帰属しているノウハウの継承が挙げられます。どんな会社にも、社員それぞれが持っている知識やスキルといったノウハウがあります。そのような一社員に帰属する知識は、なかなかマニュアルを用いて行えるものではありません。やはりノウハウを持つ社員それぞれが部下の社員に直接教えていく必要があり、マニュアルを作って全て同じように教えていくと言うようには上手くいきません。そのため、社員それぞれに帰属するノウハウを教えるためには、マニュアルではなくそれぞれの社員に合った方法を採ることが大切です。

ロールプレイングが必要なスキル

そして、ロールプレイングが必要なスキルに関しても、マニュアルはあまり活用できません。ロールプレイングが必要なスキルとしては、ビジネスマナーやコミュニケーションスキルなどが挙げられます。ビジネスマナーやコミュニケーションスキルはマニュアルを活用しても学ばせる事はできますが、やはりロールプレイングや実践を通して学ぶ方が効果的です。反対にマニュアルにこだわって研修を行っても、社員によってはその方法が合わずにコミュニケーションスキルやビジネスマナーが身につかないと言うこともあります。

コンプライアンスに関する内容

最後に、コンプライアンスに関する内容もマニュアルを使った研修には向いていません。その理由として、コンプライアンスは時代によって変化するものであり、社会情勢やテクノロジーの進化によって、新たなハラスメントやコンプライアンス上の問題が生まれます。そのため、仮にマニュアルを作って研修を行おうとしても、頻繁に変化するコンプライアンスの問題に対応しきれません。つまり、コンプライアンスに関する研修をマニュアルを用いて行おうとすると、頻繁にマニュアルを作り替える必要があるため、かえって非効率になってしまうのです。


 

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
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05マニュアルでカバーできない部分を補うオンライン学習サービス

Schooビジネスプランでは約8,000本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。

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1.研修と自己啓発を両方行うことができる

Schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,000本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。

2.新入社員研修におすすめのSchooの研修パッケージ

様々な研修に対応できるSchooビジネスプランの研修パッケージですが、もちろん新入社員研修にも対応しています。Schooの新入社員研修パッケージには、新入社員がまず身につけなければならないビジネスマナーや報連相に関する知識から、ビジネスパーソンとして必要なOAスキルやコミュニケーションスキルまでがラインナップされており、新入社員に必要なスキルや知識をこの研修パッケージで網羅できます。

さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。

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3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる

Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。

管理画面の使い方1

まず、Schooビジネスプランの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。

管理画面の使い方2

この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。

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 動画学習を活用することで事前に業務に関する知識をインプットをした上で、集合研修やOJTに臨むことができます。
 それにより集合研修やOJTの場は知識の定着を図ったり疑問点を解決したりといった時間に充てることができ、 研修をより効果的に行うことが可能です。
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この記事を書いた人
Schoo編集部
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Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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