ロールプレイング研修とは?役割から実施方法までを徹底解説
営業や接客のスキルを向上させるための方法として、実施されることが多いロールプレイング。本番さながらを想定して実施するため、個人の課題を明確にするなどビジネススキルの向上に非常に効果的です。また、最近では新入社員研修やメンバーのスキル向上などで導入されています。では、ロールプレイング研修はどのように実施するのでしょうか。本記事では、ロールプレイングの目的や種類、効果的な方法を解説します。
- 01.ロールプレイングとは?
- 02.ロールプレイング研修のメリットと注意点
- 03.ロールプレイング研修の実施方法
- 04.効果をより高めるためにはフィードバックが重要
- 05.ロールプレイング研修の事例
- 06.研修にはSchooビジネスプランがおすすめ
- 07.まとめ
01ロールプレイングとは?
ロールプレイングと聞いて、みなさんはどのようなものを想像するでしょうか。「なんとなくイメージはつくけど、どのように実施すればより効果が最大化されるのかわからない」いう方もいらっしゃると思います。ここでは、ロールプレイングの定義と実施する目的について解説します。
ロールプレイングの定義
ロールプレイングは、「役割(role)」と「演じる(play)」を組み合わせた言葉です。日本語では「ロープレ」とも呼ばれ、現場や実際に近い疑似場面を想定し、その中で自分の役割を演じることで、スキルを身に付けるという学習方法です。
ロールプレイング研修の目的は実践力の強化
ロールプレイング研修の目的は「実践力を身につける」ことです。 お客様への接客やクライアントへの営業、採用面接など、対面でのコミュニケーションを必要とする業務は座学だけのインプットですべてを身につけることは難しいでしょう。座学を通して、どれだけ網羅的に接客について学んだとしても、実際に活かすことができなければただの知識となってしまうからです。したがって、ロールプレイングを導入することで、座学で学んだ知識を、現場で活かすことができる実践力に昇華させることができます。また、これらを繰り返し実施することで、現実の同じような場面に遭遇した際に、とっさに理想的な応対が出来るようになることができるでしょう。
02ロールプレイング研修のメリットと注意点
位置づけとして、座学研修の学びに再現性をもたせ、実践力を身につけるためにロールプレイング研修があるということを前項で紹介しました。では、それ以外にどのようなメリットがあるのでしょうか。また、実際にはどのような部分に注意しておく必要があるのでしょうか。ここではメリットと実際に注意しておくべきことを紹介していきます。
ロールプレイングのメリット
ロールプレイング研修では、「実践力を身につけられる」というメリット以外に「個人としての成長や課題を知ることができる」「成功体験をつけることができる」「ノウハウや知恵を共有できる」といったメリットがあげられます。 ロールプレイングでは、客観的なフィードバックをもらうことができるため、自分自身の悪癖や不足している部分を把握することができます。したがって、課題などを知ることができ、研修を今後成長していくための足がかりとすることができるでしょう。また、実際に何度も訓練していくことで、本番でもスムーズに進められるための成功イメージを植え付けることができます。加えて、研修で実施したノウハウや知恵をストック化していくことで、会社として営業スキルを底上げしていく事ができます。
ロールプレイング研修の注意点
ロールプレイング研修の注意点として、「緊張感の欠如」があります。ロールプレイング研修は社内で行うことがほとんどのため、顔見知りである同僚などと実施すると馴れ合いになってしまいがちです。ひどい場合は私語が飛び交ってしまう場合もあります。また、毎度同じようなシーンや形式で実施すると、取るべき対応も決まってくるため、新しい課題が見つけづらくなります。そのため、必要に応じて内容や形式を見直したり、あらかじめ種類をストックしていく必要があります。このような状態をなるべく減らすためにも、大会形式で実施して研修参加者同士を競わせたり、普段と違う場で実施するなど、常に緊張感をもって臨めるような準備や環境づくりは必要不可欠です。
03ロールプレイング研修の実施方法
前項で紹介したように、ロールプレイングは接客や営業などのコミュニケーションを伴う業務において、実際の場面を想定して訓練することを指します。では、実際にロールプレイング研修はどのように実施するのでしょうか。ここでは実施方法や種類について解説していきます。
ロールプレイング研修のやり方
ロールプレイング研修は実際の場面を想定して行われるため、「役割設定」「場面設定」の大きく2つを具体的に設定する必要があります。
「役割設定」では、ロールプレイングでの役割を設定します。例えば、接客のロールプレイングであれば「販売員役-顧客役」、営業のロールプレイングであれば「営業役-顧客役」といったように組み合わせには様々なパターンが存在します。これらは、ロールプレイングを2人で実施する場合の想定ですが、3人で行う場合は追加で「オブザーバー」の役割が増えます。2人の場合は早いサイクルで何度も実施することが可能ですが、3人の場合は「オブザーバー」の役割の人がその場を客観的に見ることができるため、フィードバックの質が高くなります。
「場面設定」では、実際のケースを設定します。ロールプレイング研修は実際の場面を想定して実施するため、ある程度の緊張感が必要不可欠です。したがって、実際の場面を曖昧にして進めてしまうと緊張感がなく研修自体が良いものになりません。 例えば、接客のロールプレイングであれば販売員役は「初めて来店したお客様なのか、常連なのか」「接客のゴールはどこなのか」、顧客役は「販売員役と同じ設定」「どのような目的で来店したのか」などの場面設定が必要です。 なるべく、本番さながらの緊張感を作るためにも、場面設定は入念に準備していく必要があります。このように、「役割設定」「場面設定」の両方を設定することで本番に近い環境を作ることができ、実際の場面でも活かしやすくなります。
ロールプレイング研修の種類
一般的にロールプレイング研修は4種類あります。導入シーンや得られる効果が異なるため、自社の社員や目的によって実施する内容は変更していくことがおすすめです。
ケース型ロールプレイング
最も多く実施されるロールプレイングで、一般的にロールプレイング研修というとケース型ロールプレイングが実施されます。具体的には特定の場面を想定し、顧客の業種や立場、課題などの細かい条件が設定された状況の中でロールプレイングをおこないます。 実施後に、営業側の対応やトーク内容、クロージングなどが適切に行われていたかをフィードバックしてもらうことで、自身の課題を認識することができます。
問題解決型ロールプレイング
実際に発生した、もしくは過去に起きた問題をテーマに実施するロールプレイングです。 問題発生時の対応をさまざまな視点から協議し、新たな解決策を見出すことができます。例えば、過去に失注した商談など、具体的な商談の事例をテーマに問題点を複数人で協議します。これらを実施することにより、新人やスランプになっているベテランなどの軌道修正を行えるという効果があります。
モデリング型ロールプレイング
代表者がロールプレイングをおこない、他のメンバーで代表者の真似をするロールプレイングです。全員を同じスタンスに立たせたい場合や、イメージを共有させたい場合に効果的です。講座形式で研修を実施している場合に実践をイメージしてもらう、個別のロールプレイングに入る前に試してみる等でおこなわれることが多いでしょう。例えば、トップセールスを代表者に置くことで成功する商談や接客のイメージを共有することができます。
グループロールプレイング
グループごとに分かれ、同じテーマでそれぞれの役割を変えながら繰り返し実施するロールプレイングです。全員がそれぞれの立場に立つことができるため、顧客の立場に立って考えることができます。そのため、対応方法を広い視野で考えられ、幅広い対応方法を考えることができるようになります。 このようにロールプレイング研修には様々な種類があり、置かれている状況や目的に応じて実施する内容は異なります。研修を通して、どのような状態になっていてほしいかを鑑みて、選定していくことが良いでしょう。
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04効果をより高めるためにはフィードバックが重要
細かい役割設定や環境づくりは必要不可欠ですが、どのようなフィードバックをしていくかも重要です。フィードバックの内容や仕方次第で参加者の学びは変わっていくからです。 では、フィードバックで注意するべき点はどのようなところにあるのでしょうか。ここではフィードバックの仕方について解説していきます。
フィードバックで考慮するべき項目
オブザーバーを参加させると客観的な視点が入るため、フィードバックの質があがるということは紹介しましたが、どうしてもオブザーバーを用意できない場合もあることでしょう。 そういったときのために、事前にフィードバックする項目を用意しておくことが良いでしょう。具体的には以下があげられます。 ・声掛け、あいさつはできているか ・態度、動作は不自然でないか ・身だしなみは綺麗か ・話し方、言葉遣いに失礼はないか ・商品知識は十分にあるか ・会話力、対応力は問題ないか ・ニーズの汲み取りはできているか ・クロージングの仕方に無理がないか これらを点数化することで、わかりやすく不足している項目を可視化でき、評価自体もスムーズに行えるでしょう。仮にオブザーバーがいても、項目があることで事前に共有の工数を軽くすることができるでしょう。以下のように、シートなどを作成し、過去を振り返ってみれるようにしてもいいかもしれません。
良かった部分も共有する
フィードバックとなると、どうしても悪い点のあら探しになってしまいがちです。欠点だけを指摘されても、評価対象者はモチベーションを落としてしまう可能性もあります。したがって、ロールプレイング終了後はまず良かった点を伝え、長所を伸ばすためのアドバイスをしていくことが良いでしょう。また、悪かった部分や改善点についても単に指摘するのではなく、「こうすればもっと良くなる」といったように伝えていくこともおすすめです。 フィードバックの目的はロープレを通じた営業スキルの向上のため、これから営業現場に出ていくメンバーの自発的な取り組みを促す意識を忘れないことが重要です。
05ロールプレイング研修の事例
ロールプレイング研修は実施環境の整備や目的に応じて実施する研修を選定していく必要があります。では実際に企業はどのような形で実施しているのでしょうか本項では、事例を踏まえて紹介します。
(「おもてなしロールプレイング・コンテスト」の取り組み)タカミブライダル
ウエディングドレス・和装・タキシードのレンタルや、リゾート挙式など結婚式を総合プロデュースするタカミブライダル。CS向上とおもてなしのスキルアップを目的とし、婚礼衣装をコーディネートする「ブライダルスタイリスト」の接客コンテストを立ち上げました。ドレスなどのフィッティングにおける接客は通常、フィッティングルーム内で実施するため外から見えませんでしたが、ロールプレイング・コンテストを通して視える化を実現。 審査員は役員以上が実施するコンテスト形式にすることで、緊張感を持ってロールプレイングを実施することができ、従業員同士が学び合う機会を創出した事例です。
▼IT人材について詳しく知りたい方はこちらから▼
【参考】ウエディング業界初「おもてなしロールプレイングコンテスト」を開催 | 高見株式会社
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など
06研修にはSchooビジネスプランがおすすめ
Schooビジネスプランでは約8,500本の授業をご用意しており、様々な種類の研修に対応しています。その上、自己啓発にも効果的な内容の講座を毎日配信しているため、研修と自己啓発の両方に対応することができるシステムになっています。研修と自己啓発を掛け合わせることにより、誰かに要求されて学ぶのではなく、自発的に学び、成長していく人材を育成することが可能になります。ここでは、Schooビジネスプランの具体的な活用方法と、特徴、さらにはどのようなメリットがあるのかを解説します。
1.研修と自己啓発を両方行うことができる
schooビジネスプランは社員研修にも自己啓発にも利用できるオンライン学習サービスです。通常の研修動画は、研修に特化したものが多く、社員の自己啓発には向かないものも少なくありません。しかし、Schooの約8,500本にも上る授業では、研修系の内容から自己啓発に役立つ内容まで幅広く網羅しているため、研修と自己啓発の双方の効果を得ることができるのです。
2.新入社員研修におすすめのSchooの研修パッケージ
様々な研修に対応できるSchooビジネスプランの研修パッケージですが、もちろん新入社員研修にも対応しています。Schooの新入社員研修パッケージには、新入社員がまず身につけなければならないビジネスマナーや報連相に関する知識から、ビジネスパーソンとして必要なOAスキルやコミュニケーションスキルまでがラインナップされており、新入社員に必要なスキルや知識をこの研修パッケージで網羅できます。
さらに、社員に研修動画を受講してもらった後に、意見の共有会やディスカッションを行うことで、学んだことをより効果的に定着させることができます。
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3.管理画面で受講者の学習状況を可視化できる
Schooビジネスプランには学習管理機能が備わっているため、研修スケジュールの作成を容易に行うことができます。さらに、社員の学習進捗度を常に可視化することができる上に、レポート機能を使って学んだことを振り返る機会を作ることも可能です。ここでは学習管理機能の使い方を簡単に解説します。
まず、Schooビジネスプランの管理画面を開き、「研修を作成するという」ページで作成した研修の研修期間を設定します。ここで期間を設定するだけで自動的に受講者の研修アカウントにも研修期間が設定されるため、簡単にスケジュールを組むことができます。
この、管理者側の管理ツールでは受講者がスケジュール通りに研修を受けているかを確認することができます。もし決められた研修をスケジュール通りに行っていない受講者がいれば注意したり、話を聞くことができるなど、受講者がしっかりスケジュールを守っているかを確認することができます。
07まとめ
本記事ではロールプレイング研修のやり方や種類、フィードバックの方法などを紹介しました。ロールプレイング研修の目的は営業や接客における実践力を身につけることです。したがって、研修で実施したことが現場で活きるように、なるべく再現性をもたせて実施していくべきでしょう。本記事を通して、ぜひ効果的なロールプレイング研修を実施していただければと思います。
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ITベンチャーの起業などを経て2005年に米マイクロソフト本社に入社。業務執行役員としてパワポなどの責任者を経て独立。全メンバーが週休3日・リモートワーク・複業の株式会社クロスリバーを2017年に創業し、815社17万人の働き方と成果を調査・分析。各社の人事評価上位5%の行動をまとめた書籍『トップ5%社員の習慣』は国内外で出版されベストセラーに。