更新日:2026/03/28

ラーニングピラミッドとは?学習定着率との関係性や活用例・ポイントを解説

ラーニングピラミッドとは?学習定着率との関係性や活用例・ポイントを解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

ラーニングピラミッドとは、学習方法によって学びの深さや理解のしやすさが異なるという考え方を、ピラミッド型で表したものとして広く知られています。これは、講義や読書といった受動的なインプット学習よりも、グループ討論や他人に教えるといった能動的なアウトプット学習(アクティブラーニング)が効果的であることを示唆しています。本稿では、ラーニングピラミッドの内容や要素、活用のポイントまで解説します。

 

01ラーニングピラミッドとは何か?

ラーニングピラミッド

ラーニングピラミッドとは、学習方法と学習定着率の関係をピラミッド型の図で表した理論です。これはアメリカ国立訓練研究所(NTL)が学習活動の概念として研究したもので、7つの学習方法が定着率の高い順に並べられています。

ピラミッドは下層になるほど定着率が高く、「グループ討論」「自ら体験する」「他人に教える」といった能動的なアウトプット型の学習(アクティブラーニング)が、受動的なインプット型の学習(講義、読書など)よりも効果的であることを示唆しています。


 

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7つの段階と学習定着率

ラーニングピラミッドの7つの段階と学習定着率は以下のとおりです。

  • ・講義を受ける【5%】
  • ・読書する【10%】
  • ・視聴覚学習(ビデオ・音声)【20%】
  • ・実演(デモンストレーション)【30%】
  • ・グループ討論【50%】
  • ・自ら体験する【75%】
  • ・他の人に教える【90%】

この章では、それぞれの学習方法について詳しく紹介します。

講義を受ける【5%】

「講義を受ける」という学習方法は、1人の講師が多人数に向けて一方的に知識を説明する座学的な学習方法です。これは、ピラミッド上層に位置する受動的なインプット型の代表例です。アメリカ国立訓練研究所(NTL)の実験では最も低い平均学習定着率5%が示されています。

読書する【10%】

読書は、書籍などを通じて知識を学ぶインプット型の学習方法です。自分の意志で文字を読むという能動的な要素が加わるため、講義(5%)よりも定着率はわずかに上がります。ただし、平均学習定着率は10%程度と低く設定されています。これは、ただ本を読むというインプットだけでは得られた知識の多くが忘れられてしまうためです。

視聴覚学習(ビデオ・音声)【20%】

視聴覚学習(ビデオ・音声)は、eラーニングのように、音声や動きのある動画を用いて知識を学ぶインプット型の学習方法です。活字だけの読書や静止画と比べて、動画や音声は情報量が豊富であり、脳により大きなインパクトを与えるため、記憶に残りやすくなるとされます。この方法の平均学習定着率は20%とされています。

実演(デモンストレーション)【30%】

実演(デモンストレーション)は、スキルを持った人が実際に行う姿を見たり、工場見学に行ったりして、実験や実技を体感しながら学ぶ学習方法です。活字や動画による学習と比べて、実際に目や耳などで体感することで脳に大きなインパクトを与え、記憶に残りやすくなります。この方法の平均学習定着率は30%とされています。

グループ討論【50%】

グループ討論は、設定された議題に基づき、複数の受講者が議論しながら学びを深める、能動的なアウトプット型学習の始まりの段階です。この学習方法の平均学習定着率は50%とされており、受動的な学習と比較して定着率が飛躍的に向上します。定着率が高い根拠として、他者の意見や理解度が「思考の拡張」や「安心・納得」をもたらし、「気づきの連鎖」が生まれる点があります。

自ら体験する【75%】

自ら体験するという学習方法は、OJTやロールプレイング、フィールドワーク、経営シミュレーションなど、実際に課題に取り組み、自らの手や体を動かしながら知識をアウトプットし、実践で活用できるスキルを身に付けていく手法です。この段階の平均学習定着率は75%と非常に高い結果となっています。インプットで得た知識を自ら使ってみて、その結果を体感するプロセスを経ることで、知識が本当に使えるスキルへと変化していくのです。

他の人に教える【90%】

他人に教えることは、OJTでの指導役や社内講師として、学んだ知識や経験を他者に伝える能動的なアウトプット型学習の最上位に位置しています。この学習方法の平均学習定着率は90%と最も高いです。その根拠は、他者に教えるプロセスで、知識を振り返り、曖昧な点を調べ直して整理することで、何度も復習する効果が生まれるためです。


 

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02企業で活用できるラーニングピラミッドの要素

ラーニングピラミッドの数値的根拠は乏しいものの、能動的な学習(アクティブラーニング)が受動的な学習より効果的という原則は研究で支持されています。また、学習はインプットではなくアウトプット(想起)において生じるという原理(テスト効果)が根拠となり、知識を他人に教える段階で特に高い定着率を実現します。企業はこれらの実証された原理を活かし、研修で対話や実践を重視することが推奨されます。

アクティブラーニング

アクティブラーニングとは、学習者が思考、議論、実践、創造を通じて能動的に情報を処理し、知識を構築するアウトプット型の学習形態です。ラーニングピラミッドにおいて、グループ討論【50%】、自ら体験する【75%】、他人に教える【90%】の下層3層がこのアクティブラーニング(能動的な学習)に該当します。

VUCA時代においては、企業内の学びも、従来型の「与えられる画一的な学び」から「選ぶ自律的・協働的な学び」へとアップデートすることが必須とされています。

想起練習

想起練習とは、学習内容を積極的に思い出す(アウトプット)する行為であり、このプロセスが長期記憶の定着を促す「テスト効果」として知られています。現在の心理学では、学習は材料のインプットではなく、アウトプット(想起)において生じると考えられています。そのため、熟読を繰り返すよりも想起を多く実施した方が、時間が経過した後も忘却が緩やかになり、最終テストの成績が良くなるのです。

 

03ラーニングピラミッドを活用した人材育成例

学習内容や企業の置かれている環境によって、学習方法を適切に選択する必要があります。一方で、どのような学習方法を選択しても、インプットとアウトプットを組み合わせることを意識すると良いでしょう。この章では、オンライン学習サービスSchooを活用した人材育成例について紹介します。

▶︎関連記事:ブレンド型学習とは?活用する5つのメリットと有効性を高める方法を解説

オンライン講座×OJT

Schooのオンライン講座とOJTの組み合わせは、知識のインプットと実践的なアウトプットを分担し、育成の再設計と効率化を可能にします。OJTはラーニングピラミッドにおいて、平均学習定着率75%を誇る「自ら体験する」段階に該当し、実際に手を動かすことでスキルを習得する能動的な学習です。

従来のOJTは上司の経験や時間に依存し、最新知識の伝達に限界がありました。これに対し、Schooの授業動画を活用することで、基礎知識やノウハウといった「知識の伝達」(インプット)を動画やAIに任せて標準化し、OJTの質を高めます。これにより、上司は"答えを教える"ことから、実践の場での"問いと伴走"に役割を特化でき、アウトプットを促進します。

オンライン講座×集合研修

ビジネスパーソンの「学習設計マニュアル」

Schooのオンライン講座と集合学習機能の組み合わせは、動画による効率的な知識のインプットと、学習者同士のコミュニケーション(グループ討論)を同時に実現します。この集合学習機能では、社内メンバーが録画授業をリアルタイムで一緒に視聴しながらチャットで会話や質疑応答を行うことで、受け身になりがちな動画学習を能動的な学びの場に変えます。これは、ラーニングピラミッドにおいてグループ討論【50%】が能動的な学習の始まりとされる原則に沿っています。

学習プラットフォーム×社内勉強会

Schooと社内勉強会を組み合わせることで、能動的な学習の場を効率的に創出できます。社内勉強会は、ラーニングピラミッド上のグループ討論【50%】や他者に教える【90%】に該当する、高い定着率を持つ学習形態です。Schooの動画コンテンツをインプット資源として活用し、「集合学習機能」を使えば、動画を見ながらチャットでリアルタイムに対話し、他者の視点を共有できます。これにより、勉強会を「知の共有」から、業務で使える学びへと落とし込むことが可能です。


 

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04ラーニングピラミッドを活用する際のポイント

ラーニングピラミッドを活用する際は、「能動的な学びの手法を取り入れること」と「自社の環境や学習の目的にあった方法を設計すること」を意識すると効果的です。

能動的な学びの手法を取り入れる

「グループ討論【50%】」や「自ら体験する【75%】」といったアウトプット重視の活動を通じて、学習内容を自ら処理し、知識を構築するプロセスが、深い理解と記憶への符号化を助け、知識を本当に使えるスキルへと変化させます。また、他者と学ぶ活動(グループ討論など)を取り入れることで、安心・納得や気づきの連鎖が生まれ、受講者の動機づけが向上します。さらに、他者に教える【90%】ことは、知識を振り返り、調べ直す復習効果を生み、最も高い定着率につながります。

自社の環境や学習の目的にあった方法を設計する

ラーニングピラミッドで示されている特定の学習方法が、絶対的に優れているわけではありません。企業で活用する際は、自社の状況を鑑みて、柔軟な教育戦略を採用することが重要です。例えば、リモートワークに対応しつつ深い理解を得るには、知識のインプットをeラーニングで効率化し、集合研修ではグループ討論や実践(OJT/体験)などアウトプットと対話・内省に特化させるハイブリッド学習(反転学習)が効果的です。

 

05人材育成を学ぶならSchooのオンライン研修

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オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。

受講形式 オンライン
(アーカイブ型)
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人材育成を学ぶのにおすすめの講座

この章では、オンライン研修サービスSchooの講座から、人材育成の知識習得におすすめの講座を紹介します。

ビジネスパーソンの『学習設計マニュアル』

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この授業では、学校教育の勉強とは異なるおとなの「学び方」について学びます。今の自分に適した学習を設計できるように、インストラクショナルデザイン(ID)の研究者である熊本大学・鈴木克明教授からおとなの「学び方」について学んでいきましょう。

  • 熊本大学 教授システム学研究センター 教授

    1959年生まれ。Ph.D.(フロリダ州立大学教授システム学専攻)。ibstpi®フェロー・元理事(2007-2015)、日本教育工学会監事・第8代会長(2017-2021)。主著に『学習設計マニュアル』(共編著)、『研修設計マニュアル』、『教材設計マニュアル』などがある。

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意欲が高まる学習目標デザイン

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この授業では、学習することの自分なりの意義を見出すための目標設定の仕方について学びます。自らの目標設定の方法から、行動に移してから継続させるための目標の管理方法まで、この授業では学んでいきます。

  • ㈱LEBEN CAREER CEO

    秋田県は男鹿市の生まれ。大学卒業後、小売流通業界にて店舗運営責任者として従事。帰国後、製薬業界にて人事戦略室、社長秘書室、人事総務業務に従事。2014年に人材開発事業「LEBEN CAREER」を創業し、法人設立後は代表取締役に就任。専門領域は、キャリア変革を目的とした行動変容的アプローチ。

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研修の組み立て方 ‐ 設計・実施・評価

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この授業では、研修の設計から実施、評価までの一連の組み立て方について学びます。研修担当者のために研修の設計・実施・評価がデザインできるように、インストラクショナルデザイン(ID)をベースにヒューマンパフォーマンスインプルーブメント(HPI)、プロジェクトマネジメント(PM)の考え方を掛け合わせたビジネスインストラクショナルデザイン(BID)を基に研修の組み立て方について、講師2名のデモンストレーション形式で学んでいきます。

  • サンライトヒューマンTDMC株式会社 代表取締役社長

    熊本大学大学院 教授システム学専攻 非常勤講師。製薬業界での営業、トレーニング部門を経て、起業。HPIやIDを軸とした企業内教育のコンサルティングやインストラクショナルデザイナー、インストラクターを育成する資格講座の運営を行っている。IDの実践方法を提供してきた会社は100社、4,000名を超える。

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06まとめ

ラーニングピラミッドは、能動的学習(アウトプット)が受動的学習(インプット)より定着率が高いという原則を示唆する理論です。企業は、この原則を基に、OJT(自ら体験)やグループ討論といったアクティブラーニングを取り入れ、インプット(オンライン講座)と組み合わせたハイブリッド学習を設計することで、自社の環境や目的に合った効果的な人材育成を実現することが重要です。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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