3年目の壁とは?具体的な悩みから乗り越えるための方法について解説

「3年目の壁」とは、仕事に慣れてくる入社3年目頃に、キャリアの停滞感やモチベーションの低下、将来への不安などを感じ、成長が止まっているように思えたり、転職を考え始めたりする状況を指します。3年目の壁は、本人にとって大きな悩みとなるだけでなく、企業にとっても若手社員の意欲低下や離職につながり得るため、看過できない課題です。この記事では、3年目の壁が発生する要因を整理したうえで、個人としての向き合い方、組織でできる対策、マネジメントのポイントについて解説します。
- 01.3年目の壁とは
- 02.3年目の壁を乗り越えるには
- 03.3年目の壁に対して企業ができる対策とは
- 04.3年目の壁に対するマネジメントのポイント
- 05.若手社員育成に役立つSchoo for Business
- 06.まとめ
013年目の壁とは
「3年目の壁」とは、社会人経験3年目頃に多くの人が直面する、仕事へのモチベーションの低下や成長の停滞感を指す言葉です。厚生労働省の調査では、令和4年3月新規大卒就職者の就職後3年以内離職率は33.8%であり、約3人に1人が入社後3年以内に離職していることが示されています。これは「3年目の壁」が離職の直接的な原因であることを示すものではありませんが、入社後数年の若手社員に対する育成・定着支援の重要性を考えるうえで、参考となるデータといえます。
組織の視点では、「3年目の壁」とそれに伴う若手社員の離職は単なる人員減少にとどまらない影響を及ぼす可能性があります。新入社員の頃から実施してきた研修やOJTへの投資が、本人の成長や組織への貢献として十分に還元される前に離職によって回収しきれなくなることがあります。また若手層が薄くなることは、次世代リーダー候補の減少にもつながりかねません。
▶︎参考:厚生労働省|新規学卒者の離職状況
3年目の壁が発生する要因
3年目の壁が発生する要因には、主に以下の5つがあります。
- ・仕事のマンネリ化とモチベーション低下
- ・責任の増大とプレッシャー
- ・市場価値への不安や焦り
- ・キャリアの方向性が見えない不安
- ・成長実感の低下
仕事のマンネリ化とモチベーション低下
入社3年目頃になると、業務の基本的な流れを習得し終え、日々の仕事が定型化していきます。入社当初に感じていた新鮮さや学びの手応えが薄れ、同じ業務の繰り返しに飽きを感じやすくなる時期です。こうした状況が続くと、やりがいや成長実感の低下につながり、仕事へのモチベーションが下がりやすくなります。
責任の増大とプレッシャー
業務習熟度が上がるに伴い、入社3年目頃の若手社員は、それまでと比べて周囲からのサポートが減り、より自律した業務遂行や複雑な職務を期待されることがあります。チーム内での後輩指導といった、これまでと性質の異なる役割を任されるようになることもあります。こうした変化はやりがいにつながる可能性がある一方、本人の負担感やコンディションによって、働き続けることへの不安や悩みの要因にもなり得ます。
市場価値への不安や焦り
Schoo for Businessの授業『「ゆるい職場」の著者が解説 ‐ 20代で差がつくキャリア』に登壇する古屋星斗先生は、20代の若手のうちキャリアへの意識の高い人ほど焦りを感じている傾向があると述べています。自律的なキャリア形成を進めたい若手社員ほど、将来の選択肢を広げるために自身の市場価値を高めたいと考えやすくなります。現在の職場で得られる経験や成長機会が限られていると感じた場合、不安や不満を抱きやすくなると考えられます。
キャリアの方向性が見えない不安
業務習得がある程度落ち着いた入社3年目頃は、自身の置かれた環境を俯瞰し今後のキャリアについて考えを巡らせやすいタイミングです。ここで、現在の業務や環境の延長線上にキャリアの方向性が見いだせないと不安につながりやすくなります。「今のスキルは社内でしか通用しないのではないか」「5年後10年後に目指したいと思えるロールモデルが社内で見つからない」といった不安が具体例として挙げられます。
成長実感の低下
業務習熟度が高まり後輩指導などにも関わるようになると、会社から与えられる学びの機会は相対的に減少することがあります。担当業務への慣れが進むと新しい知識を吸収する機会が減り、「成長が止まった」と感じやすくなります。「最近、何も学べていないのではないか」という感覚は、今後のキャリアの選択肢を広げるうえでの焦りにもつながりやすく、目の前の業務に意義を見いだしにくくなる要因にもなります。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

023年目の壁を乗り越えるには
3年目頃の若手社員は、少し立ち止まって自分の置かれた環境やキャリアを俯瞰しやすいタイミングです。このような状況において有効なのが「ジョブクラフティング」です。ジョブクラフティングとは、個人が自らの仕事の内容や関係性、捉え方を能動的に変化させることで、より意味のある仕事に作り変えていく行動を指します。ここでは、Schoo for Businessの授業『今の仕事を前向きに捉える』を参考に、3つの手法を解説します。
タスククラフティング
「タスククラフティング」とは、従業員がより主体的に働くために、業務の範囲や進め方を自ら見直し工夫することです。具体的には、単調なルーティン作業の順序を効率化する、あるいは自分のスキル向上につながる新しいタスクを意図的に取り込むといった工夫が挙げられます。自ら業務の内容や進め方を見直すことは、結果責任を負うというプレッシャーにもなりますが、自身が本当に価値があると思えることを実行しやすくなり、意義を見出しやすくなるという側面もあります。
関係性クラフティング
「関係性クラフティング」とは、仕事で関わる人への接し方やコミュニケーションを工夫すること、またはネットワークを広げることなどによって、人間関係の質や関わり方を主体的に変えていく手法です。単に相手に気に入られようとするのではなく「本当の信頼関係を構築していく過程」であることが重要です。例えば上司との関係であれば、相手に迎合するのではなく、上司の成功と自分の成功が重なる点を見つけ、互いに協力するなど、業務遂行の観点から建設的な関係性を築くことが重要です。
認知的クラフティング
「認知的クラフティング」とは、仕事の捉え方や考え方、意味づけを主体的に見直す手法です。仕事を「会社から言われたからやるもの」「給料のためにやるもの」と捉えてしまうと、受け身の姿勢になりやすく仕事を単なる作業と感じやすくなります。仕事を「顧客への提供価値」や「自分が得られるスキル」といった別の角度から捉え直し、意義を定義し直すことが、認知的クラフティングの目的です。
033年目の壁に対して企業ができる対策とは
3年目の壁や、それによる若手社員の離職は、中長期的に組織の人材基盤を脆くする可能性があり、企業にとっても重要な課題です。以下の4点について紹介します。
- ・組織内での信頼関係の構築
- ・心理的安全性の確保
- ・キャリア安全性の確保
- ・3年目社員研修の実施
組織内での信頼関係の構築
3年目の壁に企業がアプローチしていくには、本人の意向や考え方を把握すること、そしてそのための対話が欠かせません。すべての対策の土台となるのが、上司や先輩と若手社員の間の信頼関係です。信頼関係を築くには、上司や先輩が日常的に若手に関心を持ち、必要に応じて声をかけ、支援する姿勢を見せることが出発点となります。こうした関係性の蓄積は、若手社員が「この組織で働き続けたい」と感じる土台となり、3年目前後に生じやすい離職意向の高まりを抑える基盤になります。
心理的安全性の確保
心理的安全性とは、対人関係上の不安やリスクを過度に恐れることなく、疑問や意見、懸念を率直に共有できる組織・チームの状態を指す言葉です。Googleの調査でも、心理的安全性は効果的なチームを支える重要な要素の一つとして示されています。心理的安全性が高いチームでは、意見交換や相談、問題提起がしやすくなり、チームの学習や協働が促進されることが期待できます。
キャリア安全性の確保
Schoo for Businessの授業『「ゆるい職場」の著者が解説 ‐ 20代で差がつくキャリア』に登壇する古屋星斗先生が提唱した「キャリア安全性」とは、「自分がその職場にいて、キャリアの選択権を持ち続けられる」という認識のことです。「今の会社の仕事をしていても成長できないと感じる(時間視座)」「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じる(市場視座)」「学生時代の友人・知人と比べて差をつけられていると感じる(比較視座)」という3つの視点における不安が大きいほど、キャリア安全性は低くなるとされています。キャリア面談やOJTを通じてこれらの視点を踏まえた対話を行うことは、キャリア安全性を高め、3年目の壁への予防的なアプローチにもなるでしょう。
3年目社員研修の実施
入社3年目の社員は新入社員時と比べると教育訓練の機会が少なくなりやすいことや、「3年目の壁」という共通した課題を抱えやすいことを踏まえると、3年目社員を対象とした研修を実施することも一つの手段です。例えばSchoo for Businessの「3年目研修パッケージ」では、中堅社員になる上での役割の変化とマインドチェンジ、ロジカルシンキング実践トレーニング、チームを動かすフォロワーシップ、キャリアの整理整頓、OJTの方法、アサーティブコミュニケーションなどのテーマを紹介しています。
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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など

043年目の壁に対するマネジメントのポイント
3年目の壁に対するマネジメントのポイントには、主に以下の3つがあります。
- ・1on1ミーティングで本音の対話を行う
- ・挑戦的な役割やタスクを任せる
- ・ポジティブなフィードバックを行う
1on1ミーティングで本音の対話を行う
定期的な1on1ミーティングは、部下の漠然とした不安やキャリアへの迷いを把握するための重要な機会です。業務報告の場ではなく、部下の状況や考え、キャリアへの意向を理解するための対話の場として位置づけることが重要です。Schoo for Businessの授業『もっと心を開いてほしいときの1on1相談室』(講師:大坂谷勇輝先生)では、1on1で発生する沈黙を意義のあるものとして受け入れることや、聞き手である上司が分からないことを無理に理解したふりをせず一緒に考えるスタンスを取ることなど、具体的なアドバイスが紹介されています。
挑戦的な役割やタスクを任せる
仕事のマンネリ化や成長停滞感を打破するために、部下の現在の能力を少し超える挑戦的なタスクを任せることは有効な手法の一つです。これは「ストレッチアサインメント」と呼ばれ、経済産業省「人材版伊藤レポート2.0」においても社員エンゲージメント向上策として位置づけられています。適度な負荷のある業務を経験することで、主体的な学習が促進され、専門性の獲得やモチベーションの回復につながる可能性があります。
ポジティブなフィードバックを行う
ポジティブフィードバックとは、相手の存在や行為、結果について肯定的な言葉で伝えるコミュニケーションです。Schoo for Businessの授業『パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」』に登壇するヴィランディ牧野祝子先生は、ポジティブフィードバックには「モチベーション向上」「自信の向上」「人間関係の改善」「仕事への理解度の向上」「部下の主体性の向上」という5つの効果が期待できることを紹介しています。3年目の壁で生じやすい自信のなさや不安に対して、上司からの肯定的な承認は大きな支えとなり得ます。
05若手社員育成に役立つSchoo for Business
オンライン研修/学習サービスのSchoo for Businessでは約9,000本の講座を用意しており、DXほか様々な種類の研修に対応しています。
| 受講形式 | オンライン (アーカイブ型) |
| アーカイブ本数 | 9,000本 (新規講座も随時公開中) |
| 研修管理機能 | あり ※詳細はお問い合わせください |
| 費用 | 1ID/1,650円 ※ID数によりボリュームディスカウントあり |
| 契約形態 | 年間契約のみ ※ご契約は20IDからとなっております |
若手社員におすすめの講座
ここでは、Schoo for Businessの講座から、若手社員におすすめの講座を紹介します。
ビジネスパーソンに必要な内省と自己分析
この授業では、自分の内側にしかない正解をどのように導き出すのか、その必要性を交えながら学ぶことができます。現代のビジネスパーソンに求められるキャリアの考え方・心から望む生き方・働き方を見つけるために内省習慣と自己分析などを解説しています。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
キャリアの"これから"を武器にする
この授業では、仕事の意味づけを変える視点と、新たな挑戦に踏み出すための自己効力感を学ぶことができます。自身のキャリアを前向きに再構築するヒントや考え方を、全2回にわたって解説しています。講師は、パーソルイノベーション株式会社 Reskilling Camp Company 代表の柿内秀賢先生です。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
背伸びをしないメンタルトレーニング
この授業では、メンタルトレーニングの基本「自分を客観的に理解すること」を学ぶことができます。目標に対するプレッシャーや負担を感じている方・頑張り続けるためにモチベーションの維持が不可欠だと感じている方におすすめの授業です。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
若手社員の育成担当者におすすめ講座
続いてここでは、若手社員の育成担当者におすすめ講座を紹介します。
もっと心を開いてほしいときの 1on1相談室
この授業は、ケーススタディ形式で、皆さんと一緒に「望ましい1on1のあり方」を考えていく授業です。コーチングの考え方やアプローチも取り入れながら、部下や後輩との関わり方のポイントを学びます。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」
ポジティブフィードバックとは人や物・出来事の良い面を指摘するフィードバックの一種です。このコースでは、チームのモチベーションをアップさせ、パフォーマンスを改善させる手法について学ぶことができます。講師は、『人、組織が劇的に変わるポジティブフィードバック』の著者であるヴィランティ牧野祝子先生です。
パフォーマンスをアップする「ポジティブフィードバック」を詳しく見る
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
コーチング 目標設定のための4ステップ
このコースでは「コーチング」をテーマにGrowモデルのフレームワーク、部下の意欲や能力を引き出すために大切な考え方、適切な目標設定の手法について学んでいきます。講師は、人材開発領域にてプロコーチとして活躍される大坂谷勇輝先生です。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
人手不足時代の人材定着術
このコースでは従業員の離職原因を紐解きながら、その対策としてとるべきアクションについて学ぶことができます。特に若手社員の価値観の変化を感じつつも、講ずるべきアクションや人材マネジメントに課題がある方におすすめの授業です。
※研修・人材育成担当者限定 10日間の無料デモアカウント配布中。対象は研修・人材育成のご担当者に限ります。
06まとめ
「3年目の壁」は、社会人3年目頃に生じるモチベーション低下や成長の停滞感を指し、業務のマンネリ化やプレッシャーの高まり、キャリア不安などによって発生します。この壁を乗り越えるために個人が取り組めることとして、仕事の捉え方ややり方を主体的に修正するジョブ・クラフティングがあります。組織的な視点では、キャリア安全性の確保、心理的安全性の確保、1on1や挑戦的なタスクを通じたマネジメント支援などにより、若手の不安を解消し、エンゲージメント向上を図ることが大切です。






