更新日:2026/04/11

AI失業は加速する?影響を受ける仕事と需要が高まる仕事、すべき対策を解説

AI失業は加速する?影響を受ける仕事と需要が高まる仕事、すべき対策を解説 | オンライン研修・人材育成 - Schoo(スクー)法人・企業向けサービス

生成AIの急速な普及により、「自分の仕事はAIに奪われるのではないか」という不安を抱くビジネスパーソンが増えています。一方で、近年の調査では、AIが人間の仕事を完全に置き換えるのではなく、定型業務を肩代わりすることで仕事の質を高める「補完」の効果も観察されています。雇用への影響が代替に振れるか補完に振れるかは、職種・タスクの性質・本人のスキル次第で大きく分かれる可能性が高いと言えます。本記事では、AIが雇用に与える影響パターンを整理したうえで、代替リスクが相対的に高い仕事、補完で価値が高まる仕事、影響を受けにくい仕事、新たに需要が伸びる仕事を順に解説し、AI時代を生き抜くために身につけたいスキルを紹介します。

 

01AIの台頭で失業は加速する?

労働の機械化・自動化に関する議論は以前から存在していましたが、2022年11月のChatGPTのリリース以降、生成AIの急速な普及と注目度の高まりによって、「AIの台頭による失業」が改めて注目を集めるようになりました。内閣府「世界経済の潮流 2024 I」(2024年7月)でも、AIは職場に肯定的な効果をもたらすとの見方が多い一方、特に事務的タスクはAIによる効率化、ひいては自動化の可能性があることが述べられています。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査シリーズNo.256「AIの職場導入による働き方への影響等に関する調査」(2025年5月)では、AI使用企業の雇用者のうち16.8%が「自社でAIによって職を失った人を知っている」と回答したことが報告されています。ここからは、AIによる雇用喪失が既に一定数生じている可能性が示唆されます。ただし同調査は、AIの導入が必ずしも雇用喪失一色ではなく、業務の効率化や仕事の質の改善につながっている側面も併せて報告しています。

▶︎参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「AIの職場導入による働き方への影響等に関する調査」(2025)
▶︎参考:内閣府「世界経済の潮流 2024 I」第1章(2024)

AIによって雇用が受ける影響とは

AIによって雇用が受ける影響

内閣府のレポートでは、雇用に対するAIの影響は「補完性」と「AIの影響度」の二軸で整理されています。AIの影響度とは、職業に占めるタスクの性質によって左右され、物理的タスクのシェアが大きい職業ほど低く、事務的タスクのシェアが大きい職業ほど高くなります。また「補完性」とは、その業務における意思決定の重要性・失敗時の社会的影響の大きさで判断され、影響が大きい業務ほど、補完性が高くなります。

この整理のもとで、AIによる「代替」の影響を受けやすい職業は、事務的タスクのシェアが大きく、失敗等があったときの社会的影響が相対的に小さい職業であり、例えば「一般事務員」などが挙げられます。一方裁判官など、事務的タスクのシェアが大きい一方で社会的影響の大きな仕事については、AIに完全に任せることのリスクが高く、補完性が高い職業として整理されます。


 

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02AIの普及で代替可能性が高い職業例

このセクションでは、定型的・反復的なタスクのシェアが大きく、AIによる自動化の対象になりやすいとされる職業として、コールセンター、一般事務員、プログラマーの3つを取り上げます。いずれも「業務全体が消える」というより、「業務の中の自動化可能なタスク部分から順にAIに置き換わっていく」と捉えるのが実態に近いでしょう。

コールセンター

コールセンターオペレーターの業務は、問い合わせ内容の聞き取り、定型的なFAQへの回答、情報入力など、パターン化しやすいタスクが大きな比重を占めています。近年はチャットボットや音声AIの精度向上により、一次対応の自動化が進みやすい領域として位置づけられています。一方で、クレーム対応や複雑な事情を抱えた顧客への対応など、感情面での配慮が必要な領域は、引き続き人間の対応が求められるでしょう。

▶︎参考:「生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策」大和総研調査季報(2024)

一般事務員

事務員や庶務などの仕事は、書類作成、データ入力、定型的な照会対応など、繰り返し型のタスクが業務時間の大半を占める傾向があります。生成AIや業務自動化ツールの進歩により、こうしたタスクは順次代替が進みやすい領域とされており、内閣府レポートでも事務系職種は自動化対象率が高い職種群として整理されています。ただし、組織内の調整・例外処理・部門間の橋渡しといった文脈依存性の高い業務は、人間が担い続ける部分として残ると見られます。

プログラマー

コード生成AIの精度向上により、定型的な実装やデバッグ、テストコード生成などはAIに肩代わりさせやすい領域になってきました。一方で、これはあくまで開発の一部工程における代替・自動化です。要件の解釈、設計判断、コードレビュー、本番障害への対応といった責任を伴うタスクは、依然として人間の力が求められるでしょう。

 

03AIによる補完性が高い職業例

経営コンサルタントやシステムエンジニア、記者などの職業は、AIの影響を大きく受けます。しかし、この職業群は意思決定の重要性が高く、完全に自動化されることに社会的な抵抗があるため、AIによる代替が難しいという特性を持ちます。

経営コンサルタント

経営コンサルタントの業務は、クライアントの経営課題の構造化、関係者との交渉、複雑なデータの解釈、提言の合意形成など、非定型かつ責任を伴うタスクが中心です。生成AIは議事録作成、初期リサーチ、資料の下書き作成といった作業を効率化できるため、コンサルタント本人は仮説構築や顧客との対話といった高付加価値タスクに時間を集中させやすくなります。代替よりも、補完によって生産性が高まる可能性が高い職種と言えます。

システムエンジニア

システムエンジニアは、要件定義、システム設計、関係者との調整、運用判断など、責任の重い意思決定を伴う業務が中心です。生成AIによってドキュメント作成やコードの初期生成が効率化される一方、設計の妥当性判断、非機能要件の検討、トラブル時の原因切り分けは引き続き人間の経験と判断に依存します。AIを使いこなすことで、より上流の設計・アーキテクチャ判断に時間を割けるようになる可能性が高い職種です。

記者

記者の仕事は、現場での取材、情報源との関係構築、裏取り、編集判断、報道倫理に基づく取捨選択など、人間にしかできない判断の連続です。生成AIは記事の下書き作成、文字起こし、誤字脱字チェックなどの定型作業を効率化できますが、誰に話を聞きに行くか、何を報じて何を報じないか、ファクトをどう確認するかといった核心部分は、記者自身の判断に委ねられます。AIによって周辺タスクが軽くなる分、取材と編集判断という本来の専門性に時間を投じられるようになる、補完型の関係が成り立ちやすい職種です。

 

04AIの影響を受けにくい職業例

AIの影響が小さい「低影響」グループは、物理的タスクのシェアが大きい職業群です。近年急速に利用が広がっている生成AIは、言語や画像などの情報処理に強みを持つ一方、人間のような身体的動作を担うにはロボット技術などとの組み合わせが必要です。ただし、周辺領域ではAIの活用が進んでおり、画像診断補助、業務記録の自動化、リハビリ計画の作成支援など、補完的な活用は今後も拡大していく可能性が高い点は押さえておきましょう。

獣医師

獣医師の業務は、動物の診察、手術、投薬判断など、直接的な身体的タスクと専門知識に基づく診断が中心です。こうした業務は生命に関わる意思決定も伴うため、AIの影響は相対的に小さい職種と考えられます。一方で、画像診断の補助や症例データベースの検索など、診断や判断を支援するためのAI活用は徐々に広がっています。

警察官

警察官をはじめとする保安職業従事者は、巡回、現場対応、緊急時の判断など、身体性と状況判断を伴う業務が中心です。AIが単独で物理的な現場対応を担うことは容易ではなく、職務の中核は当面大きく変わりにくいと考えられます。ただし、犯罪分析や監視カメラ映像の解析支援といった領域では、AIの活用が進んでいます。

理学療法士

理学療法士の業務は、患者の身体に直接触れて行うリハビリや治療など、非定型な手仕事の比重が大きい点が特徴です。現在のAI技術では、それ単独で人間のような柔軟な物理動作を再現することは難しく、代替可能性は低いとされています。一方、リハビリ計画の立案や経過記録の効率化といった部分では、AIの補完的活用が広がる可能性があります。

 

05AIの普及で需要が高まる職業例

AI技術の発展は、人の仕事を代替するだけでなく、これまでになかった新しい職種を生み出したり、一部職業の需要を大きく高めたりすると考えられています。ここでは、需要の高まりが想定される職業として、以下について紹介します。

  • ・プロンプトエンジニア
  • ・AI倫理責任者
  • ・自然言語処理の専門家

▶︎参考:Skills-first in OECD countries: Concepts, trends and implications for the labour market | OECD

プロンプトエンジニア

生成AIは高度なタスクにも対応できますが、利用者の指示の出し方や文脈設定によって、アウトプットの質が左右されやすい面があります。その観点から注目を集めているのが、生成AIから望ましい出力を引き出すための指示設計を担うプロンプトエンジニアです。一方で、生成AIの性能向上に伴い、指示設計の巧拙によるアウトプット品質の差は縮小していく可能性もあります。そのため、専門職として残る部分と、多くの職種に求められる汎用スキルへと溶け込む部分の両面があると捉えるのが適切です。

AI倫理責任者

AI倫理責任者(AI Ethics Officer)は、AIの利用に伴うリスク、たとえば差別や偏見の助長、プライバシー侵害、著作権侵害、誤情報の拡散などを最小化するための枠組みを設計・運用する職種です。企業がAI活用を本格化するほど、ガバナンスや説明責任を担う機能の重要性は増していくため、こうした役割は今後さらに重視されると考えられます。

自然言語処理の専門家

自然言語処理(NLP)の専門家は、コンピュータが人間の言語を理解・生成する技術の研究開発や、業務システムへの実装支援を担います。検索、チャットボット、機械翻訳、要約など、生成AIが浸透するほど基盤技術への需要が高まる領域であり、関連する専門人材への需要は今後も見込まれます。


 

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■資料内容抜粋
・大人たちが学び続ける「Schoo for Business」とは?
・研修への活用方法
・自己啓発への活用方法 など


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06AIの普及を前提に重要なスキル

AIの職場での活用を重視する企業が増加するなど、技術の進歩に伴ってビジネスパーソンを取り巻く環境は急激に変化しています。ここでは、今後AIが普及することを前提と考えたときに必要となるスキルを次の3つの観点から解説します。

  • ・AI等の新技術を使いこなすスキル
  • ・AIに代替されにくいスキル
  • ・自律学習するスキル

AI等の新技術を使いこなすスキル

生成AIをはじめとした新しい技術は、業務でうまく取り入れることで大きな生産性向上につながり得ます。このような背景から、一部の企業では、生成AIの活用を昇進要件や業務上の重要要件として位置づける動きも見られます。生成AIの基本や使い方を学ぶことができるオンライン講座、書籍などもあり、自身にあった方法で学び始めることが可能です。また、新技術を使いこなすには「慣れ」が重要です。自分の業務の中で頻繁に繰り返している作業を一つ書き出し、それを生成AIに任せられないか試してみる、といった具体的なアクションを取ることも重要な要素です。

AIに代替されにくいスキル

今後AIの活用がさらに広がることで、定型タスクは人間ではなくAIが担う範囲が増えると予測されています。そうした中で人間に求められるのは、AIに完全には委ねにくい判断や、人間だからこそ価値を発揮しやすい仕事に関わる力です。具体的には、「答えのない問いに向き合う力」や「複雑な意思決定」「対人コミュニケーション」など、文脈依存性の高いスキルは代替されにくいと考えられています。

またSchoo for Businessの授業『Chat GPTと人類 ‐ 時代の論点を探ろう』に登壇する古川渉一先生は、ChatGPTなどの生成AIの普及によって、人は考えなくなるのではなく、むしろより深く考えなくてはならなくなると話しています。これは、生成AIからの情報提供や対話によって、視野が強制的に広がるためです。

自律学習するスキル

近年、さまざまな技術進化を含め、環境の変化スピードが上がっていると言われています。そのような環境では、一度身につけたスキルだけでは対応しきれず、変化に合わせて学び直しが必要になる場面も増えていると言えるでしょう。大切なのは、「なぜ学ぶのか」「何を学ぶのか」「どうやって学ぶのか」を明確にすることです。自身の目指す方向性や志向性、キャリアを明確にし、その実現のためには今、自分に何が必要なのかを考えることが重要です。

▶︎リスキリングの進め方を学べる授業:あなたのキャリアを導く3つの「リスキリングマップ」

 

07AI時代を生き抜くスキルが身に付くSchoo for Business

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AI時代に役立つ講座を紹介

ここでは、オンライン研修サービスSchooの講座から、AI時代に役立つ講座を紹介します。

深く自分の頭で考えるレッスン

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複雑な問題が入り組んだ現代社会では、答えのない問いに向き合い、遠回りをしてもじっくり考える力が求められます。早急に答えを出したくなる気持ちを抑え、自分の力で思考の限界まで考え続けることは、人間にしかできない営みです。本講座では、効率化が求められる時代だからこそ必要となる「脳内編集力」の鍛え方を学ぶことができます。

  • 株式会社HuBeauuu/Ashanti 代表取締役

    これまで4社のファンド投資先の企業価値向上に貢献。働く人の「いま」と「将来」を第一に考え、経営戦略の立案と実行にとどまらず、経営幹部や個人へのトレーニングやコーチングを通して夢や目標を実現。東京大学、東京大学大学院卒業。

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AI時代に求められる「アウトプット型人材」になる方法(樺沢紫苑さん×瀬田崇仁さん特別対談)

AI時代に求められる「アウトプット型人材」になる方法

この授業は、"アウトプットの第一人者"である樺沢紫苑先生と"ひらめきの専門家"の瀬田崇仁先生による特別対談です。AI時代に求められるアウトプット型人材になるための方法を解説しています。

  • 精神科医、作家、映画評論家

    1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年から米国シカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、東京にて樺沢心理学研究所を設立。精神医学の知識・情報の普及によるメンタル疾患の予防を目的にYouTubeやSNSで発信している。著書は累計260万部を超える。

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3ステップで成果が変わる、AIプロンプト入門

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本コースでは、全3回の授業を通して、AIへの指示の出し方の基本から応用までを段階的に学びます。決まったプロンプトの型を紹介するのではなく、AIとの対話の「コツ」を習得することを目標としており、ChatGPTに限らず、ClaudeやGeminiなど他のツールにも応用できる内容です。

  • Notion公式アンバサダー|効率化コンサルタント

    DX・AI導入支援|効率化コンサルタント。1991年千葉県生まれ。NotionFreakという150名以上が参加する効率化コミュニティを運営、毎月10回以上効率化セミナーを開催。法人向けにAIツールや効率化ツールを使って"社長の地蔵化"を実現するための自動化を提供している。

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08まとめ

生成AIの普及は、事務的タスクの自動化を通じて雇用の代替を進める可能性がある一方で、定型業務の肩代わりによって人間の仕事の質を高める補完効果ももたらし得ます。雇用への影響は、影響度と補完性の二軸で整理することができ、コールセンターや一般事務のような定型業務の比重が大きい職種では代替が進みやすい可能性が高い一方、システムエンジニアや記者などの専門職では補完による生産性向上が期待されます。また、物理的タスク中心の職業はAIの直接的な影響を受けにくく、AI関連の新規職種は需要が拡大する方向にあります。ビジネスパーソンに求められるのは、AIを道具として使いこなすスキル、人間ならではの判断力やコミュニケーション能力、そして自律的に学び続ける姿勢の3点です。

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この記事を書いた人
Schoo編集部
Editor
Schooの「世の中から卒業をなくす」というミッションのもと活動。人事担当や人材育成担当の方にとって必要な情報を、わかりやすくご提供することを心がけ記事執筆・編集を行っている。研修ノウハウだけでなく、人的資本経営やDXなど幅広いテーマを取り扱う。
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